「提督、朝ですよ!」
五月雨のモーニングコールと同時に、僕は重いまぶたを開いた。五月雨がカーテンを開くと、司令室に眩しい光が差し込まれる。
「うおっ眩しっ・・・・・・おはよう五月雨」
「おはようございます提督!」
ぱっと目線を上げた時、昨日まで何も無かった司令室に、通信機のようなものが置いてある机があった。新品ピカピカの高そうな机である。
「これは僕の机・・・ではなさそうだね」
「あっと・・・これは・・・・・・」
五月雨が話している途中に、司令室の扉が開き、メガネをした女性が入ってきた。
「おはようございます提督!今朝この鎮守府に参りました、大淀です。任務や通信、電報などの管理をします。これからよろしくお願いします」
「という訳でこの机は本営から送られてきた大淀さんが使います。」
「よろしく、大淀」
上司よりいい机を持つ部下ってどうなのかと思った。いつか僕もあんな机が欲しいなぁ。本営さんが送ってくれないかなぁ。
「いきなりですが、工廠に行ってみてはどうですか?ちょうど任務も来ていますし、新しい艦娘を増やすチャンスですよ?」
「では、大淀も言っているし、五月雨、一緒に工廠に行くか」
「はい!」
僕らは司令室を出て、工廠に向けて歩き出した。さりげなく司令室を出るのは初めてだ。
「そういえば提督、昨日提督は私の名前は知っていましたけど、他に知っている艦娘はいますか?」
五月雨が工廠に行く途中で話しかけてきた。そう言われて見ると、艦娘は全く知らない。まぁ、記憶喪失だし、当たり前と言ったら当たり前だけど・・・・・・
「うーん・・・・・・今のところは五月雨と大淀しかわからないな」
「あれ、大淀さんが艦娘だってことがなぜわかったのですか?」
「確かに、大淀は自己紹介の時に艦娘だとは言っていないが、感ではなく、見た瞬間この人は艦娘だって確信した。」
「提督、ここが工廠です!」
司令室から⒉3分歩いたところに工廠はあった。いろんな機械が並んでいる。
「ここでは、建造や開発ができます。少しせつめいすると、建造で作られるのは艤装だけで、艦娘はその場で本営から転送されます。同じ種類の艤装が作られた時は艦娘は転送されず、艤装をだけが出てきます。とりあえず、任務にあった建造をしてみましょう!」
「わかった。やってみよう。」
僕が機会の前に立つと、機械にはタッチスクリーンが付いており、燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトの数値が入力できるようになっている。とてもシンプルなシステムだが・・・・・・
「あの・・・・・・何を入力すればいいのか全わからないのだが・・・・・・」
「そうなると思っていたので、あらかじめ調べておきました!」
さすが頼れる秘書艦だ。こんな秘書艦をもてて幸せだ。
「400/100/600/30です。何のレシピかというと・・・・・・・・・や、やってからのお楽しみです!今回は建造開始後に高速建造材を使ってください」
さっきの言葉は撤回しよう。五月雨は何のレシピか忘れてしまったようだ。それでもそんなことは気にせずに僕はタッチスクリーンに五月雨が言ったレシピを打ち込み、建造ボタンを押した。そうすると、タッチスクリーンには
04:20:00
の文字が表示された。高速建造材を使うと、機械に付いた扉が開き、中から人が現れた。
「扶桑型超弩級戦艦、姉の扶桑です。妹の山城ともども、よろしくお願いいたします。」
「やったぁ!戦艦ですよ!当たりですよ!」
五月雨はぴょんぴょん跳ねながら喜んでいる。かわいい。
「これで出撃するための戦力は十分だな。」
「そうですね、提督。とりあえずは司令室に戻りましょう!」
司令室に戻ると、また何かが増えていた。本棚だ。誰が見ても、何の変哲もない本棚である。俺が「なんだコレ」っていう顔をしていると
大淀が説明を始める。
「この本棚には艦娘の情報や海域の情報に関する本があります。この本は本営から届いてきて、更新されます。メタいことを言うと、ゲーム内の図鑑よりは、Wikiに近い感じの内容です。」
そう言い、大淀は本棚から本を取り出し、戦艦扶桑のページを開く。
「提督、図鑑はこのような感じです」
「扶桑は改造後は航空戦艦になるんだな」
「そのようなことがわかります」
そう言い、大淀は本を閉じ、本棚に戻しながら話を始めた。
「それでは、出撃してみましょう!」
「扶桑、五月雨、準備をしてくれ」
そう言うと、2人はニコニコしながら返事をし、小走りで司令室を出ていった。数分後に2人から通信があった。
「艦隊、準備完了しました。提督、どうしますか?」
「よし、鎮守府正面海域に出撃!」
「駆逐艦五月雨!」
「戦艦扶桑!」
「「抜錨!!!」」
俺らの艦隊コレクションは始まったばかりだ。
次回予告
出撃です!