グリモア〜私立グリモワール魔法学園〜龍と指輪の魔法使い   作:ゆーふぉにあ

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お久しぶりです
間が空きましたが特に理由はありません
強いて言うなら話が一区切りして気を抜いていたからです
今回はお話回です



虎の面談

「失礼します、神凪怜と神北晴夜です。クエスト終了の報告に来ました」

 

「あぁ、入ってくれ」

 

怜と晴夜は生徒会室へと足を運んでいた。

クエストを終えた報告、また、人面樹が想定外の強さだったことも念のために伝えておく必要があったからだ。

 

「失礼します」

 

「し、失礼します」

 

晴夜は直前に夏海に「生徒会は最強の生徒で構成されているから逆らったら命はない」と脅されていたからか声が上ずる。

 

「お、新しい転校生も一緒か。アタシが生徒会長の武田虎千代だ。よろしく頼むぞ」

 

そう声をかけるのは白い制服に身を包んだ長い髪をしながらもどこかボーイッシュさを醸し出す女性。

 

「神北っス。よろしくお願いします」

 

「そう固くなるな、何も取って食べたりしないさ。さて、それじゃあ報告をしてもらおうか。薫子、きてくれ」

 

虎千代がそう言うと黒髪の女性がやってきて虎千代の横に控える。

大人のお姉さん、そんな言葉が晴夜の頭をよぎった。

 

「はじめまして、生徒会副会長を務めております。水瀬薫子ですわ。以後お見知りおきを」

 

ニコリと微笑む薫子の表情に晴夜はドキリとしてしまう。

それを見た薫子は満足げに微笑む。

 

「さて、じゃあ報告を始めてくれ」

 

「はい、では基本は私からになります」

 

 

 

「以上になりますね。みんなよくやってくれました」

 

ふぅ、と怜は一息つく。

 

「そうか。ご苦労。他に何か変わったところはなかったか?」

 

「特には……いえ、やはり一つだけ」

 

「なんだ?」

 

「通常の魔物より、知能が高いと感じました」

 

「……具体性に欠ける表現ですね、晴夜さんはどう思いましたか?」

 

薫子は訝しげな表情で晴夜へ尋ねる。

そこには先ほどの優しそうなお姉さん、という表情はない。

どっちが本性なのかはわからずとも、晴夜にこの人は危険だという感覚を伝える。

 

「……そもそも魔物と戦ったのが初めてなんでよくわかんないっス。俺からしたらアイツがこれからの基準になると思うんで」

 

「そうですか」

 

「まぁ注意しておくのに越したことはないな。2人ともご苦労。戻っていいぞ。あぁ、神北は残ってくれ。転入生との面談がまだ残っているからな」

 

「面談、ですか?」

 

「あぁ、アタシと二者面談だ。と言っても軽く話しをするだけだ。気負うことはない、神凪と薫子は席を外してくれるか?」

 

「はい、どちらにせよ私は授業に戻りますので。晴夜、会長に失礼のないようにな」

 

そう言って怜は部屋を後にする。

 

 

「クエストの後はその日の授業は免除なんだがな、真面目な奴だ」

 

「では私も失礼しますわ。ごきげんよう、神北さん」

 

「は、はい」

 

薫子は何かを見定めるような表情で晴夜を見つめながら部屋を後にする。

 

「さて、あらためてだがグリモアへようこそ。アタシが生徒会長の武田虎千代だ」

 

「神北晴夜ッス」

 

「うむ、どうだ?1日経ったが学園の居心地は?」

 

「まだちゃんと行ったことのない場所が多いのでなんとも言えませんが、今のところは快適です」

 

「そうか、それは何よりだ。お前は神凪の知り合いだと聞いていたからあまり心配はしていなかったがな」

 

「怜って信頼されてるんですね」

 

晴夜はそれが自分のことのように嬉しくなり、思わず笑みがこぼれる。

 

「品行方正、成績優秀、それに面倒見もいい。少し真面目すぎるところはあるがな」

 

「それは昔からですね」

 

そう言うと2人から自然と笑い声が上がる。

 

「それで、お前は風紀委員に入るのか?確か怜以外の風紀委員の知り合いもいるんだろ?」

 

「はい、氷川さんには学園の案内をしてもらいましたから。でも……風紀委員に入るのは考えてなかったですね」

 

「そうか。なら生徒会には入らないか?神凪と並ぶ実力があるなら十分だろう」

 

「生徒会に、ッスか?」

 

虎千代による勧誘、晴夜は思ってもみなかった申し出に戸惑う。

そもそも転校して2日目で風紀委員や生徒会のシステムについてすらまだ理解していないのだ。

 

「なーに、強制するわけじゃない。転校生もそうだが、この学園では男子は希少でな。争奪戦が激しいんだ。生徒会に入ってくれれば何かあった時に匿いやすい」

 

「匿う……そんな状況になるんすか?」

 

「まぁな、転校生に聞いてみるといい……まぁあいつは特別なところもあるが」

そこまで言うと虎千代はふぅ、と小さくため息をつく。

 

「なんにせよ、生徒会は生徒を守る組織だ。困った時はいつでも来い」

 

「は、はぁ……」

 

晴夜はイマイチ自分の置かれている状況が理解できず曖昧な返事を返すことしかできない。

 

「転校生も同じような反応をしていたな。まぁ先ほども行ったがこの学園では男子生徒が少ない、転校生と2人うまく協力してやってくれ」

 

「うっす!」

 

「よし、じゃあ話はこれまでだ。またいつでも遊びに来い。歓迎するぞ」

 

虎千代がそう言うと同時に扉をノックする音がした。

 

「ん、いいぞ」

 

「失礼するわ、ここに、晴夜くんがいるって聞いたんだけど」

 

姿を現したのはメガネをかけたどこか気だるげで冷たい表情をした少女。

 

「宍戸博士!魔法学園にいたんすか!?」

 

宍戸博士。そう呼ばれた少女、宍戸結希は晴夜の驚いた声に顔色ひとつ変えることなく小さく頷く。

 

「宍戸か。神北に何か用事か?」

 

虎千代の言葉にも結希は小さく頷くと晴夜の方を向き直る。

必要最低限の運動しかしない

彼女の行動からはそんな意思が読み取れるようだった。

 

「久しぶりね、晴夜くん。あなたのお父さんからあなたの定期検診をするように頼まれてるわ。ついてきてくれるかしら?」

 

「定期検診?宍戸と神北の父親は知り合いなのか?」

 

「うちの父さんも魔導科学者なんで、共同研究とかしてたみたいっす。だから何度か会ったことはありましたけど……」

 

「学園にいることは知らなかったわけか」

 

「はい、父さんも事前に教えておいてくれればいいものを……」

 

はぁ、と晴夜は大きくため息をつく。

父親が物事を秘密にしておくことが好きなのは昔から知っているが、それでもめんどくさいものはめんどくさい。

 

「話が終わったならいいかしら?あまり時間が取れないから早く済ませたいのだけど」

 

「あ、はい!じゃあ生徒会長、失礼します」

 

「あぁ、またいつでもこい」

 

こうして晴夜は結希に連れられ、魔道科学部の部室へと赴くのだった。




結希さんと晴夜くんのお父さんはちょっとした研究仲間です
理由としては単純に2人の研究に重なる部分があったから、ですね

さて、次回も新しいキャラクターを出せればと思ってます
そして晴夜くんはどこかの委員会や部活に所属するのか、こちらにもご注目ください
では次回
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