武昭が遠月に来てから色々な事があった。
そんな学園生活を過ごしていたある日の朝……
「ん……まだ、こんな時間か……」
武昭が目を覚ましたが、いつもの時間よりも早かった。
「なんか今から寝るのも中途半端だから昼の弁当でも作るか……おっと」
そう言いながらベッドから降りた武昭は軽くふらついた。
「うーん……なんか体が重い様な……確か薬が下に……あ、あれ?……」
武昭が寝室を出ようとした時に、そのまま倒れて気を失った。
いつも武昭が通学する時間……
「あれ?いつもならこの時間はあっ君がいる筈なんだけど……」
通学していた寧々は武昭がいない事が気になった。
「もしかして寝坊でもしてるのかしら……まだ時間はあるから家に行こう……」
寧々は武昭の家に向かった。
武昭の家に着いた寧々はチャイムを鳴らすが出てこなかった。
「反応が無いって事は……もしかして入れ違いで学園に行ったのかしら……あれ?鍵が無い」
寧々が武昭から聞いた鍵の隠し場所を見るが鍵が無かった。
「鍵が無いって事はまだ家にいるって事よね……一応預かっておいて良かった」
寧々は合鍵で開けると中に入った。
「確かあっ君の部屋は二階だったっけ……あっ君、起きてる……あっ君!?」
寧々が武昭の部屋に入ると床に倒れている武昭がいたので慌てて駆け寄った。
「ねぇ!あっ君!どうしたの!?凄い熱……そうだ、もしもし私だけど……」
寧々は携帯を出すと誰かに連絡をした。
寧々が連絡をしてしばらくして……
「お医者さんが言うには風邪みたいだ、だから少し学校は休ませた方が良いね」
「ごめんなさいね、急にあなたを呼んだりして慧」
武昭の部屋にはベッドに寝かされた武昭と寧々、それに呼ばれた一色がいた。
「いや、気にする事は無いよ……アキ君は僕達にとっては弟も同然なんだから……」
「そうね……けど、私はあっ君が大変な時にそばにいる事が出来なかった……」
寧々は眠る武昭の右手を優しく握った。
「ご両親が亡くなって、その後にイジメを受けていた事だね……
僕も聞いた時には凄く後悔したよ、自分は何をしてたんだろうって……」
一色は立ち上がった。
「だから、今度アキ君に何かあったら僕は僕が出来る限りの事をするよ……」
「それは私も同じ気持ちよ……二度と後悔したくないから……」
寧々が優しく武昭の頭を撫でると武昭は軽く微笑んでいた。
「じゃあ僕は洗面器の水を変えてくるから、寧々君はアキ君の具合を見ててほしい」
「えぇわかったわ……」
一色が部屋を出ると寧々と寝てる武昭だけになった。
「あっ君……何か困った事があったならいつでも私や慧に言ってね……
今のあっ君は1人じゃないから……」
寧々の言葉を聞いた武昭は寝ていたが何処か喜んでいた。