「うぅぅ」
織斑千冬の目覚めは最悪だった。頭はクラクラするし吐き気もする。しかし自分たちが謎の巨大な島のようなものの上で戦闘しようとしていたことを思い出した瞬間に意識が一気に覚醒した。自分は今どこかのベットに寝かされていることがわかる。頭の上には水で濡らしたタオルが置かれている。でも、両手足がロープか何かで拘束されているのもわかり自分が囚われの身であることを理解した。
「あ、目が覚めたんですね。」
とそこで15、6歳程度の少年が部屋に入ってきた。
「貴様は何者だ」
と睨めつけながら聞いてみた
「僕の名前は柾木剣士と言います。まず、強引な手段をとってしまい本当にすみません、まずはこちらの話を聞いてくれませんか?」
と深々と頭を下げてきたのだった。少し驚いたがまだ相手を睨めつけたまま他の教員たちがどうなったのか聞いてみた。
「他の人たちなら隣の部屋で介抱していますよ。まずはこれを飲んでください。亜法酔いに聞く薬草茶です。」
「敵から出されたものをはいそうですかと飲む奴がいるか、それに手を縛られた状態では飲めない」
と言うと
「あぁ、そうでした。直ぐにロープを解きます。暴れないでくださいね」
と言って私を拘束していたロープを解き先ほどの湯呑みに入っていたものを少し少年自身が飲んで大丈夫と言わんばかりに渡してきた。私は警戒しながらもその湯呑みを受け取ると少しずつ飲んでみた。
かなり苦いが先ほどよりわずかに体調が回復したことが感じられた。そこで他の教員の様子を確認したいと言うと横の部屋に案内された、そこでは皆寝かされていて、何人かの古風なメイド服を着た人たちがせわしなく介抱していた。一安心と行きたいところだがここは敵の本拠地の中、それにISの事も気がかりである。
「ISはどうした」
と剣士と名乗った少年に尋ねたが
「ISってなんですか?」
と帰ってきた。少し違和感が残るがISが自分たちが纏っていたものだと説明すると、全て格納庫にあるとのことでその状況を確認したいと言うとあっさりと格納庫に案内されたそこで私は卵型の結晶の中で体育座りに近い状況でいる巨大なロボットがまず目に入ってきた。
「これは、、、一体何だ、、、」
と無意識のうちに口から溢れた。
「これは聖機人のコクーンです。あなた方と戦ったものですよ。あとIS?でしたっけ。あっちに置いてありますよ」
と指を刺された方には打鉄とラファール・リバイブが待機状態で鎮座していた。近寄って確認してみるがどの機体もシールドエネルギーがほとんど残っている状態だった。正直信じられなかった。一体自分たちがどのようにやられたのか検討もつかなかったのだ。ISには2重のバリアがあるにもかかわらずそのどちらの防御を超えて無力化されたのだ。そんな話今までに聞いたこともないし、これからISが抑止力となることがなくなるかもしれないというとんでもないことである。
「一体どういった攻撃をしたというのだ、、、」
「そういったことも含めて説明したいのでこちらへお願いします」
と格納庫から離れ自分が寝かされていた部屋とは別の部屋に通されたそこには回復したであろう山田先生がソファーに座り周りには数人の女性たちが控えていてそのうち一人は剣を持っていた。
「お、織斑先生ご無事でしたか。ISの方はどうでしたか?」
と少し青白い顔をした山田先生が少しほっとしたように尋ねてきた。
「あぁ、全機健在だった。剣士、今回のことの顛末と貴様らの話を聞こう。」
と言い、山田先生の横に座った。正面のソファーには剣士と金髪で豪華な赤いドレスを着た少女が座った。まず、全員の自己紹介、そして、彼らの戦いや剣士の置かれる状況などについて、そして何より聖機人と亜法、亜法動力炉についての話を聞いた。特に聖機人や亜法についてはワウアンリーと名乗る少女から詳しく聞くことができた。私たちが戦闘不能となった原因が「亜法酔い」である事がわかった。
「にわかに信じられんがおそらく全て本当の事だろう」
「しかし、織斑先生信じられません。聖機人や聖機神、ましてや異世界だなんて。」
「だが、現に我々は全員無力化されている。シールドエネルギーをゼロにされたわけでもないのにだ」
「しかし、、、」
「知らなかったとは言えどうやら私たちが早合点してしまった事が原因でこのような事態となった事をここで謝罪させてもらう、すまなかった。それと、柾木剣士、君はこちらの世界の人間のようだが両親の住所などを教えてくれ。帰ってきた事を早く教えたいだろう。あと、他の者たちの処遇も私たちに任せてくれ。悪いようにはしない。」
「ありがとうございます。」
「わしらはこれからどうしたらいいんじゃ」
今まで話を聞いているだけだったラシャラが唐突に話し始めた。
「しばらくの間はここでおとなしくしていてもらう。」
「しかし、こちらも食料や生活用品が限られているのじゃが」
「こちらが手配しよう」
「その必要経費はどうするんじゃ」
「、、、こちらが持とう」
「うむ、わかった!」
とちゃっかり滞在にかかる費用をこちらに押し付けられる形となった。
・・・・・・・・・・
織斑千冬たちとISが全て帰ってから剣士たちは再び全ての亜法動力炉が停止し色々と不便する事となる。そこでワウの蒸気動力炉が活躍する事となった。そして剣士たちはこれからの事についての事を話し合う会議が行われた。
「わしらは帰れるのかのぉ」
「ラシャラ様、やはり国が気になるのですか?」
「それもあるがこのままでは剣士が帰ってしまう」
「ラシャラ様寂しいんですか?」
「ち、違うわい、このままでは金のなる木がなくなってしまうではないか!」
「ラシャラ様、、、」
という風にこれといって何も決まらぬうちに地球にきて1日が過ぎて行ったのだった。