大鴉の羽搏き   作:カバ

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第五話

 妖精の尻尾(フェアリーテイル)へ入る為マグノリアまで訪れたルーシィは同年代の『ミラジェーン・ストラトス』に誘われて、彼女が対応するカウンター席に座る。

 ミラは観光に来たというルーシィに対し、親切心で様々なことを話していた。

 

「――へぇ、名前はルーシィって言うの? 素敵な名前ね」

 

「憧れのミラジェーンさんにそう言ってもらえるなんて光栄です!」

 

 互いに軽く自己紹介を終え、二人の会話は続いていく。彼女の畏まった話し方にミラは苦笑し、人懐っこい笑みを浮かべながら話す。

 

「私なんかを相手にそんな畏まらなくても良いのよ? 互いにもっと気軽に話しましょう、ね?」

 

 ミラの笑みは同性のルーシィも見惚れるくらいの魅力を放っており、彼女という人間性が如実に表れる。彼女の言葉にルーシィは頬を緩めながら告げる。

 

「えっと……ならミラさんって呼ばせてもらいます」

 

「ん~、もうちょっと砕けた感じで私は話してもらいたいけど、無理強いはダメかしら。

 私の口調はこのままで、名前はルーシィって呼ばせてもらうわね」

 

 そう言ってミラはルーシィに対し、『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』の歴史について話し始める。

 

「――妖精の尻尾(フェアリーテイル)は創立して、約100年近くの歴史を誇る集まり(ギルド)なの。

 現ギルドマスター『マカロフ・ドレアー』で三代目。歴代の中で一番長く勤めているわ」

 

「へぇ、何だか”由緒ある”って感じですね。マスターのマカロフさんも凄い人なんだろうなぁ」

 

 ルーシィが漏らす言葉にミラは困った様な顔つきになる。

 

「ふふっ、実際はちょっとエッチなお爺ちゃんなんだけどね」

 

 ミラのセリフに不信感を覚えたルーシィは、失礼だと感じながらも尋ねる。

 

「……セクハラですか?」

 

「あっ、違うの。そんな大げさなモノじゃないから大丈夫よ。

 私がその時その時で、ちゃんと叱ってる(ちょうきょうしてる)から実害は無いわ」

 

 ルーシィはミラの言葉に納得しかけて、”んっ?”と疑問に思う。

 ”この人、何か物騒なことを口走らなかったか”と。

 

「……ミラさん、いま何か変なことを仰りませんでしたか?」

 

 ルーシィは若干ビビりながら尋ねる。

 

「えっ? 私、何か変なこと言ったかしら?」

 

 しかしミラは自分が発した言葉の中にそんなモノが入っていたのかと小首を傾げる。ルーシィもそんな彼女の様子に自信の聞き間違えかと判断し、先程の言葉を慌てて訂正する。

 

「あっ、いや! 何でもないです! 私の聞き間違いだと思いますから!」

 

「ん~、聞き間違いなら仕方ないわね」

 

「ええ! 聞き間違いは誰にだってありますよね!!」

 

「あっ、でもね? 聞き間違いを年の所為なんかにしちゃダメよ?

 説教を真面目に聞かないから、私が叱る羽目(ちょうきょうすること)になるんだから」

 

「――アッハイ」

 

 聞き間違いだと思ったが、彼女の耳は正常だったようだ。

 ……そのうちルーシィは、考えるのをやめた。

 

 ミラとのやり取りで呆けているルーシィの隣に半裸の青年が乱暴にドカッ!と席に座る。ミラはそんな彼を咎めるように口を尖らせる。

 

「グレイ……貴方、服はちゃんと毎日着るように注意を受けてたでしょ?

 さっきまで着てた服は何処にやったの?」

 

「あぁ? 服なんて所詮、飾りなんだよ。

 俺はチャラついた男なんざ成りたくねぇ。だから服は着ねぇのさ」

 

「いや、だからの使い方おかしいでしょ? 何その超理論?

 服はまず着なさいよ、常識的に考えて……」

 

 グレイの言葉に思わずツッコミを入れるルーシィ。いきなり知らない人間に話し掛けられた彼は怪訝な顔つきになるが、ルーシィの顔を見て若干驚く。

 彼の反応に今度はルーシィが怪訝な顔つきになる。

 

「……何よ? 私の言葉に怒ったの?」

 

「あっ、いや……意外だっただけさ。俺に話し掛ける女子が居るなんて……」

 

 グレイの言葉にルーシィは疑問を懐く。

 

「それってどういう意味?」

 

「……んっ」

 

「ん?」

 

 ルーシィの疑問にグレイはギルドのある一角を指さす。グレイの指さす方向にルーシィが視線を向けると、彼が言いたい意味を大方理解する。

 

 

 

「グレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさまグレイさま」

 

 

 

 ルーシィの視線の先には、名状しがたいもの(ジュビア・ロクサー)が存在した。

 それだけで彼女はグレイが何を言いたいのか分かった。

 

「――先約(ジュビア)がいる恋人(おれ)に、容易に話し掛ける女は居ねぇのさ……」

 

 結婚という名の墓場(ゴール)に辿り着く前に、息絶えそうな男の姿が――其処にはあった。

 

「――うわぁ……」

 

 ルーシィはリアルに”ご愁傷様”と心の中でグレイへ応援(エール)?を送る。そんな彼女に今度はグレイが憐れみの眼差しを送る。

 

「お前なぁ……状況が分かってんのか?」

 

「えっ? 何が?」

 

 状況が読み込めないルーシィが呑気にグレイへと尋ねる。彼はため息を吐きながら告げる。

 

「……はぁ、もっかいアイツ(ジュビア)を見れば分かる……」

 

 彼の指示通りにもう一度、恋の化身(ジュビア)へと視線を向ける。

 

「くぁwせdrftgyふじこlp」

 

 訳の分からない言語を発しながら柱に打ち付けた藁人形へ金槌を振り下ろす。ジュビアは何度も何度も金槌を人形へ振り下ろす。そして、ルーシィは気付く。ある、一つの可能性に。

 

「……ねえ? あれ、なに?」

 

「……本人によれば、”予行練習”だそうだ」

 

 藁人形をよく見て見れば色々と装飾が施されているのが理解できた。綺麗な金髪に青いリボンで結んであるポニーテール、服装はノースリーブにミニスカ……ルーシィと恰好が同じだった。

 ルーシィは気付いた。”私ってヤバくね?(命的な意味で)”と。

 

「――私って、助かるよね……?」

 

 悪魔(ジュビア)を止められる(グレイ)に問い掛ける。哀れな羊(ルーシィ)(グレイ)はこう応える。

 

「――家族に遺書でも書くか?」

 

「書くか!!?」 

 

 

 

 

 

 ――召喚士は、生命(いのち)を脅かされる……?

 

 

 

 

 




主役であるオジサンを出せない……てか出てこない……

一話あたりの文字数がどんどん減っていく……

早くも劣化の一途を辿る作品ですが、ここから何とか巻き返していきたいです。
次はもうちょっと文字数を増やせればと考えています

今さらですがこの作品の投稿速度の基準を話しておきます。

原作:FAIRY TAIL、最終更新日時(新しい順)で検索をかけて最初の十件から外れた次の日か、その次の日位に予約投稿します。
時間帯は午前0時なのでよろしくお願いします
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