自分が住む場所に着いた武昭は家の中に入ると家内を確認した。
「ふーん、ここが、これから俺が住む場所か。けど、なんで関兄はここにしたんだろ?」
武昭が家内を見て一つの部屋に入って、その理由に気付いた。
「そっか………だから関兄は俺をここに住ませたのか………」
そこの部屋には多数の調理器具があり、その中の棚の一つに一個の写真立てが置いてあった。
その写真には二人の男性と一人の女性の3人の人物が写っていた。
一人は今の武昭位の年齢の関守、そして他の二人の内、女性の方は腰までの長さの藍色の髪の生徒だった。
暫く、武昭はその写真を見ていたが荷物の整理を思い出して、そっちに取り掛かった。
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その後……
「ふぅ、とりあえずは、こんな所だな……さてと、時間も時間だから何かを作るか……ん?」
簡単な荷物整理を終えた武昭が台所に行こうとした時に誰かがチャイムを鳴らした。
「誰だろ?そんなに知り合いはいないんだけどな………はーい」
「やっ、急に来てごめんね武昭君」
「司先輩、それに紀ノ国先輩に……すみませんけど誰ですか?」
武昭がドアを開けると司と紀ノ国、それに長い赤紫色の女生徒、紫色の髪をツインテールにしたヌイグルミを持った女生徒が立っていた。
「あぁ、彼女達は俺が武昭君の所に行こうとしたら一緒に来たんだ」
「なぁ!お前が入学式の時に一番になりたいって言った奴だろ!?」
「竜胆……初対面の人に馴れ馴れしい………
それよりも、ももは寧々の名前を知ってる事が気になる……あなたは寧々とどんな関係なの?」
「えっと………とりあえずは自己紹介をしてもらって良いですか?」
「おぉ!悪かったな!私は遠月学園3年小林竜胆って言うんだ!!」
「私も遠月学園の3年茜ヶ久保もも、この子はブッチーって言うの………」
「すみませんでした、この中で一番年下は俺なのに生意気な事を言ったりして」
「別に良いよ、私は逆に敬語で話される方が嫌だから」
「ももも、ちゃんと謝罪してくれたから、そんなにかしこまらなくていい……」
「ありがとうございます、それで先輩達はなんで俺の家に来たんですか?」
「あぁ、武昭君はここに来たばかりで、まだ地理とかも把握してないだろうから
軽く差し入れをしてあげようとしたら、彼女達が俺と一緒に行くって言ったんだ」
「そうだったんですか、じゃあ、とりあえず中に入ってください」
武昭は司達を家に招き入れた。
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招き入れられた皆は家の中を見て感心していた。
「へぇー、本当にこの家を武昭が一人で使うのか!」
「えぇ、遠月に入学する時に、ここの地図と鍵を渡されまして。
まだ、そんなに荷物が片付いてないんでコップが揃ってませんけど、お茶をどうぞ」
「あぁ、ありがとう武昭君……ん!?このお茶は!!」
「見た目も香りの普通の緑茶なのに、いつも飲むお茶よりも美味しい!!」
「武昭君が淹れるのを見てたけど、何も変わった事はしてなかったのに……
なんで、こんなに美味しいの?」
「オォーッ!美味えじゃねぇかー!武昭ー!!」
「ありがとうございます、口にあって良かったです」
司達が武昭の淹れたお茶を飲んで驚いているが武昭は普通にしていた。
「なぁー武昭、どうやって、こんなに美味しいお茶を淹れたんだ?」
「あぁ、簡単ですよ。お茶を淹れる時にヤカンに“コレ“を入れて沸かしただけです」
武昭が持って来たヤカンの中から黒い物が入っている袋を取り出した。
「コレって……何が入っているの?」
「何か小さくて黒くて丸い物が沢山入っているのがわかるけどな」
「もしかして………何らかの炭……かい?」
「はい、司先輩の言う通りにこれは炭ですよ」
「けど、こんなに小さくて丸い炭なんて見た事が無い」
「こいつは俺が作ったクルミの炭で花炭って呼ばれてる奴です」
武昭が袋から花炭を出すと司達が興味深そうに見ていた。
「なるほど………よく米を炊く時に備長炭を入れたりするけど、それと同じ様な効果があるのか」
「それにクルミの表面には多数の孔があるから水道水のカルキも時間がかかんないで取れるんだ」
「ふーん、武昭、なかなかやるじゃん」
「その年で、そんな事が出来るなんてある意味すごい」
皆は武昭に感心していた。