今回は3話のティアナ視点です。短いです。批判覚悟です。その点を踏まえてお読みください。
これが、私の新しいデバイス……
白いカードのような形をした待機状態のデバイスが私の手にゆっくりと置かれる。他のみんなもそれぞれ、自分の新しいデバイスを手に取り、じっと見つめている。あと、机に残っているのは2つ。1つはスバルのデバイスと色違いのペンダントの待機状態をしたデバイス。もう1つは私と色違いの黒いデバイス。ここにいないあいつとギンガさんのものだ。
「みんな、新しいデバイスはどう?」
「あれ? なのはさん、他の2人と一緒に来るんじゃなかったんですか?」
「なんか、ライトが「新しいデバイスとか、ちょっと緊張するんで、落ち着いたら入ります!」って」
「へー、そうなんですか。ライトってしっかりしてると思ってましたけど、意外と子供っぽいところもあるんですね」
「そうかもね〜」
ライトがしっかりしてる? そんなわけないじゃない。あの馬鹿は昔っから何も考えずに1人で勝手に前に進んで…………
だからあの日、兄さんは死んだんだ。
あーいけない、いけない。今はなのはさんとシャーリーさんの話に集中しなきゃ。
兄さんが死んだのはあいつのせい、いつもそんなことを考えてる私がいる。わかってる。あの日、あいつは何も悪くないんだって。兄さんがあの時、ああしていなきゃ、今頃、あいつはここにいなかったはずなんだって。それは、頭では理解している。けど、感情が追いつかない。あいつのことが許せない。でも、私の中にはあいつにもう1つ、別の感情があることを私は知っている。それは、私は今でも、あいつのことがーーーー
「きゃ!」
「おっと、大丈夫か? ギンガ」
扉が開かれると同時にそんなやり取り。この場にいる全員がそちらに視線を向けた。そこでは、あいつとギンガさんが抱き合っていた。いや、正確には扉の出っ張りで転けてしまったギンガさんをあいつが支えていただけだったのだが、少なくとも、私にはそう見えてしまった。
「いつまで、そうしているつもりなんですか?」
冷たい、冷ややかな声だった。私は最初、それが自分が発したものだということに気がつかなかった。
「そんなところでイチャイチャされると視界に入ってウザいんでやめていただけませんか?」
それでも、無意識のうちに言葉が口から出てきてしまう。きっと、今の私は自分が気づかないほど、怖い顔してるんだろうな……
さすがに、目を合わせているこいつ以外を見る度胸なんて私にはなかった。
「悪かったな、ランスター。ほら、ギンガも平気なら離してくれ」
2人が何かを言っているが、私の耳には入らない。
ランスター、この目の前にいる男にそう呼ばれるのはいつぶりだろうか。もしかしたら、今まで一度もないかもしれない。
まだ何か言おうとしている言葉を必死で飲み込む。今、私のこの感情が驚きなのか、憎しみなのか、寂しさなのか、わからない。
私にはなにも、わからない。