ハイスクール・フリート 世界に翼が舞い降りた 作:アジアの大提督
晴風を今日も何事もなく南太平洋を巡航で航行してた。
この前の新橋海難事故以来艦長と副長の仲も随分と改善され晴風全体の雰囲気もいい感じになってきてた。
そして悠一郎は今日も艦橋の端でみんなを見てた。
悠一郎「随分と南の方に来たな。」
納沙「そうですね。もう赤道を越えてもうすぐトラック諸島ですからね。」
悠一郎「トラックか…」
トラック諸島は悠一郎がいた時代の世界では帝国海軍の一大泊地であり大型機も運用可能な滑走路もありあの戦艦大和など連合艦隊の主力艦が多数停泊した場所である。
悠一郎(これより更に南にはラバウル航空基地があり宮下さんもそこで戦い抜いたのか。)
悠一郎が過去の事を思い出してると艦橋に見張所にいる野間から報告が入る。
野間「正面に艦影! 艦橋形状から武蔵と思われます! )
野間からの報告が入ると艦影メンバーは全員双眼鏡を持ち確認する。
宇田「新たな目標を確認! 」
電探もその姿を正確に捉える。
岬「こんな所に武蔵が… 」
納沙「艦長、余裕で相手の射程に入ってます! 」
ミーナ「当たったらひとたまりもないぞ。」
岬「取舵一杯、340度ヨーソロー」
知床「と、取舵一杯、340度ヨーソロー! 」
岬は一旦目標と離れるような進路をとる。
宇田「目標との距離13マイル! 」
野間 悠一郎「「13マイル⁉︎」」
宇田の報告を聞き野間は見張所の上に登り目を凝らし悠一郎は双眼鏡を持ってウィングから身を乗り出すようにして
目標を見る。
野間「武蔵…じゃない。二連装砲主砲。」
悠一郎「それにあの両舷の副砲の配置の仕方は。」
悠一郎はその艦影に見覚えがあった。
それは紀元二千六百年特別観艦式で陛下の御召艦を務めた歴戦の戦艦である。
野間「金剛型右30度方位角70度。あれはうちの学校の比叡です! 」
悠一郎「やっぱり比叡か。」
納沙「遠くから見ると武蔵そっくりですね。でも大きさが全然違いますね。それで野間さんも距離感が狂ったんですね。」
納沙はタブレットで武蔵と比叡の艦データを見比べていた。
悠一郎(そういえば比叡は新型戦艦の実験で他の金剛型と艦橋形状が違うて聞いた事あるな。)
ましろ「行方不明になってた比叡がこんな所にいたとは。」
「ミャオー」
ましろ「ん?」
ましろは後ろを向くと皿の横に座り餌を欲しがってる多聞丸がいた。
ましろ「わかった、わかった。」
岬「比叡の位置と進路を学校に連絡して。」
岬が指示をしてましろが多聞丸に餌をやろうとしたその時
野間「比叡発泡! 」
ましろ「なんだと! 」
岬「最大船速!取舵一杯! 」
知床「取舵一杯! 」
悠一郎も再度ウィングに出て砲弾を確認する。
悠一郎「後方に着弾するぞ! 」
そういうと比叡の主砲弾は晴風の後方に着弾する。
ましろ「学校からの指示は? 」
納沙「ブルーマーメイドの派遣要請をしてくれました。到着は4時間後それまで可能な限り比叡を補足し続けよ。但し晴風の安全を最優先にと。」
ましろ「わかった。ん?」
多聞丸が今度は艦橋で便を出そうとしてた。
ましろ「トイレはそこじゃない! 」
悠一郎(やっぱりまだ五十六提督(提督をつけなきゃいけない使命感)と違ってまだ子猫だな多聞丸提督は。)
岬「リンちゃん、距離をとって大きく回り込んで比叡の後ろについて。」
知床「はい! 」
知床は岬の指示に従い比叡との距離を離し回り込む。
ましろ「撃ってきたということは。」
岬「うん。感染してるんだと思う。」
悠一郎「相手が厄介だな。戦艦でも特に速力のある金剛型と鉢合わせになるのは。」
その時タブレットで周辺の海域情報を調べてた納沙が。
納沙「待ってください! 比叡がこのままの進路、速力で航行すると3時間後にトラック諸島に到達します! 」
『ハッ!』
岬「トラックって確か。」
納沙「居留人口1万を超えます。おまけに海上交通の要所なんで1日千隻の船舶が行き来します。」
ミーナ「ブルマーの到着は4時間後間に合う可能性は低い。」
岬「感染が広がったら大変な事になる。私達で阻止しなくちゃ。」
ましろ「具体的には? 」
岬「晴風に引きつけてトラックへの進路から引き離す。」
悠一郎「追尾より被弾の可能性があるぞ。それでもやるか?」
岬「速力はこっちの方が早いし何とかなると思います。」
悠一郎「わかった。艦長お前に任せるからな。」
岬「はい。リンちゃん前に出て蛇行して。」
知床「わかりました。」
悠一郎「見張り員は見張りは厳に! 発泡炎が見えたら、報告! 」
野間、内田、山下「「「了解! 」」」
晴風は速力の速いを上げ蛇行航行を始める。
そして比叡は晴風が前に出るのを感知し砲撃を再開する。
野間「新たに砲弾4つ着弾します! 」
晴風の周りに大きな水柱が4本立ちその後も何度も水柱が立つ。
悠一郎「武蔵の時もそうだけどやっぱり戦艦と一対一は生きてる気がしねぇな。」
その頃横須賀の横須賀女子海洋学校の廊下をある1人の人物が歩いており宗谷 真雪がいる校長室の前に止まりノックをする。
「失礼します。」
ドアを開くとそこには真霜がいた。
真雪は無言で席を立ち応接用のソファに座る。
真雪「あなたがここに来ると言うことは余程の事ね。」
真霜「ええ。」
真霜はテーブルにある一つの報告書を出した。
そこにはある実験艦の事が書かれており一度その実験艦は沈没しサルベージ不能と言われたが海底火山の噴火で実験艦が浮上しその浮上した場所が今年の海洋実習の場所である西之島新島である。
そして教員艦さるしまに西之島新島付近の海洋生物を調査をする為に乗せた研究員が実は実験艦からデータを取り自沈する為の研究員だった事が書かれている。
それは真霜が晴風の攻撃によって一度海を漂流した古庄の見舞いの帰りに同じ病院で入院してる研究員達の会話を聞いて個人的に調査をしたものである。
そしてそこからわかったのが「RATt」という偶然海中プラントで生まれた生物でありこの生物がもつウィルスには生体電流に影響を及ぶ為一つの意思に伴って行動する。
その為記憶があるのに行動の理由が説明できない。
そして「RATt」から出る生体電流の影響で一種の妨害電波やジャミング波により電子機器が正常に作動しなくなる。
真雪「これに関しての報告が晴風が上がってるわ。このウィルスが媒介するウィルス有り至急抗体を増産されたしと。」
真雪は自分のスマホを出して真霜に見せるとそこには捕獲された「RATt」が映ってた。
真霜「抗体を学生が? 」
真雪「晴風には鏑木 美波が乗ってるのよ。」
真霜「あの海洋医大始まって以来の天才が? 」
真雪「飛び級でまだ海洋実習が終わってなかったから今年済ませたいと言われてね。」
真霜「変わり者と聞いてましたが助かりましたね。」
真雪「感染後の時間経過が短ければ海水が効果的だが時間が経てば抗体の投与が効果的だと思われる。」
真霜「さすが鏑木 美波ですね。あともう一つ報告があるわ。」
真雪「なに? 」
真霜「とりあえずこれを見て。」
真霜は新たに報告書を出しそれを真雪が見ると。
真雪「これは一体何かしから。」
そこには完全に修復され現在悠一郎から言われたエンジン出力を上げてる途中の零戦の写真が載ってた。
真霜「これは先月に九州沖で発見されたものでこれには人が乗っていたのよ。」
真雪「私はこんな物初めて見たわ。」
真霜「私もそうよ。乗ってた人曰くこれは空を飛行する為の兵器みたいよ。」
真雪「空を飛ぶ? 人が乗ってって事はまだ世界で誰も成し遂げでない有人飛行ができるのこれは? 」
真霜「そうみたい。技術者達も機体の構造上飛べる事は飛べると思うがまだ実態がよく分からなてくてそれを調べる為にサルベージし現在試験の為の場所を伊豆半島の国防陸軍の土地の一部を借りて準備中よ。」
真雪「何故このことを私に? 」
真霜「いずれお母さんの耳にも入ってくると思ったから私の口で言ったのよ。」
真雪「そういうことね。」
その頃比叡を補足してる晴風は
野間「着弾! 」
大きな水柱がまた晴風の右舷前方で立つ。
悠一郎「本当に生きてる気がしねぇ! 」
常に艦橋には電探で砲弾がくる警告のアラート音が鳴り響いており操艦してる知床も完全に泣き顔だ。
柳原「いつまで一杯なんでぇ!そう長く持たせなれねぇよ。」
黒木「油も馬鹿喰いしてるんだけど! 」
機関室から文句も飛んでるくる。
納沙「もとよりあっちの方が航続距離が上ですしこちらは無理な動きを続けてますし。」
悠一郎「これが大型艦と小型艦の違いの一つだな。」
大型艦なら航続距離が長く船体が大きい為ある程度の無理はできるが小型艦より速力は出ない上に小回りが利かない小型艦は速力が出て小回りが利くが船体が航続距離は短く船体が小さいの無理は動きはそこまでできない。
ミーナ「次の手を打たなければならないな。」
ましろ「艦長、気持ちは分かるがこれ以上は… 」
岬「けど私達が諦めたら。」
ましろ「ならば比叡の足を止めるしか方法はないんじゃないか?たとえ沈める事になっても。」
『えっ? 』
悠一郎(おいおい、まさか戦闘を回避してたましろがまさかの発言だな。)
ましろ「誰も沈めろとは言ってない仮定の話だ。」
岬「比叡に乗ってるのは私たちの同級生なんだよ。もしもの事があったらま…なとかして沈めず比叡を止めよう。」
ましろ「シュペーの時と同じことをするのか? あの時ですらかなり危険だったんだぞ。」
悠一郎「その話は前に聞いたがこっちの主砲の射程と射線を取るまでに比叡の主砲と副砲で確実に蜂の巣だぞ。」
艦橋にいる全員が頭を悩ませたその時艦橋下の海図室から
勝田「も〜邪魔ぞな。」
艦橋と海図室を繋ぐパイプから多聞丸が出てきた。
勝田「お前も邪魔ぞな。」
続いて五十六も出てくるが見事にその出たお腹がパイプに引っかかった。
岬「はっ! 」
五十六の姿をみた岬は何か閃いた。
岬「比叡を止められるかも。」
横須賀女子海洋学校の校長室の電話が鳴り響き真雪は電話を取ると教頭経由で岬が連絡してきた。
岬「教育艦晴風の岬 明乃です。比叡への作戦実行の許可をお願いします。」
真霜「晴風一隻で?無理よしかも昼間になんで。」
一緒に電話を聞いていた真霜も反対する。
夜戦ならば速力と機動性が有利な小型艦でも勝機はあるが昼間の戦闘は視界もよく戦艦など砲戦が得意な艦が有利だ。
その時真雪のパソコンに作戦の詳細が送られてくる。
真雪は慣れた手つきでパソコンを操作し作戦概要を見る。
真雪「よく考えた作戦だわ。これなら実行可能だわ。」
岬「今この海域にいるのは私達だけです。ヤらせてください! 」
真雪「燃料と故障個所は? 」
岬「問題ありません。」
真雪「クラスの子の体調は? 」
岬「大丈夫です! 」
真雪「わかりました。作戦実行を許可します。但しクラス全員と話し合ってからにして。」
岬「わかりました。ありがとうございます! 」
そう言って岬は電話を切る。
真霜「いいの?お母さん。」
真雪「作戦概要を見た限り決して無謀なものではなかったわ。それにほら。」
真雪はパソコンにある物を映した。
真霜「猫?」
それは晴風にいる五十六である。
真雪「晴風の報告ではRATtを捕まえた猫には感染しなかったのよ。いい風が吹いてかもしれないわよあの艦には。」
岬「以上が作戦概要です。」
岬が艦内放送で作戦概要を伝える。
作戦概要を伝えらた晴風クルーは困惑しておりそれに鏑木の話もあり作戦の重大さが伝わってくる。
知床「私やります! やらせていただきます! 」
引っ込み事案の知床が真っ先に作戦に賛成した事がきっかけで各部から賛成の声が聞こえ上がり艦の心が一つになっていく。
最後まで反対だった黒木もましろの説得で最後は賛成した。
岬「みんなありがとう。」
悠一郎(変わったなこの艦も。)
岬「戦闘よーい! 」
この回の話も中々いい戦闘シーンが多くて好きでした。
そして相変わらず凄い水雷技術を持ってるメイちゃんに驚かせれてる。