申し訳ないです。
side 隼太郎
キュッキュッキュ・・・
「・・・」
「よし、凛、答え合わせが終わったぞ」
「ドキドキするにゃ・・・」
いよいよ明日テストとなった俺たちは、それぞれが赤点を取らないように動いていた。やはりというか、高坂先輩と凛、矢澤先輩の教師役は疲れたそうだ。そうやって園田先輩が言っていた。
とにかく俺は今、最終チェックのために凛に10点満点のテストを作り、それの答えあわせをしていた。
あれだけやったせいか、教えたところはほとんど正解していた。
「凛、やった成果があったな!8割正解だぞ!」
「やったにゃ〜!!!」
「待て!抱きついていいとは言ってない!!」
そう言って抱きついてくる凛。凛は「いいじゃん〜」といいながら頬ずりしている。くすぐったいからやめてくれ。
「ねぇ隼ちゃん、このテストで凛が赤点を取らなかったら、1つご褒美が欲しいにゃ。」
そう言いながら抱きつき続けている凛。上目遣いはやめてマジ。可愛いから困る・・・。
「あぁ・・・無理じゃないやつならいいけど・・・」
「無理なやつじゃないにゃ。ただ、隼ちゃんの出てる試合が見たいだけで」
「・・・どうしようかな」
俺は悩んでみる。それは俺が出てる野球の試合を凛や花陽に見せるのは、小学4年生以来だからだ。
小学生の時に良くある小っ恥ずかしさが小4時に来た俺は、それ以来、知り合いに野球の試合を見に来てほしくなかった。
そのため、きっと凛は久々に俺の出てる野球の試合を見たいのだろう。・・・きっと花陽と。
でも俺にはもうひとつ、見せたくない理由がある。
それは、活躍できる姿を見せられる自信がないこと。
少年野球や中学の野球部では、体格の大きい涼と一緒だったため、地味なプレーしかできない俺はカッコ悪さをどこかに感じていたのだろう。
今では自分のプレーに絶対的な自信があるのだが、それは知り合いが来ていないからであって・・・
知り合いが見に来たらどうなるか・・・分からない。
がっかりされるかもしれない。活躍できなかったら、もう見に来てくれなくなるかもしれない。だから、がっかりされる前に見られないようにしているのだ。
「ごめんな凛、それは無理だ。」
「どうして!?隼ちゃん!?」
「俺はまだベンチ入りできてないから、試合に出られないんだよ。スタメンになるまで、待っててくれ。」
そう言って、嘘をついてしまった。ごめん凛。幼馴染に対して嘘をついちゃって・・・
でも、お願いだわかってくれ・・・。
「凛ね・・・時々思うんだ。」
「何が?」
「隼ちゃんは、時々凛やかよちんのこと、信頼してくれてないのかなって・・・」
「・・・!!」
違う。そんなわけない!俺は絶対に幼馴染2人を嫌いになるわけないじゃないか!
「どうしてそう思うんだ?」
「・・・多分隼ちゃんが凛に試合を見せてくれないのって、凛が見に来たらがっかりさせちゃうと思ってるからだよね?」
「な、なんでそれを・・・」
「凛は隼ちゃんの幼馴染だよ?それも小さい頃からの・・・。なんとなくだけど、隼ちゃんの考えていることは、わかるよ。」
「・・・」
俺たちの間に、長い沈黙が走る。
しばらく経つと、凛が口を開いた。
「凛は、いや、凛とかよちんは、どんなことがあっても、隼ちゃんのことでがっかりしないよ?大丈夫にゃ。」
「凛・・・」
ごそごそ・・・
凛が突然、携帯を取り出した。携帯を耳に当て、話し始める。その相手は・・・
「もしもし?かよちん?」
花陽だった。
「うん・・・隼ちゃんを元気付けようと思って・・・うん、うん・・・じゃあ、隼ちゃんの家で。ありがとうにゃ。」
「花陽に電話したのか・・・?」
「うん、すぐに来るらしいにゃ。」
「わかった。・・・気持ちはすごくありがたいぞ凛。だけど、なんでそこまでしてまで俺の試合を見に来たいんだ?」
「そんなの決まってるにゃ」
溜めを作って俺に語りかけてくる凛。
「「隼ちゃん(くん)のカッコいい姿が見たいだけにゃ(です)!!」」バタン!!
「・・・ありがとう。凛、それと花陽。」
「まさかちょうどのところでかぶるとは思いませんでした・・・。」
「かよちんナイスにゃ!!」
奇跡的に合わさった息に驚く俺ら3人。
・・・でも、嬉しいな。
「わかったよ、お前らの気持ちは。なら、こんどのテストで赤点を取らなかったら、試合見に来ていいぞ。」
「やったにゃ〜〜〜〜〜!!!」
「よかったね、凛ちゃん!」
こんだけ説得と応援されているんだから、頑張らないとな。早く背番号もらって、こいつらに活躍してる姿を見せてあげたい。だから、これからも練習、張り切っていくかな!
〜〜〜〜
テスト当日、俺は難なく試験を終わらせた。
ところで、最近全く出ていなかった裕太はというと・・・
「・・・ぐふぅ」
「撃沈してるわ」
地獄のレッスンを受け終えていて、今は机にぐでっている。
「この格好が、過酷さを物語っているな。よかった〜俺は頭良くて。」
「お前・・・後で覚えとけよ・・・ぐぅ。」
「よくがんばったじゃんか。今日はゆっくり家に帰って休め。今日は早帰りだからな。」
「おう・・・お疲れさん。」
「お疲れ。」
ユラリユラリ・・・ガタン!!ガッシャァァァァン!!
「本当に大丈夫だろうか・・・。」
(大丈夫なのかはもう1人いるけど・・・あいつなら大丈夫だよな・・・がんばれよ、凛)
〜〜〜〜
一方、音乃木坂学院・・・
「試験時間は50分です。始めてください」
バサッ・・・カリカリカリカリ・・・
(あ!ここ、隼ちゃんに教えてもらったところにゃ!!ここも!!ここもここもここも!!これもやったことのあるやつにゃ!これはほとんど解けるにゃ!!)
(凛ちゃん大丈夫かな・・・?隼くんと一緒に勉強して良くなったとは聞いてるけど・・・心配かも・・・)
(楽勝ね・・・)
一年生3人はそれぞれの思いを胸に、問題を解いていくのであった。
〜〜〜〜
side 凛
キーンコーンカーンコーン・・・
「試験は終了です。後ろから答案用紙を集めてきてください。」
「終わったにゃ〜!!!」
「お疲れ様、凛ちゃん。」
「どうだったの?英語は?」
テストが終わったと同時にかよちんと真姫ちゃんが話しかけてきてくれた。
「へっへ〜ん!!大丈夫にゃ!!ぶい!!」
「そっか〜、よかったね〜」
「そうでないと困るわ。赤点でラブライブに参加できなくなるのは不名誉すぎるもの。」
「これも隼ちゃんのおかげにゃ!!」
「へぇ、あいつ、ちゃんと教えてたのね。」
「あいつじゃないにゃ!隼ちゃんにゃ!!」
「ヴェェ・・・そんなに食いつかなくても・・・」
「まぁまぁ凛ちゃん。そうだ2人とも、テスト終わりだから、帰りにご飯でも一緒にどう?」
「いいわね花陽、私も行くわ。」
「凛も全然いいよ!じゃぁいっくにゃ〜!!」
「ちょっと!引っ張らないで凛!」
「凛ちゃんちょっと待って〜〜!!」
これで赤点を凛が取らなければ、隼ちゃんの試合が見に行けるにゃ!
えへへ・・・楽しみだなぁ・・・。
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side 隼太郎
テスト返却日。高校のテストは次の時間には結果が返ってくるから、そわそわせずに居れるのだけれど、自分の思わぬ結果が来た時は、相当ショックを受けるものである。
その逆も言えることで、悪い悪いと思っていた結果すごく点数がよかったら、すごく気分がハイになることも、感じたことが皆あると思う。
そして今、俺の隣にその稀なことが起こり、大はしゃぎしている人物がいる。
「見てくれ隼太郎!!!83!83だぞ!!」
・・・裕太である。
「やるじゃんか。中間テストでは赤点ギリだった数学が、一気に上がったじゃないか。」
「へっへーん!おれもやる時はやるってもんだ。お前にも買ってる自信があるぞ〜!」
「へぇ・・・なら、ほい。」
「ん?なんだこのプリント。」
「おれの答案用紙だ。点数勝負、するんだろ?」
裕太の言い草に少しイラッ☆としたおれは、思わず現実に戻してあげようと、自分の点数を見せた。
ペラ・・・『96』
ガクッ・・・
「あちゃ、ショック与えちゃった?」
「お前・・・なんでそんな点数取れんだよ・・・。」
「生憎、毎日ちゃんと勉強はしているのでね。」
俺の隣でがっくりと肩を落としている裕太。少しやりすぎたかもな・・・
「まぁよく頑張ってたと俺は思うぞ。あんなにフラフラになるまで頑張って、8割取れてたんだからな。これで練習に参加できるな!!」
「おう!そうだな!これから夏に向けて頑張るぜぇ〜〜〜!!!」
「よっしゃ、じゃ練習行こうぜ。」
「おう!」
テストでの練習禁止危機は俺たちは乗り越えた。
あとはお前たちだぞ、凛!
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音乃木坂学院、テスト返却日・・・
シーン・・・
アイドル部は静まりかえっていた。
それもそのはず、今日でラブライブ出場の結果が決まるのだから。
部員6人は部室に来ているが、あとは穂乃果だけとなっていた。
凛とにこは無事赤点回避を実現した。
バタン!!
急に扉が開いた。
「・・・!!」
「みんな、どうだった!!?」
元気いっぱいに聞いてくる穂乃果。当然、海未、ことり、真姫、花陽は成績上位者のため、赤点の心配はなかった。
そして凛も、「凛は大丈夫だったよ!!」とピースサインをしていた。
にこも「にこも大丈夫だったわ!」とあとは穂乃果の結果を待っていた。
穂乃果の結果は・・・
「大丈夫だったよ!!!ほら!!」ペラッ『53』
「「「「「「「やったぁぁぁぁ!!!!」」」」」」」
結果は赤点回避。その結果が分かった途端
「皆〜練習行くよ〜〜〜!!」
「待ってください穂乃果。理事長に結果を報告する方が先ですよ!!」
「そうだよ穂乃果ちゃん、お母さんに言わないと〜」
「そうだった!!」
そういって廊下を走る穂乃果であった。
「廊下は走らなーい!!」
「うわっ!!ごめんなさ〜い!!」
〜〜〜〜
「理事長!納得いきません!!」
「えりち、落ち着いて・・・。」
「音乃木坂学院は共学化し、その提携校として、音坂西高校と姉妹校契約をします。そして、今年度の体験入学会で志望者がゼロだった場合、音乃木坂学院は廃校とします。」
更新速度が上がらず申し訳ないです。
でもこの小説は完結まで続けていこうと思っているので、まだまだ書き続けたいと思います!
感想、評価待っていますので、これからも、どうぞよしなに。
それでは、また次回!