播磨国 三木 歩夢領地
歩夢「えっと今日は…昨日より収支がよくなってみたいだ」
戦国の世に迷い混み、別所家に仕官し既に5ヶ月が経過した。
はじめの頃は悪戦苦闘していた政務もこなせるようになり、歩夢に与えられた領地も少しずつではあるが豊かになり、この地に移住してきてきた農民達とは交流をかかさずに友好的な関係を続けていた。
歩夢「よし、建築にあたるものに商店の隣に交易所の建設とそれと鉄の生産を増やすためにたたら場の建設を進めてほしいと伝えてください」
小姓「承りました」
歩夢が雇った小姓が頭を床につくほどに頭を下げると建築関係の人たちがいる元へと走り出していった。
歩夢「さてと、政務が一段落したら、領内の視察でもでるかな」
歩夢は今日にも来た農民達からの案件が書かれた書物を一つ一つ読みはじめる。
歩夢「畑の水回りが…悪い…これは近くに水車か貯水庫でも作ったら解決かな、次は最近現れる鹿のせいで作物が食い荒らされる…これは大事だな足軽のみんなに手伝ってもらって少し追い払うか柵なんかを作るのが懸命かな…えっと次は…」
一つ一つ、読んでいき読み終わると対策を考えていく、その表情は完全にさまになっていた。
歩夢「さてと、住民の政務関係の案件はこれで終わりだけど後は…苦情とかのやつか…」
なんとも嫌な顔をしながらも、仕事だからとため息をつきながらその案件の書物を手に取る。
歩夢「えっと…隣の長屋の人がうるさい…ベタ中のベタじゃないかこれ……次はうちの娘が嫁に出るから心配!?これは案件なのか…今度は夫が逢い引きしているか調べてほしい!?俺にどうしろと!?」
なんともまあ…後者の二つは案件なのかと疑うぐらいの話ではあるが歩夢は顔に手を当ててため息をこぼす。
だが、こういうことを蔑ろにするわけにもいかずに歩夢は対策を考える
歩夢「取り合えず、うるさい件は俺がいって仲裁するとして…後者二つは宥めるしかないか…やるものも終わったし外に出て見回り兼住民の件に動きますか」
歩夢は座っていた体を立たせて屋敷から出て領内の視察に出掛けるのであった
歩夢「ですから、こういうときはどーんと構えて信じればいいと思います」
女性「そうなのかい?それじゃあ領主さまの言う通りにそうさせてもらいます、こんな私にお手数おかけました」
歩夢「いえ、お大事に……漸く終わった…もう昼だな…何処かで腹ごしらえして…」
???「黒崎殿!黒崎殿は何処か!?」
歩夢がどこかの店で昼食を済ませようと移動しようとしたとき自身を呼ぶ声が響く。
歩夢「ん?なんだ?」
別所家臣「黒崎殿!此処に居られましたか、就治さまより書状を届けにまいりました」
そういって家臣から丁重に手渡しされた書状を歩夢は貰い開けて就治の書状を読む。
就治[歩夢、お主の働きは我が城まで聞き及んでおる、良く我が家に尽くしてくれた、国力も癒えた今、我々は波多野家の八上城を攻める、先ずは河合の地にて他の城からのもの達と合流する、貴殿も河合の地に参陣せよ]
歩夢「…戦か…就治様には受けたまいました直ぐに志度を行うと」
別所家臣「はっ!」
そういって別所家臣は直ぐに三木城がある方角へ走っていく。
歩夢(やはり、これは避けては通れないか…)
戦国の世であるこの時代ではこういうことはあると家臣になった時にわかっていたことだった歩夢は生き残るためその方法しかなかったが…やはり人を討つということに覚悟が決まってなかった。
歩夢「先ずは屋敷に戻るか…」
顔が優れない歩夢だったが直ぐに動かなければならないといけないのは明白であったために軍の編成を行う。
編成に取りかかって一時間ほど、急な召集で関わらず集まったのは900という兵力その内100人には最大の戦力となる鉄砲を備えた。
歩夢(顔色が悪いとみんなに不安がる…此処はしゃきっとしないと)
意を決した歩夢はこの世界に来たときの服装、別所家の勢力ないでは天の羽衣と呼ばれている私服をまとい兵達の前に立つ
歩夢「これより、本隊と連動し波多野家の八上城を落としにかかることになった、不安なのは俺にも良くわかる、だが別所家のため皆、俺に力を貸してくれ」
歩夢兵「おおぉー!!!」
見えを張った号令で兵達は脇立ちそして歩夢は馬に騎乗し兵達に告げる。
「先ずは本隊と合流する!この俺に続け!出陣だ!」
そういって馬を歩かせ他の武将達との合流地点となっている河合に歩夢率いる900の小部隊が進軍を開始した。
播磨国 河合
出撃して五時間余り歩夢率いる部隊は河合に到着しその地にたてられている陣営にたどり着いた。
歩夢「部隊はこの場で待機、指示があるまではその場で動くなよ」
歩夢兵「はっ!」
歩夢は連れてきた兵に命令すると陣幕に向かい垂れ幕前にいる警備兵に止められる。
歩夢「別所就治様の配下、黒崎歩夢だ、就治さまの要請により参陣した」
警備兵「おまちを」
陣幕内
警備兵「申し上げます!ただいま、殿の要請で黒崎歩夢殿が参陣したのこと」
就治「来たか通せ」
警備兵「はっ!」
警備兵が陣幕から出て直ぐに歩夢がなかに入ってくる。
就治「久しいな歩夢よ」
歩夢「はっ!黒崎歩夢、領地より900の兵と共に参陣致しました」
就治「着陣、ご苦労、腰を掛けるといい」
歩夢「失礼いたします」
就治「うむ、これで揃った、これより軍義を執り行う、知っても通りこれより、波多野の本城である八上城を攻めるこちらで集まった兵力は5900対数やつらの兵は4000と下回っておる無論勝っているといっても油断できん、皆注意して当たれ」
就治「以上だ、それでは直ぐに出陣するぞ!」
就治の号令に此処に集まる歩夢達は臣下の礼を取り、陣幕から出ると各自の部隊を指揮し丹波国 八上城進軍を開始するのであった。
武将紹介!!(戦国立志伝参照)
別所就治(べっしょ なりはる)
播磨の豪族。三木城主。別所家は赤松家の庶流。赤松宗家の衰退に乗じて勢力を拡大し、東播磨8郡を領した。のち細川晴元(ほそかわ はるもと)や三好長慶(みよし ながよし)に属して各地で戦った。