次の日の朝、剣士は皆より早く起きていつもの習慣である訓練と探索を行っている。地球に帰ってきた事もあってすこぶる調子がよかった。ただ、どうももやもやとした不安もあった。なぜなら異世界のジェミナーには1年程しか滞在していないにもかかわらず、いつの間にかISなる絶大な力を持つ兵器が地球で開発されているということだ。開発者が鷲羽ちゃんとかならわかるが、鷲羽ちゃんなら女性しか動かせないといった変な仕様にしないだろうし、開発者が篠ノ之束という天才科学者らしいがそんな人物聞いたことがなかったからである。
そんな不安を紛らわすために日々の習慣に精を出す。そして、昨日の会議で全く決まらなかった今後どうするかという話し合いの時間になり、みんなが一つの部屋に集まる。
「さて、今後どうするかを話し合うわけじゃが、当面の間はジェミナーに帰る方法を探すとして、ジェミナーに帰る方法がわかったとして亜法動力炉が動かんでは話にならん、ワウ、動力炉の方はどうなっておる?」
「はい、全く反応なしですね。この世界にはエナが存在しないようで全くお話にもならない感じです」
「じゃがISとやらが襲撃してきた時にはスワンの動力炉も聖機人の動力炉も動いていたではないか」
「そうなんですよ!おそらくあのISコアというのが鍵なのではと私は考えているのですよ!」
「そうか、じゃが現物がここにはないから、試そうにもためせぬの、午後にはオリムラがこちらにくるそうじゃからその時に検証すればよかろう。それからマーヤ、物資の方はどうなっておる?」
「はい、ラシャラ様、2、3日分の食品はありますし、オリムラ様が約束してくださってるので当分は大丈夫かと」
「うむ、マーヤたちは必要な雑貨や食品物資の確認を頼む」
「はい、わかっております」
ここでおずおずとキャイアが手を上げた。
「しかし、ラシャラ様、帰る方法を探すとおっしゃいますがどのように探すのでしょうか」
「そんなもの、スワン内の書物を片っ端から探して行くしかなかろう」
「それはもう剣士が全て行ったのでは、、、ねぇ剣士」
「うん、ラシャラ様の従者にしてもらった時からちょっとずつマーヤさんに許可をもらってここにある本は全部読んだけどヒントになりそうなことすらありませんでしたよ。」
「何じゃとぉぉぉぉ!」
「はぁ、こっちもオリムラに頼らざる負えないようですね、ラシャラ様」
はぁとため息をつきながらキャイアが言った。
・・・・・・・・・・
午後になり織斑先生と山田先生がそれぞれ打鉄とラファールリバイブでやってきた、剣士ならいいとして普通の人ならヘリコプターかISで飛んでこないと入れない陸の孤島状態のスワンだからである。
「ラシャラ様、これからはどうなさるおつもりですか?ある程度ならご助力できますがあまり大したことはできませんよ。」
「いや、物資の補給ができるだけありがたい、それとオリムラ殿おりいって頼みがあるのじゃが、学園の書庫を使わせてはもらえぬか?こちらの書物では帰る手段がないと今朝わかっての、、、」
「それは構いませんが最小限の人数でお願いします。IS学園は治外法権となっていますが立場が非常に微妙ですので部外者をそう簡単に中に入れることが不可能なもので、、、」
「わかった、助かる」
とその後ろでは
「うわぁー!ロボットだすごい!かっこいいよ!」
「へぇ、こんなに小さいのに空どころか宇宙まで行けちゃうなんてね!高地の技術や結界工房の技術とも全然違う!すごい、すごい!」
「剣士くん達もすごいじゃないですか、こんなにおっきな聖機人でしたっけ、こんなの動かせるなんてすごいですよ」
「山田先生、聖機人乗ってみますか?昨日のを見ていてら少しの間なら乗れると思うんですよ」
とメザイアが言うとぱぁと笑顔になり
「いいんですか!こういうおっきなロボット乗ってみるの夢だったんですよ!」
「では、私のようにコクーンに手をつきこれに乗り込むイメージをしてください」
「はい!」
とメザイアの指示通りやるとスゥッとコクーンの中に沈んでいきコクーンが聖機人の形をとる
「わあ少しふらふらするけどすごい!」
「じゃあ、ゆっくりと歩くイメージをしてみてください」
ゆっくりと山田先生の聖機人は歩き出した。
「ISとにた感覚なんですね!」
その言葉に反応した人間が二人、
「じゃあ、僕たちもIS乗ってもいいですか!」
目を輝かせる剣士と
「じゃあ、私も私も!」
と未知の技術に興味津々のワウである
「えぇ〜、いいですよぉ〜」
聖機人に乗れて夢心地の山田先生はほとんど聞いていなかった。
打鉄には剣士が、ラファール・リバイブにはワウが乗り込んでいった。
普通に起動する2機のIS。剣士はすごいすごいと言いながらすごい勢いで外に飛んでいき、ワウはハイパーセンサーをいじったり拡張領域からマシンガンを出しては
「すごい、連続射撃できる火薬銃だ、すごーい!」
と言いながらズガガガガガガガガと外に向かって乱射している。もはやカオスである。
あまりのめちゃくちゃさにしびれを切らした織斑先生が切れた。
「お前達!良い加減にしろ!それはおもちゃではなく兵器なん、、、だ、、、、」
と振り向きざまに見た光景に絶句した。そこでは瞬時加速を利用して高速で木々の間をすり抜けて飛行する剣士がいたからである。
「山田先生!山田先生!あれはどういうことだ!」
とコクーンから降りてきた山田先生に迫る、山田先生は
「すごいですよね、さすが異世界を救った英雄はISの動かし方も一味違いますよねぇ」
と未だにふわふわした表情でいった。いや、そうではないと言わんばかりに
「なんで男である剣士が乗っているんだ!」
と言うと今度こそその異常に気がついた山田先生は
「えぇぇ、どうして剣士くんがISに乗っているんですかぁ!」
すると、こちらに戻ってくる剣士、
「すみません、乗っちゃダメでしたか?」
バツが悪そうにしている。騒ぎを聞きつけてやってきたキャイアにごちんっと頭を殴られる剣士、
「本当にすみません、このバカがなんかいけないことをしたようで」
頭を下げるキャイア
「い、いや、いけないことをしたわけではない。こちらの世界では珍しいというか、なんというか、二人目となる男性IS操縦者に少し、というか大分驚いたというだけでな。」
「そ、そうですよ。普通は男性には動かせないものとされているので、、、」
と剣士は悪くないと弁解する二人。
「なにやら、金になりそうな話じゃのぉ、くっくっく」
なにやら胡散臭いことを考える守銭奴女王様
「ふぅ、すっきりした」
銃を打ちまくり満足と言わんばかりのワウ
剣士がISに乗ることができたことが今後嵐を呼ぶとはこの場にいる誰もが予想していなかった。頭を抱えている織斑千冬以外は、、、