今回から原作2巻に入ります。 基本原作に沿いますが、オリジナル展開もあるのでご注意を。
2巻といえばあの『変態』、容赦無いサキュバスいよいよ登場となります。
彼女が好きな方は閲覧をお控えください、彼女の最初の悪事が1つ増えています。
おはよう、4月が過ぎ去ってもまだ春の暖かな空気が残る。
明らかに変わった先生とおかしな教室、1ヶ月も立てば流石に多少は慣れる。
愛美ちゃんはほんの少し明るくなった、授業で当てられても答えを言える。
美術ノッポ基菅谷、こいつに関しては相変わらずでどこを取っても自由人……1ヶ月立ってもだよ。
私はいつもと変わらないよ? 1ヶ月も立てばジャズでも新曲が増えるから、今はそれを聞いてる。
ふと前の黒板を見れば、渚が黒板に日付を書いている。 気がつけば『月』の上の数字は5。
「もう5月かぁ、早いね」
茅野カエデが黒板に文字を書き終えた渚に声をかける、そういえばと渚は気がついて笑った。
[殺せんせーが地球を爆破するという3月まで……残り11ヶ月、暗殺と卒業の僕等の期限だ]
そんな渚の思考など他人にわかるはずもなく、ぼんやりと目の前の日常を私は眺めている。
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同時刻、あと何十分かそこらで朝の会だとという所なのに殺せんせーはまだ山にはいなかった。
そりゃあ速度はマッハ20、どれだけのんびり過ごそうが間に合うって寸法になる。
余裕あるにも程あるだろう……とにかく、遅刻知らずは今コンビニで会計中。
「おっ! デカい先生、久しぶりだねぇ」
「ええ、やっと給料が入りまして」
会計が終わり詰め込まれた菓子の袋を、殺せんせーは手袋をした手で受け取った。
顔を覚えられる程に通っていたらしく、若い男性店員はどこか親しげ。
一方の殺せんせーは不恰好な変装、よくバレないなと思う程のクオリティの低さだ。
「日本の駄菓子のクオリティは素晴らしい、変装してでも買いに来る価値はありますねぇ」
その前にあんたの変装のクオリティをなんとかしろって話だが、そんなの当の本人に自覚なし。
もちろんの事だが殺せんせーに車は無い、このまま徒歩か飛躍で学校に向かうのだろう。
そんな時だった、殺せんせーがあの『未遂』にばったり出くわしたのは。
「やっ、やめて下さい!!」
「いいから来いって! 朝っぱらからドライブ行くのもいいもんよ? 外人の姉ちゃん」
文字通り外国人の女性が数人の日本人男性に囲まれている、朝っぱらから何をしているのやら……
女性は明らかに困っている様子だが、男数人がかりでは何も出来ないのも無理ないだろう。
「そんな……私、これから赴任先の学校へ行かないと」
「へぇ〜〜? おまえ先生なんだ、俺ら頭悪ィから補習してよ」
「では、車ナンパの正しい手順を補習しましょう!」
……えっ、流れるように入って来たぞ!?
コンビニを出たばっかりだった殺せんせーは、いつの間にやら話の輪に参加。
ニヤリ顏もつかの間、顔色が黄色なのを認識する前に気がつけば男達は車内。
「その①、『車は美しく着飾るべし』!」
男達の事なんてもはやガン無視で、殺せんせーはどこから持ってきたのかリボンを手にする。
リボンというには幅が広い布を、マッハでひたすら車に巻きつけていく。
「うおっ!? なんだ!? 俺の車がみるみるリボンまみれに!!」
車の持ち主は当然驚愕に絶望が混ざるだろう、終いの果てに外の景色すら見えなくなる。
「その②はありません」
仕上げに花瓶に水を入れ花を添えて完成だ、芸術性なんて完全に無視した雑多な芸術作品。
花瓶やら生花なんてどこから持ってきたのやら……
車の中から男達が暴れる音がするが、そんなの無視に決まってる。
ニヤリ顏はそのままに、殺せんせーは驚いて固まる外国人の女性に駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「あっ……ありがとうございました!!」
安心したような表情を彼女は見せると、殺せんせーのその巨大な身体に抱きついた。
急に抱きつかれたら殺せんせーだって驚く、その表情は桃色に染まった。
「素敵な方、このご恩は忘れません! ……ところで、椚ヶ丘中学への行き方をご存じですか?」
そういえばこの女性は先生だったか、先程の出来事に驚きすぎて忘れていた。
椚ヶ丘中学というと、渚や蕾姫が通う学校だが……そこが勤務先なのだろうか?
女性は殺せんせーにくっついたまま先へ進む、こんな調子で大丈夫かなぁ……
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「……今日から来た外国語の臨時講師を紹介する」
今日の朝会は烏間先生入りだ、何故か朝っぱらから苦い顔をしている。
『大事な話がある』と言ってわざわざ来てくれたから
私はヘッドホンを外したのに、そんな顔しないでよ烏間先生。
まぁ顔が苦くなるのは痛い程わかる、何故って? その紹介された教師というのは……
「イリーナ・イェラヴィッチと申します、皆さんよろしく!」
新しい英語の先生はにこやかに笑う反面、殺せんせーにぎゅっと抱きついたままの体制。
対する殺せんせーは抱きつかれたまま教壇に立っている……なんだこの絵面?
私の顔はきっと困惑まみれ、だってこの状況を理解するのには難しい。
「……そいつは若干特殊な体つきだが、気にしないでやってくれ」
烏間先生が言うのは殺せんせーの事だろう、国家機密はある程度の説明はしてあるのかな?
「ヅラです」
「構いませんっ!!」
……うん、今の殺せんせーがカツラを取る一連の流れで一切の問題が無いって事がわかった。
なんとも言えない空気は反応に困る、私の周りでみんながこそこそと話し出す。
うぅ、ざわざわとうるさいなぁ……
「……すっげー美人」
「外国の人みたいだね」
「おっぱいやべーな」
「どこ見てんのよ岡島!?」
「で、なんでべたべたなの?」
最後らへんの質問に関してはこっちが聞きたい位だ、岡島は女子からブーイングを受ける。
愛美ちゃんも不思議に思っている様子、菅谷は鼻の下伸びてたから大きめの消しゴムを投げつけた。
理不尽だって? 変態には当然の報い……おっと、烏間先生の話が再開するみたい。
「本格的な外国語に触れさせたいとの学校の意向だ、
英語の半分は彼女の受け持ちで文句は無いな?」
そう言って烏間先生は殺せんせーを睨んだ、怯む事なく間を置いて返答を出す。
「仕方ありませんねぇ」
見た様子まだ余裕綽々だけど……間を置いた辺り、何も感じなかったって訳じゃなさそう。
軽いため息が聞こえたような気がするのは気のせいか? 答えは結局わからずお終い。
ふと茅野カエデが話の発端になる、一点に注目をする教室内は私の耳には多少楽。
「なんか、すごい先生来たね。 しかも殺せんせーにすごく好意あるっぽいし」
続いて渚、この2人は仲が良いのかよくこの組み合わせで喋る。
「うん、でもこれは暗殺のヒントになるかもよ」
「タコ型生物の殺せんせーがか? 人間の女の人にベタベタされても戸惑うだけだろ」
「いつも独特の顔色を見せる殺せんせーかぁ……戸惑う時はどんな顔なんだろ?」
そんな会話を聞いて私も気になった、改めて殺せんせーの様子を観察してみる。
殺せんせーはイリーナ先生の……『大きな胸』を見てにやけている、おまけに鼻血付きで。
『普通にデレデレじゃねーか!!』……みんな、そう言いたげな顔してるな。
殺せんせー変態確定……か、これで渚の弱点メモのページが増えそうだね。
「……何のひねりも無い顔だね」
「うん、人間もありなんだ」
話の終いは渚と茅野カエデが締める、この2人ホント息が合うよなぁ……気のせい?
「あぁ、見れば見るほど素敵ですわぁ……
その正露丸みたいなつぶらな瞳! 曖昧な関節!
私、とりこになってしまいそう……!!」
「いやぁ、お恥ずかしい」
(騙されないで! 殺せんせー!!)
(そこがツボな女なんていねぇよ!!)
好みのズレもここまでくるとちょっと怖い要素があるなぁ……
クラスメイトの必死な心の訴えも、殺せんせーに届く事は無かった。
[……僕等はそこまで鈍くはない、この時期にこのE組にやって来る先生は、
けっこうな確率で……
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「へいパス!」
「へい暗殺!」
「へいパス! 新木田さんそっち行った!」
「ふぇっ!? へい暗さあああぁぁぁ!!?」
「蕾姫ちゃん! だっ、大丈夫ですか!?」
「奥田さん! 新木田さんは敵チームでしょ!」
「何やってんだよ新木田! 俺がフォローしとくから早く戻って来い! へいパス!」
「へぇ〜〜? 寺坂でも使える脳味噌あるんだァ?」
「ハァ!?」
蹴りとナイフを交互に使うルールのサッカー、殺せんせーが審判になって試合を見てくれている。
体育はやっぱり嫌いだ……入れ替わる手段に対応出来ない、
殺せんせーを模したボールが来たけど、私のナイフで変な方向に飛んでった。
寺坂の力任せな蹴りで場外は逃れたけど、転んだ半パニックで目が回る。
大丈夫? と殺せんせーに声をかけられたけど、私は大丈夫と言って試合を続行した。
烏間先生と新しい先生が離れたところで何か話していたけど、今は試合に集中しよう。
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「いろいろと接近の手段は用意してたけど、まさか色仕掛けが通じるとは思わなかったわ」
「あぁ、俺も予想外だ」
……だが、それならばこいつの本領だろう。
イリーナ・イェラヴィッチ、彼女の職業は殺し屋だ。
美貌に加え、実に十か国語を操る対話能力を持つ。
いかなる国のガードの固い暗殺対象でも本人や部下を魅了して容易に近付き、
至近距離からたやすく殺す。
潜入と接近を高度にこなす暗殺者と俺は聞いている、だが……
烏間「ただの殺し屋を学校で雇うのはさすがに問題だ、
表向きのために教師の仕事もやってもらうぞ」
それは、この『学校』という場にいるという事において当然の義務だ。
当然の事を彼女に言ったのだが、返ってきた解答はキツい口調にいたずらな笑み。
「別に良いけど、私はプロよ? 授業なんてやる間も無く仕事は終わる」
……余裕ある彼女の瞳は、
俺の話はまだ終わっていないのだが、それを無視して彼女は校庭にいる奴を呼ぶ。
「烏間先生から聞きましたわ、すっごく足がお速いんですって?」
「いやぁ、それほどでもないですねぇ」
「お願いがあるの! 一度、本場のベトナムコーヒーを飲んでみたくて……
私英語を教えてる間に買って来て下さらない?」
「お安いご用です、ベトナムに良い店を知ってますから!」
「えっ、あ……ちょっと!? 殺せんせー!?」
新しい先生に頼まれるまま、殺せんせーはマッハで空を飛んで行ってしまった。
……サッカーの審判、どうするんだろう?
審判の消滅にみんな困っていると、授業風景を見ていた烏間先生がやってきた。
「審判は俺が代わりにやろう、体育の授業を再開する」
そう言って頭を抱える烏間先生、新しい先生は結構難しい人なのかな?
いっそこのまま終わればラッキーだったのになぁ……そんな私のわがままは内緒の話。
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結局、暗殺サッカーは私がいるチームの勝利となった。
負けた側のチームのはずの愛美ちゃんが、おめでとうを言ってくれたのをよく覚えている。
次の授業は新しい先生による英語の授業、ヘッドホンはもちろん付け直した。
曲はかけていないよ、まずは様子見ってやつかな。
筆箱にノート、教科書も取り出して授業を受ける準備は万全。
後は授業を受けるだけだけど、一向に始まない……あれ?
「え〜〜っと、イリーナ……先生? 授業のチャイム鳴りましたよ?」
真っ先に行動に出たのは磯貝悠馬だった、流石は学級委員ってところかな。
新しい先生……基、イリーナ先生は磯貝佑磨を見たけど、その目は冷たいままだった。
「授業? ……あぁ、各自適当に自習でもしてなさい。
それと、ファーストネームで気安く呼ぶのやめてくれる?
あのタコの前以外では先生を演じるつもりも無いし『イェラヴィッチお姉様』と呼びなさい」
……あぁ、ダメだこの先生。 周りのみんなも驚いて固まっている、そんな必要無いのに。
「愛美ちゃん、こんな
「えっ!? あ、はい……」
うん、愛美ちゃんは私の言葉に反応したのか、
こっちを睨んできたイリーナ先生に驚いたらしい。
そんなのは関係無いね、早速愛美ちゃんに英語教えながら文字通りの自習をしよう。
「それじゃあ昨日殺せんせーがやった続きからやろうか、ページは……ゴホッ!?」
「大丈夫ですか!?」
「あぁうん、大丈……ゲホッ! ゴホッ!!」
……突然の咳、目立ちたくないのに気管が締まって咳が出る。
ぽつりぽつりと自習が周囲で始まった頃だったのに、目線が集まるのを感じた。
「ったく、突然咳き込むなんてうるさいわね」
イリーナ先生の不機嫌そうな台詞、みんな原因はすぐわかったらしく視線は前へ。
「ゲホッ!! ガホッ!! ……イリーナ、先」
「『イェラヴィッチお姉様』よ?」
「……イェラヴィッチお姉様、私タバコはダメなので控えてくれませんか? ゲホッ」
「はぁ? なに言ってるの? ほとんどの暗殺者にタバコは付き物よ、この位慣れなさい」
「でも! 私、昔から気管支喘息で……」
「我慢なさい、恨むなら自分の体質を恨む事ね?
「……っ!!」
「愛美ちゃん!?」
机の上の物掻き集めて抱いて、突然立ち上がったから愛美ちゃんに驚かれちゃった。
……あぁ、この先生も
教室を飛び出して向かう先は……どこにしよう? 適当に、理科室とかでも良いよね?
気分は『最悪』、それに尽きる。
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走っていたら程なくして理科室に着く、そんな広い校舎でも無いからすぐに着いたよ。
それで驚いたのが……うん、理科室に見知らぬ大の男が3人。 火薬の匂いが鼻につく。
床に座って銃を手入れしてるみたいだった、私達が使う何倍もでかくてゴツい銃を。
向こうも私の訪れに驚いていた、男の内の1人が立ち上がって私の前に来る。
怒られる! ……って最初は思ったけど、そんな事もなく片言の日本語で話しかけてきた。
「ダイジョウブデスカ?」
「あっ、はい! 大丈夫、です……」
「ナミダ、フイテ」
「勝手に来てしまってすみま……えっ?」
頭を下げて謝ろうとしたけど、その前に男はハンカチで私の目元を優しく拭いた。
あぁ、私泣いていたんだ……この時に初めて気がついた。
「レディ、スマイル! オンナノコハエガオ、カワイイ」
両手人差し指で口角を上げ、満面の笑みを見せてくれた。
ところが他の男がからかい気味に何か言ったらしく、赤面で後ろを向いて彼は怒った。
複雑な英語で何を言ってるかはわからなかったけど、そのやりとりに思わず笑えてきた。
『ナミダ』はいつの間にか収まって、高ぶってた気持ちは落ち着いた。
「ちょっとは気分良くなったかな? Thank you!」
まだ怒りは完全には治っていないけど、この位なら教室に戻れそうかな。
あっ、タバコどうしよう……確か実験の時に使うマスクがあったはず。
布製の厚いマスクを付けたなら、男は外国人特有の大きな手を差し伸べた。
黒ずんだ手に気がついて、慌ててミリタリーな服で擦って拭いたあたりに優しさを感じる。
「モドロウ、レディ」
私が手にとった大きな手は、体温が高い欧米人にしては暖かい気がした。
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「新木田!?」
「新木田さん戻ってきたんだ!」
「その人誰なんだ?」
教室に戻ると、不思議とタバコの匂いはもうしなかった。
外に繋がる窓は全部全開、涼しげな風が頬をくすぐる。
「感謝しとけよ? みんなで揃ってタバコやめろって言ったんだからよ!
俺はあんなのアホらしくて参加しなかったがな」
「説得……してくれたの?」
「なによ、その子連れ帰ってきたの?」
イェラヴィ……イリーナ先生は冷たくそう言った後、英語での会話を開始した。
誰と? 私をここまで連れてきた男の外人さんとだよ。
タバコやめさせられて不機嫌そうだったけど、そんなの知らない。
しばらくして英会話は終わる、男は私を元の席に戻して教室を去って行った。
「へぇ〜〜? プロの暗殺者にも物分かりの良い奴がいるんだ?
新木田さん、あいつに見つかって
ふと隣の席にいるカルマが語る、イリーナ先生に聞こえるよう大きめの声で嫌味たらしく。
「ラッキー……?」
「さっき来た奴が言ってたのさ、
『プロの暗殺者ならターゲットでないやつに、変な危害なんて加える事はないだろ』
……ってね、全部英語だっただけど」
「なっ、なによ!?」
「で? どーすんの? ビッチねえさん」
「ちょっと!? 略すな!!」
……あれ? カルマ、わざと『ビッチ』って日本語的な発音で言った?
イリーナ先生は怒るけど、お構いなしにカルマはその言葉を続ける。
「あんた殺し屋なんでしょ? クラス総がかりで殺せないモンスターをさ、
ビッチねえさん1人で殺れんの?」
その挑発がカルマの言葉の攻撃で最後となった、イリーナ先生も黙って聞いてる訳じゃない。
「……ガキが、大人には大人の殺り方があるのよ」
歯を食いしばりながらの挑発への反撃の後、イリーナ先生は教壇を立って移動した。
「潮田渚ってあんたよね?」
着いた先は渚の机の前、名前を呼ばれた渚は軽い警戒と共にイリーナを見返す。
……すぐだった、イリーナ先生が衝撃的な行動を起こしたのは。
それが本領発揮だったとしてもだ、驚いたのには変わらない。
「……んむっ!?」
「なっ!?」
「きゃあ!?」
「……へっ!?」
イリーナ先生が、渚に……『キス』をした。 続いて聞き慣れない水音が鳴る。
10回、20回、30回……まだ続く。
やっと唇を離してもらったなら、渚はぐったりとして席に座り込んだ。
「後で教員室にいらっしゃい、あんたが調べた奴の情報聞いてみたいわ。
まぁ……強制的に話させる方法なんて、いくらでもあるけどね?
その他も! 有力な情報持ってる子は私に話しに来なさい!」
そこからのイリーナ先生の言葉は一気に発せられた長文だった、止まる事なく勢いで。
「『良い事』してあげるわよ、女子にはオトコだって貸してあげるし。
技術も人脈も全て有るのがプロの仕事よ? ガキは外野でおとなしく拝んでなさい。
あと、少しでも私の暗殺の邪魔をしたら……殺すわよ」
イリーナ先生が渚の前から去って教室の入り口まで来る。
いつの間にか、さっき慰めてくれた男を含めた3人が廊下に立っていた。
イリーナ先生の配下だったのね、それならさっき理科室にあった本格的な銃にも合点がいく。
さっき助けてくれた男の、私に向ける謝りたそうな表情が悲しげでとても切ない……
[気絶するほど上手いキス、従えてきた強そうな男達、『殺す』という言葉の重み……
その3つだけでも、僕は『彼女が本物の殺し屋なのだ』と実感した……でも同時に]
「今朝は臭い芝居させて悪かったわね早速だけど仕事の準備に入るわよ」
[クラスの大半が感じた事、この先生は……]
『イリーナ先生は嫌い』だ、それを思っているのは私だけじゃないはず。
配下の男達は悪くない、あくまで理にかなった『仕事』だからだ。
イリーナ先生はターゲットしか
結局、イリーナ先生は英語の授業を完全に放棄して行ってしまった。
こんなのでこの先大丈夫なのだろうか……この続きは自習になった。
せめて自己流でも勉強をしよう、私は机の上を整理した。
涙は既に乾いた、ヘッドホンの電源もそろそろ入れよう。
あと付けていたマスクも外す、流れる曲は周囲の雑音を遮断する。
色々あって、疲れた頭……休めなきゃ。
はい、ビッチ先生の登場回でした。 この先生最初はこんなにも酷かったのか……
もちろん散々勝手にやってくれた分、殺せんせーに思う存分手入れしてもらいますよ。
どうなるのかが楽しみですねぇ? 次回はビッチ先生登場編後編となります。
それでは皆様、また次回。 今回も読んで下さってありがとうございます。