ラブライブ! ー白球に想いのせてー   作:無良独人

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土日二週間大学・・・
GW明けからっすわ・・・


頑張ってきまーす


似た者同士

side 隼太郎

 

 

 

練習が始まって、3時間が経った。

 

やはり上級生たちは慣れっこというわけか、疲れがあまり見えない。

いや実際疲れているのだろうが、その素振りを見せないだけで、内心は結構キテいるはずだ。

 

ただ、あの先輩だけは違った。

 

「あははは〜〜〜!!まだまだいけるよ〜〜〜!!」

 

ショートの信田先輩。

あの人だけは、まだまだ体力が有り余っているようだ。

守備練習中に彼との連携をしたが、規格外の体力、速度、精度ともに秀でていて、こっちが勉強になるばかりである。

 

 

これが井岡先輩が言っていた事になるのだろうか。

 

「ラスト1本!!バックホームな!」

 

コーチがノックのラストを伝える。

 

全20選手のラストが伝えられると、さらにそれぞれが声を大きく出す。

それは俺も同じで、勇平も同じだ。

 

 

この隙に話しておくと、俺が今守っているセカンドに、3人が並んでいる。

俺と、1人は井岡先輩、もう1人は新庄先輩という2年生である。

どうやらかなりの競争圈にいるらしく、スタメンを勝ち取ろうとするのやはり難しい。

 

井岡先輩は、とても堅実な守備で、信田先輩とも息がぴったりである。

新庄先輩は言うほど守備の面では上手ではないが、バッティングは凄かった。

 

とても俺が争える場所が狭かったのは間違いない。

 

「セカンド!」

「「「はい!!」」」

 

それでも、スタメンは諦めきれない・・・!!

 

〜〜〜〜

 

 

 

全選手のノックが終わり、本日の練習の終了が告げられた。

 

「柘植君。」

自分の荷物のところまで戻る途中で、井岡先輩に話しかけられた。

 

「ひとまず、今日はお疲れ様。」

「お疲れ様です、先輩、とても守備が上手ですね。」

「まぁ、これが僕の生き残る道だからね。」

 

そして、真剣な顔をして俺に話す。

「今日のセカンドのポジションには3人いたよね?」

あまりに真剣な顔に俺もちょっと緊張してしまう。

「え?はい、そうでしたね。」

「あれはね、監督はまだスタメンを決めかねている証拠だよ。」

「!!!」

 

井岡先輩は真剣な顔をして続ける。

「他のポジションは2人程度だった。だけどセカンドと外野だけはたくさんいただろう。あれは、そこのポジションの実力が拮抗しているから、誰を使うかを迷っている証拠だと思う。」

「・・・でも、一桁は井岡先輩が」

「いや、一桁は3年生だからだよ。」

「で、でも・・・」

 

 

「柘植君、つまりは君もスタメンのチャンスがあるんだよ。だから、僕は君たちには負けない。セカンドを勝ち取るために、僕は精一杯やる。だから・・・勝負だよ。」

 

井岡先輩は指を俺に向けて宣戦布告をした。

 

喧嘩を売られたら、こっちとしても買うべきである。

・・・野球ならな。

 

「・・・もちろんですよ。こっちだって、負けませんから!」

 

 

〜〜〜〜

 

 

制服に着替え、携帯の履歴を見る。

新規メッセージが来ていないかチェックしているのだ。

 

いつもなら宣伝ぐらいしか来ていないlimuからたくさんの通知が来ていた。

ざっと100件ほど。

 

 

「・・・なんだこの件数。見たことねぇよ・・・。」

 

気は向かないが差出人を見る。

 

「凛、花陽・・・。」

 

あいつらか・・・と思いながら、履歴を見ていく。

 

要するに、次の休みに遊びに行こうという誘いだった。

妙に長い前節から始まって、思い至ったように約束にこぎつける。

よくある約束の仕方である。

・・・あれ?そう思っているの俺だけか?

 

とにかく、俺はそのメッセージを全て見た後、「了解。日にちは任せる」と返信した。

 

今回の休みは休日練習もないので、久々に遊びに行くことにした。

 

「じゃあ、またランニングで家に帰りますかね。」

 

時刻はもう6時半、早く家に帰らないと、飯食う時間がなくなってしまう!!

 

〜〜〜

 

 

みんなは、筋肉痛にはなったことがあるだろうか。

人間であるのなら、何か激しい運動をした後に起こってしまう症状である。

もしくは人間のみではなく、もしかしたら動物全般なってしまうかもしれない。

 

とにかく、今、俺はベッドの上で筋肉痛を感じながら目を覚ました。

 

「うぅ・・・太ももが張っている・・・。」

 

昨日は個人的に脚力強化のために下半身運動を基本として動いていたため、その疲労がこの睡眠では取りきれなかったのだろう。

 

「とにかく・・・朝練に行かなきゃ。」

 

身支度を整えて、少し余裕を持って、俺は家を出た。

 

少し余裕を持って出たのは理由がある。

それは、昨日送られてきた凛と花陽のメッセージの中に、「たまには練習を見に来るにゃ!」という類の文面が送られてきたので、久々に顔を出そうと考えたのである。

 

確かに、今まで野球の練習が激しくなって以降、なかなかアイドル研究部の練習を見れずにいた。

音乃木坂では学校では会っているが、練習には顔を出せていない。

練習を見れずにいたというと誤解を招きそうなので、ここは、参加できずにいたと言っておこう。

俺はアイドル研究部に協力はしているが、付き人というわけではないのだから。

 

「さて、そろそろ着く頃だけ・・・ど・・・」

 

俺はそこで見た。見てしまった。

 

いつもアイドル研究部が練習している神田明神の前に、男坂なるものがあるということを.

 

 

・・・これ詰んだわ。

 

〜〜〜〜

 

大げさなのは承知しているが、筋肉痛を感じながら男坂を登るという苦行を乗り越え、久しぶりに見る神田明神を見上げた。

 

そこには、いつも通りであろう練習をしているμ's9人の顔がそれぞれあった。

 

どうやら練習に集中しているらしく、俺の存在には気づいていない。

 

「ふむ・・・。これは、ちょっと驚かしてみようか。」

 

俺のいたずら心が掻き立てられた。

どのように驚かそうかと思案していると、あることに気がついた。

 

「ん〜、あまり時間がないのか・・・。」

 

時間も考慮して、練習の休憩にポッと顔を出して驚かそうと考えた。

 

「ワン!ツー!スリー!フォー!・・・」

 

唯一気づかれる心配があるのが園田先輩だろう。

あの人だけ、みんなとは違う方向を向いている、というか、ほとんど俺と対面しているため、気づかれるのも時間の問題か。

 

颯爽と俺は物陰に隠れた。

そして俺はその物陰から気づかれないようにそっと顔を出した。

 

しかし・・・

 

「隼太郎?言っておきますけど、私は気づいていますからね?」

「えっ!!」

 

『ええっ!!』

 

園田先輩に気づかれ、そして俺の企みはもろく崩れ去った。

他の8人も俺の方に顔を向けている。

 

「や・・・やぁみんな。お久しぶりで・・・」

 

なんとか今来た風に装うが、自分の今の状況に言い訳できない状況だと悟る。

なぜなら、物陰からこっそり顔を出しているところを刺されたのだから、姿勢はそのままで、なんかストーカーじみた感じになってしまっている。

 

「隼くん・・・ついに犯罪者に・・・?」

「待て花陽!これには訳が!!」

「なんでいつもいつも凛たちを驚かそうとするにゃ〜〜!!!」

「隼太郎?覚悟はできているんでしょうね・・・」

「凛!真姫!顔が怖いから!!あとできればお慈悲をいただけるならば・・・」

「あるわけないでしょう」

「絵里先輩!」

「面白そう!!ウチも混ぜて〜♪」

 

四方を囲まれ、逃げ場がなくなった。

 

「隼太郎・・・覚悟!!」

「ちょっと待って!!俺は様子を見に来ただけなんです!!冤罪なんですってー!!!」

 

朝から男の断末魔がこだました。

 

〜〜〜〜

 

 

「全く、覗いてたわけじゃないっていうなら早めに言いなさいよね。」

「矢澤先輩・・・感謝してますけど、助けてくれるのならもう少し早めに・・・。」

「文句を言うなら、もう助けてあげないわよ」

「嘘ですって!感謝してますよ。」

 

口にするのは難しい追求は、矢澤先輩によって終焉を迎えた。

今は練習が止まって、休憩の時間になっている。

しかし、矢澤先輩から俺に話しかけてくるのは珍しいわけで・・・

 

「そういえば矢澤先輩はどうして助けてくれたんですか?今までなら傍観を決め込んでましたよね?」

「さすがににこも、女子5人くらいから一斉に攻められて縮こまっている人間を放っておくほど腐ってないわ。」

「なんかね、アンタと私が似てるって思ったからよ。」

「・・・というと?」

「私は宇宙ナンバーワンアイドルになりたいわ。その夢は、まだまだ諦めていないもの。」

「・・・いや、さすがに僕はアイドルにはなりませんよ?」

「知ってるわよ!!・・・夢を追っかけているという点では、にことあんたは似てるって、思ったのよ。」

 

確かに、俺と矢澤先輩は似ているのかもしれない。

俺はプロ野球選手になりたいために一生懸命練習している。

それは、矢澤先輩にも言えているのだろう。

一生懸命練習、キャラを確立させて、一直線に夢に向かっている。

それまでは脇見もせず、ただひたすら向かって行っている。

 

俺はそれを理解した。

 

「確かに、僕たちは似ているかもしれませんね。」

「でしょ?だから・・・お互い頑張りましょ。」

「はい。矢澤先輩の事、応援してますね。」

「あら?アンタは凛と花陽のことを応援しているんじゃないの?」

「あいつらの事も応援してますよ。でも、夢を持っている人は、もっと応援してあげたいじゃないですか。」

「・・・そう、まぁ、ありがとう。」

 

それに俺は笑って返す。

「ええ、頑張って下さい。矢澤先輩」

「にこ」

 

言葉の途中で、遮られた。

そして、矢澤先輩は俺に向かって言った。

 

「にこのことは、にこって呼んでいいわ。呼ばないと承知しないから。」

承知しないまで言われてしまった。

これは仕方ないと思い、続ける。

「わかりましたよ、にこ先輩。」

 

そう呼ぶと、にこ先輩は笑顔になってみんなのいる方向を向く。

 

「そろそろ行きましょう。休憩の時間はおしまいよ。」

「ああ、にこ先輩。もうひとつお願いが。」

「何?手短にね。」

 

俺はにこ先輩に手を差し出す。

 

「立つことが1人では難しいので、手を貸してもらってもいいですか?」

 

するとにこ先輩は微笑んでその手を握り返してきた。

「しょうがないわね。ほら。」

 

 

この日を境に、にこ先輩とは急激に仲良くなった。

そして、俺はもう1つ過ちを犯していることに気がついた。

 

「なんで隼ちゃん、にこ先輩の手を握っているの!?」

「ふふふ・・・!隼くん、説明してね?」

 

どうやら、もう助からなさそうだ。




にこちゃんのどこが好きですか?

自分は、アイドルらしいところも好きですが、所々で見せる勇敢さも大好きですよ!!

今月は、もしかしたら更新が遅れてしまうかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします。

また、感想等もお待ちしています!
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