時は1555年、京の都が荒れ果て、戦国乱世の日の本…その畿内、播磨の国(今の兵庫県)此処は赤松家とその赤松家に臣従している別所家が納めていた。
その東の播磨…別所家が納めるその地に見慣れぬ服装をした若者が現れた。
???「此処は…どこだ?」
若者の名前は黒崎歩夢、まだ15歳と若い少年である。
歩夢「俺は確か昼にちょっとばかし、部屋で昼寝をしていたはず…」
なぜこの様なところにいるのかわからない歩夢は首をかしげながら山中を歩いていく。
歩夢の進む周りは木や草が生い茂り道といった道路がどこにもなく歩いていても人に会えるかもわからなかった。
歩夢「はぁ…これからどうすればいいんだ…」
完全な詰みそんな予感が歩夢の脳裏を思わせているとふと、歩夢の瞳に有るものが映る。
歩夢「…え?お…城?」
歩夢の目線の先には何度も立派な日本のお城が建っており、その近場には町並みが広がっていた。
歩夢「町だ!」
これで助かると、諦めかけていた気持ちは何処かといき歩夢はがむしゃらに城下町へと走り出した。
播磨国 三木城 城下町
別所家が納める三木城の城下町、そこは商いが盛んで住民が行き来し、賑わいがあった。
そんな中、歩夢は戸惑いながらも城下町を歩いていると、やはり今の歩夢の服装この時代では奇妙な服装であるから民衆の目の格好の的となっていた。
歩夢「これ…俺はタイムスリップしてしまったのか?」
気がついたら草木が生い茂る謎の場所、余りにも昔の建物と住民の服装…なにより、この日本独特の城のつくり、この三つの事実がそういうことを物語っていた。
歩夢「俺はどうすれば…」
頼る人間もいない…この時代で生きていく自信など歩夢には微塵もなかった。
???「そこの奇妙な南蛮人、少し待たれよ」
歩夢「は、はい!?」
後ろから突然、怪しげだと思われたからか歩夢は呼び止められて、呼び掛けられたことにびっくりしながら、呼び掛けられた方向に体を向ける。
歩夢が向いた先には甲冑を身にまとい、腰には武士の魂というべき刀が大刀と小刀を二本携えているその者は惑うことなき武士だと歩夢は直ぐにわかった。
武士「確かに、見たこともない着物を身に纏っている…貴殿名はなんという?」
歩夢「く、黒崎歩夢と言います…」
気をさわらないように、びくびくと怯えながら名前を名乗る歩夢。
武士「黒崎歩夢殿か…南蛮人かと思ったがこの日の本の民であったか…これは失礼した、我が名は有馬則頼(ありま のりより)この東播磨の国主別所就治(べっしょ なりはる)様にお仕えしている」
歩夢「も、申し訳ありません、この国の武士だと知らず…軽々しい口を…」
この国の武士だとしると直ぐ様に歩夢は謝罪を述べる。
則頼「いや別に構わん、それにしても中々いい目をしているな…うむ!歩夢殿、貴殿がよければ就治様に仕えてみないか?」
歩夢「こ、このような…私がですか……」
歩夢(どちらにしても…ここで断ったら…行き倒れるかもしれない…此処は仕官するべきかもしれない…それに先祖からの武家でそれなりに腕は立つ…こんなところで役立つなんてな…)
歩夢「私のような若輩者の力が必要とあれば就治様にお仕えいたしましょう」
則頼「ははははっ!これはいい拾い物をしたわ!ならば早速城に戻り就治様に報告せねばな!歩夢殿着いてまいれ」
若者の士官に喜ぶ則頼、そんな則頼とは反対にこれからのことで不安しかない歩夢は生き残るために最善と思われる、則頼につれられて三木城へと向かっていく。
過去に疑似したこの戦国乱世に舞い降りた未来人、黒崎歩夢の戦いは今ここから始まった。