今回のは先週分も含めているので、少し長めになってます。
そんなわけで今回もよろしくです!!
side 隼太郎
あの絵里先輩の顔を見て以降、どうしても絵里先輩のことが気になる。
小学校から知っている人間として、何の相談もないのは辛いものだ。
最近は俺が、「絵里先輩大丈夫ですか?何か思い詰めてるように見えますけど」と、気にかけても決まって「大丈夫よ。気にしないで。」が返ってくる。
でも俺は知っている。
間違いなく絵里先輩は何かに苦しんでいる。
「事情を聞こうとしても、また大丈夫って言われるんだろうなぁ」
部屋の中をウロウロしながら、どうすれば絵里先輩を楽にしてあげられるのかを考えている。
何にしてもあの人と話さなければいけないのは事実だ。
絵里先輩が転校してからは俺と会っていないわけで、つまりは空白がある。
高校生のうちでずっと絵里先輩のことを見てきている人といえば・・・
「明日、少し早めに家を出て、東條先輩に聞いてみるかな。」
〜〜〜〜
「ふぅん、隼ちゃんもそう思ってたんやね。」
「ええ、だから東條先輩、何か知らないかなって。」
午前5時半、朝練が始まる前に神田明神にやってきた。
東條先輩も朝掃除にいたので、絵里先輩のことを話してもらおうと考えた。
どうでもいい話、東條先輩は俺と絵里先輩が昔から知っていたことを知ったら、「これからは隼ちゃんって呼ばせてもらうよ♪」と言われて、俺の呼び方がそれ以来変わってしまった。
相変わらず巫女服が似合っているなぁと思わず見とれてしまったことは、伏せておこう。
「うふふ、似合ってるって思ってくれて、ありがとうやん♪」
「ばれてたね、うん。 いや、それもありますけど、絵里先輩のことですよ。」
話がそれかかりそうになったが、持ち直して絵里先輩のことを聞いてみる。
「俺、絵里先輩は何か1人で抱えている気がするんです。だけど、俺が心配しても大丈夫って返されてばかりで、何も相談してくれないんです。それで、東條先輩は何か知りませんか?」
「ウチは、少しえりちが無理をしすぎていると思う。今回の体験入学も、必死に動いているけれど、自分のことは後回しで・・・えりちは何がしたいんかなって。」
「生徒会長やキャプテンになってしまったがゆえにかかる病気みたいなものですよね。」
「うん。それで自分と同じ生徒会長の白戸くんがいきいきしていたのを見てて、えりちは少し羨ましそうだったんよ。そんなに自分を犠牲にしなくてもいいのにな・・・」
「なるほど・・・そうだったんですか。」
大体のことはわかった。
やっぱり絵里先輩は苦しんでいるようだ。
生徒会長という立場と、自分のおばあさまの母校を守りたいがゆえに自分を犠牲にしすぎて、自分のことを後回しにして、自分で自分を追い詰めている、ということなのだろうな。
東條先輩がいて良かった。この人がいなかったら、間違えなく頼りどころが無かったから、絵里先輩を助けることができなかっただろう。
「もしよければ、協力しませんか?絵里先輩を助けるために、そして笑ってもらうために。」
「奇遇やね。ウチも同じことを考えてたよ。隼ちゃんとなら、絵里ちを助けられると思う。」
思いの外簡単にOKしてくれる東條先輩。
「ありがとうございます。」
「そうと決まれば、善は急げやん。今日にも絵里ちに談判をしようよ。」
「え?今日ですか?」
「そう。体験入学が終わった後じゃ遅いん。体験入学の時も今のままの絵里ちじゃだめやん?」
そう考えると確かに。あの人も高3だから、今年度で最後。ちゃんと楽しく学校生活を送ってほしいから、それがいいかも。
「ならそうしましょう。」
「絵里ちの説得はウチに任せて?隼ちゃんはもし失敗した時にお願いね。」
「わかりました。」
絵里先輩、前に俺を助けてくれた分、今度は俺があなたを救って見せますよ。
〜〜〜〜
side 希
隼ちゃんと協力して、えりちを説得するのは、授業後になった。
本当なら、その時間は隼ちゃんが音坂西高校に戻って部活動する時間なんだが、今日だけは残ってくれることにしてくれた。
事情を話したら理解してくれた、白戸くんに感謝やね。
えりちに言いたいことを考えている内に、今日が過ぎていき、すでに帰りのホームルーム。
大体の言いたいことを思い浮かべて、絵里ちと一対一で話すことのできる時を待つ。
「起立!さようなら!」
授業が終わって、みんな帰宅していく。
えりちはというと、生徒会室に来て、しばらく仕事したら部屋を出て行ってしまった。
アイドルの娘たちのコーチも引き受けているため、そのために屋上に行ったのだろう。
そして、ウチは思う。
ーチャンスは、コーチを終えて帰ってくる時だと。
そう思って、ウチは生徒会室を出て、絵里ちのいる屋上に向かった。
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side 隼太郎
「隼ちゃーん!!一緒に部室に行くにゃ〜!!」
「凛悪い。今日は先に生徒会室に行かなきゃいけないんだ。だから先に行っててくれ。」
「え〜!!隼ちゃんのケチ!!」
「ケチとかの問題かしら・・・」
「あはは・・・凛ちゃん、隼くん困ってるよ。」
「ぶ〜」
むくれている凛に花陽と真姫ちゃんが場を収める。
今日は大事な用事なのだから、仕方がないのだと説明してやると、凛はようやく理解してくれた。
「じゃあ3人とも、また後でな。」
「「「うん!(ええ)。」」」
「・・・さて、俺も東條先輩と合流しないとな。生徒会室に行けば、いるかも。」
こうして俺は生徒会室に向かった。
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コンコン「失礼します。東條先輩はいますか?」
「希なら、ついさっき出て行ったわよ。屋上に行ってくるって言ってたわ。」
「わかりました。」
もう行動に出てたのか、東條先輩。
おれも間に合わせないと、と思うと自然と足が早歩きになる。
思えば、絵里先輩にはお世話になった。
小学校の時から、転校しちゃうまでの間ずっと・・・。
身長が低いことをバカにされてた俺に、普通に接してくれた人であり、初めてまともに話しかけてくれた人。
絵里先輩には感謝しないといけない。
感謝の気持ちを伝えて、また絵里先輩に笑って過ごしてもらえるように。
だから絵里先輩、今度は俺に、絵里先輩を助けさせてくださいね。
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side 希
「えりち。」
屋上から帰ってくるえりちを見つけて、呼び止めた。
えりちの親友として、ちゃんと言ってあげないと・・・。
「希・・・。」
「ウチな、えりちと友達になって生徒会で一緒になって、ずっと思ってたことがあるんや。」
ふと深呼吸して、心を落ち着かせる。
「えりちは、本当は何がしたいんやろうって。」
「・・・。」
「一緒にいると・・・わかるんよ?えりちが頑張るのは、いつも誰かのためばっかりで、だから・・・いつも何かを我慢しているようで・・・全然自分のことは考えてなくて。」
ウチの言葉を聞いているうちに、エリちは聞きたくなくなったんだろうか、ウチから目をそらして、離れていこうとした。
「学校を存続させようってのも、生徒会長としての義務感やろ!?だから理事長は・・・えりちのことを認めなかったんと違う!?」
「えりちの・・・本当にやりたいことは!?」
少し声を荒げて話すウチ。これも親友を助けるため、目を覚ましてほしいため、必死でウチの思いを伝える。
2人の間に、いっときの間が流れる。
上からは、屋上で練習している穂乃果ちゃんたちアイドル研究部の掛け声が聞こえる。
えりちは、静かにしているが、顔は動揺している。
「・・・何よ。」
動揺と迷いをしばらく行ったり来たりさせたえりちが、声を振り絞って話す。
「何とかしなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない!!私だって、好きなことだけやって何とかなるなら・・・そうしたいわよ!!」
「・・・!」
えりちは泣いていた。
「自分が不器用なのはわかってる!でも・・・今更アイドルを始めようなんて・・・言えると思う?」
「・・・あ!まって!」
そう言ってえりちは逃げるように走って行った。
「・・・」
その場で立ち尽くすウチ。
・・・失敗しちゃったかな。ごめんね、隼ちゃん。
「いや、東條先輩の言葉、すごく響いたはずですよ。」
ウチの後ろから、隼ちゃんが姿を現した、いつからいたんだろうかと思ったが今はそんなことはどうでもいい。
「隼ちゃん・・・ごめんな。」
ウチも少し泣いていた。
少しの間、言葉が荒くなってしまったことと、もうちょっと早めにえりちに言ってあげればよかったなって。
でもこれで、親友としての役割を務めることができたかな・・・。
そう思っていると、隼ちゃんがウチにハンカチを渡してくれた。
「泣いているなんて、先輩らしくないですよ。これで涙を拭いてください。」
「・・・それと、あとは俺と、アイドル研究部全員に、任せてください。」
「!・・・うん!お願いね。」
〜〜〜〜
side 絵里
私は、今までたくさんのことをしてきた。
生徒会長もそのうちの1つだ。
今までと一緒で、絶対に成功させるという意気込みで、生徒会長の仕事も務めてきた。
・・・だけど、どこで間違ってしまったのだろうか。
ちゃんと出来ていたはずなのに、廃校の知らせから、狂って行ったような気がする。
そのせいで、希にもあたってしまう。
私は最低だと思ってしまう。
ごめんなさい、希、皆。
今までのことを教室の窓辺で振り返っていると、誰かが入ってくる音がした。
そこには・・・隼太郎がいた。
「こんにちは・・・絵里先輩。さっきの東條先輩とのやりとり、見てましたよ。」
「そう・・・。」
「ねえ隼太郎、私、自分がわからないわ・・・。今、何をすればいいのかもわからなくなってきた・・・。」
「・・・はい。」
「私は、何をすればいいの?」
隼太郎は私の話を静かに聞いてくれた。
そして、隼太郎が話した。
「絵里先輩は、自分を犠牲にしすぎです。小学生の頃に、俺と一緒に遊んだ頃を思いだしてください。」
私は、小学校の頃を思い出す。あのときの隼太郎の印象は、いじめられっ子の印象だった。
「あの頃、僕はすごく絵里先輩に助けられました。それは、絵里先輩がすごく楽しそうにいつも笑っていて・・・。」
「ねえ絵里先輩、今、いや、最近、心から笑ったことありますか?」
「え?」
「僕は、再開した時から、あの時と同じ絵里先輩の笑顔を、見たことがありません。つまり、そんだけ、自分が苦しんでいる証拠だと、思うんです。」
「もう少し、気楽に構えて、やりたいことを、やってみませんか?」
私は、呆然として前に立つ隼太郎の顔を見ていた。
そして、すごくすっきりとした気持ちになって、また泣いてしまった。
そして、隼太郎から私に手が伸ばされた。
「絵里先輩には、その権利があるんですよ。楽しむ権利が。だから・・・」
「「「「「「「スクールアイドル、やりませんか!?」」」」」」」
気がつけば、高坂さんたちも部屋に入ってきて、私を誘ってくれた。
そして私は、伸ばされた手を取った。
心は、晴れているかのように、澄み渡っていて、答えもすぐに決まった。
「絵里さん・・・!!」
「これで8人・・・!」
「いや、9人や。ウチも入れて?」
さっきまで話していた希も合流して、希も入ると言い出した。
「占いで言ってたんや。このグループは9人になった時に、未来が開けるって。」
「だからつけたん。μ'sって。」
グループ名の事実がわかって、驚く皆。私もそのうちの1人だけど。
「希・・・全く、呆れるわ。」
そうして私は歩いた。
「どこへ?」
園田さんが私に尋ねる。
そんなの決まってるわ。
「・・・練習よ!!」
「「「「「「「「「やった〜!!!」」」」」」」」」
皆が嬉しそうにしている。
私は、もう一回、やり直してみせるわ!
今からでも、それは遅くないわよね?
〜〜〜〜
side 隼太郎
「良かったな。絵里先輩に、笑顔が戻って。」
教室の中にいるのはいいものの、すっかり存在を忘れられている俺。
まぁ、皆笑ってくれているから、何も言うことはないけど。
ここは、静かに出よう。今ここにいていいのは、μ’s9人なはずだから。
扉に手をかけて部屋を出ようとする。
「隼太郎。どこへいくつもりかしら?」
絵里先輩から声をかけられた。
「いや〜ちょっとランニングしてこようかなぁと・・・。」
「させないわよ。」
「うぐっ・・・」
そういって絵里先輩が近づいてきた。
そうして俺に話しかけた。
「ありがとう。小学校の頃よりも立派になったわね。大好きよ♡隼太郎。」
そう俺に言ってきた。絵里先輩くらいの可愛い人に言われたら、それは恥ずかしくなるわけで、ああ熱い。顔がすごく熱い!!
その言葉を聞いていた他の8人はそれぞれの反応をしていた。
「隼太郎くんと絵里先輩って、どういう関係なんだろう?」
「顔赤くしてる〜可愛い〜!」
「破廉恥です!!」
「絵里!アイドルに恋愛は禁物よ!!」
「い、イミワカンナイ!!」
「うふふ、えりちったら。」
「これは、強烈なライバルの登場だにゃ・・・。どうしようかよちん!!」
「落ち着いて凛ちゃん。大丈夫だよ、隼くんは最後には花陽たちを選んでくれるはず。」
なんだろう、皆やっぱり年頃の女の子だなぁって反応をしている。
「うふふ、そういう初心さは、全く変わってないわね。」
なんだか楽しそうな絵里先輩をジト目で見て一言。
「やかましいですよ、絵里先輩。」
いかがでしたか?
ちょっとハイスピード感が否めないですが、第1章はあと一話で完結したいと思います。
第2章からは、隼太郎くんがメインです。すなわち、いよいよタグにも書いてある野球ネタをぶっこんでいきたいと思います!!
新キャラも沢山出る予定です!!
そして新キャラの性格や能力の説明もアップしたいと思ってます!!
そんなわけで今日はこの辺にしたいと思います。
感想、評価もお願いします!
以上、無良独人でした!!(一度でいいから絵里を間近で見てみたかった。)