至らぬ点があれば是非ともコメントお願いします。
尚、これは私の完全なる趣味で書いてるのでただの文句はスルーするかもしれません。ご了承ください。
あらすじでも書いてあるよう、無理矢理時系列をあわせたり自己解釈したりしてます。
そこのところを踏まえて、お読みいただくようお願いします。
それでは、どうぞ
プロローグ・第1話《来訪》
断崖絶壁の山々が四方八方にあり、ここにたどり着く為には、落ちれば無数にある刃の如き岩が突き刺さる足場の悪い幽谷を渡るほか道が無い。
さらにその幽谷にはある噂とルールがある。
そこはある墓場と称されており、渡る際には決して左右にも、後ろにも動いてはいけない、前にだけ進まなければならないというのものだ。
そのためその場所には何者も近づかず、訪れる事の無い所であり住む事すらままならない場所であるのだ。
しかし、
ーーーーーーーその場所の名はジャミール。
ヒマラヤ山脈の中国とインド国境付近にある標高6千メートルをゆうに越える山岳地帯である。
また空気が極端に薄く地元の民族でも近寄らぬということで、そのもの達からは魔の地帯であるとも言われている…
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[ジャミール] ??? SIDE
「・・・本当に行けるんですか?そんな所ー」
そう、幼年の子供が本当にできるのかと言わんばかりな顔で尋ねた。
ここはジャミールの奥地、一対の塔が建つ所であり、常人ではたどり着くことのできないまさに魔の地帯であった。
その奥地の塔の前に先ほど発言した幼年の子供ともう一人、薄い桃色の髪をした長髪の男が立っていた。
二人とも、眉は長細いものなどではなく、丸い平安貴族がしていたようなもので、いわゆる【麻呂眉】である。
幼年の子供の身なりは何らかの皮で作ったであろう簡単なノースリーブの修行服である。左腕の二の腕には腕輪を付けている。
薄い桃色の長髪の男は首まわりにマフラーを巻いており、修行僧のような服を着ている。しかし修行僧の服を着るにはあまりにも若くいかにも20歳前後の顔立ちであった。
だがその男からは全てを達観したような煌々とした雰囲気を漂わせていた。
「ええ…というよりも、どんな手を使ってでも行かねばなりません。
星矢達の一件とは別に、
そう長髪の男は顔を西の方へ向けて深刻そうに言う。
会話を察するに、長髪の男は何らかの危機を察知した故、何処かへ行き何かを成そうという事なのであろう。
幼年の子供はまだ納得がいかないようで、
「それは、ムウ様が言うならそうなんでしょーが…今から行く場所にある確信はどこからくるんですか??」
と、長髪の男…ムウという男に詰め寄る。どうやらムウは今から行く場所に何かを探しに行くようであった。
ムウはやれやれといったふうに肩を落とす。
「いいですか、
私はその者を信頼してそこにあると確信しました。
故に今からこうして、小宇宙でテレパシーを飛ばしてあちらへ行けるよう交渉しようとしているのです。」
ムウは貴鬼と呼ばれる幼年の子供に手でポンと頭を叩いた。貴鬼はむず痒そうではあるがどこか嬉しそうな顔をして頭にある手の温もりを有り難く感じていた。
貴鬼にとって、ムウは目指すべき存在である。サイコキネシスの才能を開花するまで導いてもらい、
しかしムウが自分をここまで丹念に育ててくださったおかげでそのような生活も過ごせた。恩義を感じ、憧れを感じなければこのような劣悪な場所にはいなかっただろう。
貴鬼はそんな目標であり大好きであるムウに、少しでも大切にされたりするだけでも嬉しさを感じていたのだ。
そんな貴鬼に少し愛おしさを覚えたムウは、貴鬼に微笑みながら貴鬼と同じ目線までしゃがみ込み安心させるような声で語りかける。
「心配しても余計な杞憂になりますよ、貴鬼。これから戦いに行くわけでもありません。
用が済めばすぐにでも帰ってくるよう考えています。それまで、ここの番を頼めますね?」
貴鬼はようやく納得し、安心したのか首を縦にブンブンと振り了解の意をムウに表した。
ムウもそれを確認し、微笑んだままその場を立ち上がる。
そしてその場で目を瞑った…そう、ムウの中にある小宇宙を集中させて遠き場所…
[幻想郷] 博麗 霊夢 SIDE
あぁ、なんて退屈で平和であるのだろう…そう、幻想郷の玄関口とも言える博麗神社で紅白の巫女・博麗霊夢が
いつも以上に映えた青空、いつも以上にその青空とバランスよく点在する白雲、いつも通りに静かなここ博麗神社。
参拝者の来ないいつも通りのこの状況に彼女の神経は逆撫でされていた。
いくら平和であろうと自分の生活が掛かってるともいえる参拝者が全く来ない状況に腹を立てていたのだった。
「ア''ァー、マジで退屈ねぇー…まぁ平和な事はいいことだけどさ…
ちょーっとくらい賽銭入れてくれる参拝客来てくれてもいいのにぃー…
ったく、誰か来なさいよ…」
と、陰険な目を誰に向ける事もなく、闇雲に愚痴を漏らしていた。
今日は特に暇を持て余していた。いつもならば知り合いの妖怪達か、魔法の森からやってくる白黒の魔法使い辺りが遊びに来る。
神社の裏にある居住スペースの縁側にでも集まり、家の茶菓子をいただくべく霊夢の周りによくたかりにくるものであった。
しかし今日だけは誰も来やしなかった。
特に理由が無く、偶然誰も来ない状況となったのだろうが、兎に角誰も来なかった。
その事に彼女はさらに腹を立てたのだった。なにせこういった状況は珍しく、滅多になかったため、いざ周りが居なくなると無視されているような感覚に陥るのだろう。
もしくは寂しさを紛らわせようとして腹を立てているのか…
まぁもっとも、こんな事を彼女の前で言えば照れ隠しでぶちのめされるのであろうが…
「特に妖怪退治の依頼も来ないし…神社の掃除は正直面倒だし…何もやる事が無いってのも考えものね…」
やる事あるじゃないか。そうツッコミを入れる人物さえ今日はいなかった。
彼女はここ博麗神社の巫女の役割以外にも、妖怪退治も生業としている。
それは巫女としての義務でもあるからである。
博麗の巫女は代々、ここ幻想郷の管理者として存在している。
悪さをする輩や妖怪が現れればそれを退治するものが必要である。何者かが幻想郷を滅ぼそうとしたり、一方的に支配を目論んだりするものだって現れたりする。それらの退治の役割を担っているのが博麗の巫女であり、管理者の責任なのだ。
そのためこの幻想郷で起きた事件…ここでは異変と呼ぶが、異変を解決してきたのは彼女、博麗霊夢が大半であるし、そうでないとしても何らかの関わりがある。
博麗の巫女としてはあまりにも十分な戦績である。
しかし彼女の凄いと言わしめたるものは、その人格であった。
確かに、実績を見れば実力がかなりあるのは言わずと知れているが、彼女は自身が作った<スペルカードルール>を適用させることで、戦いでは誰一人死なさず、相手が敗者であっても幻想郷でもう一度暮らすことを許しているのだ。
本来なら幻想郷はとっくの昔に滅び、消え去っているような脆い世界である。妖怪の中でも最上級の妖怪同士が本気でぶつかり合えば滅んでしまうほど、脆くあやふやな世界なのだ。
その存在を支えているのが<スペルカードルール>だ。
<スペルカードルール>とは、幻想郷内での揉め事や紛争を解決するための手段であり、『殺し合い』を『遊び』に変えるルールである。
そのルール内で本気で戦い合い、優劣を決めるというものである。いわば決闘といえるし、スポーツともいえよう。
決闘を開始するには、まず、カードを使う回数を宣言する。
スペルカードという、己の編み出す弾幕技を発動するという意思表示するためのカードには使用回数がある。無限であると勝敗が決まらなかったり、不公平な状況が生まれるからだ。
第二に、技を使う際には「カード宣言」をする。
「カード宣言」は叫ぶ必要は無く、技の名前を言う必要もない。 が、相手に分かるように表示しなければ宣言とはみなされない。宣言は絶対必要条件で、不意打ちによる攻撃は出来ないのである。
そしてこのルールのミソは、単なる倒す倒されるの決闘ではないということ。
このルールでは発動するスペルカード、つまり弾幕技の美しさによって勝敗を分ける。つまりいくら本気で攻撃したとしても、美しさが無ければ周りからは評価されないし、かえって批判されたり、無条件で敗北と見なされたりする。
また精神的に負けたと考えてしまった場合は、潔く負けの意思表示をしなければならないということ。
将棋のように負けと分かっていて足掻くのは見苦しいものと考えられているのだ。
このようにこのルールでは、実力は強靭な精神が必要となるものである。それぞれが思い思いの美しさを表現して精神的な勝負を繰り広げ、勝敗を決するのだ。
これを発案・実行することにより幻想郷を崩壊させないよう管理する且つ、その勝負に勝ち、敗者であってもどんな者でも許し認め、この幻想郷の代表としてその者を迎え入れている。
その何者も平等に接する寛容な性格が他の者にはない凄いところ、長所である。
お陰で悪行を行おうとしたものは改心し、幻想郷に溶け込んでいく。それに、精神も、実力も自身より上である霊夢を好いていくのだ。
その性格で霊夢の周りには自然と人が集まった。多くの人間・妖怪に知り合いができた。博麗の巫女ともいえど、先代に類を見ないほどの知り合いが彼女には居るのだ。その性格と強さ故に。
しかし彼女は全員に、平等に優しくもなく厳しくもなく接している。それも性格である。分け隔てなく接することが礼儀だと考えているからであろう。
しかしそのせいで弱い妖怪達はいい迷惑で、ちょっとでも悪と判断されたら全力で退治にかかられる。
故に弱い妖怪たちや、偏見を持つものからは少々悪い評判でもある。
もっとも、彼女はそんな事は気にせず暮らしていくであろうが。
兎に角、博麗の巫女と幻想郷の管理の両方を請け負っている。
彼女はそういった忙しいことに慣れているがために、こういった退屈な状態は好きではなかった。
「…とりあえず、お茶にでもしましょうか…」
手に持っていた藁箒をクルリと回し肩に乗せた。
そしてトボトボと居住スペースの方へ踵を向けたそのとき…
『………ぇ……すか…………しも……』
彼女の脳内の中に何か聞こえた。
聞こえたものはとても曖昧なもので、なんともおかしな表現とはなるが確かに何かが聞こえたのだ。
霊夢はその音が聞き取りにくいかったため、その場で顔をしかめる。おそらくそこに人が居れば彼女の異変を心配していただろう。
それほどまでに顔をしかめていた。
霊夢はその謎の音に耳をすますため、集中しているのだ。
なにせ、誰かのSOSだとしたら火急の事態であるから。博麗の巫女として聞き逃すわけには行かなかった。
「え?…何、なんて?」
発音元がそこにあるわけでは無かったがつい、問うてしまった。いわゆる反射的な返事であった。
すると、脳内から聞こえるその音は段々とハッキリ聞こえるようになってきた…いや、その音を邪魔していたノイズのようなものが無くなるかのように、聞き取れるようになった。
『…聞こえているでしょうか、幻想郷の番人よ。聞こえるのなら頭の中で返事を』
男の声だった。落ち着いた声色で、こっちまで安らぐような静かな声であった。
あまりに突拍子のないことであったため、彼女は少し躊躇った。
まず、今までこうして脳に語りかけられる経験が彼女にはなかった。
そのためこの声の主に抱いた最初のイメージは《怪しい奴》、その一点であった。
声の主が近くにいるか、神社を目で見渡す。
しかしその限りでは、声の主らしき者は見当たらなかった。
そのため、男の言う「返事」とやらを頭の中で思ってみる。
『…えぇ、聞こえているわよ』
霊夢は声の主が周りにいると仮定し、出来るだけ不自然に思われぬように、境内まで行き賽銭箱の横の柱へ肩を寄せる。
『よかった…ようやく届いたようですね…とりあえず一安心です…』
どうやら何度もこの声を霊夢に送り続けていたようで、聞こえたことに安心しているようであった。
霊夢は警戒を解かずにその男に問いかける。
その顔は真剣で、とても険しい顔である。とても人に見せられるようなものではなかった。
『…で、どちら様?私になんの用でしょうか?』
とりあえず、正体と要件を聞かなければ話は進まない。
そう判断した彼女は、正体はダメ元であったがその2つを尋ねた。
『おっと、自己紹介を忘れていたとは私としたことが…
失礼、私はその幻想郷より外の世界からこのテレパシーを送らせていただいております、ムウと申す者です。
要件としては…そうですね、そちらに少し忘れ物をしていた事を思い出しましてね…これからそちらへ取りに行きたいのですよ。
つきましては結界に入口を作って頂きたいと思い、お願い致したいのですが』
男は意外にもあっさりと2つとも答えた。それどころか懇切丁寧に返答して、頼み事までしてきたのだ。
霊夢は呆気にとられてしまった。何せ何者かと身構えてしまい、最後には仮定ではあるものの敵と判断してしまい、警戒していたからである。
霊夢は大きくため息を吐いた。今までにない経験と警戒が彼女に心労を与えていた。
『えぇーっと…え?それだけ?』
思わず聞いてしまった。向こうは詳しく話してくれたのだが、聞かずにはいられなかった。
『えぇ、それだけです。
あぁ、危害を加える気は一切ありません故、心配いりませんよ。
私は、用さえ済めばすぐ帰ります。なので前向きな返事を期待しますよ』
ムウという男に余計な心配をかけてしまった。
負い目は感じないものの、流石に戸惑いが向こうに伝わってしまったようだ。
これまで異変が続いてきていたため、そういった異変だということにとても敏感になってしまっていたようだ。
心配性になっていたのかもしれない。そう改めて思うと、とても失礼な事をしたなと少し反省する。
険しくなっていた眉間などの顔は緩やかになっていき、いつの間にか自然な彼女の顔に戻っていた。
いやむしろ呆れたような、力の抜けたような顔になっていた。
『えぇ、っと…じ、じゃあ、分かりました。
ここに来る事を許可します、今結界をいじって一人一回分だけ通れるようにします。
通れるようにはしますが…来れますか?ここに…
なんなら、時間さえよければ迎えをよこしますが…』
あては幾つかあった。空間を自由に行き来できる大妖怪・八雲 紫や、入口さえ作ればインチキ新聞屋にして最速の烏・射命丸 文にでもつかわせて連れてきてもらおうか。
そんな方法を考えていた…するとムウはすぐに返答をよこした。
『いえ、このままテレパシーの状態を保ったまま開けてもらえれば結構です。こちらから行きますゆえ…』
これまた霊夢は呆気にとられてしまった。
テレパシーをこんな辺境に送る時点で常人ではないのは薄々気付いてはいた。
しかし、よもや結界を開くといえど自力で来ると言い出すとは余程の自信家なのかはたまた阿呆なのか…
正直、正気の沙汰とは思えなかった。
『あの…本気でしょうか?無理を言ってなさるなら気を遣わずとも…』
『えぇ、本気です。私はあるものを使いこなす修行を終えたものでして…このままテレパシーを続けていれば、それを辿っていくだけですので。
できれば早急に対応していただけると嬉しいのですが…』
なにやら納得のいくものではない説明ではあったが…
不思議なことに彼の声は説得力があった。確信はない。
ただ、信じてみてもいいと思わせる何かを感じさせた。霊夢は思う。その何かが彼の修行で身につけたものであるに違いないと…
『……分かりました。では早急に、今から結界をいじって人一人分開けます。いいですね……!!』
霊夢はその場から移動し、神社の屋根へ行く。
そしてその場で両手を前にかざした。霊夢は目を瞑り、意識…そして博麗の巫女としての力を集中させる。
事はすぐに起こった。
境内へ続く参道の中央になにやら裂け目が走る。直線で文字通り裂かれたようなものだ。
その周りには電流のようなものが走っており、なんらかの力がそこには働いている事が見て取れた。
霊夢はそこに力を集中させるも、薄く目を開け心配そうにそこを見ていた。
何せ結界を開けるだけでも特殊な力の働きかけがないと安全ではなく、大抵入ろうとすると体へ障害が起きる。
そこへ生身の人間が通ろうというのだから危険が生じていることになる。
心配になるのも頷ける。
しかしその心配はもはや余計となるのであった。
その裂け目は突然開かれ、眼のような形となる。そしてその奥からは…人影が現れた。
修行僧の服装をしており、首周りにはマフラーを巻いている。眉毛は長細いものではなく、丸い、いわゆる【麻呂眉】であった。髪は長髪で薄いピンクがかったものであった。
彼の名はムウ…
彼にとって幻想郷は二度目の来訪であった。
…はい、いかがでしたでしょうか。
分かりにくいものが多々あったり、ほとんど説明じゃねぇかという声が聞こえてくるような出来栄えのような気がします。
ですが、趣味のシリーズものなので、続きます。
感想・ご指摘等のコメント、是非ともお待ちしております故、今後ともよろしくお願い致します