ハイスクールD×D~原初の龍神と赤龍帝~   作:火の鳥

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更新しました。

誤字、脱字がありましたらドシドシ言って下さい。



旧校舎のディアボロス
親友の死、紅の悪魔


 

 

《イッセーside》

 

 

俺は今人生の絶頂期にいる。なんと、俺にも彼女が出来たのだ。

人生で初めての彼女───名前は天野 夕麻ちゃん。

めちゃくちゃかわいくて出会った瞬間に一目惚れしてしまったほどだ。

付き合ってから世界が変わったように思えたよ。今日から俺は勝ち組だとな。

 

悪友の松田と元浜に彼女が出来たことを報告すると血の涙を流しながら呪詛の言葉を吐いた。

 

悠莉にも報告したら「彼女が出来たのか! おめでとう、イッセー」と素直に祝福してくれた。流石は親友だな。松田と元浜にも悠莉のように素直に祝福してほしいものだぜ。

そこで俺は悠莉に当分の間は自己鍛錬だけでいいかと聞くと、悠莉は「彼女が出来たから自由な時間が欲しいんだろ? それくらいなら構わないよ」と言ってくれて当分は自己鍛錬だけで良いと言ってくれた。

 

やっぱり、持つべきものは親友だな! 帰り際に悠莉が「本質を見誤るなよ」と真剣な顔で言っていたが何のことだったんだろうな?

 

 

そして今日、記念すべき初めてのデートの日を迎えた。

 

俺は待ち合わせの三時間前から現地で待機して夕麻ちゃんの到着を待った。

 

それから約束の時間になって夕麻ちゃんが到着したとき、俺は彼女が出来たときに言いたかった言葉を言った。

 

「いや、俺もいま来たところだから」

 

やった! 言えたよ。遂に俺は言ってやったよ。俺は心の中で感激していると

 

夕麻ちゃんが俺の手を繋いできた。

 

ハッ! そうだ。まだ感動するのは早い。これから夢のような時間が始まるのだからな。

 

俺も夕麻ちゃんの手を握り返して、二人で街に繰り出した。

 

そのあと、洋服の店に入ったり、露天で装飾品を見たりして、デートを満喫した。

 

昼食はちょっと奮発して、小洒落た店で食べた。夕麻ちゃんはデザートで運ばれてきたチョコレートケーキを美味しそうに食べていた。もう、それを見ていただけで幸せだ。

 

それからまた、街でゲーセンに行ったり、ウインドウショッピングをしてデートを楽しんでいると、もう夕方になっていた。

 

そこで休憩も兼ねて町外れの夕暮れの公園に来た。

 

いい雰囲気公園を一緒に歩いていると、いつの間にか公園の噴水の前まで来ていた。

 

夕麻ちゃんは俺から離れると噴水の前まで行き、俺の方に振り向いた。

 

夕暮れの噴水をバックに笑顔で俺に言った。

 

「ねぇ、イッセーくん」

「なんだい、夕麻ちゃん」

「私たちの記念すべきデートってことで、ひとつ、私のお願い聞いてくれる?」

 

おお! お願いって、まさかキスか!?

 

「な、何かな、お、お願いって」

 

しまった。声が裏返ってしまった! なんて初歩的なミスを………。

 

夕麻ちゃんは俺に微笑んで言った。

 

俺の運命を決定づける言葉を………。

 

「死んでくれないかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

『オイオキロ! ココデネタラシヌゾ!』

 

「………うーん」

 

さまざまな状況化に陥ったときの場面の言葉で起こしてくれる目覚まし時計だが、俺はベッドにいないから本来の役割を担えなかった。

 

また、あの夢か……最近は同じ夢ばかり見るな。

 

「イッセー! 起きろ! ご飯だぞ!」

 

階段から悠莉の声。うん。今日もいつも通りの朝だ。

 

「おう! いま起きる!」

 

そう返事を返して、俺は床から立ち上がった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

「行ってきます」

「行ってきます、おばさん」

 

俺はあくびをかみ殺しながら家を出る。

 

最近の俺はどうにも朝に弱くなった。普段なら起きれるのに最近では悠莉に起こしてもらってばかりだ。

 

後は太陽が苦手になった。陽光が肌に突き刺さり辛いものがある。

 

それとは逆に夜になると体が元気になる。いわゆる、夜型人間と言うやつだ。

 

だがおかしい。俺は規則正しく生活しているはずだ。たまに鍛錬で遅くなることはあっても精々、11時くらいまでだ。それで生活のリズムが崩れることは無いはずだ。

なのに、深夜三時、四時まで余裕で起きられてしまう。おかげで、寝不足の毎日だ。

 

本当にどうしたんだろうか、俺の体。

 

俺が一人、悩んでいると

 

「イッセー。最近はどうしたんだ?」

 

悠莉が俺を心配して声をかけてきた。

 

「うーん、説明しづらいんだけど……最近、体がおかしいんだ。朝、起きるのが辛くなったり、太陽が苦手になったり、夜に眠れなくなったり、昼間より夜の方が体に力がみなぎるし、本当、俺にも分からないよ」

 

俺が悠莉に体のおかしなところを1つずつ言うと、悠莉は「あー、あれか……」と納得していた。

 

「確かに、俺もおかしいとは思ったよ。夜の鍛錬の時、やたらと動きが早いんだもんな。だが俺はてっきり、イッセーの力が覚醒したのかと思ったんだがどうやら、そうではないみたいだな」

 

悠莉も俺の体の変化に気づいていたのか苦笑しながら言っている。

 

 

「はぁーー、あんま笑いごとじゃないんだけどな……」

 

俺は溜息を吐きながら学校に登校した。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは教室に着くと悠莉は自分の席に行き俺も自分の席に行き椅子に深く腰をおろした。

 

「よー、心の友よ。貸したDVDはどうだった? エロかっただろ?」

 

声をかけてきたのは俺の悪友その1──松田。見た目、爽やかなスポーツ少年に見えるが、日常的にセクハラ言葉が出る変態だ。やつの別名は『エロ坊主』、『セクハラパパラッチ』

 

「ふっ……今日は風が強かったな。おかげで朝から女子高生のパンチラが拝めたぜ」

 

キザ男のように格好つけているメガネが悪友その2である元浜だ。メガネを通して女子の体型を数値化できる変態特殊能力を持つ。コイツの別名は『エロメガネ』、『スリーサイズスカウター』

 

「いいもん手に入ったぞ」

 

そう言って、松田は俺の机に次々と卑猥な品を積み上げていく。

 

周りの女子は「朝から最低~」、「エロ坊主死ね」と蔑んだ声を上げる。

 

「騒ぐな! これは俺らの楽しみなんだ! 脳内で犯すぞ!」

 

松田が女子にそう行っていると───。

 

スパァァーーーンッ!!

 

松田の頭にハリセンが叩きつけられる。

 

松田が痛みに悶絶していると───。

 

「お前等な、学校になんて物を持ち込んでいるんだ。そういう物は家で観賞しろ。後、冗談でも女子に犯すなんて言葉を使うな。一歩間違えば、ハラスメント行為で逮捕されるぞ」

 

悠莉も俺の席に来て、松田に説教をかましていると───。

 

きゃあーーーーーーーーーーっ!!

 

女子が黄色い悲鳴を上げた。

 

あー……そう言えば、悠莉は高校に入ってからもモテていたな。なんでも、さり気ない優しさがいいだの、

ピンチの時に颯爽と助けてくれる姿が格好良いだの、色々あったな。

 

松田と元浜が悠莉に嫉妬の涙を流しながら、怨念がこもった言葉を吐いているのを横目に俺は溜息を吐いた。

 

普段の俺なら松田たちと一緒に悠莉に嫉妬の言葉を吐いているんだが、やはりどうにもそんな気が起きない。

 

悠莉は松田たちを適当にあしらうと俺に溜息を吐きながら声をかけてきた。

 

「はぁ……その顔はまた、違うことで悩んでいるな。やっぱりアレか? 彼女がいたって言う話か?」

 

悠莉は心配そうに俺を見ている。

 

「………夕麻ちゃんのこと、マジで覚えていないのか?」

 

俺がそう言うと、悠莉は首を横に振った。

 

「いいや、マジで知らないぞ。イッセーに彼女が出来たら俺は直ぐに気づいてるはずだからな」

 

俺が夕麻ちゃんに殺された夢を見た次の日に松田と元浜もそうだが悠莉に聞いても、知らないと言う。

 

最初は三人で俺をからかっているんだと思った。

 

だが、松田たちは分からないが悠莉がそう言う話で俺をからかったりはしないことは知っているので、そうではないと確信する。

 

俺は確かに悠莉たちに夕麻ちゃんを紹介した。

 

松田たちは夕麻ちゃん見るなり、血涙を流して俺の罵声を浴びせてきたりしたし、悠莉は「おめでとう」と本気で俺を祝福してくれたりしてくれたのにな。

 

だが、悠莉たちは覚えていない。いや、夕麻ちゃんがいたことさえ覚えていない。

 

写真とかがあれば、まだ信じてくれただろうがそれすら無ければ、俺が言っていることはただの幻想でしかない。

 

俺が落ち込んでいるのを見かねたのか松田たちは俺に言った。

 

「イッセー、落ち込んでいてもしょうがないだろ。よし、今日は放課後に俺の家に寄れ。秘蔵のコレクションをみんなで見ようじゃないか」

 

松田がそう言い、元浜も同じなのか「うんうん」と頷いている。

 

「イッセー、たまには息抜きも必要だ。今日の鍛錬は休みでいいからコイツラに付き合って楽しんでこい。俺は用事があるからいけないが」

 

悠莉もそう言ってくれる。

 

「わーったよ! 今日は無礼講だ! 炭酸飲料とポテチで祝杯をあげながら、エロDVDでも視聴しようじゃねぇか!」

 

俺もいつまでもウジウジしててもしょうがないので半ばヤケクソ気味に言う。

 

「それでこそ、イッセーだ!」

「まあ、多少は元気が出たか」

 

松田がそう言い、悠莉が苦笑しながら言うと───。

 

俺の視界に紅が映る。

 

鮮やかな紅───。

 

俺がそれに目を奪われていると───。

 

「あれは……三年のリアス・グレモリー先輩だな。ウチの高校のアイドルで全校生徒の人気者。出身は確か、北欧だったな。父親の仕事の都合で日本にきたそうだ。だが、あまりにも綺麗すぎて高嶺の花となっているみたいだがな」

 

俺は悠莉の説明を横で聴きながら、彼女を見つめる。

 

確かに綺麗だ。だが綺麗すぎる。

 

その完成されすぎた美貌を怖く感じ、心の隅で畏怖した。

 

そのとき、彼女の透き通るような碧眼が、俺を捉えていた。

 

俺は心臓を握られたかのような感覚を感じ、直ぐに視線を外した。

 

その横で鋭い視線でリアス・グレモリーを見ている、悠莉に気づかないまま………

 

 

 

 

 

 

 

 

《悠莉side》

 

 

俺はイッセーと校門で別れて家があるマンションに帰宅した。

今日は久しぶりに帰ってくるやつがいるからだ。

 

それは────。

 

「にゃにゃ、悠莉~~~♪」

 

そう、黒歌である。

 

「黒歌……そんなにひっ付くな。色々と当たっている」

「ふふ……当てているんだもん♪ 当然にゃ♪」

 

これでは話が進まないので俺は黒歌に聞く。

 

「で……黒歌、頼んでいた情報は得られたのか?」

「にゃん♪ 悠莉はイケずにゃ───。そうよ、この街にいる堕天使が何やらろくでもないことを計画しているにゃ。しかも、裏では闇《ダークネス》が動いているっていう話も上がってるにゃん」

「おいおい……闇が動くって事は中枢組織の黙示録の闇《アポカリプス》も動いているのか?」

「それは違うみたいにゃ。黙示録の闇は相変わらず、動きが無いのにゃ。私たちの方では新たな勢力が出来た可能性があると示唆しているにゃん」

 

黒歌は闇《ダークネス》とは違う勢力が現れたと言った。

 

だが────。

 

「これは俺の推測だが、新たな勢力の可能性は無いな。恐らく、闇の中の派閥争いで新しい派閥ができたのだろう。闇とて一枚岩ではないからな」

 

俺はそう言った。

 

「ふーん。じゃあ、これで報告も終わったから早速、子作りしようにゃん♪」

 

そう言い、黒歌は俺に更に密着してくる。

 

「ええい! この万年発情猫が! 前にも言ったがムードを大事にしろ! ムードを!」

 

俺は黒歌にそう注意するが───。

 

「にゃ? ムードってなんにゃ? 美味しいのかにゃん?」

 

と言って、首を傾げられた。

 

俺は天を仰ぎ、色々と諦めた。

 

「分かった……。ご飯を食べた後に抱くから、今は我慢しろ」

「う~~! 悠莉は冷たいにゃ。私は悠莉の恋人なのに扱いがぞんざいにゃ」

 

そう言って、黒歌は文句を言ってくるが───。

 

「だったら、少しは自重しろ! 毎回、帰る度に夜這いをかけられてたら、俺じゃなくとも言うわい!」

「むぅ……。分かったにゃ。ご飯を食べ終わるまで我慢するにゃ───だけど、その後はいっぱい可愛がってにゃん♪」

「ああ……ちゃんと、我慢出来たらいっぱい可愛がってやるから、今はご飯を作る手伝いをしろ」

「はーいにゃ♪」

 

そう言って、黒歌は俺から離れてキッチンに向かい、俺も溜息を吐きながらあとを追うのだった……………

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜────。

 

 

黒歌を抱いて、満足させて一緒に寝ていると…………

 

「………っ」

 

俺はなにかの気配を感じ、ゆっくりと目を開けた。

 

「この感じは……堕天使か!」

 

俺は黒歌を起こさないようにベッドから抜け出そうとすると───。

 

「う~ん。悠莉……行くのかにゃ?」

「起こしてしまったか……すまないがちょっと行ってくる。もう二度と親友を殺されたくは無いからな!」

 

俺はそう言い、戦闘服に瞬時に着替えると────。

 

「行ってらっしゃい、悠莉」

「ああ……行ってくる、黒歌」

 

俺は黒歌にキスをして部屋から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

《イッセーside》

 

 

「これは数奇なものだ。こんな都市部でもない地方の市街で貴様のような存在に会うのだものな」

 

そう言って俺に殺気を向けてくる、スーツを来た男。

 

なんだこいつ! 悠莉ほどじゃないが結構、強い殺気を放ってくる。となると人間じゃないな。

 

俺はそう分析していると────。

 

「主は誰だ? こんな都市部から離れた場所を縄張りにしている輩だ、階級の低い者か、物好きのどちらかだろう。おまえの主は誰なんだ?」

 

俺はわけのわからないことを言っている男に背を向けて走り出した。

 

ここで戦闘は俺には不利だ! もっと広い場所に行かないと! 

 

俺はそう考えて、広い空間がある場所まで逃げた。

 

しばらく、走っていると───。

 

見えた! ここなら多少、派手なことをしても怪しまれない。ここが戦場だ!

 

俺は公園に駆け込むと、後ろを振り返った。

 

すると前方にはさっきの男がいた。

 

「逃がすと思うか? 下級な存在はこれだから困る」

 

俺はコイツの羽を見て、確信した。悠莉に見せてもらった、本に載っていた……天界から堕ちた存在……堕天使だと。

 

「おまえの属している主の名を言え。こんなところでおまえたちに邪魔をされると迷惑なんでな。こちらとしてもそれなりの……。まさか、おまえ、『はぐれ』か? 主なしならば、その自分の現状を把握していない顔をするのも説明がつく」

 

なにやら、このスーツの男は勝手に納得している。しかし、主やら『はぐれ』とかなんだよ? 意味がわかんねぇ!

 

それにしても、ここは────。

 

俺は周りを見渡した。

 

ここは俺が夢で夕麻ちゃんに殺された公園と同じ場所じゃないか。やっぱり、あれは夢では無かったのか?

 

「ふむ。主の気配も仲間の気配もなし。消える素振りも見せない。魔法陣も展開しない。状況分析からすると、おまえは『はぐれ』か。ならば、殺しても問題あるまい」

 

そう言い、男は手に光の槍を創り出した。

 

俺はその槍を見たとき、既視感を感じた。あれは───そう、夕麻ちゃんが俺を殺した時に使った槍と同じだ!

 

そう考えていたせいか………

 

光の槍が俺の肩に刺さった。

 

「ぐあああぁぁぁ……!!」

 

くそっ! 考え事をしていたから反応が遅れた! とっさに体を横にずらしていなければお陀仏だったぜ………。

 

俺は肩に刺さっている槍を手で抜き──その時、手に痛みを感じたが無視して──肩に手を当てて、止血していると───。

 

「ほう……。とっさによく避けたな。しかも、光で形成した槍を素手で抜くとはな。どうやら、意外と頑丈のようだな。ならば、今度は強く光の力を込めるぞ。これでさすがに死ぬだろう」

 

ぐ……っ! まだ完全には止血出来てないのに……。ピンチだな。右腕は当分、使えないし、光の力なのかさっきから傷口が痛むし………。

 

「これで終わりだ!」

「く…………っ!!」

 

男が俺に高速で接近し、槍を横薙ぎに振るって来たので、痛む傷口を押し殺して後ろに飛び退く。

 

だが完全には避けきれなかったようで────。

 

「があああああぁぁぁぁっ!!!」

 

今度は腹を斬られた!

 

直前で後ろに飛んだから深くはないが、浅くもないな……放って置けば、出血多量で死ぬな。しかし……くそっ! これが人外の力かよ。下っ端でこれだと、人間がそう簡単に勝てないわけだよ! ちくしょう!!

 

「これも避けるか。少し、侮ったな。おまえは下級にしては少しはやるようだが、もうその傷では次は避けれまい。『はぐれ』となったことに後悔しながら逝くがいい!」

 

そう言って、男はまた槍を創り、投擲の構えを見せる。

 

ああ………くそっ! ここで終わりかよ。ここまでなのかよ俺は……。すまねぇ、悠莉……せっかく、鍛えてくれたのに俺はここで終わりみたいだ。本当にごめん……。

 

「はははは……これで終わりだ!!」

 

男は槍を投げ放った─────。

 

俺はそれを見て、覚悟を決めて目を閉じようとすると────。

 

「もう二度と友を殺させたりはしない!!」

 

その声が聴こえた瞬間────。

 

俺の眼前まで迫った槍はなにかよって砕かれた!

 

「なっ!!」

 

男は驚くが直ぐに後方に飛び退き、自分の邪魔をした乱入者を睨む。

 

「悠莉………なのか?」

 

俺は助かったと思い、目の前にいる俺の親友に問いかけた。

 

「すまない……遅くなった。だが、よく持ったな。さすがはイッセーだ」

 

そう言って、顔だけこちらに向けるのは俺の親友にして俺をここまで鍛えてくれた本人である。悠莉が笑っていたのだった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

《悠莉side》

 

 

俺は堕天使の気配を感知して急いでマンションから出て、空を飛んで気配の場所まで飛ぶ。

 

しばらく、飛んでいると────。

 

「見えた!!」

 

そこにはイッセーに止めを刺そうとする堕天使と腕と腹に傷を負う、イッセーの姿があった………。

 

俺は直ぐさま、両者の間に入ると───。

 

「無限流 『高速剣』」

 

俺はそう言い───。

 

チンッ!

 

瞬時に槍を斬って破壊した。

 

「なっ!!」

 

堕天使は驚いていたが案外、冷静なのか直ぐに後ろに飛び退いた。

 

俺は堕天使を睨んでいると────。

 

「悠莉………なのか?」

 

イッセーがか細い声でそう聞いてきた。

 

「すまない……遅くなった。だが、よく持ったな。さすがはイッセーだ」

 

俺はイッセーにそう言い、顔を後ろに向けた。

 

そこには満身創痍になっている、イッセーがいた。

 

俺は堕天使に対して怒りが湧き上がったが、押し殺して直ぐにイッセーの応急処置に入った。

 

「イッセー、とりあずは応急処置をする。傷が痛むだろうが我慢してくれ」

 

俺はそう言い、傷口を止血する。

 

「治癒《クーラ》」

 

俺の手が淡い光を発するとイッセーの傷口に当てる。

 

「ぐ……っ! ごめん、悠莉」

 

イッセーは申し訳なさそうに謝るが───。

 

「いいや。イッセーは人外相手に初めてなのによく持ったよ。だから、今は寝ておけ後は俺が終わらす」

 

俺がそう言うと、イッセーは安心したのか又は緊張が解けたのか、眠った。

 

俺は静かにイッセーを地面に横たわせると────。

 

ズンッ!!!

 

殺気を解放した。

 

「よう……クズ。下級堕天使ごときが調子に乗ってくれたな………。タダで死ねると思うなよ………」

「な、なんだ………この魔力は………」

 

堕天使は驚きに目を見開いている。

 

「因みにこれは何だと思う……?」

「……………?」

 

そう言い、俺が取り出したのは────。

 

俺の目の前にいる堕天使の腕だった………………。

 

「ぎゃーーーーーーーーっ!!!!」

 

その瞬間、千切られた左腕から鮮血が舞う…………。

 

「はははははっ!! クズでも血の色は赤いか!」

 

俺は堕天使を見ると、その顔は恐怖で彩られていた。

 

俺は止めを刺そうと、手に魔力を収束しようとすると────。

 

前方が紅く輝いた────。

 

俺は攻撃を中断して前を見据える。眩しいのでサングラスをかけて………

 

紅い魔法陣から出てきたのは────。

 

紅髪の女性───リアス・グレモリーだった……。

 

「その子に触れないでちょうだい」

 

そう啖呵(たんか)を切り、堕天使を睨みつけていた。

 

「……紅い髪……グレモリー家の者か……」

 

堕天使は憎々しげにリアス・グレモリーを睨みつけるが………その顔は安堵しているようにも見えた。

 

「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた堕天使さん。この子にちょっかいを出すなら、容赦しないわ……と言いたいけれどもう、腕をやられているわね」

 

そう言い、薄く微笑むリアス。

 

「ふん……っ。これは少々、油断しただけだ。それはそうとそこの小僧はそちらの眷属か。この町もそちらの縄張りというわけだな。まあいい。今日のことは詫びよう。だが、下僕は放し飼いにしないことだ。私のような者が散歩がてらに狩ってしまうかもしれんぞ?」

「ご忠告痛み入るわ。この町は私の管轄なの。私の邪魔をしたら、そのときは容赦なくやらせてもらうわ」

「その台詞、そっくりそちらへ返そう。グレモリー家の次期当主よ。我が名はドーナシーク。再び見えないことを願う」

「格好良い言葉だけど、腕が一本無いからしまらないわね」

 

リアスは最後にそう言うと────。

 

堕天使───ドーナシークはリアスを睨んでから夜の闇に消えて行った………。

 

リアスは堕天使が完全にいなくなったのを確認すると、リアスは俺の方に振り向いた。

 

「さて……次は貴方が何者なのか聞きたいのだけれど………」

 

そう、リアスが聞こうとすると────。

 

誰かがこちらに来ている気配を感知する。

 

俺がそちらに顔を向けると───。

 

「部長!」

「………部長」

 

懐かしい人が現れた。

 

「あら、朱乃、子猫。来たの? 丁度今、終わって後はこの人が何者か聞こうとしていたところよ」

 

そう言い、リアスは俺を指差す。

 

「あらあら、そうなんですか」

「………不審者」

 

「先ずは貴方が何者か聞く前に礼を言うわ。この子を助けてくれて、ありがとう」

 

そう言い、礼を言う。リアス。

 

「別に気にしなくていい。俺は友を助けただけだからな」

 

俺はそう言って、手を振る。

 

だが、さり気なく俺の退路を塞ぐのは流石はグレモリーの姫か。

 

俺がそう思っていると───。

 

「では、次は貴方は何者? ただの人間なのに堕天使を圧倒していたようだけど」

 

「あらあら、それはすごいですわね」

「…………人間?」

 

リアスたちが聞いてくると俺は遂に我慢が出来ずに────。

 

「はーーーははははははははははっ!!!!!!」

 

大声を上げて笑ってしまった。

 

「な、なに!?」

「あらあら、どうしたのでしょう?」

「変な人………」

 

三人がそう言ってると────。

 

「……年月が人を変えるのは本当のようだな……」

「あら? なんのことでしょう?」

「いつからお姉さまキャラに鞍替えした? 朱乃」

「!?」

 

俺がそう言うと、朱乃は目を見開いて驚いた。

 

俺は白音の方も向いて───。

 

「お前も随分と力を付けたじゃないか? 白音」

「!? なんで……!」

 

俺が白音にそう言うと、朱乃と同じ様に驚き、主に白音という昔の名を言い当てられた子猫はさらに敵意と警戒心を露わにする。

 

「なぜ、私たちの名を?」

「うん……? ああ……サングラスを着けたままだな」

 

俺はサングラスを外しながら言った。

 

「俺は昔、この町で暮らしていた………」

 

その素顔が露わになる。

 

「この町で俺はある二人と約束をした………」

 

俺の顔を見た二人は驚愕していた。

 

「あ、あなたは……そんな!」

「うそ……」

「朱乃? 小猫?」

 

リアスは二人が驚いているのに疑問に思っているが俺はそのまま言った。

 

「性は神崎……名は悠莉……約束……果たしに来たぜ?」

 

10年ぶりの再会………また、新たな運命はここから始まる………

 

 

 

 

 

 

「ところで、悪いがイッセーを家に運んでおいてくれ」

「え? あぁ!!」

 

俺がそう言うと、リアスは慌ててイッセーを連れて行くのだった…………

 




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