半ば自己満足な部分がありますが、皆様に楽しんでいただけるように頑張りたいと思います。
突然の事態と鬼との出会い~ぐだーズもいるよ!~
目を覚ますと、そこは炎に彩られていた。
人々の営みを感じられぬその光景は、常人が見れば悲鳴を、狂人が見れば歓喜を起こすであろう。
故に、後者である私の感想は決まっている。
「...綺麗だな」
さて、暫しの間を使ってその光景を目に焼き付けた私は、気を引き締めて現状を確認することにした。
先ずは持ち物を確認すると、着の身着のままであった。しかしながら、幸い(?)なことに近くを見渡すとトゲトゲした虹色の石が8つ程落ちていた。何かは分からないが、珍しいモノなのは間違いないので回収してポケットに入れておいた。
次に考察である。
「私は寝る前までは、カルデアの一室に居たはず。だが、今いる此処は間違いなくカルデアでは無いし、その付近でも無い。ならば、考えられることとしては何らかのアクシデントが発生した為に、意図せずしてこの様な状況になったのだろう。であるならば、私がやるべき今後の行動としては、第一案として他の者達を探し合流することだが、知らない土地でそんなことをすれば下手をすれば無駄死にだ。故にこの案は却下。第二案として現地の者を探し協力を乞う...のは、この状況だし無理そうか。ならば、第三案として単独での原因究明、並びに解決が最善かな?」
何事も、言葉に出して確認することは重要である。頭で考えているときには見つからない意外な盲点があるかもしれないからだ。しかしながら、時としてそれは重要なミスともなりうる。このような異常事態に障害物の少ない広場のど真ん中で、結界も張らずに考察していたりすれば特にそうであろう。
ーガサリ
故に、ソレが現れたのは道理である。
物音と共に現れたのは、到底生きているとは思えない骨のみで構成された人の形をしたナニかであった。敢えて名称するならば、スケルトンだろうか?まあともかく、そのスケルトン(仮)の姿が複数現れたのである。
一応は魔術師である私とは言え、どこぞの主人公よろしく都合良く無双出来るほど人間を辞めた覚えはないし、何ら魔術道具を持っていない現状では戦うことなど出来やしない。であるからして、当然の事ながらやれることは決まっている。
つまるところ、私とスケルトン達による鬼ごっこの始まりである。勿論、捕まれば鬼になる以前に、黄泉へ直行することになる。
「初っ端からこれじゃあ、どうしたものかな」
その言葉を発した私の顔は愉悦に輝いていたことだろう。
いつの間にか表れていた、左手のソレに気づかずに。
◆◆◆◆
「戦闘終了しました。先輩」
マスターとしてマシュと契約し、スケルトン達を相手に指示を出していた俺は、その言葉を聞いて安堵した。
カルデアで起こった事故が原因で特異点へとレイシフトした俺は、運良く一緒にレイシフトしていた後輩のマシュと共に特異点解決の為に行動していた。詳しくは分かっていないが、元は人間であったマシュはシールダーのサーヴァントと融合することによりデミ・サーヴァントとなっており、男である俺では勝てないぐらいに強くなっていた。そのおかげで、ぐだ子や所長とも合流することが出来たが、男としては何とも言えない気持ちであるのは確かだ。
そんな愚痴はともかくとして、此処までかなりの距離を歩いてきたが焼け野原か敵ばかりであり、それ以外は何も無い。
「ねえ、ロマニ。本当に私達以外にレイシフトした人はもういないの?」
休憩中にふと、所長がそんなことを言った。先程まで怒り満々だったはずだが、今はそうでもないらしい。しかし不思議である。所長がこんなことを聞くとは思わなかった。もしかして、他のマスター候補に対して責任を感じていたりするのだろうか。
『あぁ、あくまでも観測した中でだから、もしかするとという可能性があるかもしれないが、望みは薄いと思うよ。』
やはりそうなのか。改めて聞かされると、気持ちが暗くなってくるのを感じる...
『おや?暗い顔をしているね、ぐだ子ちゃんにぐだ男君』
ロマン博士にバレてしまった。どうやら、ぐだ子も同じように感じていたようである。
そういえば、何故急に所長はこんなことを聞いたのであろうか?ふと気になったことではあるが、気になり始めるとついつい知りたくなってしまう。どうせならとロマン博士に聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
『ハハハ...確かにそう思うのも仕方が無いかもしれないね。でも、実は僕も所長と同じでね。彼ならばレイシフトして生き残っていても可笑しくはないと思っているんだ』
彼...?一体誰のことなのかと再び聞いてみると、ロマン博士はそういえばとぼやきながらも答えてくれる。
『そういえば、二人は彼とまだ会っていなかったね。彼の名前は
童鬼さん...確かに会ったことが無い名前である。何というか...凄く怖そうなイメージが浮かぶ。
『何やら変な勘違いをしているみたいだけど、別に彼は怖くないよ...多分』
最後の一言がとてつもなく怖さを煽るのですが...
『まあまあ、それはさておき本題の方だけども、彼はマスター候補であった魔術師の中では、数少ないベテランと呼べる子なんだ。何せ、二桁の歳になる頃には次の当主になることを約束されていたらしいからね』
その情報は魔術師について余り知らない俺から見ると、どのくらい凄いのかが分からない。けれども、ロマン博士の言い方からすると十分に凄いことなのだろう。ということは、さっきの所長の言葉は彼の実力を知っていたからこそ、聞いたのだろうか?
『まあ、そういうことだよ。僕自身も彼とは何度か話をしたことがあるが、彼は間違いなくどんな状況に陥っても生き残ることの出来るタイプの人間だよ。だからこそ、僕も彼が見つからないことに不安を感じているし、同時にもしかしたらと期待してしまっている自分がいるのも確かだよ』
ロマン博士ですらこう言っているのだから、やはり凄い人なのだろう。願わくば、その童鬼さんも生きていると良いのだが...
「それはそれ、これはこれよ。今居ない人を何時まで言ってても無意味なのだから、さっさっと進むわよ」
そう言って、進んでいく所長を追って再び歩き始める。
この先に何が待っているのかはまだ分からないが、せめてこの特異点を解決しなくてはいけないと、俺は気持ちを引き締めた。
◆◆◆
あれからどれほどの時間が経ったのかは分からないが、私は現在、非常に危険な状態にある。何せ、スケルトン(確)達に追い込まれてしまい、最早逃げる為の方法すら失ってしまったのだから。
ーガチリ、ガチリ
まるで勝利を確信しているかの様に、スケルトン達は顎を動かしながらジリジリと迫ってくる。
「さて、どうしたものか...」
呟いた言葉は、果たして無意識なものであった。遥か昔に捨てたはずの何かが今更になって戻ってきたのだろうか。
否、そんな戯れ言はゴミ箱にても捨てておいて、目前にまで近づいている現状をどうするかである。これに関して意外にも、私は打破できる可能性を見つけていた。
逃げている間に確信したが、ここはどうやら特異点であるように思えた。カルデアにいた頃に見た資料にあった、過去二度に渡って聖杯戦争が行われた地、冬木市に類似していたからである。この様な綺麗...もとい、惨状にはなっていなかったと思うが、特異点なのであるから何が起きていても可笑しくはない。
だが、特異点であるのならば、私は睡眠を摂っている間に、マスターとしてレイシフトしたことになるのだろう。そして左手にある奇妙なマーク、間違いなく令呪である。
後は簡単なことである。聖杯戦争における鍵となる存在。特異点解決において、絶対に必要となる仲間。過去の英雄として今なお名を残している者達。サーヴァントを呼び出せば、この状況を打破することも容易であろう。
だが、ここで問題が発生した。サーヴァントを呼び出す方法が見つからないのである。聖杯戦争時には陣の作成と詠唱を行うことで呼び出せるが、陣を作成する暇など当然なく、詠唱に関してもうろ覚えである。また、カルデアで聞いた話では召喚サークルを使うことによって召喚出来るらしいが、宝具を用いての召喚サークルの作成なぞ出来るわけがない。まさに絶体絶命。ならば、ここで諦めるか?
「それこそ論外だ」
こんな楽しい状況で諦めることなど出来るわけがない。故に、私は一つの賭けをすることにした。
最初の頃に回収しておいた虹色の石。ついさっき思い出したが、聖晶石という名前だったはずである。これを使うことによって、サーヴァントを召喚出来ると聞いた覚えがある。本来は召喚サークルが必要であるが、今はそんな悠長なことなど言っていられない。
だから...全力で楽しもうか!
「まだ見ぬ英霊よ!願わくば我が言に耳を傾け結え!我は脆き者、故に我は力を求めし者なり!今一度乞う、我に力を貸し結え!」
果たして、
握っていた聖晶石が溶けるように消えると、私の目の前に陣が現れた。そこから強大な魔力が吹き出し、ついにサーヴァントが召喚される。
私は、その時の事を忘れないだろう。
召喚されたサーヴァントはとても美しかった。白き肌に濃紫の髪。同じく濃紫に輝いた瞳は妖艶にこちらを見つめている。前を結ばずに着られた着物は決して下品では無く、むしろ美しさに磨きをかけていた。
そんな彼女を見て理解したのである。彼女は私と同じだ。猫が如く、弄び、無慈悲に殺す。そんな、
「
如何でしたか?もしも面白かったのであれば幸いです。
尚、今回はついついFGO編を書いてしまいましたが、恐らくEXTRA編が一番書きやすいと思います。
突発なのでプロットなどありませんし、各編をバラバラに気分で進めていく予定なので、そこはご了承ください。
感想、提案、批評等ありましたら、是非ともお願いします。(ただし、批判は求めていません)
可能な限り返信したいと思います。