side 隼太郎
いよいよ、本格的に『チームとして』の練習が始まる。
それは、地区大会に備えた、メンバー20人での練習だった。
ベンチ入りできなかったメンバーは、個人練習、メンバーのサポートなどに変わる。
つまり、いよいよ先輩方と、練習ができるということだ。
〜〜〜〜
授業も終わり、さあ練習だと意気込んでいる中、白戸先輩が堂々と1年教室に入ってきた。
「隼太郎、まずはベンチ入りおめでとう。」
「はい。ありがとうございます。」
「今日から連携とか、実践的な守備練習攻撃練習が始まるけど、お前と川北君は1年生だから、上級生を紹介しておこうと思ってな。」
別に、これまでの練習で先輩方とは接点がなかった訳ではなかったが、白戸先輩は気を利かしてくれた。
「確かに、話したことのない先輩もメンバー入りしてましたね。」
「だろ?キャプテンとしては、早々とチームを1つにまとめておきたいから、そういうことはシビアに考えてちょうどなんだ。」
先輩は今にも「どうだ?偉いだろう?」と言いたげにふんぞりかえっている。
おれはそれに対してジト目で返した。
「それで、いまから僕を上級生の教室に連れて行くんですか?ちょっと緊張しますね・・・」
まぁ上級生の教室の中に入ることは、誰しも緊張することなのだろうが、初対面の先輩に対して、どうやって話したらいいのかがわからない。
「何を言っているんだ隼太郎。練習は20人でやるんだから、その時に話せば問題ないだろ?」
「そ、そうでした・・・。」
「はっはっは!!隼太郎もまだまだ子供だねぇ〜」
白戸先輩は笑いながら俺を見た。
それに対して俺は言い返す。
「うるさいです!早く行きますよ先輩!!」
「おいこら!廊下は走るなって!!」
〜〜〜〜
グラウンド内、もうすでに俺と先輩は着替えて柔軟を始めている。
ちょっとして、勇平も来て、その後から次第にメンバーが集まってきた。
そして、メンバーが集まったのを確認して、キャプテンである白戸先輩の周りにメンバーを集めた。
「これから、このチームのキャプテンをすることになった、白戸翔真だ。知っているかもしれないが、改めてよろしく!」
メンバーから大きい拍手が送られた。
「3年生は最後の大会だ。悔いのないように行くぞ!!2年生は、1年生の手本となるようなプレーを取れよ。それから1年生は、初めてづくしでつまずく事もあるだろうけど、そこは先輩を頼れよ!俺たちはチームだ、仲間だ!だから困ったことがあったら、なんでも言うように!以上!」
『はい!』
2年と1年がそろって返事をした。
「翔真〜、前説長いぜ〜」「そろそろ始めようよ〜」「翔真らしいっちゃらしいけど、ちょっと初日から気張りすぎよキャプテン?」「翔さんの話は長いからなぁ〜〜〜。」
白戸先輩が3年生にいじられる。
1人、多分同級生ではないであろう2年生の人が口出ししてたけど・・・。
それを聞いて白戸先輩は笑って指示を出した。
「ようし!監督から指示は聞いてる!各自ウォーミングアップを済ませたら、守備連携の練習をするぞ!」
『おう!!』
〜〜〜〜
ウォーミングアップを勇平と行っていると、それが終わったところで、俺と勇平が呼ばれた。
そこには白戸先輩と他の先輩であろう先輩が3人居た。
ぶっちゃけ名前は覚えていなかった。
メンバー発表の時に、大体の人の名前は聞いていたが、顔までは一致できない。
「隼太郎、勇平君、この先輩たちが、君たちの面倒を見てくれる。面倒と言ってはどうかと思うが、いろいろこいつらから学んでくれ。」
要するに教えてくれる先輩ということだろう、だが、ふと勇平を見てみると、やっぱり先輩が怖いのだろうか、少したじろく瞬間を俺は目にした。
勇平の代わりに俺は話した。
「ありがとうございます。・・・えっと、先輩たちの名前を教えてもらっていいですか?」
白戸先輩以外の先輩に対して聞いてみる。
「ああ、僕は井岡 笑。柘植君と同じセカンドのポジションだよ?よろしくね?」
そういって華奢な体についている背番号4を俺に見せる井岡先輩。
おれは「よろしくお願いします」と言って一礼する。
そしておれは次の先輩を見た。
すると、いきなり猛烈に輝く笑顔を俺に向けて言った。
「はろーん!!俺、信田真っていうんだ〜。よろしく〜、つっつん!」
あまりのテンションの高さに一歩後ずさる。
「よ、よろしくお願いします・・・。・・・つっつん?」
「だって柘植(つげ)君っていうんでしょ?だから愛情込めてつっつん!」
「い、いやあの・・・愛情も何も、今会ったばかりというか・・・」
「果たしてそうかな?」
「え?」
「僕は昔、君と会ったことがあるんだよ?」
「・・・」
そうだっただろうか?信田先輩の顔を見て思い出を反芻する。
「・・・」
少し考えていると、信田先輩が猛烈な笑顔で言い放った。
「嘘だけどね?」
「先輩イイイイ!!!」
今一生懸命に考えた時間を返して欲しい。
「信田・・・新人いじりは大概にしとけ。まだ紹介してない奴も居るんだから。」
「は〜い。翔さんもせっかちですね〜?」
「せっかちじゃない。お前が面倒くさいだけだ。」
「いくらなんでも傷つきますよ?」
「さぁ次だ。祐、頼んだ。」
「了解。仁村祐、3年生。一応これでも、エースだから。」
そう言って背番号1を向ける仁村先輩。
俺と勇平は深々と頭を下げた。
「じゃ、ある程度紹介も済んだことで・・・隼太郎!勇平君!」
「「はい!」」
「今日の練習だけど、2人には早く慣れてもらうために、今日はずっと先輩について練習してくれ。隼太郎は笑と信田。勇平君は祐について行ってくれ。」
「「はい!」」
「えぇ???翔さん、俺は〜〜?」
「お前はそれを口実にサボるから却下!!」
「そんなぁ!!ひどいですよ〜〜・・・」
信田先輩と白戸先輩が口論しているところを一通り見たところで、先輩方が俺たちに話しかけてきた。
「じゃあ、きょうはよろしくね?柘植君。」
「はい!至らないところもあると思いますが、よろしくお願いします!」
「俺たちも行こう、川北君。」
「は・・・はい!」
こうして俺たちは先輩たちについて練習することになった。
〜〜〜〜
井岡先輩の後についていくと、井岡先輩が俺に話す。
「柘植君。君はどこを守ることができるんだい?」
「そうですね、メインは外野手ですけど、最近はセカンドが多いですね。他にも、サードとショートは経験があります。」
「そうなのかい。いやはや、守備位置がたくさんあって、いいことだねぇ。」
「そうなんですか?」
「だって、チームに穴があったら、そこを守らせてくれるかもしれないだろ?チャンスは守備位置の分だけ増えるってことだと思うよ。」
「へぇ・・・。」
確かに、たくさん守れた方が、チャンスはたくさん来るだろうと、頭の中で考えた。
「確かに、その考えはありませんでしたよ。」
「まぁ、これは僕の頭の中で考えているだけだよ。」
「そういえば先輩?」
「ん?何かな?」
「あの、信田先輩?でしたっけ。あの人って、すごいテンションが高いですよね?」
「ああ〜・・・真はね、元気なだけなんだよ。」
「元気なだけって・・・」
笑って答える井岡先輩だが、急に立ち止まって話した。
「でも、彼の実力は確かなんだよ?」
「そ、そうですか?なんか、あの人がショートって、違和感しかないんですけど・・・。」
「そう思うでしょ?でも、それが違うんだよね〜。」
井岡先輩は頭の後ろに手を回して答える。
「柘植君、入ってきて間もないからわからないだろうけど、今回のメンバーの中で、ショートができる人物は、君とあの真、その2人しか入ってないんだ。」
「でも、それだけじゃわからないですよ?」
俺は首をかしげて質問した。
「それに真は2年生なんだ。最上級生ではない2年生に、1つのポジションを任せたと考えたらどうだい?」
「!!!」
そうか、そういうことか。
井岡先輩が言うことがわかった。
確かに、この長い大会を進めるのに、普通なら監督は各ポジションに2人3人は控えとしておくはずである。
それなのにもかかわらず、2年生にショートを任せている。
「つまり、信田先輩よりショートが上手な人がいないってこと・・・?」
「惜しい。正解は・・・」
「信田以上に、野球を知っている人が居ないんだ。」
いかがでした?
ここまで原作無視もなかなかないでしょう。
分かっています。
自分の中ではすごい罪悪感です・・・。
次はしっかり書きますね!!
いよいよ本格的になってきましたね!!
キャラもこれから増えていきます!!
頑張ってついてきてくださいね!!
これからもよろしくお願いします!!
それから、高評価をいただいた
白乃兎さん(☆9)、VVVFさん(☆10)、ありがとうございます!
まだまだ、感想、評価など、待ってます!!