日本のある村の近くの山に移り住んで千年近くが経った………。
その間の出来事を簡単に語ろう……。
ルナスティア、レイリス、フローリア、リーゼロッテ、ティアナは無事に元気な子供を出産した。
ルナスティアとフローリアが女の子で(フローリアは双子)レイリス、リーゼロッテ、ティアナは男の子を産んだ。
子供たちの名前は───。
ルナスティア
長女…ソフィア
フローリア
長女…紗耶香(さやか)
次女…雪江(ゆきえ)
レイリス
長男…オルクス
リーゼロッテ
長男…タケル
ティアナ
長男、優樹
真紅もまた、妊娠して三人目の子供を産んだ。
三人目も女の子だった。
名前は莉香(りか)。俺の名前から一文字取ってつけた。
その間も依頼を請けながら、天界や冥界を行き来した。
★
ある時、俺は前から決めていた計画を実行に移す為にある人物達に会いに行った。
※この時、大体戦争終結から200年位です。
先ずは一人目。
「神の子を見張る者(グリゴリ)」
アザゼル
「あ~~~、暇だ。何か、何処かでテロでも起きないか? シュムハザ?」
そう言って、俺は隣に立っているダチに聞いた。
シュムハザ
「物騒な事を言わないで下さい、アザゼル様。テロが起きましてもその前にあの方に潰されます」
アザゼル
「そうなんだよな。しかし、何か面白いことでもあれば色々とやる気も出るんだが……」
カッ…カッ…カッ…カッ────。
悠莉
「なら俺が面白い話を提供しようか? アザゼル」
アザゼル
「おう、鳳凰。今日は何しに来た?」
※悠莉は三勢力にはまだ、名前は伏せている。代わりに鳳凰と名乗っている。
鳳凰
「今日はアザゼルに頼みがあって来た。この先に関わることだ。だから、頼む! 協力してくれないか?」
そう言って、鳳凰は頭を下げた。
シュムハザは空気を読んだのか、静かに退出した。
そしてこの場には俺と鳳凰だけになった………。
アザゼル
「頭を上げてくれ、鳳凰。俺たちはダチだろ? だから、軽く頼めば良いんだよ」
そう言って、俺は笑った。
鳳凰
「ありがとう、アザゼル。ではこの符を渡しておく」
アザゼル
「これは転移符? これを渡してどうするんだ?」
鳳凰
「これは魔力を流せば、俺が登録した場所に転移させるように作った。一週間後にこれを使って来てくれ。詳しい話はそこでする」
アザゼル
「分かった。それとその話は俺を満足させる内容か?」
そう言って、俺は期待するように鳳凰を見た。
鳳凰
「ああ、暇つぶしに最適なものだ。期待していてくれ。では俺はもう一人の協力者に会いに行く。じゃあ、アザゼル。一週間後にまた会おう!」
そう言い、鳳凰は転移して行った。
アザゼル
「アイツが頭を下げる程の事か……。これは楽しみだ」
★
二人目―――。
冥界
アジュカ・ベルゼブブの執務室
コンッ、コンッ。
アジュカ
「空いているよ」
ガチャッ─────。
鳳凰
「久しいな、アジュカ。今日は頼みがあって来た」
一週間後―――。
キィィィィィィンッ───。
アザゼル
「ここがアイツが指定した場所か。どうやら、何かの研究施設みたいだな」
アザゼルはそう言いながら周りを見渡していると────。
パァァァァァァァァァァッ────。
アジュカ
「ここが指定の場所か。ん……?」
アザゼル
「アジュカ・ベルゼブブ。お前もアイツに呼ばれたのか……」
アジュカ
「そうゆう君こそ、彼に呼ばれたのかい? 総督殿」
そう言い、互いに尋ね合うと前方から鳳凰が歩いて来た。
鳳凰
「ようこそ、二人共。我が組織の研究施設へ! 歓迎するぞ!」
何故か、何処からともなくクラッカーが鳴り、紙吹雪が舞った………。
終いには外から砲撃音が聴こえた………。
アザゼル・アジュカ
「…………………」
鳳凰
「すまない……。これは俺の息子のタケルの仕業だ。母親に似て、開発好きだからな」
アザゼル
「まあ、それはいいとして改めて要件を聞こうか。俺たちに協力して欲しい事は何だ?」
一瞬の静寂の後、鳳凰は答えた。
鳳凰
「俺専用の駒を一緒に創って欲しいんだ」
鳳凰はそう答えた。
★
アザゼル
「つまり、闇の眷属に対抗する為に自分専用の駒が欲しいと」
アジュカ
「なるほど。確かに『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を創った私と神器を研究しているアザゼルは正に適任だな」
鳳凰
「ああ、ここ最近は闇の中枢組織『黙示録の闇(アポカリプス)』の勢力が無視出来ないものがある」
アザゼル
「だが……人手が足りないと」
アジュカ
「最近、冥界で見かけないと思ったら、人間界で活動していたんだね」
そう、闇(ダークネス)は先ずは人間界から勢力を強めようと活発に活動をしているらしい。
だが、そこは神々の勢力や土着の一族などが抵抗しているみたいだが数が多すぎて手に負えなくなりつつあるらしい。
そこで鳳凰は自分の眷属を増やして闇に対抗しようと考えた。
どうやって眷属を増やそうと考えた結果、『悪魔の駒』を改良して自分専用の駒を製作する計画を決めた。
だが、専門外の知識なのでアジュカとアザゼルに協力を頼もうとした。
アザゼル
「そう言えば、お前って何の力が宿った末裔なんだ?」
アジュカ
「確かに、君とは長い付き合いだがその事は聞いたことが無いな」
鳳凰
「そうだな………二人には俺の正体を教えておくか。俺の一族は───」
そう言い、鳳凰はずっと付けていたサングラスを外して答えた。
鳳凰
「俺は250年前に滅んだ。ある一族の生き残り。その一族の名は『不死鳥一族』そして俺は一族の当主の息子───我が真名は『不死鳥 悠莉』不死鳥一族35代目当主だ」
鳳凰……いや、悠莉の告白に二人は暫く呆然としたが……突然、笑いはじめた。
アザゼル
「ははははっ! やっと疑問が解けたぜ。どうりで強いわけだ。あの不死鳥一族の直系とはな」
アジュカ
「ははははっ! 確かにね! あの有名な一族の息子ならこの強さも頷けるよ。ひさしぶりに笑ったよ」
悠莉
「あんま…………驚かないんだな? もうちょっと、驚くと思ったんだが……」
アザゼル
「今更、お前の事に関してはあまり驚かねぇよ! お前に初めて会った時から驚きの連続だったからな」
アジュカもそうだよ! と言わんばかりに頷いている。
アザゼル
「お前の正体を聞いたら尚更、手伝いたくなったぜ。『悪魔の駒』に不死鳥の力を宿らせようとするんだからな」
悠莉
「全く、物好きなやつだよ………お前たちは」
呆れながら、言う悠莉だがその顔は笑っていた。
★
半年後―――。
全員
「で………出来た………」
そう言って、悠莉たちは床にぶっ倒れた………。
この半年間、休憩や仮眠を取りながらとはいえ、略休み無しで開発に取り組んだ。
テストの時はものすごく疲れたが………。
試作1号の実験の時―――。
悠莉
「これに俺の力を込めれば良いんだな?」
アザゼル
「ああ。上手く行けば、それで成功だ。まあ、失敗してもそれを次に活かせば良いだけだからな」
アザゼルの言葉を聴きながら、駒に力を注いだ。
ドクンッ────。
アザゼル・アジュカ
「お………!」
ドクンッ! ドクンッ───。
悠莉
「せ……成功か………?」
力の高まりが頂点に達した時──。
一瞬辺りを光が覆った。
カッ────。
ギャオオオオオオオオオオオオッ────。
全員
「へ………?」
これはもしかして失敗か?
悠莉
「―――って! うおっ!」
悠莉は咄嗟に後ろに飛んだ、次の瞬間――――。
ドゴォォォォォォォォンッ!!!!!!!
何か巨大なものが実験場の地面を踏み抜いた。
その姿は龍そのものだった………。
アザゼル
「おいおい、こいつは………」
アジュカ
「まさか、これは………」
アザゼル達も驚いているみたいだ。というか、これ止めないとマズイよな? 放置したら俺の施設を壊しそうだし………。
なので俺は暴走した駒を止める為に魔力を収束していく。
アザゼル
「悠莉! そのまま、その駒と戦闘してくれ」
悠莉
「何でだ! 止めないと流石にマズイだろう?」
アザゼル
「いや……俺たちは世紀の大発明をしたかもしれないぜ」
アジュカ
「ああ………力の配分が足りないのか、多かったのかはまだ分からないけどね………」
何か、盛大に嫌な予感がするんだが………。
アザゼル・アジュカ
「何て、面白い物を作ってしまったんだ。私(俺)たちは!!」
悠莉
「やっぱりか!!! こんちくしょう!!! この研究オタク共が!」
キュイーーーーーーーーーンッ────。
悠莉
「げ………っ」
ドォォォォォォオオオオオオオオオオオッ!!!!!
この時、観測されたエネルギー量は『無限の龍神』に匹敵したとかしないとか(笑)
★
まあ、色々あったけど何とか完成したんだよ。
これで有能な人間を世界各地から引き抜いて、眷属にすれば闇に対抗出来るな。
悠莉
「ありがとうな。アザゼル、アジュカ。これで奴等に対抗する事が出来る」
アザゼル
「いつも、お前には助けられてばかりだからな。この位はお安い御用だぜ!」
アジュカ
「ああ! 私も今回の研究を元に新しい理論を思いついたよ! 自分の領地に戻ったら早速、理論を組み立てないとね」
そう言って二人はいい笑顔を悠莉に向けた。
悠莉
「礼と言っては何だが、この研究所をお前達が暇な時に使っていいぞ」
アザゼル
「良いのか?」
悠莉
「俺のささやかな、礼だ。その転移符でいつでも此処に来られるから」
アジュカ
「では、政務の暇を見て使わせて貰おうかな………」
そうして俺たちは互いの拳を突き合わせた。
★
あれから、また………随分と時が経った………。
完成させた駒……『幻影の駒(ファントム・ピース)』は予想以上の効果を魅せた。
ただ眷属にするだけではなくて、神器も宿らせる能力を持っていたとは!
お陰で組織(組織名 ファンタズム)はドンドン人材が増えた。
天界、冥界、冥府、人間界など各地で勧誘して戦力を増やして言った……。
俺の妻や息子、娘達も尽力してくれた。
息子や娘も結婚して家庭を築いた。孫も出来て、その孫も結婚して曾孫も出来た。
家族は皆、ファントムの組織の構成員だが世界各地から引き抜いた人材も組織の技術者や幹部になったりした。
そして黙示録の闇(アポカリプス)は途中で急に息を潜めた……不気味な位にな。
それから世界を回っている時に『赤龍帝』『白龍皇』の神器所有者に会った事もあった。
しかも、アイツ等は俺に何か恨みでもあるのか、いつも出会った瞬間に攻撃を仕掛けてくるから面倒だ。
赤と白の対決の時にたまたま遭遇した時は戦闘を中断して一時的に協力して俺に攻撃して来たこともあったな。
まあ、その度に『ピコピコハンマー』で鉄槌を下したがな。
あの時のドライグとアルビオンは面白かった……。
★
気が付けば、もう運命(さだめ)の鐘が鳴るのが近くなったな。
千年は長いと思ったが案外、あっという間に時間が過ぎていくな。
だが……やっとだ。やっと始まる。
★
次元の狭間の家――――。
悠莉
「やっと、始まる」
真紅
「そうだな……長い様で短かった」
ルナスティア
「ええ……ですが遂に時が来たのです」
魔王たち
「ここからは………一度の間違いも出来ない」
絢香
「父様の為に」
雛乃
「全力で」
莉香
「手伝います」
悠莉
「先ずは俺とルナスティア、絢香、雛乃、莉香で下界に降りる」
真紅
「我は次元の狭間の支配者だから、ここから出ることは余程のことがなければ、ここで待機だな」
悠莉
「レイリスたちもここで待機だ」
魔王たち
「了解」
悠莉
「リーゼロッテは情報収集を……何か新しい情報が入ったら直ぐに教えてくれ」
リーゼロッテ
「分かった」
悠莉
「ルナスティアたちは先に降りていてくれ。俺は冥界によってこの駒をアジュカに渡して来る」
ルナスティア
「分かりました。では先に降りています」
そう言って、ルナスティアたちは人間界に降りていった……。
俺も先ずは冥界に行くため、転移魔法の準備をする。
悠莉
「真紅、レイリス、フローリア、リーゼロッテ、ティアナ、後は任せたぞ」
全員
「任せろ」
「任せて」
その返事を聞いた後、悠莉は冥界に転移して行った………。
アジュカ
「ん………? 悠莉か。今日はどうしたんだい?」
悠莉
「アジュカ、これを8年後にサーゼクスの妹に渡してほしい」
そう言って、悠莉が取り出したのは無色透明な駒。『悪魔の駒』に似ているが全くの別物の駒。
アジュカ
「分かったよ。この駒をサーゼクスの妹に渡せば良いんだね?」
アジュカは細かい事は気にせずに承諾してくれた。
悠莉
「ありがとう。アジュカ」
アジュカ
「キミのお陰で研究も進んでいるから、この位は構わないよ。伝言はあるかな?」
悠莉
「そこは適当に頼む」
アジュカ
「分かったよ。もう、行くのかい?」
悠莉
「ああ。もう時は動き出したからな」
悠莉はそう言って、転移して行った………。
★
???
「この感じ………神龍、降りて来た」
???
「この感じは……『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』が反応している……」
???
「来たわね………最後の不死鳥が………」
――――フシチョウ……キタ……ワレ……フシチョウ………コロス……―――
遂に運命は動きだす。
悠莉は過酷な運命を覆せるのか!?
感想を待ってます。