ハイスクールD×D~原初の龍神と赤龍帝~   作:火の鳥

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誤字、脱字がありましたらご指摘をお願いします。


黒と白の悲劇、再会する親友

 

俺は今、急いでいた…………。

 

さっき、リーゼロッテから連絡があって「奴が白音に手を出した」と言っていて、しかもその時に黒歌が主を殺してしまった様なのだ。

 

だから、急がないと! 先ずは白音を助けないと………黒歌は白音と引き離されて、今は殺した主の眷属悪魔に追われて逃げているみたいだから、早く行かないと白音の身が危ない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は目的の屋敷に着くと正門を破壊し、正面から乗り込んだ。

 

途中、屋敷のメイドが俺を止めようとしたが殺気を放って、沈黙させた。

 

白音の反応は……あっちか!!

 

反応がある方に向けて駆けると、誰かを罵声する声などが聴こえた。

ここだ! 俺は走る勢いのまま、部屋の扉を蹴り破り、部屋に入った。

 

そこには───。

 

虚ろな目で涙を流している、白音がいた。

 

その顔を見た瞬間、俺の中で怒りが湧き上がった。

 

「退け! 貴様ら!!」

 

俺は白音を囲んでいる奴等を押し退けると、白音の目の前まで行った。

 

「………………」

 

白音は俺が目の前まで来たのにも気付かないのか、虚空を見上げていた。

 

俺の後ろで「な! 紅の断罪者!!」「鳳凰様が何故、此処に!?」などの声が聴こえたが無視した。

 

「すまない……遅くなった………本当にすまない………」

 

俺は白音の目の前に跪き、涙を流しながら白音に謝った。

 

白音は俺がなんで謝るのかが分からないのか、首を傾げていた。その瞳を曇らせたまま…………

 

「遅くなってしまったが、もう大丈夫だ。俺がここから助けるから」

 

俺はそう言い、白音を抱き締めた。白音は驚いているみたいだ。いきなり、見ず知らずの人間が謝ったり、抱き締めたりしたのだから当たり前だが。

 

「鳳凰様……失礼を承知で申し上げますが、この件は貴方様には関係の無いことです。どうか、お引取りを」

 

俺にそう言ったのはこの中で一番発言力があるのか、見た目が20代位の女性悪魔だった。

 

「……………一応、聞いておこう。貴様らはこの子をどうする気だった?」

 

俺は怒りを押し殺しながら聞いた。

 

「この子の姉は我らの主を殺しました。なので姉同様、この子も危険な存在ですのでこの場で殺そうかと思います」

 

俺はその言葉を聴いた瞬間、キレた。

 

ゴオッ!!

 

俺は力を開放させた。

 

「そうか………ならば、俺も言おう。お前等は全員、死刑だ!」

 

俺はそう宣言した。

 

その前に白音に眠りの魔法を掛けて眠らした後――――。

 

「お前等は罪を犯した。自分たちの主がよからぬ事をしている事を咎めもせずにあまつさえ、何の罪も無い子を殺そうとするなど、断じて許されることでは無い!!」

 

俺は左腕で白音をだっこして、右手に焔《ほのお》を宿らした。

 

目の前の悪魔たちは俺の殺気に気圧されてか、一歩も動けずにいる。

 

「地獄の最下層で後悔しながら逝け!」

 

そして、俺は唱える………断罪の焔を。

 

「古の契約に従い、我に従え、炎の神。大地を焦がす、紅蓮の炎よ。我が手に、原初の炎を宿し、眼前の敵を焼滅させろ」

 

この屋敷を中心に、炎が辺りを包み込む。まるで、全てを燃やし尽くすように…………

 

「消えろ………。消失の炎!!!」

 

 

 

炎が────。

 

 

 

踊った────。

 

 

 

 

 

 

俺は屋敷があったところを中心に大地が融解し、マグマが流れている場所に背を向けて、ある場所に転移した。

 

 

 

 

 

 

グレモリー領―――。

 

サーゼクスの書斎―――。

 

 

 

 

俺はサーゼクスの書斎に転移した。

 

「やあ、久しいね。鳳凰くん」

 

サーゼクスは俺に挨拶をしながら、俺が腕に抱く子を見た。

 

「サーゼクス。いきなりで悪いがグレイフィアを呼んで貰えるか? その後に大事な話がある」

 

俺はサーゼクスにグレイフィアを呼ぶ様に言い、話しは後にすると簡潔に言った。

 

「どうやら、理由(わけ)ありのようだね。分かった……直ぐに呼ぼう」

 

その後、グレイフィアが直ぐに来てくれて白音を預けて、俺はサーゼクスに白音の事情を説明した。

 

 

「まさか……そんなことがあったとは……!」

 

互いにソファーに座り、サーゼクスに事の顛末を語ると───。

 

サーゼクスは苦い顔をして唸った。

 

「まあ、お前が手を下さなくても、既に俺が一族郎党始末したから気にするな」

 

俺はコーヒーを飲みながら、サーゼクスにそう答える。

 

「君は、相変わらず豪快なことをするね………確かにその話が本当なら上から何らかの処罰が、あの家に下されていただろう」

 

サーゼクスは俺がしたことに苦笑して言った。

 

「一応、証拠は全てこちらで押さえてある。これがその全資料だ」

 

俺は空間から資料を取り出すと、目の前のテーブルに置いた。

 

「後、白音の姉の黒歌を表向きは『はぐれ』悪魔のままにしていてくれ」

「それは、何故だい……?」

 

俺がそう言うと、サーゼクスは目を細めながら聞いてきた。

 

だから俺は正直に話した。

 

「今、白音は姉に裏切られた事と周りの悪魔から責められた事で精神が壊れかけている…………たとえ主を殺した本当の理由を話しても白音から見たら姉が自分を置いていったことには変わらない。変に刺激すれば危ういところでバランスを保っている心の均衡が今度こそ崩壊するぞ」

「………………」

「いずれは話すが今はまだその時ではない。慎重に様子を見なければならない。分かってくれ、サーゼクス」

 

俺がサーゼクスにそう言い、頭を下げると……サーゼクスは重い息を吐きながら頷いた。

 

「わかったよ………表向きは黒歌を『はぐれ』のままにしておく。唯、追っては差し向けないようにする。今、黒歌を追っている部隊も直ぐに呼び戻すよ。これで良いかい?」

 

俺はそれを聞いて、頭を下げながらサーゼクスに礼を言った。

 

「ありがとう、サーゼクス。この礼は今度来た時に返す」

 

俺はそう言って、ソファーから立ち上がった。

 

「………行くのかい?」

「ああ………次は先走った姉猫を助けないといけないからな。……ではまたな、サーゼクス」

 

俺はサーゼクスにそう言い、黒歌がいるであろう場所に転移した…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ……私の声が聞こえる?」

「………………」

 

今、目の前にいるのは少女だ。

 

彼女は猫の耳を生やしたまま生気のない瞳を虚空に向けたまま反応しない。

 

当然か……今まで罵られ、蔑まれ、処分されかけていたのだから、鳳凰様が保護していなければ、あのまま殺されていたかもしれないわね。

 

だが、その代わり彼女は感情を失くしてしまった。

 

彼女の姉が力に溺れ、主の悪魔を殺してしまったことをきっかけに………

 

そして、私は彼女が手にしている写真立てと首飾りが目に付いた。

 

「これは?」

「はい、その子を保護した際にずっとその写真と首飾りを片時も離さずに握りしめております……それがどうなされました? リアスお嬢様」

「いえ……ありがとう」

 

使用人から話を聞いた後、私は彼女の元へと歩み寄って同じ目線にまで近付いた。

 

「ね、その写真に写ってるのはだれ? かっこいい子ね」

 

それは故意的に破ったと思われる写真だった。

 

彼女は私の言葉に初めて反応すると、虚ろに、しかししっかりと答えた。

 

「この……子……友達……まだ……帰ってこない……」

「……そう」

「でも……いつか必ず帰るって……帰って約束……証に……これを………」

 

そう言って、彼女は首に掛けている首飾りを握り締める。

 

そうか……この写真の子を想っているからこそ今まで耐えてきたのね……

 

そう思っていると、その部屋にもう一人入って来た。

 

「リアス。お茶を持って来たわ」

「あ、ええ、ありがとう。朱乃」

 

私の眷族の一人、姫島朱乃だった。

 

朱乃は使用人に一礼しながら紅茶を私に運んできてくれた。

 

「ありがとう」

「いえ、それよりリアス……この子が……」

「ええ……」

 

朱乃もこの子の痛々しい姿に悲しさを帯びる。

 

しかし、朱乃はその子の写真を見つけた時、目を見開いていた。

 

「!! この写真!!」

「朱乃? どうしたの?」

 

珍しく驚愕していたが、私が呼びかけると朱乃はすぐに落ち着いたように振る舞った。

 

「……いえ、ごめんなさい」

「え、えぇ……」

 

あれほどまでに動揺した朱乃は見たことは無かった。

 

そのことについてはまた後で聞くとして、今は目の前の子の心を開かせよう。

 

そう思ったのだった。

 

そして、可能であれば転生させて悪魔にしよう。そうすれば周りも物騒なことは行ってこれないし、守ってあげられる。

 

猫魈の眷族は初めてだけれど……

 

 

 

 

 

 

 

 

《黒歌side》

 

 

私は逃げている……。敵の追っ手から、あの殺した主の眷属から……。

 

私は何とか追っ手を振り切り、身を隠しているが最後に敵にやられた傷が深い……

 

私は生きなければいけない……白音を残してまだ死ぬわけにはいかない。それにまだあの子と再会していないのだから………

 

「………眠っちゃ、ダメ………まだ……私は……何も……出来て……いないのに」

 

意識を保とうとするが、段々と意識が朦朧として………目も開けられなくなった………

 

その時────。

 

誰かが来た、気配がした。

 

目の前に誰かの気配が感じられたが、動くのも億劫で…………

 

その時私は昔、嗅いだことがある懐かしい匂いを感じた……………

 

私はそれを感じながら、意識を闇に落とした……………

 

 

 

 

 

 

 

《悠莉side》

 

 

チュンッ、チュンッ、チチチチッ────。

 

ん…………、どうやら眠ってしまったみたいだな。

 

あれから黒歌の気配を探して何度も転移して、漸く黒歌の気を感知して急いで行って見れば、黒歌は瀕死でかなり危険な状態だった。

 

直ぐに日本に戻って来た時に契約したマンションに連れて帰ると、黒歌を助ける為に駒を使用した。

 

幸い、拒絶反応もなく駒は入っていき、黒歌の容態も安定した。

看病をしている内に寝てしまったようだが、特に黒歌の容態は変わっていなかった。

 

「さてと………朝ご飯でも作るか」

 

俺は体を起こして、キッチンに向かった…………。

 

 

 

 

「ふう………こんなものか。後は盛り付けてと……」

 

俺は作った料理を皿に盛り付けていると───。

 

ドサッ!

 

寝室から何かが倒れる音がした。

 

「起きたか………」

 

俺は寝室に向かった───。

 

 

 

 

 

 

 

 

《黒歌side》

 

 

う~~ん………ここはどこだにゃん………確か、私は………

 

私はここまでの記憶を思い起こしていると───。

 

「―――っ! 白音!」

 

ガバッ!

 

私は跳ね起きた。

 

「!! 痛っ───!」

 

私は体中に走った痛みに顔をしかめた。

 

ドサッ───。

 

その際にベッドから落ちてしまった…………

 

「……痛……白音……白音を助けないと………」

 

私は体中に走る痛みを我慢して這って行こうとした。

 

その時――――。

 

「朝から元気だな……黒歌」

 

懐かしい声が聴こえた。

 

ずっと聴きたくて、でももう聴けないと諦めていた声が聴こえた。

 

私は声がした方に顔を向けると────。

 

「なんだよ……幽霊にでも遭ったような顔をして……」

 

そこには幻でも無く、幻聴でも無くて、私が逢いたかった人が………悠莉がいた………

 

 

 

 

 

 

 

 

《悠莉side》

 

 

俺が黒歌を寝かせている部屋に入ると────。

 

「……痛……白音……白音を助けないと………」

 

そこには這って何処かに行こうとしている黒歌がいた。

 

俺は黒歌の行動に苦笑していると…………

 

「朝から元気だな……黒歌」

 

そう声を掛けた。

 

黒歌は俺の声に気づき、顔をこちらに向けた。

 

するとまるで怪奇現象や幻を見たかのような顔をした。

 

「なんだよ……幽霊にでも遭ったような顔をして……」

 

俺は笑いを堪えながら黒歌にそう言うと…………

 

「…………悠莉……」

「何だ?」

「悠莉…………悠莉……悠莉ぃ……」

「おいおい、どうし………」

 

黒歌が俺の名前を呼び、俺が返事を返すと………黒歌は突然、俺の名前を連呼した。俺は慌てて黒歌に駆け寄り、声を掛けようとすると……………

 

「悠莉ぃーーーーーーーーーー!!」

 

いきなり黒歌が俺に飛び込んで来た…………

 

「わぷっ……黒歌、突然どうし………」

 

俺は驚いて黒歌を見ると────。

 

「ヒック………グス…………スン…………悠莉ぃ…………ヒック………悠莉ぃ………」

 

そこには大粒の涙を零して、俺の胸に抱きつく黒歌がいた……………

 

「黒歌…………………」

「悠莉にゃ…………グス……ヒック………本当に悠莉がいるにゃ………ズズッ」

 

俺はそれを見て、何も言わずに静かに抱き締めた。少しでも黒歌の悲しみが薄れるようにと思いながら………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたか…………?」

 

俺は泣き止んだ黒歌にそう聞くと────。

 

「うん………」

 

そう言い、頷いた。

 

「まあ、まだ混乱しているかも知れないがこれまでのことを説明するぞ」

 

おれはそう言い、黒歌にこれまでの顛末を語った…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ………こんな感じだ」

「………………」

 

俺は黒歌に全てを語ると、黒歌は落ち込んだ……………

 

「黒歌は悪くないが………少し、先走り過ぎたな………」

 

俺がそう言うと、黒歌は申し訳なさそうにした。

 

「一応、はぐれ悪魔認定は解除して貰ったが表向きはまだ『はぐれ』のままだぞ。その意味はわかるな?」

 

俺がそう聞くと…………

 

「うん……わかってるにゃ。白音の為でしょ?」

「分かっているならいい。時間は掛かるがこれは慎重に行かないと白音の心を壊しかねないからな」

「ホントにごめんにゃ、色々と………」

「いいさ………俺も気づくのが遅れたからな。あの悪魔が裏でやっている事の証拠を押さえるのに時間を食ってしまったし」

 

黒歌は俺の問いに返事をし謝罪するが、俺も完全には間に合わなかったから気にするなと返すと。

 

「後、話すことは……そうだ。黒歌。お前はもう悪魔じゃ無いからな」

「は……………?」

 

俺がそう言うと、黒歌は「お前、何言ってるの?」みたいな顔を俺に向けた。

 

「信じてないな。じゃあ、翼を出してみろ。違うから」

「分かったにゃん………」

 

俺は黒歌にそう促すと────。

 

バサァッ────。

 

真紅色の翼が背中から生えた。

 

「にゃにゃ! 何なの、これ!?」

「黒歌に俺専用の駒『幻影の駒《ファントム・ピース》』を使って、不死鳥に転生させた。悪魔としての力も引き継いでいるが基本ベースは猫又だ。だから、前と体はあまり変わらないから特に気にしなくても問題無い」

 

驚いている黒歌に俺は『幻影の駒《ファントム・ピース》』について説明する。

 

「つまり、今度は不死鳥に転生したけど肉体にあまり変化はないから大丈夫なの?」

「そうだ。その代わり、不老不死になったが」

 

黒歌は直ぐに理解して俺に確認すると、俺は不老不死になったことも言った。

 

「はあ~~ッ……相変わらず、悠莉は規格外にゃん。そういうことなら神崎の性は本当の性を隠す、隠れ蓑ね」

 

黒歌は呆れるような溜息を吐いた。

 

「ふむ、そうだ。神崎はもう存在しない分家の性だ。俺の本当の性は不死鳥、かつて三大血族と言われた内の一家だ」

 

俺は自分の本当の名前を黒歌に明かした。

 

「と言うことはルナさんは? あの人も不死鳥の一族にゃん?」

 

黒歌はルナスティアも俺の一族の者か? と聞いてきた。

 

「いや、ルナスティアは違う。アイツは元神だ」

「え…………」

 

俺がそう答えたら、黒歌はフリーズした。

 

俺は次に起こることを予測して耳に耳栓をした。

 

「にゃ~~~~~~~~~~~っ!!!!!!」

 

朝の7時。あるマンションで少女の驚きの悲鳴が響いた……………

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、食事中――――。

 

 

俺は黒歌に全てを話した。俺の一族のこと。俺があの有名な紅の断罪者である事。組織の事など。妻がいる事を話したら何故か、黒歌の背後に夜叉が見えたが気のせいだろう……………うん、そう信じたい。

 

「モグモグ…………悠莉の事は分かったにゃ。けどこれからどうするのにゃん?」

 

もう理解したのか………順応性が高いのか、ただ単に自由奔放なだけか…………

 

「中学に入るまでの2年間は自由に動けるから、黒歌の修行に当てようと思う。また、暴走したら今度は死ぬかもしれないからな」

 

俺が黒歌にそう言うと、黒歌は真剣な表情をして────。

 

「悠莉。私、強くなりたいにゃん。もう、自分の力に溺れたくない。だから、私を鍛えてくれにゃん」

 

頭を下げた。

 

それを見て俺は────。

 

「黒歌……俺がお前を助けるのは当たり前だろう? 黒歌は大事な家族なんだから」

 

俺は黒歌にそう言った。

 

「ありがとうにゃ、悠莉」

 

黒歌はそう言って、笑顔を見せた……………

 

 

 

 

それからの2年間は濃密な時間だった。

 

黒歌を連れて冥界で修行を開始。仙術や気を完全に自分のものにする為、ひたすら鍛錬を続けた。

 

特殊な術式の中での修行、柔術や合気などの体術も教えた。

 

黒歌が本気で強くなりたいと望んでいたので俺も本気で相手をした。

 

その修行中、黒歌は何回も吐血したり骨を骨折したりしたがそれでも着いて来た。

 

俺は最初、途中でダウンするかと思ったが予想を良い意味で裏切ってくれた。だから俺は自身の流派の秘伝の技も伝授した。

 

そして2年が経ち、修行の総仕上げが終わった時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「2年か…………あっという間だったな。そして、来月には中学に転入か早いものだ」

 

俺は地面で伸びている黒歌を見ながら、これまでの事を振り返っていた。

 

「しかし、闇の奴等の行動が読めんな。最近はまた冥界に現れているみたいだが特に何もしないで帰るから目的が全然、分からん」

 

俺が最近の闇の行動に一人、ブツブツと言っていると───。

 

「そこの兄ちゃん、ちょっといいかい?」

 

中国の武将が着るような鎧を纏った男が話し掛けて来た。

 

「何のようだ? 闘戦勝仏の末裔」

 

俺がそう返すと────。

 

「兄ちゃん………何者なんだよ?」

 

男は警戒して聞いてきた。

 

「ただの賞金稼ぎをしている人間だよ。それより、話があるんじゃないのか?」

 

俺がそう返すと、相手も俺に敵意が無いことが分かったのか、話し始めた。

 

「簡単なことだぜぃ。俺っちと一緒にある組織に入って欲しいんだぜぃ」

「ああ、禍の団《カオス・ブリゲード》な。良いぞ、俺は無理だけど」

 

男が言った事を聞いて、俺は自分は入れないが他の人なら良いぞと告げると───。

 

「本当に兄ちゃんは何者だよ? 俺っちが言わなくても組織の名前を知っているし……」

 

男は溜息を吐きながら、そう言った。

 

「はははっ。まあ、それは置いといて黒歌」

 

俺が黒歌に声を掛けると、黒歌は起き上がりながら────。

 

「その組織に潜入しろだにゃ? 悠莉の頼みなら良いにゃよ。ただし! たまに家に帰っても良いのなら入るにゃ!」

 

黒歌はそう言い、男に指を突き付けた。

 

「はあ…………OKだぜぃ。変な下心があるよりハッキリ言ってくれた奴の方が俺も気にしないですむぜぃ」

「では、交渉成立だな」

 

俺は男に意地が悪い笑みを向けた…………………

 

 

 

 

話しが終わり、男は帰る時に────。

 

「詳しい話はまた後で連絡するぜぃ。後、俺っちは美猴(びこう)ってんだ。覚えといてくれ」

 

そう言い、男…………美猴は仙術を使って帰って行った。

 

「なかなか面白いことになったな。これは楽しみが増えたな」

 

俺がさっきの話を思い出しながら笑っている横で、黒歌は苦笑しながら俺を見ているのだった……………

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一ヶ月後――――。

 

 

《イッセーside》

 

今日はクラスが騒がしい、何でも転入生が来るみたいだ。松田と元浜に聞いたら、男子だと言っていた。しかも、かなりのイケメンらしい。ケッ! イケメンなんて滅んじまえばいいんだ。

 

俺が心の中でそう思っていると先生が入って来た。

 

「お前等、席に着け。今日は転入生が来る」

 

先生がそう言うと周りの生徒が「女子ですかー?」「何でこの時期に来たんですかー?」と先生に質問した。

 

「何でも、帰国子女で書類などの都合で入学式に来られなかったみたいだ。後、女子じゃなく男子だ」

 

先生がそう言った途端────。

 

キャーーーーーッ!

 

クラスの女子が声を上げた。

 

先生は騒がしい連中を黙らせると、外にいる転入生に入るように促す。

 

しかし……帰国子女か。確か、アイツ今は外国にいるんだよな。元気にしてるかな………?

 

俺が昔の友達のことを思い出していると、何やらまた騒がしくなっていた。どうやら、転入生が入って来たらしい。

 

俺は昔の友達を思い出したからか、少し気になって見てみると…………

 

「初めまして、今日から学校に転入してきました。神崎 悠莉です。皆さん、どうかよろしく」

 

そう自己紹介するのはかつての俺の友達、小さい頃に遠くの国に行ってしまったはずの親友がそこにいた。そして俺に気づいたのか顔をこちらに向けて笑ってきた。

 

俺はこの時、いつもなら信じることは無いはずの運命と言うやつを感じた……………

 

 

 

 

遂に赤き龍と始まりの龍が再会した……………

 

運命(さだめ)はここから加速する……………

 

果てにあるものを目指して…………………




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