気分で小説を更新したいと思っているので、とても更新速度が不安定になるかと思いますが、ご了承ください。
僕は、いま、椅子に座っている。座っていると言っても、椅子に座っているわけではない。床に正座している。
そして、部屋の中には2つのモノがあった。
1つ目はダンボール。ただのダンボールだ。
2つ目は青髪の美少女だった。その美少女はニコニコしながらこちらを見ている。
僕はこの美少女に会ったことはない・・・・・・と思うのだが、何故か僕はこの子の名前を知っていた。
「えっと・・・・・・艦娘の五月雨・・・さん?」
「あれ?本営は私の名前を教えていないはずなんですけどね・・・・・・」
その美少女、五月雨は少し不思議そうに僕の顔を見つめ、またニコニコし、また口を開いた。
「改めて、五月雨っていいます! よろしくお願いします。護衛任務はお任せください!それと、敬語でなくても大丈夫です」
「うん、よろしく。僕の名前は・・・・・・・・・・・・」
自分の名前が何なのか、わからなかった。自分でもびっくりした。そういえば、どうやってここに来たかもわからない。もしかして、これって・・・・・・
「? どうしたのですか?」
「僕は、記憶喪失なのかもしれない・・・」
五月雨は驚いた顔をしていた。それから30秒くらいの間があった。
「もしかして、転送時に何かあったのかも知れません・・・後で調べてみます。最悪の場合、執務に影響が出るかもしれません」
「転送!?執務!?なにそれ!?それに関して詳しく教えてくれないか!」
「あ・・・あの・・・・・・とりあえず座って落ち着きませんか?お、お茶をいれてきます!」
気づくと僕は、五月雨の肩を掴み、至近距離で前のめりになって話していた。
五月雨は赤面しながら部屋を走って出ていった。廊下からは誰かが転ぶ音が聞こえた。とりあえず僕は深呼吸をして胡坐をかくようにその場に座った。改めて部屋を見渡してみると、ダンボール以外本当に何も無い。落ち着くにはいい環境に見えるが、逆に何も無いと今どういう状態なのかを考えることが出来ないので、全く落ち着くことが出来なかった。
そうこうしているうちに五月雨が帰ってきた。おぼんに2つの茶飲みが乗っている。五月雨のては震えていて、とても危なっかしい持ち方をしている。本人に喋る余裕は全くないようだ。ぎこちない足取りで近づき、ダンボールの上に茶飲みを置いた。
「待たせてしまってすみません・・・・・・」
「さっき転んでたけど大丈夫?」
「えへへ・・・・・・バレてたんですね・・・・・・」
この時はこの子も動揺してるんだなと思ったが、後々これが素だということが分かった。
「それでは、転送とは?」
「まず、あなたは本営から敵である深海棲艦を倒すための兵器である艦娘を指導する、提督に推薦されてこの鎮守府の司令室に転送されました。」
「その提督に推薦される条件はなに?」
「基本的に推薦される方は特別な能力をもっていますその99.9%。が、艦娘を見ただけで、練度、ステータス、残りHPなどがわかる能力です。」
「いや、僕にはそんなものはわからないよ?」
「では、違う能力を持っている可能性が高いです。例えば、深海棲艦と艦娘の弾丸の軌道がわかる、明石なしで泊地修理ができるなどだと思います。正直、艦娘の練度やステータスは艤装を少し調べればわかりますし、普通の人でも小破なのか、中破なのか、大破なのかくらいはわかりますので、さっき言った99.9%の方が持ってる能力は便利ですが、あまり重要ではありません。」
「なら良かった。」
僕がそう言ったところで、五月雨は思い出すようにまた口をひらく。
「私の名前を知っていたり、艦娘のことを知っているということは、失われていない記憶もあるかもしれません。少し試してみましょう。」
そうして、五月雨はなんと何も無いところから主砲を取り出した。その主砲の上には赤い髪の小人が乗っている。僕はこの小人が妖精というものだということを知っていた。
「!?!? どこから取り出した!?」
「いま、私が持っている装備を展開しました。部分抜錨です。この装備は何でしょうか?」
「その妖精さんは12.7センチ連装砲かな?」
「正解です。提督をするのに必要な記憶が残っているのかも知れません。そして、装備の妖精を見るだけでその装備の名前がわかるということは、記憶を失う前は海軍関係の人だったのかもしれませんね。」
「いろいろわかってきたね」
「あっもうすぐ夕飯時なので、夕飯を作ってきます!」
そう言って五月雨はこの部屋、司令室を出ていった。
正直、五月雨と話して、結構心が落ち着いた。僕の特別な能力は何なのか、何故僕はここに来たのか、何をするためにここに来たのかまだまだ考えないといけないことはたくさんあるけど、この2回目の人生である提督人生を楽しもうと思う。