一、二件来ればいいかな程度に思ってました……
頑張り魔っす
多少の苦しさを感じて目を覚ますと箒の腕の中……もとい、おっぱい枕だった。なにこれ幸せ。天国はここにあったんやな。幸せの青い鳥と一緒やで。いつまでも箒の幸せを堪能していたいという欲望が頭を支配しそうだったが、今は僕についての情報を集めなければ。箒の腕の中から静かに脱出して、部屋を物色し始める。
「5時半か。いつ起きてくるか分からない。さっさとすませちゃおう」
呟いて、自分のものと思われるバッグを漁る。まず出てきたのはISの教科書。なにこれ?六法全書くらいの分厚さあるぞ……。んで、次に出てきたのは腕輪だった。全体的に真っ黒だがところどころ赤青黄紫……とさまざまなラインが入っている。
「なにこれ?」
と、興味本位で腕にはめてみた瞬間、カチャカチャと腕に完全にフィットした。外そうとしても全く外れないので放置することに。また漁っていると、一枚の手紙が入っていた。
『愛しのフーちゃんへ。記憶喪失なんだって?未来のお嫁さん的ポジションにいる束さんは心配で心配で夜も眠れません!!てことで、これを読んだら、寮の屋上へ来てね♪束さんとの約束だぞ?
PS、ちょっとしたプレゼントも入れといたからね♪』
え……なに……束ってあれか!原作にいた篠ノ之束!!んっとこれ読んだら屋上だっけ?てかこの手紙いつ入れやがったんだ?それに夜も眠れませんって、記憶喪失してから今日が初めての夜だぞ……なんかひy……。
僕は箒を起こさないように静かに制服に着替えてから扉を開け、屋上を目指した。階段を見つけたところで金髪の生徒とぶつかりそうになった。
「危ないですわね、なんですの……?」
金髪のくるくるクロワッサン……セシリア・オルコットだった。
「ってなんだ。極東の猿の弟さんですか……でしたら謝罪など期待するだけ無駄ですわね。そういえば今日の決闘の話ですけれども、まぁわたくしも鬼ではありませんから?男か女か分からないようなひ弱な人間を大衆の目の前で大恥をかかすことは可哀相だと思い今ここで泣いて謝るなら数々の非礼許してあげなくもなくってよ?」
えっと……アーそう言えば原作で一夏がセシリアさんに喧嘩売ったんだっけ……。状況から察するにそれに巻き込まれたってところか……。てか、見下されるって、案外むかつくな……。
「悪いけど今急いでんだよね……」
そう言い放って横を抜けようとすると
「はぁ?!わたくしがチャンスを上げようと言ってるのですよ!?それを棒に振るとはそういう事ですの!!……いいですわわたくしが勝ったらそのきれいな髪切って差し上げますわ。そしたら少し男らしさが出るのではなくて?」
「……あ?なに?もう一回言ってみろよ。なに?この髪切るって?」
僕の大切なフランの髪を切る?いくら中身が僕とはいえ、フランの体を傷つけるのは誰であっても許さない。
ふと、違和感を感じて右手を見ると、西洋剣のようなものが手の中にあった。色は真っ赤で炎が蜷局を巻いていた。間違いない、レーヴァテインだ。
「あっいえその……言い過ぎましたのでそのIS武器をしまってくださいまし……」
さっきまでの威勢はどこへやら。完全におびえた目をしている。
「……もし、この髪に指一本でも触れてみろ。灰にするぞ」
自分でもびっくりするくらい、ものすごいひっくい声が出た。威圧感っての?それがはいってたね。
そう言い残して、僕はそのまま逃げるように屋上へ向かった。
屋上につくと、すでに兎耳をはやした美しい女性がいた。篠ノ之束だろう。
「あー―!やっときたーふーちゃん!」
と言って抱きついてくる束。箒もそうだったがその凶悪なやわらかい物を顔に押し付けるのはやめてください。幸せ殺しするつもりですか。
「あっ記憶喪失だったね。ジャー自己紹介しちゃおう!!私は篠ノ之束!『天災』にして、フーちゃんの未来のお嫁さんなのだ―!てあれ?もうレーヴァテイン使ったんだねー何があったのかなー?束さんに話してごらーん!」
原作でもそうだったが、テンション高っ!朝っぱらからこのテンション実はこの人寝て無いとか……
「さっきイギリスの代表候補性にあっていろいろあって、言い合いになってこの髪切るぞって言われて頭来ちゃってそしたらいつの間にか出てたって感じです」
「ムー、敬語使わなくっていいよー?私とフーちゃんの中なんだしー。ほいでほいで?そのイギリスの雌豚が私のフーちゃんの髪を切るって?……ふ、ふふふふふふふふいいだろう束さんのふーちゃんに手を出すと言う事は束さんに喧嘩を売っていると言う事と同じ……でも学園でヤルにはちーちゃんがいるしな……」
「た、束さん?僕のために怒ってくれるのはうれしいけど、これは僕が起こしたんだし僕がなんとかするよ。ありがとう」
なにか、束さんのヤルと言う言葉のニュアンスが殺すと言うニュアンスに聞こえた。
「そっか。わかった!!そんな大人になったフーちゃんにプレゼントをあげちゃいましょう!!」
そういってポケットから一枚の紙を渡してくる。……あっこれ、スぺカだ……。え?なんでわかったかって?そりゃあんた、『禁忌』『カゴメカゴメ』なんて書いてあんの見たら……ね?
「それはスペルカードって言って、フーちゃんのためだけに作ってるんだ―♪まだ一枚だけだけど、有効活用してね?それじゃ―バイばーい!」
そう言ってフェンスから飛び降りてすぐに人参のようなロケット?が飛んで行った。
「……僕も戻ろう」
時計を見ると6時を回っていた。もしかしたら箒が起きているかもしれない。もしそうなら面倒なことになるので早足で部屋へ戻った。
……そういやセシリアは朝からなんであんなところに居たのだろう……?
部屋に戻ると箒が朝ご飯を作ってくれていた。箒さんマジ天使……。
身支度を済ませ教室へ入ると、クラス中から視線を浴びた。
「えっ嘘……フランちゃんが教室に……授業受けに来たのかな?」
なんてぼそっと聞こえた。あっ……織斑フランは授業のサボり魔だったか。そういや、気がついたときも保健室のベッドで寝てたし……。
注目を集めながらも僕は自分の席を探し出した。隣にはダボダボの制服を着た女の子がグースカ寝ていた。
……あれこの子いいのかな?もうすぐHR始まるけど。
「おーい、そろそろ始まるよ?起きた方がいいと思うけど……」
「ん……あと500年」
「いつまで寝るつもり……ほらバカみたいな寝言言ってないで起きて―」
「んー」
眠そうに目をこすってこちらを見る。あっ、この子本音ちゃんだ。
「フラランだー。今起きたからだいじょーぶー」
と言ってまた寝てしまった。まぁ、この後織斑先生に叩かれたのは言うまでもない。
誤字脱字等があったらご指摘お願いいたします。