黒崎一護 異世界へ   作:妃宮千早

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第28話

「ふぅー、今日はそこそこだな、左腕も治ってねぇが固定はしてある。派手にぶつけなければ問題ねぇな。よし!行くか。」

 

一護は朝自分の体の調子を確かめ、部屋を出て行った。

本部に到着すると今回のチームメイトである、森崎駿とその取り巻きの二人と作戦会議をした。

 

「黒崎一護。次は市街地のステージに決まった。お前は守りに徹していれば良い。攻めは僕と彼でやるからな。」

 

「はいよ。わかった。」

 

一護以外の2人はそのまま行ってしまった。

 

「ま、2人と1人に分ける方がやりやすいな。」

 

一護もあとに続くように出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一高の本部には三巨頭と司波兄妹がモノリスコードを映したモニターを見ていた。

 

「一護くん大丈夫かしら?」

 

「無茶をしなければいいんだがな。」

 

「大丈夫です。一護さん大丈夫と言った時はいつも大丈夫でしたので。」

 

「始まったな。どうやら黒崎は守りの要だな。」

 

「彼には想圧がありますからね。大抵の魔法はそれで搔き消すことができると思います。」

 

達也の言うことは正しい。しかし、一護は崩石の暴走を抑えるために霊圧の変換を最小に抑えているため、想圧は全く使用出来ないということは、ここにいる誰もが知らなかった。

 

「森崎も中々やるじゃないか。これなら一回戦は余裕だな!」

 

「落ち着いて、摩利。まだまだ分からないわ。」

 

「っ!?」

 

「どうしましたか?お兄様。」

 

「いや、今何か……。」

 

皆がモニターを見ていると突然市街地ステージの一護達のいる建物が大きな音を立てて崩れた。

 

ドゴオオォォン!!!!!

 

「「「なっ!!!」」」

 

「馬鹿な!!!!」

 

「一護さん!!」

 

「マズイな…。黒崎は崩れた柱の側にいた。下手をすれば大怪我では済まんぞ。」

 

「左腕が使えない状態でコレはまずいわ!すぐに誰かを向かわせなくちゃ…。」

 

月牙天衝

 

ドカァァン!!!

 

2度目の爆発音がし、一護たちがいた建物の瓦礫が吹き飛ばされる。

 

「二回目!?」

 

「今度はなんだ!?」

 

煙が晴れると人影が見え、大きな剣を持っていることがわかった。

 

「お兄様…。」

 

「あぁ、アレは…一護の収束発散魔法。月牙天衝。」

 

煙が完全に晴れると、そこには頭や体から血を流して、左肩に森崎、右脇にその取り巻きを抱えて立つ一護の姿があった。

 

「黒崎!!」

 

「一護くん!!」

 

真由美と摩利は一護の名を叫び、他の人たちもその重症っぷりに息を飲む。

 

「い、一護さん…。お兄様。一護さんが…。」

 

「大丈夫。額の傷は血が大袈裟に出るからな、体も擦り傷ばかりだ。右肩と左足の切り傷は少し深いが、見える範囲では心配ない。だからそんな不安そうな顔をするな。一護はそんな顔は見たくないはずだぞ。」

 

「はい …。わかりました…。」

 

試合は一時中止となり一高の3人は病院へ運ばれ、森崎と取り巻きは頭を打っており、精密検査をしてからという話となり、一護は足の切り傷を魔法で塞いですぐに本部へと戻っていった。

 

「無事か!?黒崎!」

 

「大丈夫なの!?」

 

「あぁ、あんなもん大したことねぇって。」

 

「馬鹿!!大したことないわけないだろう!!この会話も2度目だ!!少し自分の体を労われ!」

 

「今回は事故じゃねぇか。勘弁してくれよ。渡辺さん。」

 

「そうよ、摩利。説教は無し。それで一護くん。怪我の方は?」

 

「額と肩と足に切り傷。今日一日安静にすれば良いってさ。」

 

「そう、それならよかった。モノリスコードは明日に延長になるそうよ。」

 

「でも、森崎たちは出れそうにねぇな。代役はどうすんだ?」

 

「…。そうだな。司波。お前が出ろ。」

 

「自分てすか?しかし、自分は技術スタッフです。それに二科生が試合に出るのはどうかと思いますが。」

 

「それは弱者の立場に甘えている発言だ、司波。出場しない理由として、それは下の下だ。」

 

「………。わかりました…。引き受けさせていただきます。」

 

「まさか達也と出れるとはな。楽で良いわ。」

 

「お前にもしっかりと働いてもらう。あと1人か…。十文字会頭。二科生から選んでも?」

 

「構わん。既に今回の九校戦は異例だらけだ。今更1つや2つ増えたところで大したことはあるまい。」

 

「そうですか。では、幹比古をメンバーに加えたいと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ!!僕!?無理だよそんなの!」

 

「あぁ?やる前から決めつけんなって。」

 

「いや!僕は二科生だよ!?達也はともかく僕に出来るわけが!」

 

「大丈夫だ。幹比古。お前が入ることによって活路が見えるんだ。」

 

「それは本当かい?」

 

「あぁ、古式魔法の隠密性が必要なんだ。一護はディフェンス。俺がオフェンス。幹比古にはそのバランスをとって欲しい。」

 

「遊撃か…。確かに僕の古式魔法にとってはうってつけだ。」

 

「だからお前に頼むんだ。」

 

「…。うん、わかった。頑張ってみるよ。」

 

「ありがとう。幹比古。」

 

こうして、モノリスコードに出るメンバーは一護、達也、幹比古となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一回戦

 

「ステージは川か…。水中で何かやられると面倒だな…。」

 

既に試合は始まっており、達也は開始と同時に姿を消し、幹比古も古式魔法で霧を出し視界を奪う。

 

(達也が仲間になってくれて助かったな…。崩石を抑え込むのに集中出来る。にしても、まずいな…。今迄の使用は自分の怪我の治癒と、深夜さんと穂波さんの体を組み替えるほどの治療。だけど、このままじゃ……。)

 

すると試合終了のブザーが鳴った。

 

「ん?終わりか。俺何もしてねぇけどな。」

 

一護は達也たちと合流する。

 

「おめぇら流石だな。」

 

「いや、僕ら敵を迷わせてただけだから。」

 

「いや、幹比古のお陰でディフェンスが安定したし、俺も安心してオフェンスに専念できた。今回の作戦はお前がいてこそだ。」

 

「あぁ、俺も敵に遭遇しなかったし、かなり楽だったぜ。」

 

「ありがとう、2人とも。」

 

 

 

3人はその調子で次々と勝ち進み決勝にまで駒を進めた。そしてその対戦相手は予想通り、クリムゾンプリンスとカーディナルジョージを擁する三高が相手だった。

 

「やぁ、黒崎一護。そして…司波達也。」

 

「よう、やっぱりおめえらか。」

 

「カーディナルジョージに名を知ってもらえるとは光栄だな。」

 

「それは当然だよ。君の調整するCADには散々煮え湯を飲まされたからね。」

 

「確かに俺たち三高はお前達に負けた。だが、このモノリスコードまで負けるつもりはない。」

 

「まぁ、お互い頑張ろうぜ。」

 

「そうだな。」

 

互いに挨拶を終えると試合の所定の位置に向かった。

 

「草原ステージか…。」

 

「別に心配いらねぇだろ。」

 

「そんな簡単でもないさ。俺の特有魔法を使えれば楽ではあるが、そんなものは殺傷ランクオーバー以前にこんな人前で使っていいわけがない。お前の月牙天衝も威力が抑えられればどうにかなるかもしれないが…。」

 

「まぁ、なんとかなんだろ。」

 

「今回は幹比古がディフェンスだ。それして俺とお前で攻める。クリムゾンプリンスはお前を、そして、カーディナルジョージは俺を何故か意識している。彼らは一対一で無理矢理仕掛けてくるはずだ。そして、それしか手を打てない。」

 

「手が打てないってどういうことだよ?」

 

「簡単な事だ。お前が市街地ステージで崩壊に巻き込まれた時に使った月牙天衝。三高はそれを見たはずだ。そしてこう思った。出力勝負じゃ一条以外勝てない、とな。そして今迄の試合で俺がどんなプレーをするかわかったはずだ。そこにカーディナルジョージで抑えようとする。つまりだ、この勝負は俺がお前のどちらかが勝つことによって勝負が決まる。」

 

「あぁ、わかった。そろそろ始まるな。」

 

一護がそう言うとカウントダウンが始まり、試合開始のブザーが鳴った。

 

「おし、行くぜ。」

 

一護と達也は両サイドに開きながら相手のモノリスへ向かっていく。すると達也の予想通りに、一護には一条、達也には吉祥寺が向かっていった。

一条は片手に拳銃型のCADを構えて魔法を放つ。一護はそれを手持っている斬月で払い落とす。一瞬だけ驚いた一条だが、すぐに平静さを取り戻し、魔法を絶え間なく放つ。一護は左右に大きく素早く動き錯乱させようとするが、一条は崩れない。そこで、一護は完現術を使って高速移動をする。

 

「なに!?」

 

一条の表情から余裕が消え、焦りが出る。

 

「どうした?ついてこれねぇか?」

 

「クッ、舐めるな!!」

 

一条は2つ目の拳銃型CADを取り出し魔法を連射する。一護の周りに大量の魔法式が出現し、全てが一護を狙う。

 

(しまった!少し多く出しすぎたか!!これでは過剰攻撃になるかもしれない…。)

 

一条がそう思った瞬間、全ての魔法式が何かに押し潰されたように消えた。

 

「なんだと!?」

 

「余所見してていいのかよ。」

 

一条が自分の魔法式が消えたことに驚くと、一護に背後を取られた。

 

「クッ、しまっ…」

 

月牙天衝

 

一条は光に飲み込まれ意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!将輝!!」

 

「余所見か…。随分と余裕だな。」

 

「ぐはっ…。」

 

吉祥寺は将輝がやられたのを見ている間に達也に背後をとられ、魔法で気絶させられた。

 

「やはり一護の方が先に倒したか。想定通りで助かったな。」

 

達也と一護は最後の1人を倒し、一高は見事モノリスコードを制した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一護くんのアレ…。やっぱりすごいわね…。」

 

「最後の攻撃のことか?」

 

「いえ、違うわ。想圧だったかしら?あんな広範囲に広がった魔法式まで消してしまうなんて…。説明は聞いていたけど十師族の魔法ですら打ち消してしまうなんて…。」

 

「確かに。それほどのサイオン量を保持しているとは…。他の十師族が放っておかんかもしれんな。」

 

「まぁ、コレで優勝は決まったわ!」

 

「そうだな…。俺たち三年は三連覇だ。」

 

そして、後の競技であるミラージュバットとモノリスコードも優勝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長々しい閉会式が終わったと思ったら、今度はパーティかよ。」

 

一護達は九校戦の締めのパーティに出席していた。

 

「まぁ、そういうな一護。」

 

達也が一護の元へとやってくる。

 

「良いのか?深雪を一条と踊らせて。」

 

「お前が踊らないから仕方がない。」

 

「なんで俺なんだよ。」

 

「お前なら適任だと思うがな。」

 

「やった事ねぇから足踏みまくっちまうよ。」

 

「深雪なら嫌がらないと思うがな。」

 

「うるせぇよ。」

 

するとそこにほのかと雫がやってくる。

 

「お二人は踊らないんですか?」

 

「折角だから踊ってくればいい。」

 

「俺はいい、腕とか痛えし。」

 

「言い訳か。」

 

「事実だっつの。達也はほのかと踊って来いよ。」

 

「わ、わ、わたしですか!?」

 

「嫌なの?ほのか。」

 

「い、いや、別にそういう訳じゃないけど…。」

 

「そうか、なら相手をしてくれないか?」

 

「は、はい!」

 

達也とほのかはそのまま踊りに行った。

 

「黒崎くんは?」

 

「先に部屋に戻るかな。」

 

「そっか、それじゃあね。」

 

一護は手を振り、会場から出て行った。しかし、すぐに十文字に呼び止められる。

 

「黒崎。」

 

「十文字さんか…。どうしたんすか?」

 

「いやなに、少し話でもと思ってな。」

 

「どうしてそんなにサイオン量がある?なんて聞かれても、生まれつきとしか答えられないっすよ?」

 

「いや、そうではない。黒崎。十師族になれ。」

 

「っ!?どういうことだよ?」

 

「簡単なことだ。お前は一条を倒した。それが理由だ。」

 

「見栄ってことかよ。」

 

「そうとも言うな。十師族とは常に頂点に位置しなければならない。学生の大会といえど、それは同じだ。それで、だ。七草はどうだ?」

 

「何がっすか?」

 

「嫁にどうだ?ということだ。」

 

「……。」

 

「本気だぞ?」

 

「なお悪いわ!結婚なんて今の歳で考えられっかよ!」

 

「魔法師としては当然だと思うがな。」

 

「無理!絶対無理だ!俺はもう帰るからな!」

 

一護はその場を早歩きで去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホテルの部屋に戻るとそこには人影がいた。

 

「どうも、黒崎さん。優勝おめでとうございます。」

 

「浦原さん!って見てたのかよ!!」

 

「はぁい♪それはもう。ちゃんと録画して一心さんに送ったんで安心してください。」

 

「出来るか!!ったく、何か用かよ?」

 

「えぇ、まぁ、そうですね。崩石の具合はどうッスか?」

 

「っ!?」

 

「アタシの予想ですと、結構ギリギリだと思うんスけど…どうッスか?」

 

「…あぁ、虚化の時みてぇに、力を使うと暴走しようとしてきやがる。」

 

「そうですか……。念のため護廷十三隊の隊長さんに声をかけたいと思います。ただ、あっちもあっちで色々と忙しいみたいでして、これるのは精々1人、もしかすると来れないかもしれません…。」

 

「いや、十分さ、それにこんなもん俺1人で食い止めてやるさ。」

 

「はい、お願いします。それではアタシはこれで、あ、それと、九校戦で工作をしていた人たちは司波達也さんが片付けていたので安心して下さい。」

 

浦原はそう言い、穿界門を開いて帰って行った。

 

「また1人でやらせちまったか…。」

 

一護はそう呟き 横になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一護。起きろ。学校に遅刻するぞ?」

 

「……。」

 

「…?一護。開けるぞ?」

 

達也は朝に一護が起きてこないためドアを開けて中に入る。

 

「一護?…っ!一護!どうした!?おい!」

 

その声を聞き深雪が駆けてくる。

 

「お兄様?一護さん?どうかしましたか?」

 

「深雪!救急車を呼んでくれ!!」

 

「は、はい!分かりました!」

 

こうして一護は救急搬送された。

 

 

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