あまり内容は進みが遅いですがそれでも良ければお読みください。
今後ともよろしくお願いいたします。
作者より
武内は、まだ半覚醒の状態でゆっくりとトイレに行きそこで用を足していると、其処に取付けてある小さな窓が小刻みに振動しているのを感じた、武内は妙だなと思ったが今度はかなり低空を飛ぶヘリの音に気付いた。用を足し終えると、洗面所の方に行き、比較的大きな窓を開け外を見たが、武内は、なぜか妙に暗いと感じがすると思ったが、ヘリが見えない代わりに向かいの老夫婦が見えた確か息子が私と同じ基地の航空機誘導員だったはずだと思ったが、なぜかその老夫婦は顔の血相を変え興奮させながら、ワンボックスカーに荷物を入れ始めて慌しく出発していった。
「駿さん、如何したの?」
「いえ、なんかあったらしい。テレビでも見て確認しようかと思ったので」
と武内が立体映像モニターをオンにしたが、なぜか、上手く映らなかったために仕方が無く武内専用のMD端末を使おうとしたが、それもなぜか通信障害の為に上手く表示されなかった為に武内は仕方が無く自宅の新聞受けから新聞を取ろうと外に出て行った。
そして、見た。
途轍もなく巨大な物が空に浮いていた。
その禍々しさを空に描きながらゆっくりと、幕張方面に向かって行くのを、そしていつもの風景がなぜか武内には、滑稽に見えた。まるで玩具だ。と
「何かしら、あれ?武内さん解かる?」
「いや、私にも判りません」
と不安そうに外に出た。奏が娘の楓を抱き寄せながら不安そうな顔をした。
やはり、宇宙船だ。それも桁違いのデカさの物がいつもは清々しい独特の海風と日当たりの普段の千葉とは違い、この宇宙船のデカさと異様さのおかげなのか全く違う感覚になり、どことなく吹く風も異様な雰囲気のせいか粘り気のある風であった。
その時、自宅から電話が鳴り響いた。内容は『国防軍全部隊総員にデフコン2が発令した為に至急原隊に戻れ』と言う内容だった。
丁度その頃、東京湾岸にあるテレビ局内の一室で調査を終えた一夏が複数のプリントアウトしたびっしりと文字や数字が書き込まれている紙束を持ちながら部屋から出て来た。その片方には一夏が市販のパソコンに大幅な改良と拡張を加えたカスタム版とそれと一緒に改良されたMD端末が接続されていた。
「殿町、解ったぞ。あの通信の正体と対策が、信号のパターンの割り出しに成功したんだ。何時でも逆パルスを送れば打ち消せるんだ。って、聞いているのか」
と言うと、殆ど誰もいない部屋の隅の方に集まっていた数人が画像の乱れている立体映像モニターに齧り付いていた。その立体映像には、珍しく総理官邸内の緊急記者会見の模様が中継されていた。すると、殿町が一夏を見つけると、画面を指さすと
「おい、あれって簪じゃないのか」
と言うと一夏は画面の中に映っている別居中の妻の顔が映り込んでいた、眼鏡は掛けていなかったが、美しい青髪を後ろに束ねていたが、前に会った時よりも髪の長さは短くなっていたが、その容姿は変わらずに美しいままだった。すると、殿町は一夏の持っていた紙束に目をやると
「それで何か分かったか?」
「ああ、何者かが通信衛星の回線に侵入しているようだ。だから、そのパルス波に反射するパルス波を此方から出して、中和させれば....」
「そうか!打ち消し合う事で家の局だけ何時もの綺麗な映像を送ることが出来る!一夏!やっぱりお前は頼りになる!愛しているよ!!」
「それは妻に言ってやれ。流石に朝っぱらから気持ち悪い」
と若干軽蔑する視線を放った一夏だが、すぐに一つの疑問点を殿町に伝えた。
「けれど、この信号。少しずつ間隔が短くなっているのがまだ判らないのだが..」
「何だ、そんな事余り気にするな。大丈夫だ。さあ、皆仕事を再開しよう。確かこの後、午前中は、報道関係の放送に切り替えてから午後から通常放送日程にするからすぐに準備を始めてくれ」
と殿町が周りの人に伝え終え、仕事に取り掛かろうとすると、デスク上の物が少しずつ振動を始めた。誰かが、
「地震だ!」
と叫ぶと皆一斉にパニックを起こしかけたが、殿町が全員に、
「皆、落ち着いて机の下に、けが人はいるか確認を」
と言うと、窓の近くにいた社員の一人が、
「おい、空を見て見ろ!とんでもない物が浮いているぞ!」
と叫ぶと、一夏を含めた社員が一斉に窓の方に駆けより、窓の外を見ると何時もの東京湾岸の風景が一変していた。
上空に分厚く、燃え盛るように光る雲がゆっくりと此方の方に進んでいくのが確認できた。そして、その中からゆっくりと巨大な構造物が出現すると同時に、湾岸エリアのほぼ全域で同時多発的なパニックが起こった。
町中がパニックに陥っている時に、一夏のいるビル内では殿町が、
「確かこのビル内には地下もあったはずだ。皆まずそこに避難しよう」
「「「は、はい」」」
と言うと、殿町を先頭にぞろぞろと整然と階段を使い地下の方に降りて行った。一夏以外は。
一人残った一夏は持っていた紙束に目をもう一度通し再度、持っていた自分用カスタムパソコンと自社の大型デスクパソコン数台を並べるとそれらを並行操作し、再入力と再計算を素早く開始した。そして、僅か数分後にその再計算を終わらせると一夏はその表情を変えると、すぐさま皆が避難しているはずの地下の方に行こうと階段を降りて行くと、踊り場の辺りで怒鳴り声が聞こえてきた。
「だから、すぐに地下街に避難してと言ってるんだろ。何度も言わさないでよ。そう、すぐに着替えとか準備して地下街に避難してくれ」
「殿町、すぐにこの町から避難しろと伝えろ!」
「すまん、ちょっと待ってくれ。え、なんだって?」
「良いから、すぐにこの町から出ろと伝えろ!」
「母さん。直ぐに荷物を持って実家の方に行って、良いから早く。じゃあ切るよ。どういう事だい。織斑?」
「良いか。チェスと一緒だ。一定間隔以上に部隊を配置して、準備をするんだ。そしてそれが全て完了したら一斉に攻勢に出るんだ。そして…」
「その後は、どうなるんだ」
と怯えきった表情をした殿町がゆっくりと聞くと、一夏は、覚悟を決めたような表情を作るとゆっくりと語り出した。
「チェックメイト。投了だ」
「そんな、急いで色々と連絡しないと。父さんと弟と妻と、子供と、弁護士と…いや、弁護士は良いか」
と言うと殿町は、再度携帯を取り出すと電話し始めた。それを確認せずに上の階に急いで戻り、自分のバックに荷物を急いで詰め込むとすぐさま仕事場の駐輪場に行くとマウンテンバイクを漕ぎ出し目的の場所に急いで走り出していった。道路は完全にマヒしていたが、人々は先程の士道総理の3D立体映像演説が効いたのか極めて冷静だった。その中を急いで疾走する一夏だった。失踪しながら先程の士道総理の言葉を頭の中で反芻した。
『現在、我が国及び世界各国の各研究機関及び政府関係の正確な情報によりますと、各国主要都市上空及び全世界沿岸等に未確認飛行物体通称UFOが確認されています。現時点において、彼らの目的は未だにわかりませんが、最悪の状態も考えられますが、国民の皆様は冷静な判断して欲しいと思います。なお現在自衛隊、警察、海上保安庁、消防等による避難誘導及び治安維持警備を発令いたしました。国民の皆様にはあらゆる面での統制及び規制等を課すことを正式に発表します。なお、これにより、すべての交通等は緊急車両以外の通行を禁止し、国民の皆様の避難誘導等は政府が準備した車両での避難となりますので個人での避難は極力避けて戴きたいと思います』と言う内容を思い出しながら、自転車を漕ぐ足に力を入れ直し、急ぐように目的の場所に戻る一夏だった。
そして、少し閑静な住宅地の一角の住宅地内の一軒の家の前に自転車を乗り捨てる様に降りると、すぐに呼び鈴を押すが反応が無かった。仕方無く何度か押すとゆっくりと玄関が開き始め開き終わった瞬間いきなり目の前に日本刀が突き出された。それを紙一重によけた一夏は、
「いきなり何しやがる!千冬姉!」
「なんだ、一夏か。びっくりしたぞ。賊だと思ったぞ」
「まあいいや。千冬姉、たしか車の免許と車持っていたよな。すぐに車を出してくれないか」
「何だ、いきなり来て?話の意味が解らんのだが」
「良いから今は説明している暇が無いんだ。早く車を出してくれ」
「まあいいだろう、少し待ってろ」今から鍵を取ってくる」
「急いでくれよ」
と一度家の中に戻っていった千冬を待っている中でも手持ちのパソコンを再開させた後幾つかのキーを叩く音だけが聞こえていた。
陽が高々に昇っていたが、一連の騒ぎの御蔭か閑散とした上りの主要道路を走る一台のマツダ・RX-7FD3S乱れ桜カラーが目的地に向けて千冬が独自改良を施した15B-REW型 1,054㏄×3直列2ローターの独特のエンジン音を鳴らしながら疾走していた。
マツダ・RX-7FD3Sを走らせている千冬が助手席の一夏が無言で目の前の自作のノートパソコンに高速タイプをしていたが、先程その動作を終えると、顔色が悪く無言で黙っていた。
「どうした、一夏?後車はどこに走らせているんだ。東京方面に行ってくれと言われて今そこに向かっているんだが」
「ああ、悪い千冬姉。このまま千代田区永田町に向かって欲しいのだけど。うっぷ」
「何だ、一夏まだ乗り物酔いが有るのか。全くだらしない。私なんて、例え車を揺らそうが、急に止まろうが、急に進もうが私は関係ないんだがな」
と言うと千冬が上半身を上下左右に揺らす動作をすると、それを見ていた一夏はより一層顔色を悪くし、エチケット袋を捜し始めた。
そのまましばらく車は真っ直ぐに東京方面に走ると、もうすぐ夕方の時間帯になり、太陽が沈み始めていたが、首都圏から逃げようとする無数の車列が下り線を埋めており、時折怒号と泣き叫ぶ声が辺りを満たしており混沌としていたが、上り線は全くと言って良い程閑散としていた。そこをマツダ・RX-7FD3Sはスムーズに走っていたが、やはり、首都圏の永田町付近では未だに大量のデモの参加者やUFO愛好家、未だに批難出来ず仕舞いの車両等で騒然となっていたが、其処はやはり警備部隊や治安維持部隊が装甲車や機動戦闘車等で厳重に警護していた。多数の警護車両と幾つかのバリケードと阻害陣地等を挟んだ敷地内に首相官邸が置かれていた。
千冬と一夏が乗るマツダ・RX-7FD3Sは近くの路上に駐車すると一夏が持っていたバックから水筒大の筒状の物を取り出し、下部にあるUSB接続口とパソコンを繋げると筒状の物の上部がパラボラ状に展開した。パラボラ部分を首相官邸の方に向け地面に固定器具を設置した後それに固定させると、一夏は、パソコンに情報を入力し始めた。
その電波は、首相官邸内に勤務するある女性職員の個人用MDに送信されていった。