前回は意外と見てくれてる人がいてくれて非常に嬉しかったです!
とくに、お気に入りしてくれた方もいてくださって泣きました((嘘つけ
今回は一章の1話目ですが、まぁ、導入回ですね。
今回も誤字・脱字あるかもしれません。報告のほう、遠慮なくお申し付けくださいませ。
あと、今回はかなり分かりにくい文章な現れる可能性あります。
その時はご質問してくださいまし。
第1章・第2話《邂逅》
[幻想郷・博麗神社階段下]??? SIDE
博麗神社に続く階段…その前には一本道の通りがあった。今は昼間でも木陰で道が覆われており、少し暗い。
これがある通りは、とても物静かであった。
田舎の田んぼ道である事もあるが、何よりそこには何者も近づかないからである。
博麗神社には元々参拝者として来る者は少なかった。だが、この幻想郷に新しい宗教や新派の神社が現れたことにより、さらに人を減らしてしまったのだ。
故にこの通りは、特別な用が博麗の巫女にない限り人間は誰一人来ないのだ。但し人間は、だが…
「んー?なんなのだー?あの光ー?」
人間は通らない筈の通り、物静かであった通りに突如として現れた少女は、博麗神社の本殿の方を見てそう言った。
その少女は、金色の短髪であり、服装は黒をベースにした洋服のロングドレスを着ている。胸には赤いネクタイと2つの紅玉をつけている、赤眼の少女である。
また頭には赤いリボンがついていた。いや、一見はそうであるがリボンとしては不自然であった。
結び目が明らかにおかしいのだ。リボンは大方は蝶結びなどをして髪に着けているものだ。しかしそのリボンは雑に結んであった。まるで本人が無理矢理着けられたかのように…
そんな少女は博麗神社から発せられているであろう光をジッと見つめていた。
「ちょっと暇だし行ってみよー」
そう、少女は興味本位で光の方へ行こうとする。
すると、少女の足元から影が飛び出した。いや…それは影と形容してよいのだろうか。
もはやそれは闇であった。真っ黒の、一寸先すら見えない純粋な、闇。
それは、人によれば恐怖を感じさせるような全てを包み込むような闇であった。
その漆黒の闇が少女を丸く包み込み、黒の球体となった。それは少女の安否を心配させる。
「ばれないように林の中から近づこーっと」
そう、黒の球体から少女の声が聞こえてきた。少女はなんとか無事のようだった。いや、平然とした声であった。口ぶりから、どうやら彼女がこの闇を操っているようである。
その証拠に先程の発言の直後、黒の球体が動き出して発言通り林の中へと姿を消した。
明らかに彼女は人間ではなかった。
闇を操りその中でも平然している。さらに言えば、妙なまでに陽を避けているように見えた。証拠に彼女は木陰から現れ、そこから日元には決して出なかった。
彼女は妖怪の類のものであったのだ。
……………………………………………………………
黒の球体は、
その黒の球体に通り抜けられた草や花々は、そよ風を受けたように揺れ、何事もなかったかのように異変もなく平然とそこに咲いていた。
どうやら彼女の操る闇は害がないようであった。その球体に触れるものは植物の他にも小さな虫や小動物もいた。
しかしその全てが無事に通り抜けており、特別何かが死んでいたり害が発生したりというのは無かった。
ただ、その球体をすり抜けた後には必ず眩しがるという行動が見て取れた。
どうやらその球体は光を完全に遮断されているようであった。
それは彼女という妖怪は光に弱いのだろうということが容易に想像できた。闇には光を、ということである。
闇を司る彼女は、闇として生きねばならず、闇と運命を共有しているのだ。
その無害の闇はようやっと、博麗神社にたどり着くであろうところまで来た。
しかし単に光源に近づくのは身の危険が生じてしまう。かといって、この球体のまま博麗神社に現れてしまうと、妖怪退治を生業とする博麗霊夢に殺されてしまうだろう。
そう思った彼女は到着する前に、闇を解き普段の少女の姿となり茂みに隠れながら近づいた。
そして博麗神社本殿周りの茂みに到着したとき…
少女は信じられないと言ったような顔でその光景を目にした。瞳孔を開き、口は開いてふさがらずにいた。
実際、彼女にとって…
「え……なん……で…?」
そこにはいつも何だかんだいいつつも自分を相手してくれる博麗霊夢と、妖怪の天敵…否、圧倒的なる敵である現在の
[幻想郷・博麗神社] 博麗霊夢 SIDE
信じられない。というよりも、馬鹿げているといった顔でその男…ムウという男を見ていた。
いくら自分が結界を開いているとは言えど、常人では無事で通る事の出来ない結界の開き目をいとも容易く通り抜けてみせたのだ。
信じられなく、受け入れられないなるのも道理であろう。
そんなあっけにとられた霊夢に、ムウは優しく微笑みかける。
「お待たせして申し訳ありませんね。もう、結界を閉じてもらっても構いませんよ」
【麻呂眉】をつけた美しい顔立ちで、そう語りかけてきた。霊夢は少し戸惑う。
なにせこの幻想郷には男性という生物が少ない。特に有名人たる彼女は男性との関わりは一人程度しかない。そのため珍しい、その上整った顔立ちの彼に出会ったのはまるで未知の生物と出会うように、戸惑ってしまうのだ。
しばらくの間、彼の顔を見ていたという事に気付き、慌ただしくすぐに開いていた結界を閉じる。
「す、すみません、そうですね、今閉じます…!」
見とれていた事に恥をかいた。まさか自分がこんな得体の知れない男を見入ってしまう事に自分らしくないと感じていたのだ。
向こうは何やらずっと微笑みを浮かべてこちらを見ているが、きっと気を悪くしただろうと少し心配した。
が、何やらそんな事すら気にする自分に腹を立てた。女々しすぎる…と少し自傷気味に。
結界が閉じたことを確認し、ひとまず安心したところで屋根から降りる。見事に地面に着地した。しかしその一瞬、すこしグラつく。
相当、先程の自分の心境が意外だったのだろう、未だ戸惑っていたため体制を少しぐらつかせてしまったのだ。
ムウは心配そうに近寄ろうとするが、霊夢は片手を前にだし「来なくていい」というサインを示す。
しかし、プルプルと身体を震わし、いかにも大丈夫そうではないのが分かる。
「ま、まぁ。大丈夫そうです…ね?」
ムウはそのサインに戸惑いを表しつつも承諾したのかその場で止まり、苦笑いで霊夢を見ていた。
霊夢は立ち上がり、膝につく土埃を払う。顔は下を向いており赤面してしまっていた。ムウには気付かれぬようにしているのであった。
霊夢はすぐさま顔を引き締めスイッチを入れ替える。
幻想郷の番人として、また管理者として接するように。ムウの目を見るよう向き直した。
…最も、先程の失態を見せてしまえば貫禄は減少してしまうであろうが。
「…初めまして、になりますね。今初めて会ったことを考慮するなら」
霊夢は仕切り直すかのようにムウに挨拶をする。どれだけだらしない場面を見せたことが恥ずかしいといえど、外の世界からわざわざ来た謎の人物を前にヘラヘラとはしていられない。
まぁ、それ以外の客にもヘラヘラするとは限らないが。
事実、彼は生身では危険な結界の裂け目を容易く抜けてきた。ならばいくら敵でないといえど、慎重に対応しなければなるまい。
「えぇ、改めまして、私の名はムウ。外の世界にて…戦士として修行し、地上の平和を管理しています。」
戦士、という表現。何やら曖昧なものに聞こえた。だが実際そのようなものでなければあの荒技を行うことは不可能。それに何かを修行し身につけたともテレパシーで言っていた。戦士として必要な能力なのであろう。
その力を駆使すれば荒技を実行することは可能であるとも言っていた。一応辻褄は合っていた。
だから今のところはその曖昧な表現にはあえて触れず、受け止める。
深いことは追々聞く事にしよう。
霊夢はムウの目的を改めて聞く。
「それで…この幻想郷に忘れ物って一体なんでしょう?
あなたのような者が忘れる物…気になりますね。それに何故私が幻想郷の番人と知っているのでしょう?
初めて来るなら私の存在すら知らないし、まずこの様な形で来れるはずが無い。
何故私の存在を知っているのですか?…そもそも今回が初めてですか?」
ムウは最初…テレパシーの会話の際に[忘れ物を取りに行く]と言った。しかし改めて考えるとそれは確かにおかしい。
まず忘れ物という点である。彼のような優しくも隙の無い存在が、そんな失態をするものであろうか?結界を押し通る強者がそんなうっかりを起こす方が少しおかしく感じる。
そして、[忘れ物をした]という点であるだろう。忘れ物をしたということは、もっと以前に
外の世界に忘れ去られ、ここに知らず識らずに訪れたのなら彼女にも気付かれず幻想郷へ入れる。
だが、彼は幻想郷には結界を開けてもらえなければ入れなかったという口ぶりだった。つまりまだ外の世界では忘れられていない存在である。
となると、俄然怪しくなっていく。霊夢が彼が以前来たと仮定してもどうも見覚えがない。つまり、結界を通してやった覚えがない。
となると、無断進入したか。しかし、結界の歪みも思い出す限り数例のみだし、全て解決している。
こんな男がいれば誰かが霊夢に報告するであろう。しかしそんな報告、生涯一度もなかった。
こう考えてみると、ムウはやはり怪しい人物である事が分かってきた。
霊夢は少し眉間にシワを寄せムウの顔を睨む。少しムウはたじろいでいる。
「…そうですね……
ではお答えしましょう。
確かに、正確に述べるなら私はここへ来たのは二度目です。」
霊夢はさらに眉間にシワを作った。覚えのない男が訪れた経験が二度あると言うのだから。
ムウはそんな霊夢をなだめるように、深呼吸をして落ち着いた表情で答える。
「…まぁ、あなたが知らないのも無理はありません。
見た限り、あなたはまだ15歳前後と見て取れます。対して私は15,6年前に訪れました。
それはつまりあなたが巫女になる以前の話となりますね。
私は幼少の頃、お師匠と共にここへ訪れた事があるのですよ。
あぁ、あなたを知ったのもお師匠が代替わりしたから覚えておくと良いと、お師匠の知人から名を聞き私に伝えて下さった時があったので。
それを覚えていたまでですよ」
驚いた。眉間のシワは消え、口は開いて閉じなくなった。
まさか自分が生まれる以前に…よもや博麗の巫女として任される以前の話だとは予想外であった。
また、彼が年上であり、幼少の頃から来ていたということ。下手をすれば幻想郷の事は自分の事より詳しいのではないか?そう思ってしまう。
何故なら、幼子が〈スペルカードルール〉の無い無法の地で師匠と共に生き残ったということになるからである。
〈スペルカードルール〉が無いとなると、鬼やらの妖怪が好き放題している時代となる。そこに幼少の少年とその師匠が幻想郷へ訪れ、生きて帰っているのだ。まず幻想郷に足を踏み入れられるのがすごいことで、また生きて帰ったことも、その時代とならば奇跡ともいえるのだ。
制御されていない幻想郷で生き残るとは…ムウという男、得体が知れなさすぎる。そしてその師匠という者もまた…
霊夢はムウの言う戦士に、より興味が湧いてきていた。
ムウは戦士になるための修行を行っていたというのならば。
師匠ということは、戦士になるための修行をつけたもの。そして師匠はムウと共に無法たる幻想郷時代を生き抜いた者。
ならば外の世界の戦士はどのような強者であるのか。霊夢は管理者として、ただ戦う者としてムウに興味を抱き始めていた。
「な、成る程…」
こう答える他なかった。興味はあるものの、今言えるのはこれだけである。
聞いたのはここに来たことあるのでは、ということと、何故霊夢を知っているかの2つのみだ。
これは向こうの疑いを完全に晴らすために聞いたことだった。なのでこんなに完璧に、しかも意外性を孕んだ答えが返ってくると、もうこうとしか返事できなかった。
「…まぁ、私を疑うのはわかります。未知な存在ではありますでしょうしね。
実質この幻想郷に聖闘士は来ていなかったことでしょうし…」
「せいんと?」
聞き慣れない言葉である。口ぶりから彼もその"せいんと"であることはある程度予想はできたが。
「この際です。あなたには先程伝えた"聖闘士"の事について教えておいたほうが良さそうですね…あと
ですが、申し訳ございません。[忘れ物]に関しては詳しくは語れません。
ただ、今必要となったので取りに来た。としか言えません。ご理解いただけるでしょうか?」
「え、えぇ。それは了解しました…
しかし、なんですか…こすも?とセイントって…それがあなたの修行で身につけ、あなたが成ったもののことでしょうか?」
よくわからない単語が多く出てくる。幻想郷には確実に無いもので、誰に聞いてもわからないようなものであった。
しかも自ら、霊夢が気になっていた"戦士"とその力のことを教えてもらえるとは…
霊夢は聞くことに集中する。
「その通り…聖闘士とは、はるか神話の時代におられる戦女神・アテナの為に命を賭して戦う拳闘士のことを指します。
アテナは古くより争いや人を殺める武器を嫌い、地上より戦を無くす為に自ら戦地に身を投じるお方です。しかし、アテナ様一人では他の強大な勢力に押し潰されるのみでした…
そこで、アテナ様は平和を願う戦士を募り、武器を己の肉体のみとするよう戦士達を育てました。
そして、戦士達もアテナ様の為に身を振るうことを誓いました。
それがアテナの聖闘士です。優れた聖闘士ならば武器を扱うという例外もありますが、主に己の肉体のみで戦うのが聖闘士です。
しかしただの肉体であるならば、強大な敵には打ち勝てません。そこで聖闘士が身につけたのは、己の力を底上げしてくれる内なる力"小宇宙"です。
小宇宙は色々と言われますが、簡単に言うなら"気の力"もしくは"命の力"。
己に備わるその力を燃焼、そして爆発させることで常人では考えられない、絶対的破壊力を生み出すことが出来ます。
小宇宙をマスターすれば振るう拳は空を裂き、蹴りは大地を砕くことも容易くなります。
私はこれを体得し、見事外の世界で聖闘士として存在しています。」
急にスケールがでかくなってついてけない。そんな微妙な顔をしてムウの話を聞いていた。
神話の時代となると、人間も存在として生まれて間もない頃になるだろう。そんな時代から女神様とその、聖闘士らが頑張って戦っている。としか認識できない。
それに小宇宙の話も、何やらややこしいものだ。幻想郷にも気を扱うものが数名いるが、絶対的破壊力は無かった。
しかしムウの言う話が本当なら小宇宙はどんな気よりも強いものであるという事が安易に想像できた。
突拍子も無いということも事実であるが…
ムウは説明し終えて、1つため息を吐き肩を落とした。
霊夢もこの話を、自分なりに理解しようと頭を回しに回した。そのためかなり疲れたようでふぅと息を吐いた。
「それでは、幻想郷の番人殿、町の方にはどこへ…」
…そうムウが話しかけたその時。
突然ムウの方向に点の影が現れる。ポツポツとしたものであったのはどんどん大きくなっていく。
先に気付いたのは霊夢であった。
「……ッッ!!ムウさん!後ろへ!!」
霊夢はムウを押し出し、突き飛ばす。案の定、ムウは後方へ大きく後退した。
そしてすぐに霊夢も後ろへ大きく飛んだ。いわば霊夢とムウで散開した形となった。
散開した場所へ、畳み掛けるような
ドドドドドドドッッ!!
土埃を上げ、衝撃が走る。霊夢は咄嗟に発射元を探す。
おそらくムウは経験のない事に戸惑っているだろう。一刻も早く犯人を見つけなければ…そう思っていると、犯人は自分から身を乗り出してきた。
「……なんで…なんでそんな奴といるんだよぉ、霊夢ぅ!!」
「……ルーミア!?」
それは黒の洋服ドレスを来た少女…妖怪にして、「闇を操る程度の能力」を持つルーミアであった。
その顔は、信じていたものに裏切られた悲しみに満ちた泣き顔であった。
……はい、いかがでしたでしょうか
ルーミア登場ということで、妖怪は聖闘士を目の敵にしていそうなので登場させました。
次回から戦闘回です。上手く書くよう頑張ります。効果音、多くなる気がしますけどネ…