思いついたお話をぼちぼちやっていくっぽい。
動画と作り方が何もかも違うので探り探りです。
なので、読みにくいところがあると思います。
もしあったら素人の作品と思って流してください。許して。
どうすれば自分達艦娘がもっと強くなれるだろうと、陽炎は真面目に考えていた。
鎮守府庁舎にある食堂に集まっているのは陽炎以下、不知火、黒潮、親潮の4人だ。
昼食後、他の艦娘は出撃や遠征のため退出したが、非番の彼女たちはゆったりとしていた。
陽炎は3人に聞いてみる。
「ねぇ、どうしたらいいと思う?」
その問いに不知火が答える。
「別に、どうもしなくていいと思うのですが」
「なんでぇ?」
不知火はお茶を一口すすり、湯呑を置く。
「特別なことをしようとしなくていいです。与えられたことをやっていれば、自然と強くなれます」
「それだけじゃ足りないわ。もう大規模作戦くらいしかまともな出撃がないじゃない」
現状。深海棲艦との戦いは、艦娘、つまり人類側が優位に立っていた。鎮守府近海や南西諸島沖、北方・西方海域に出現していた深海棲艦はあらかた掃討してしまっていた。
残すは本島より南方の海域、そして太平洋の中心部の攻略のみとなっている。
しかし、敵の本拠地がそこにあるのか、出てくる深海棲艦はどれも強敵だった。
深海棲艦側も、下手に海域を取り戻そうとすると、返って貴重な戦力を減らしてしまうと分かっているようだ。
そのため、お互いに拮抗状態に陥っており、睨み合うばかり。
艦娘側は年に4回、大規模作戦と称して各鎮守府泊地の有力艦隊を出撃させる以外、資源の節約等の関係で哨戒以外の出撃はほとんどなくなった。
「でも、ちょっと待ってぇな」
黒潮が小さく手を上げる。
「出撃回数が減ってるのは分かるで。でも、その分他のところとの演習が増えたやん」
「そうですね。私たちの練度を上げるには十分だと思うのですが」
黒潮の意見に、親潮が賛同する。
そうじゃなくて、と陽炎。
「昔に比べて、でしょ。それに、やっても週1ペースじゃない。もっと自主的に何かやるべきよ」
「まぁ、もっともな意見やな」
「大規模作戦に駆逐艦が頻繁に編成されているのに、出撃するのはだいたい同じメンツだし」
確かに、ここ数年の大規模作戦では、駆逐艦が多く起用されるようになっていた。
艦隊護衛に始まり砲雷激戦での取り巻きの排除、夜戦でなら駆逐艦でも敵の主力を落すことも出来る。機銃や高角砲を装備して、航空戦支援としての役目も任されることもあり、起用のされ方は様々だ。
その作戦に加わっているのは、比較的高練度の駆逐艦が主となっている。作戦を完遂させることを考えると、当然と言わざるを得ない。
そうなると、ほぼ常連と言ってもいいほど出撃している艦娘と、出撃していない艦娘が出てきてしまう。
陽炎はそれを問題視していた。
「作戦に参加できてない子たちの士気にも関わってくると思うの。普通に演習だけやってたら練度上げに時間がかかるし、いつまでたっても大規模作戦に参加できない子が出てくる一方よ」
「ああ。だから自主的に何かをやろうってことやな」
陽炎の考えに、黒潮は納得した様子だった。不知火と親潮もだ。
「では、何をしましょうか」
不知火が切りだし、それを合図に4人は考え始めた。
しばらくして、親潮がすっと手を上げる。
「練習用のペイント弾を使って、模擬戦闘をするというのはどうでしょう?」
親潮の考えはこうだ。
「6人チームを2つ作って、実際の戦闘のようにしてみる。手伝ってくれる方が居れば、戦艦や空母の方にも参加していただいて」
「ああ、それ良いわね」
こういった練習はバカにできない。サッカーのチーム内で練習試合のようなことをするのと同じ感覚だ。
模擬戦闘を繰り返せば、実際の戦闘でも役に立つはずである。
「ほな、こういうのはどう?」
親潮の次に、黒潮が手を上げる。
「何をするにも、体力は必要と思うんや。朝、すこ~し早めに起きてランニングとか」
「うーん、それもいいわね」
「ふふ、せやろ」
基礎体力は何をするにしても必要だ。途中でバテてしまっては、いくら戦闘が上手でも意味がない。
それに、朝のランニングは体力をつける以外にも、気持ちを盛り上げることもできそうだ。
そういえば、と不知火。
「工廠に砲雷用の的がありました。それを使うのもいいかもしれませんね」
「建造されて間もない子が使うやつだね。いいかも」
通常、艦娘は建造で生まれる。特殊な機械に燃料・弾薬などの資源を一定量入れることで、資源量に応じた艦種の艦娘を建造できるのだ。
つまり、彼女たちは人間ではないということになるが、それはまた別のお話。
しかし、建造された艦娘をいきなり戦闘に向かせるわけにもいかない。そこで、建造されてからしばらくは砲撃練習や航行練習を行うことになっていた。
その際に使用される、砲雷撃用の的を使おうと不知火は言うのだ。
一度意見が出始めると「これはどう?」「こんなの良いね」と、次々にアイデアが出てくる。
だが、意見が多すぎても問題だ。
いくつか案が出た時点で、陽炎はストップをかけた。
「いきなりたくさんのことをするのって大変だからさ。少しずつやっていこう。まずは朝のランニングをして、次に的を使った練習。慣れてきたら模擬戦闘、みたいに」
陽炎の意見に3人は賛成し、いつまでも居座るわけにもいかないので、食堂から退出した。
「お、みんな昼ごはんの後かい?」
食堂から出てきた陽炎たちに声を掛けたのは谷風だった。側には浦風もいる。
「うん、谷風と浦風は?」
「谷風は秘書艦の仕事やってたんだよ。今からお昼~♪」
「うちは谷風の手伝いよ」
立ち話をしている中で、陽炎は食堂での小会議のことを話した。
すると、谷風と浦風がきょとんとした顔をする。
谷風が「うわ、同じこと考えてらぁ」とぼやく。
浦風が口を開く。
「陽炎ちゃん。そんなこと考えなくてええと思うよ?」
「え、どして?」
「だってね」
浦風曰く。
「来週から鎮守府のみんなで、模擬戦闘と朝のランニングをやるようにしようって。提督さんが」
陽炎はきょとんとする。
浦風は付け足すように言った。
「大規模作戦だけじゃ、みんな腕がなまるだろうからって言ってたよ」
黒潮と親潮は渋い顔をしていた。
「司令はきちんと考えていましたね、陽炎」と不知火はなぜか誇らしげに言った。
陽炎は、司令はきちんと自分たちのことを考えていたと嬉しく思う一方、このままでは食堂内で話し合いをした意味が無くなってしまうような気がしてならなかった。
どうしたものかと悩んだ末。
「一日の終わりにもランニングしようか」
「陽炎ちゃん、無理はいけんよ~」