ハイスクールD×D~原初の龍神と赤龍帝~   作:火の鳥

8 / 16
誤字、脱字がありましたら、ご指摘下さい。


世界を旅する龍、悲しみの少女、魔王少女の恋、運命の駒

人類未踏の地とはその呼び名の通り、人類がまだ足を踏み入れていない土地を指す。

 

だが……俺の考えは違う。それは……今の人間がまだ踏み込んでいないだけの土地。

 

つまり、原住民はいるということだ!

 

 

 

「どうしてこうなった………」

 

俺の目の前には沢山の果物、動物の骨付き肉、果物の飲み物、そして両脇には二人の美女! 二人の

美女!! 重要な事だから二回言ってみた!!

 

「アナタオサケモットイル?」

「ワタシガタベサセテアゲル」

 

ああ! そんな密着するな! もう、俺の理性はゼロだよ! これ以上すると……また襲っちゃうよ♪

 

って違ーーーう!そうじゃないだろ。落ち着け、俺! こんな時こそ冷静に………

 

「パパ、アソボウ?」

「パパ、ダッコ」

 

はい。もう、ヤってしまって子供も作ってしまいました♪ テヘペロ☆

 

…………うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!! 何やってんだ!? 俺は!?? 目的を忘れているだろう!? いや、遺跡巡りはここの原住民のお陰で殆ど回ったが………。だが、それで良いのか? 俺には既に妻がいるのに……いや不死鳥一族は昔から一夫多妻……つまり、ハーレムを作っていたな。

うん。なら何の問題も無いな!

 

※現実逃避です。

 

 

しかし………どうしてこうなったんだっけか……

 

日本を出た → アマゾンに着いた

 

遺跡探索 → 猛毒の蛇に噛まれて瀕死の原住民発見

 

助ける → 助けた人が部族の長だった

 

救世主、神様と祭り上げられる → お礼に二人の美女を妻に娶る

 

美女が俺を誘惑 → 我慢出来ずに襲う

 

子供が出来る → 今現在の状況

 

おう………何てこったい。自分が原因だったとは!?

 

しかし、いつまでもここに居るわけにはいかない。もう行かなくては。

 

「族長、俺は明日ここを出る」

 

俺は目の前にいる族長に話を切り出した。

 

 

 

 

目の前には広大な、海が見える………。

 

あの後、かなりの混乱が起こったが何とか説得して集落を出る事が出来た。

 

まあ、目的が達成したら妻を迎えに来ることを条件に出されたが……。

 

「さて……では北欧に行くか……」

 

俺はそう言い海を歩いて渡って行った……………。

 

悠莉が旅立ってから三年が経っていた────。

 

 

 

 

 

―――私は何もかもを失った……

 

―――母が殺され、父“だった”者から離れて私は身寄りを求めて探し回ったが、誰も私に見向きもしてくれなかった……

 

―――私が穢れた黒い羽を持っているから……

 

―――唯一の心の支えはあの日、彼に貰った腕輪……また会おうと言った彼との約束が私に生きる活力を与えていた……

 

―――そして、そんな私に転機が訪れていた……

 

「あなた……行く場所が無いなら私の眷族にならない?」

「……あなたは?」

「私? 私は……」

 

―――この日、私は人の部分を完全に捨てた

 

「リアス……リアス・グレモリーよ」

 

 

 

 

北欧の土地に着いて直ぐにルナスティアから緊急の連絡が入った。

 

「そうか……朱乃が………」

「幸い、グレモリー家の眷属になった様なので心配いらないと思いますが」

 

俺は報告を聞き、心を痛めた。

 

「それで朱璃さんの容態はどうだ?」

「はい。真紅に聞いたら、さっき安定したと言っていたので大丈夫かと」

 

俺はそれを聞いて安心した。

 

朱璃さん。俺が言った通りにアレを身に着けてくれていたんだな。良かった……。

 

「後、真紅が駒を使ったと言っていました」

「まあ、それは構わない。駒の使用権限は俺か真紅だからな」

 

その後、二三言のやり取りと報告が終わると。

 

「ルナスティア……俺がやっているのは唯の偽善なのかな? 俺は助けようと思えば助けに行けたのに、朱乃を見捨てた……どんな理由があろうとも朱乃には恨まれるだろうな」

「悠莉……前にも言ったと思いますが直ぐに一人で背負い込むのは貴方の悪い癖です。私たちは言いました。貴方が背負うものを私たちも一緒に背負うと。忘れたのですか? 悠莉!」

 

ルナスティア………そうだな。俺は何を弱気なことを言っているんだ。まだ始まったばかりだ。ここで挫けては運命(さだめ)を乗り越える事は出来ない。しっかりしろ! 俺!

 

「すまないな。ルナスティア……どうやら少し弱気になっていたようだ。だが、お前の言葉で目が覚めた! そして改めて言う。こんな俺を支えてくれてありがとう」

「ふふっ。私たちは悠莉が好きだから着いて行くんです。それを忘れないで下さい」

「ああ!」

 

ルナスティアは「また何かあれば連絡する」と言って通信を切った。良し! 俺も頑張らないとな。

 

俺はそう新たに決意し、北欧の地を歩いて行った。

 

 

 

 

道中、戦乙女《ヴァルキリー》と知り合ったり、神喰狼《フェンリル》が懐いて来たり、視察に来たオーディンと会ったりとなかなか有意義な時間が過ぎた。

 

時々、冥界や天界からの依頼をこなしたりして過ごしたりもした。

 

だがこの間、サーゼクスと話した時は冥界で自分を題材にしたアニメや漫画、映画に絵本、果てはその関連グッズなどが自分の知らない間に出ていた。

 

いつから俺の人権は無くなったんだ…………。

 

一体、いつの間にと悠莉は思った。唯、サーゼクス曰く「君は神話の英雄だからね♪ 人気になるのも仕方ないさ」らしい。この間、放送されたドラマ『断罪者、悪を裁く』は視聴率が50%を超えたらしい。しかも、子供にはヒーロー扱いだとか。

 

また言うが、どうしてこうなった………。

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって日本―――。

 

 

「にゃあ……今までお世話になったにゃ」

「そうですか……ですが、従姉妹が見つかったのでしたら仕方がないですね……」

 

悠莉が次の目的地に向かっている時、神崎家では一つの進展があった。

 

「なんだか寂しくなりますね……この家に子供がいなくなるのは……」

「おばさまにもまた会いに来ます。必ず帰って来ますから……」

「そうですか? 白音ちゃんがそう言うなら……」

「そんなに悲しそうにしなくてもいいにゃルナさん。私もここ好きだから、またルナさんの料理食べに来るにゃ」

「ふふっ、嬉しいですね」

 

内容から察するに、黒歌は長い間世話になった神崎家を白音と共に出ていく様子である。

 

本当は、黒歌を眷族悪魔にしたいという悪魔が現れたからである。

 

この先、妖怪である自分たちがいることで神崎家に何らかの脅威が迫る可能性がある。

※寧ろ、攻めてきた敵は後悔すると思う。

 

その可能性を示唆されたことで黒歌は嫌々ながらも悪魔への転生を決めた。

 

もちろん、神崎家と白音の保護が条件とした。

 

この真実は白音にだけ話して、神崎家には何一つ話していない。

※実は悠莉たちは全部、知っている。

 

目の前で悲しそうにするルナスティアの姿に様々な想いが奔るも、これが一番の手だ。

 

白音も別れが辛いのか涙を浮かばせるも、弱音は吐かない。

 

気丈に振る舞う妹に微笑みが自然と浮かんでくる中、黒歌が時間に気付いた。

 

「じゃあそろそろ行くにゃ。時間にうるさい従妹だから……いこ、白音」

「はい……おばさま……色々とありがとうございました」

「ルナさんも元気でにゃ」

「ええ。またいつでも来て下さい……もし住むことになったらまた暮らしましょう」

 

頭を下げると、ルナスティアも頭を優しく撫でてくれる。

 

その温もりを愛おしく想いながらも、白音は黒歌と手を繋いで神崎家から離れていく。

 

その二人の後ろ姿をるナスティアは静かに見送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃の悠莉は何処にいるのかというと…………

 

「ラーメンと餃子を二つ……後、杏仁豆腐」

 

中国で中華巡りの旅を繰り広げていた。

 

「うむ……これが本場の味!」

 

悠莉も中国の味には満足したそうな。

 

悠莉はその後、10件以上の店を渡り歩いたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある一本道では人だかりができていた。

 

そして、その中心には一人のコスプレした少女が写真を撮られながらポーズをとっていた。

 

「はーい☆ 押さないでー!」

 

そう言いながら横チェキしながらノリノリの少女がはしゃいでいた。

 

周りはそんな少女に興奮が最高潮になりながらも写真を撮り続けていた。

 

そして、少女は自分の腕時計を見ると高々に腕を上げて伝える。

 

「皆ごめんねー☆ レヴィアたんはこれからもすること一杯だからここでお別れだよー!」

 

そう言って手を振って行こうとするが、その手を周りの野次馬たちに掴まれた。

 

「そんなこと言わずもう一回お願いします!!」

「すぐ済みます!!」

「お願いします!!」

 

口々にそう言って中々離してくれない野次馬に内心で困惑していた。

 

(うわ~どうしよう……これはちょっと……いえ、でもこれが冥界でも起き得ること!! これは試練なんだわ!!)

 

そう言ってファンを攻撃することを心の中で詫びながら少女はどこからかステッキを出す。

 

「人の迷惑を考えない人にはお仕置きよ~☆ マジカル……」

 

呪文と称して軽く魔力を溜めた時だった……

 

 

 

「邪魔だ………」

 

その言葉と同時に重苦しい殺気が辺りを覆う。

 

それと同時に周りの通行人がバタバタと倒れていく。

 

「えぇ!? みんなどうしちゃったの!?」

 

少女だけが気絶せずに倒れた人達を揺さぶったりしていると、そこへ一人の少年が歩み寄ってくる。

 

「え?……これ、キミが?」

「……………」

 

少女は信じられないように言いながら徐々に近づいてくる少年に少し怖気づいて立ちすくんでしまう。

 

「…………」

「……ゴク」

 

少女は近くまでやってきて自分の顔を覗き込んでいる少年になぜか緊張していると、少年が不意に口を開いた。

 

「あなたは……悪魔か?」

「!?」

「それもこの魔力は……魔王か?」

「ギックゥ!……え~っと……」

 

ご丁寧に擬音まで口にして少女は冷や汗をかく。

 

(まっず~……仕事から抜け出したのがもうバレちゃったかな……)

 

内心で冷や汗をダラダラ流してこれからどうしようか考えていた時だった。

 

ぐぅぅぅぅ~~~~~~。

 

「……へ?」

 

どこからか犬が鳴いた様な音が聞こえてきた。

 

それの鳴った場所を目で辿っていくと、そこには自分を見上げる少年が腹を押さえていた。

 

「……腹減った」

 

その一言に少女は目を光らせ、突破口を見つけた。

 

「じゃ、じゃあお姉さんが何か食べさせてあげる!」

「………本当?」

「マジマジ☆ その代わり、私がここにいたって言っちゃだめだよ? ね?」

「わかった」

 

小さく頷く少年に保護欲を湧かせながらも二人は並んで繁華街へと進んだ。

 

その地面に気絶した人達を置いたままだったのを忘れて…………。

 

 

 

 

「へ~、じゃあ悠莉くんは小さいのに世界中を旅してるの?」

「あぁ、世界の不思議と神秘を確かめたくてな」

「すごいんだね~、そんな格好良い君にお姉さんきらめいちゃうぞ☆」

 

旅をする理由や夢を語りながら悠莉はセラフォルーと名乗る悪魔から買ってもらっている団子を口の中へと放り込んでいく。

 

「にしても貴方は急に俺に食い物を買うとか物好きだな」

「え? そうかな? だって困っているヒロインを颯爽と現れて助けちゃったんだよ☆ それならお姉さんもなにか返さないと☆」

「? まあ、良く分かんないけど、助けて貰った恩だ。何か1つだけ願いを聞くよ」

 

悠莉が口に餡子をつけながらモグモグと食べる姿にセラフォルーは感極まって抱きつく。

 

「やーん可愛い! なんだかソーたんみたいにチャーミングなのにクールに振る舞うなんて健気でいい! 弟になってよ~ユーくん!」

「何故に?」

 

抱きついてくるセラフォルーを引き離そうとするが案外、強く抱きついてきたので諦めた。

 

「そうだね~……じゃあ君には私の助手と任命しまーす☆」

 

そう言って胸に“サポート”と書かれたバッジを胸に付けさせられた。

 

それに悠莉は首を傾げていると、セラフォルーが力説してきた。

 

「魔法少女といえばサポート役も必然! 動物に化けた美少年? はたまた正体不明だけど何気に助けてくれる存在? そんな人が最近欲しいと思ってたの☆」

「ふ~ん……ボディガードをすればいいのか?」

「そうそう! そんな感じ! 私と一緒にこの混沌と汚辱にまみれた世界できらめこう!」

 

イエーイと言いながらハイタッチを求めてくるセラフォルーに悠莉はよく分からなかったが一応ノっておく。

 

放っておけば勝手に進んでいくセラフォルーのノリは悠莉にとって分からない部分が多すぎる。

 

もしかして自分はとんでもないのに約束をこぎつけてしまったのか……そう思っていた時だった。

 

「セラフォルー・レヴィアタンさま!!」

「やっと見つけましたぞ!!」

「まだ手つかずの仕事が山ほど残っておりますぞ!!」

 

突如として、大層な鎧を付けた男たちが現れ……

 

「あ…………」

 

セラフォルーはその場に固まってしまった。

 

その光景に悠莉は首を傾げて見ていると、セラフォルーは悠莉と向き合う。

 

「ユーくん! 早速お仕事だよ! あの人たちは私を無理矢理連れて行こうとするの!」

 

その言葉を聞いて悠莉は団子を一飲みして不敵な笑みを浮かべる。

 

「なるほど………こいつらがセラフォルーに害なす悪の組織か。セラフォルーがどのような事情でここにいるかは分からないが今の俺はセラフォルーのボディーガード……護衛対象に危害を加える奴は、俺の敵だ」

「ユーくん///」

 

悠莉は最後の団子を口に入れてから勢い良くイスから腰を上げて構える。

 

「三人か……せめて三分は持てよ?」

「いっけー☆」

 

セラフォルーが悠莉をけしかけると、悠莉は手から炎を出して………

 

「お前たちは肉の焼き方はどれが好きだ? 俺は完全に火を通す方が好きだが……因みに俺は独自の焼き方も考案した。地獄焼き《ヘル》と言う焼き方をな♪」

 

一言ごとに掌の炎が収束し、赤から蒼、蒼から白へと変化していく。

 

この光景が錯覚だと信じたい。目の前にいる小さい少年は魔王クラスの波動を持っているのだから。

 

そして……掌の炎が太陽の如き輝きを発すると………

 

「紅炎《プロミネンス》」

 

その瞬間―――。

 

 

 

炎が

 

 

 

辺りを覆った

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ…これは一体……」

 

時を遡り数分前、一人の悪魔が驚愕していた。

 

事の発端は主の魔王がいつものように仕事を放棄して出かけた所から始まる。

 

冥界から主を探し、辿り着いたのは人間界の中国という国だった。

 

そこへ先遣隊を送ってから間もない時だった。

 

『た、助けて! 子供が! 子供がぁぁぁきらめいてくるよぉぉぉぉぉ!!』

 

正気とは思えないほどの大音量で部下の悲鳴が聞こえた時は本当にビビった。

 

急いで現場に駆けつける今に至ったのだが…………

 

「これはひどい……」

 

全員は失敗作の料理のようにまっ黒に焦げて倒れていた。

 

「ミラクル☆レヴィアたん」のステッカーを額に丁寧に張られていることから容易に想像できた。

 

「頼むから仕事してええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

部下の悲鳴が空しく響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

当の本人はと言うと…………。

 

「あー☆ 万里の長城だー!」

「万里の長城……総延長は8,851.8kmだと思われたがちゃんと測ると21,196.18kmだということが判明した世界文化遺産の1つ」

 

すっかり中国を満喫していた。

 

悠莉と共に空を飛び、遺跡観光をしていた。

 

悠莉が空を飛んだ時も普通なら驚くところだが…………。

 

「わー! すっごい飛んでるー! なんでー?」

「日々の鍛錬と修行の成果」

「これはもう助手になるしかないよ☆ 百年に一人いるかいないかの逸材なの!!」

 

こんな感じで恐ろしく軽い。

 

彼女の軽さは常識を遥かに逸脱している。

 

そんなこんなで各地の名所を周った後、彼女たちは昼飯に入った。

 

 

 

 

「あー楽しかったー☆ やっぱり他の人が一緒だと楽しいなー☆」

「セラフォルーって、案外、大食いなんだな。俺としても久しぶりに惚れ惚れするような食いっぷりだな?」

「だって魔法少女だから!」

 

二人で腕一杯の紙袋をこさえてベンチに座っている。

 

悠莉はモグモグとひたすらに食べ物を口に放り込んでいく。

 

ここまで買えているのも全てセラフォルー持ちだからである。

 

ひたすらに食べ続ける悠莉にセラフォルーはクスっと笑う。

 

「今日は本当にありがとう☆ 人間界でここまで楽しめたのは久しぶり!」

「ふーん、冥界はあまり楽しそうではない口ぶりだな」

「そんなことはないけど……やっぱり私は魔王だからしっかりしろってソーたんもうるさくって……」

 

そう続けていると、セラフォルーは今までのテンションが嘘のように落ちこんでいった。

 

「皆は魔王ってだけで私に対する態度も変わっちゃって……お仕事も大変なのにね、魔法少女に憧れてもいるんだ……なんかおかしいでしょ?」

「……………」

 

それどころか少し寂しげにセラフォルーは続ける。

 

「本当はアニメだって作りたいし、映画も作りたいの……だけど私、そこまで器用じゃないからどっちもこなせる自信なんて無くて……」

「………………」

「だから今回で最後にしようって思ってたの……魔法少女もここで終わりにして魔王として働こうって……」

「……………」

「だからね? 今回はユーくんと出会えて運が良かったと思ったの。最後にいい思い出のままで終えることができて……」

 

だが、そろそろ悠莉自身にも限界は来ていた。

 

「セラフォルーはそれで満足なのか?」

「え?」

「やりたいことも出来ず、自分の想いを押し殺して満足かと聞いているんだ」

 

最後の肉まんを口に頬張り、一気に飲み込む。

 

「でも、周りの人が期待してくれてるから……」

「周りの目を気にして自身の夢を諦らめるのはどう考えてもおかしい」

「でも、これから忙しくなるから……」

「まったく……結局はいい訳だぞ。それは」

「え?」

 

悠莉はベンチから立ち上がった。

 

「先人は言う。己の想いを貫けと……この考えは俺の持論だが、自身の夢を貫くことに周りが意味の無い戯言を言うのならばそんな言葉は聞く必要などない」

「え? 我慢しないの?」

「夢の無い未来などたかが知れてる……本当にやりたい事は自分の手で叶える。それが夢だ」

 

悠莉は再びセラフォルーの隣に座りこむ。

 

「夢とは、ただ単に叶えるだけではだめだと俺は思う」

「え? それも違うの?」

「そうだな……俺にとっての夢とは……自身の想いを貫き通すことだ」

「それって子供みたいだね……」

「あぁ、自分が本当に叶えたいものは“頷くまで動かない”といった不動の構えを見せ、それでもだめなら駄々をこねる」

 

いつの間にかセラフォルーも話に聞き入っている。

 

「普通の子は親に逆らわずに諦めるだろう……だが、俺は! 一度の抵抗で駄目なら更に抵抗を見せればいい! より一層声を上げて体を大きく動かし、力の限り抵抗する!! そして、親が自身の夢に賛成するまで抵抗すればいいのだ!!」

 

最後には力説してしまったが、もうそんなことは何とも思っていない。

 

「自らの意志を望む通りに実現させる力……それが夢! お前にも夢があるのなら貫き通してみろ!! お前だけの夢と言う奴を!!」

 

その最後の一言にセラフォルーは口を開いた。

 

「……できるかな~……私にそんなこと」

「流石にそこまでは知らん。出来ないなら、出来るまで抵抗すればいいだけだ」

「あはは……結構大変だからそう言えるんだよ~? 時間も無いし、仕事にはまだ慣れてないし……」

 

だが、セラフォルーは悠莉を包みこむように抱きしめていた。

 

「でもありがとう……少しやる気が出たよ……最初から諦めちゃってたね……」

「そんな性格か。君は」

「もー、お姉さんに向かって口悪いぞー。少しは愛想よくしないと周りから嫌われちゃうぞ☆」

 

そう互いに返していると、セラフォルーの胸に何かが戻ったような気がした。

 

これからの不安はまだ残っている。

 

だけど、自分のしたいことを一人だけでも後押ししてくれる人がいるだけで胸が軽くなる。頑張れる。

 

セラフォルーはそんなきっかけを作ってくれた悠莉を優しく、昔、妹にやったような抱擁をする。

 

「ふむ……気持ちいいな」

「ふっふっふー☆ これがレヴィアたんの必殺、“魅惑の夢胸”なのだよ。ほらほらーパフパフー☆」

「なんだと……これも魔法か……こんな魔法もあったとは……修行不足だな」

 

やっといつもの調子に戻れたセラフォルーはまるで動物のブラッシングのように優しく胸にもたれ掛かる悠莉を撫でる。

 

そうしている内に、悠莉は至福の時を味わっていると…………。

 

 

 

 

「っ!!」

 

天国から戻ってきていた。

 

突如として感知した殺気に気持ちよさも消えた。

 

悠莉はセラフォルーの胸から跳び起きて辺りの気配を探っていると………。

 

「伏せろ!」

「え? きゃ!」

 

セラフォルーを押し倒すと、セラフォルーの首があった場所を銀色の一閃が通った。

 

「気配さえも察知されない認識阻害の魔法術式を避けたか……運がよかったな」

「うそ!? 全然気付かなかった!!」

「いや、それどころか閉じこめられたな……見ろ」

 

悠莉が周りを見渡すと、風景画マーブル状の背景しかなくなっていた。

 

封鎖結界である。

 

「うっそー、閉じこめられちゃったー!?」

「暗殺をするならもう少し、殺気を抑えな……」

「ふん、たかだかマグレでさっきのを避けたにすぎん人間風情がいい気になるなよ?」

 

悠莉を見下しながらも結界内に次々と仲間を呼び寄せる。

 

そんな光景に暗殺者の男もほくそ笑む。

 

「ふっふっふ……年貢の納め時だな……セラフォルー」

「あ、あなたたちはカテレアちゃんの…………」

 

セラフォルーの様子もおかしい。

 

怪訝に思う悠莉を無視して事態は動く。

 

「そうです。我等はカテレアさまの忠実な下僕……貴様のような偽りの魔王になど屈さぬ」

「そんな! 私は……!」

「ここで無駄口を叩くことはしない……見た所あなたは人間の子供を連れていますな」

「!! ち、違うの! この子は!!」

「幾ら偽りの魔王といえどもあなたは驚異的だ……そんなあなたは一人を守りながら戦えますかな?」

 

そう言って悠莉に向けて手をかざし、魔力を練る。

 

(どうしよう…さっきのは不意打ちだったからよかったけど、悠莉くんが複数相手にできるか分からないし……)

 

未だに悠莉の強さの底を計りかねていたセラフォルーは止む負えずに氷の魔法を展開させる。

 

その時―――。

 

「ははは………ははははははははははははっ!!!!」

 

突然、悠莉は大声を上げて笑った。

 

周りは悠莉が突然、笑ったことに驚いているようだ。

 

それは無論、セラフォルーも…………。

 

「人間、何故笑う? 気でも狂ったか?」

 

敵は警戒をしながら、尋ねる。

 

「いやなに、俺を唯の人間と思っている貴様らの考えがおかしくてな。つい、笑ってしまったよ」

 

悠莉はセラフォルーを護るように前へと出る。

 

「ガキが我らを愚弄するのか……」

 

そんな敵の言葉を悠莉は無視し、後ろにいるセラフォルーに言う。

 

「セラフォルー、ここは俺に任せろ。こんな雑魚に君は力を振るうことはない。俺がセラフォルーを護る! だから、安心しろ」

 

悠莉は不敵な笑みをセラフォルーに向ける。

 

「あ……………//////」

 

その時、セラフォルーの頭の中は真っ白になった。

 

白い肌は上気し、顔は林檎のように真っ赤に染まった………。

 

そんな、桃色空間を作り出す悠莉たちに当然、敵はキレる。

 

「ガキが………我らを無視するとは……余程、死にたいようだな?」

 

そう言い、全員が魔力を溜める。

 

それを見つつ、悠莉は────。

 

「………10………30………50か………多少は集めたみたいだがこの程度の戦力で魔王を殺すなど、片腹痛いわ!」

 

そう言い、悠莉は封印を解除する。

 

「セラフォルー、特別だ! 俺がどんな存在か教えてやる!」

 

そう言って、悠莉は集中する。

 

「我が名、不死鳥 悠莉の名に於いて、告げる! 我が力を開放せよ!!」

 

そう言った、直後―――。

 

悠莉の体が元の大きさに戻っていく………。

 

「な……何だこれは!」

「わ~~、悠莉くんが成長してる~~~」

 

両者が驚いている中、悠莉は元の姿に戻った。

 

「ふう………では、悪魔狩りを開始する」

 

そう言い、悠莉は右手を天に向ける………。

 

「古の契約に従い、我に従え、雷の神。空を覆う、全天の暗雲よ。今こそ、その身に雷を宿し、我が全ての敵を滅せよ!」

 

悠莉が呪文を唱えると、晴れていた空は一転、分厚い暗雲に覆われた。

 

「これは………まさか!?」

「そんな………これは大昔に失われた伝説の大魔法! まさか、悠莉くんは……」

 

両者が驚愕に目を見開いていると、暗雲の至るところから、雷鳴が轟いた……。

 

「俺を敵に回した事を後悔しながら死ね!!」

 

そう言って、悠莉は右手を振り下ろした!!!

 

「滅亡の雷!!」

 

 

その瞬間―――――。

 

 

世界が真っ白に染まった…………。

 

 

 

 

 

 

戦いという名の殲滅が終わると、セラフォルーは悠莉に聞いた。

 

「悠莉くん、不死鳥一族の人だったんだ………」

 

そう言う、セラフォルーの表情は暗い………。

 

悠莉はその理由を察すると―――。

 

「セラフォルー、勘違いが無いように言うが俺はお前たち悪魔を別に恨んじゃいない……だから、そんな泣きそうな顔をするな」

 

そう言って、悠莉はセラフォルーを抱きしめる。

 

「だって、私たちはユーくんの一族を滅ぼしたんだよ! 何で、そんな平気な顔をしてられるの!?」

 

セラフォルーは悠莉にそう叫ぶ。

 

「昔は恨んだ時期が確かにあった。でも時間が経って、気付いたんだ。全ての悪魔が俺たちを殺そうとしたわけじゃないと」

 

悠莉はセラフォルーの髪を撫でながら言う。

 

「でも…………」

 

セラフォルーは納得の行かない顔を悠莉に向けるが───。

 

「でももしゃもじもない。俺が気にしないと言うんだから、気にするな。俺はシリアスな空気が苦手なんだよ」

 

悠莉がおどけた感じに言うと、セラフォルーはクスッと笑いながら───。

 

「分かった☆ 悠莉くんがそう言うなら私も気にしないよ☆ チェキ☆」

 

そう言って、セラフォルーはさっきみたいな顔じゃなく笑顔を見せた。

 

「やっと笑顔を見せたな。やっぱり、セラフォルーは笑っている顔が似合う」

 

そう言い、悠莉も笑う。

 

「そうかな………///////」

 

そう言って、セラフォルーは照れた。

 

セラフォルーは悠莉の顔を見ながら言った。

 

「悠莉くん……私ね、悠莉くんにお礼がしたいの……受け取ってくれる?」

「いや、俺は自分がやりたい様に行動しただけだ……だから、礼は不要だ」

 

セラフォルーが目を潤ませてそう言うが、悠莉はやんわりと断ろうとする……。

 

「じゃあ………私がしたいようにするね………これが私の気持ちだよ」

 

そう言い、セラフォルーは悠莉に顔を近づけていく…………。

 

「セラフォルー……何を……んぅっ」

「ん……くちゅ………」

 

元から近かった距離は直ぐにゼロになり、セラフォルーは悠莉にキスをした。

 

「……んちゅ……くちゅ………んはっ……ちゅう……ちゅるっ……ちゅぅ……」

 

セラフォルーは情熱的なキスを悠莉にする。

 

悠莉は……驚いたのか、完全にフリーズしていた。

 

「んちゅっ、ちゅぶっ。んちゅっ─―れろっ、くちゅっ、れろれろ、んちゅうう………じゅちゅるるるぅ…………ぷはぁっ」

 

セラフォルーが悠莉から顔を離すと……互いの口の間から銀の糸が伸びた……。

 

「はぁ……はぁ……これが……私の気持ちだよ、悠莉くん♪」

 

そう言って、セラフォルーは悠莉に微笑む……………。

 

「セラフォルー……お前……」

 

悠莉が何か言おうとした時だった───。

 

「レヴィアタンさまー!! いずこへー!」

「早く御戻りくださーい!!」

「仕事がーー!」

 

遠くから悪魔の羽を生やした軍団がこっちへと向かって来ていた。

 

その姿を見た、セラフォルーは顔を火照らしたまま………。

 

「もうバレちゃってたんだ……」

「しょうがない……セラフォルー、きみに手短に伝えたいことがある」

「何……? 駆け落ちなら大歓迎だよ☆」

「バカ者……セラフォルーの気持ちは分かった。だが……」

 

そう言うと、悠莉はセラフォルーから離れて、ベンチに置いてあった荷物を肩にかける。

 

「次に逢う時まで、その想いが変わらなければ俺はセラフォルーの気持ちを受け入れよう」

 

真剣な顔で言う悠莉にセラフォルーも真剣な顔で向き合う。

 

「わかったよ……これは私を試す愛の試練なんだね……」

「まあ……試すって意味は変わらないな。どうだ? 受けるか?」

 

悠莉は挑発的に笑う。

 

「……分かったよ☆ 愛する人の気持ちを尊重するのも魔法少女の運命! その挑戦、受けて立つね☆」

「………………」

 

まるでブレないセラフォルーに苦笑していると………。

 

「了解……では次に会った時に改めて答えを聞こう」

「うん☆ 今でも次でも私の答えは変わらないけど待ってるよ☆」

 

そう言って、セラフォルーは嬉しそうに言う。

 

「では、俺は行く……前に……セラフォルー、左手を出せ」

「え? 何で?」

「いいから」

 

悠莉にそう促されて、左手を出すセラフォルー。

 

「まあ……一応、先に渡しておく……」

 

そう言って、悠莉はセラフォルーの左手の薬指にある物を通す。

 

「これは………」

「お前が自信満々に言うから、渡しておく。答えが変わらなければ、次に会うまでずっと着けていろ」

 

そう言って、そっぽを向きながら言う悠莉。

 

「綺麗………」

 

セラフォルーはそう言って、左手を上に翳して指輪を見る。

 

その指輪に着いている宝石はセラフォルーの魔力の色と同じ、水色に輝いていた………。

 

「じゃあ、俺は今度こそ行く。日本に戻らないといけないからな」

「悠莉くん!!」

 

悠莉はそのまま街の出口まで行こうすると、背後からセラフォルーに呼び止められる。

 

すると、セラフォルーは横チェキした。

 

「絶対にまた会おうね。その時は悠莉くんの気持ちも聞くからね☆」

 

「ああ………楽しみにしている」

 

それだけ言うと、悠莉の姿が一瞬で消えた。

 

別れはあっという間に、アッサリと終わってしまったが、セラフォルーは満足だった。

 

愛おしい感情を胸に抱いて悠莉がいた場所を見つめていた。

 

そんな時、セラフォルーの部下たちが到着した。

 

「やっと見つけましたぞ! セラフォルーさま」

「さ、早く仕事にお戻りください」

 

部下もできるだけ優しく仕事へ戻るように促す。

 

「うん! じゃあ戻ってパパっと終わらせちゃおう!」

 

そう言って部下に囲まれながらも仕事に戻る。

 

その光景はいつものことであり、護衛の悪魔もこのやり取りに苦笑していた。

 

だが、この時だけはいつもと違った。

 

「ねえねえ! 私って可愛い!?」

「え? いや……あの……」

 

この後…………

 

「どうなの!?」

「はい……男から見て魅力的だと思います……」

「本当?」

「はい」

「……うん! それなら良かった☆」

「あの……何かありましたか?」

「え? うん……えっとねー……」

 

セラフォルーの口から………

 

 

 

 

「結婚したい人ができちゃった☆」

 

特大級の核爆弾宣言がなされた。

 

 

 

 

『『『……へ?』』』

 

その宣言に護衛の悪魔の足が止まった。

 

「さーって、帰ったら仕事と一緒に探してほしい人がいるから忙しくなるよー☆ それと、アニメの企画書もつくらなきゃいけないから……これは本当に忙しくなるぞー☆」

 

護衛悪魔を置いてけぼりにしてセラフォルーがどんどんと進んでいくと、他の悪魔も意識を取り戻す。

 

「え!? セラフォルーさま!! お相手は一体……!」

「このサボリ中になにがあったのですか!?」

「相手は誰なのですか!?」

 

セラフォルーは左手に着けている指輪を見ながら、誰もが見惚れるくらいの笑顔で。

 

「秘密☆」

 

そう言って、セラフォルーは満面の笑みでその場から飛び立っていった。

 

今宵は良い夜となる気がした。

 

 

 

 

 

 

悠莉は日本海を歩きながら─――。

 

「黒歌と白音が家から出たか……」

 

かつて一時期、一緒に暮らした姉妹猫を思い出していた。

 

「黒歌が眷属悪魔になった主は何か、臭いな。リーゼロッテに調べさせとくか……」

 

そう言い、悠莉は海の先を見据える。

 

「運命(さだめ)よ………俺は抗うぞ。お前たちの好きにはさせない為に」

 

先に待つ、未来を見据えながら悠莉は祖国の向けて歩いて行くのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

《グレモリーside》

 

 

私は今緊張している。先日、お兄様が私に「近々、アジュカがリアスを訪ねて来るから礼儀正しくな」っと言っていたのだから……。

 

そして今日、アジュカ様が来る日になった……。

 

コンコンッ。

 

「空いているよ、アジュカ」

 

き、来たっ!

 

ガチャッ───。

 

「失礼するよ」

 

そう言い、アジュカは部屋に入るとサーゼクスに椅子に掛ける様に促され、席に着いた。

 

「態々、時間を取らせてすまないね。サーゼクス」

「いや、アジュカの頼みなら構わないさ。して、リアスに用事とは一体、何かな?」

 

そう、お兄様がアジュカ様に聞くと───。

 

「これを君の妹に渡したくてね」

 

そう言って、アジュカ様が懐から取り出したのは────。

 

「『悪魔の駒《イーヴィル・ピース》』………?」

 

無色透明の駒だった………。

 

「これは私の親友が創った物でね。君の妹……リアスに渡して欲しいと頼まれたものなんだよ」

 

お兄様はそれを聴き終わると、一言アジュカ様に尋ねた。

 

「君にそれを依頼した人物を教えて貰っても大丈夫かい?」

「ああ。寧ろ、冥界で知らぬ者はいない程の人物だよ」

「まさか…………」

 

お兄様が驚きに目を見開いていると────。

 

「誰もが良く知っている、紅の断罪者……ルージュ・パニッシャーだよ」

 

ルージュ・パニッシャー!? あの聖書に描かれる以前から存在している、神話の英雄!!

そんな伝説上の大人物が私なんかになんで、そんな駒を!?

 

私があわあわと混乱していると────。

 

「もう、リアスは駒を貰っているのは知っているだろう? それでもか?」

「ああ、それは知っているし、この駒はリアスだけの専用の駒だ。他の悪魔には使用出来ないよ」

 

そう言って、アジュカ様は私の前に駒を置いた。

 

「既に特例として、許可は取ってある。しかも、あの拳神《ゴッド・フェスト》が頼んだと教えたら直ぐに首を縦に振ったさ。上層部は余程、彼を怖いとみる」

 

※拳神《ゴッド・フェスト》は紅の断罪者とは違う、二つ名です。

 

アジュカ様は肩を竦めながら、言った。

 

「リアス、その駒を手に持って見てみなさい」

 

そうお兄様が仰ったので、私はその駒を恐る恐る、持って見る。

 

その瞬間――――。

 

パァァァァァッ!

 

私の手の中で駒が紅く輝いた。

 

「な、何!?」

「これは………」

「やはりな………」

 

少ししたら輝きは治まった……。

 

「リアス姫、駒を見てご覧よ」

 

アジュカ様に促されて見るとそこには───。

 

「わあぁ……綺麗………」

 

私の髪の色と一緒だがまるで太陽みたいな色をしている駒があった。

 

「これが君だけの駒。ある人物を眷属に出来る、君だけに許された駒だ」

「ある人物か………それについて、彼は何か言っていたかい?」

「いや……時間と共に運命(さだめ)がその道に導くだろうと言っていただけだ」

「そうか……彼らしな……」

 

お兄様とアジュカ様がそう互いに言っているのを横で聞きながら私は何かの運命を感じるのだった…………。

 

 

 

 

 

 

時はまた、一歩進んだ………

 

運命(さだめ)に導かれるまま…………

 

静かに………静かに………時は進んでいく……

 

それは光か闇かは………神のみぞ知る…………




感想をお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。