夕暮れの東京の廃墟、そこに黒い手袋をはめた白いメッシュの十七歳ほどの竹刀袋を背負った少年と青いツインテールの長袖の服を着た十四歳くらいの少女が紅茶を飲んでいた
?1「お前の入れてくれた紅茶は何時でもおいしいな」
?2「マスター、ありがとうございます」
少女は嬉しそうに微笑んでいた
少年は紅茶を飲みほし、立ち上がった
?1「そろそろ出発するぞ」
?2「了解しました」
その時、少年は脇腹を何かで撃ち抜かれた
振り向くと武装した警官らしき人間がいた
警官?「漸く見つけだぜ? 薊島遥、七星涙音」
遥「ッ!!」
涙音「マスター!?」
涙音と呼ばれた少女は倒れそうになった遥と呼ばれた少年を何とか支えた
遥「…今度の依頼主は誰だ…」
警官?「教えるかよ、テメェ等を始末すりゃ大金が転げ込む、給料の低い警官暮らしとはおさらばさ」
警官らしき人物は拳銃を遥と涙音の方に向け、勝利を確信しながら遥に近づき始めた
だが、涙音からは途轍もない殺意があふれ出しているのに、警官は気が付かなかった
涙音「マスターに…」
警官?「あ?」
涙音「マスターに近寄るなァァァァァァ!!!!」
涙音は叫びながら警官らしき男性に襲い掛かった
警官らしき男性は涙音の出した大声で怯み、一瞬の隙が出来た
その隙を見逃さず、涙音は恐ろしい速さで接近し、腹を殴り、警官らしき男性は数メートル吹き飛び、地面に叩き付けられた
それだけでは終わらず、涙音は警官らしき男性の腹を踏みつけた、よく見ると、涙音の目が赤く染まり、瞳孔が縦になっていた
警官?「な…何なんだよ…お前は…」
涙音「マスターの害悪は排除します…」
遥「ストップだ、涙音!!」
遥は撃たれた脇腹を抑えながら何とか立ち上がった
涙音は遥の声に反応して殴るのをやめた
涙音「マスター!? お怪我は!?」
遥「何、大したことはない…それよりも、これはやりすぎだ…あと少し俺が止めるのが遅かったら死んでいたぞ…」
警官らしき男性は蹲ったまま起き上がることが出来ずにいた
だが、警官らしき男性は助かったと思い、安堵していた
涙音「申し訳ありません、マスター」
遥「…分かれば良い…さて…お前の雇い主…見させてもらうぞ…」
遥は黒い手袋を外し警官らしき男性の頭に触れた
十秒後、手を放すと、持っていた拳銃を取り上げ、どこかに放り投げた
遥「涙音、こいつも
涙音「そうでしたか、マスターどうします?」
遥「…放っておくか…お前があれだけやったんだ、俺等に来ることはもうないだろう…それよりも、どこか休める場所に行かないとな…」
遥は手袋を着け直すと、そのまま歩き出そうとしたが、激痛で歩くこともままならなかった
涙音は急いで鞄から包帯と消毒薬を取り出した
銃弾は幸いにも掠っていただけだったらしく、銃弾が体内に入っていることも無かった
そして、応急処置が終わり、涙音は遥を背に乗せて歩き出した
歩き出していると、偶然にも町中に入ってしまった
町の人達は少女が少年を背負って歩いている光景を不思議に思いながら見ていた
だが、すぐに視線を外した、涙音が赤い眼をで見ている人を睨んでいるからである
少しだけここで昔の事を話そう
2021年、突如としてガストレアと呼ばれる怪物が現れ、世界に大打撃を与え、今現在も大きな傷跡を残している、その中でもガストレア因子を持った子供達は呪われた子供達と呼ばれ、迫害されている
中にはイニシエーターと呼ばれる者もおり、彼女たちはプロモーターと共にガストレアの駆除に当たっている
ここで話を戻そう、涙音は何処か落ち着ける場所を探そうとしているが、誰に頼るべきかわからず、ただ彷徨っていて、衰弱している遥を安全な場所に連れていくことができていなかった
その時、涙音はとある看板を見かけた
【天童民間警備会社】
涙音は一か八かの賭けに出るべく、偶然開いていた窓を見かけた
涙音「マスター、申し訳ありません、ですけど少し耐えてください!!」
涙音はそう言うと、目を赤く光らせ、開いている窓に向かって跳躍し、中に入った
中に入ると、高校生らしき男女と、一人の少女が驚いた形相で見ていた
それもそうだ、赤い眼の14歳くらいの少女が年上の少年を背負って窓から入ってきたのだから
涙音「申し訳ありません、マスターをお助けください!!」
この出会いが、新たな物語の始まりを告げた