「どうして拓磨がここに居るんだ?」
「それはこっちのセリフだ」
十代にあまり関わりがない以上拓磨自身もなぜ呼ばれたかは全く分かっていなかった。
(こんな時に限って校長今席外してるって……呼び出したのそっちだろ)
「もう二人とも来てたのか、ごめんごめん」
入り口から校長は入ってくるなりそう言った。
「何の用です校長?万丈目のことなら全部話したつもりですが?」
「その事じゃないんだ、2週間後に行われるノース校とのデュエルがあるんだが代表選手として君達二人のどちらかにお願いしたいんだ」
「俺と十代の二人ですか?」
真二がいない、それが拓磨にとって一番の謎だった。
「あぁ!君達二人は明日のデュエルで決めてもらう、もちろん勝った方が代表だよ」
「拓磨とデュエルか!そういや初めてだよな!」
デュエルの単語を聞くと十代は目を輝かせながらそう言ってくる。
「そうだな、まぁ真二に勝つほどの実力らしいからいい勝負にはなりそうだ」
──1年トップランカー遊蔵 拓磨VS期待の新星、遊城 十代──
と二人のデュエルは大々的に告知されていた。
「てな訳だ今日は早く打ち合わせを終了する」
「ってかなんで俺が選ばれてねぇんだよ!」
『そりゃマスターが代表として相応しく無いからじゃないんですか?』
「おい!それどういう意味だ!」
真二は幽鬼を一時的に実体化させ握り拳で頭をグリグリしている。
『いだだだっ!』
「俺は帰るぞ」
「おう、明日は頑張れよ!」
拓磨が部屋を出ると灰流がデッキから現れる。
『マスター、アレってデフォ?』
「アレって、幽鬼の事か?」
拓磨がそう聞くと灰流は「そうそう」と言いながら首を縦に降る。
「まぁ、そうだな」
(それにしても彼奴らをよく見るとまるで本当の兄妹のようだ)
『そうなんだ……それじゃマスター!私調べ物あるから明日の調整頑張ってね!』
そう言うと灰流はデッキの中に消えた。
「さーてっと俺も、もうひと頑張りするか」
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翌日
デュエル会場には溢れんばかりの人で賑わっていた。
「拓磨!」
「こら待ちなさい!」
名前を呼ばれ、デュエルフィールドから通路の方へ振り返るとそこには警備員に取り押さえられる寸前の藍が立っていた。
「ちょっと〜!私関係者だよ〜!」
「ったく……すみません、そいつ俺の連れです」
拓磨は警備員にそう言うとデュエルフィールドから降り藍の元へ向かう。
「はいこれ」
降りるや否や藍は一方的に星型のネックレスを拓磨に渡した。
「これは?」
「へへーん!驚かないでよ〜!これは「お守りか、ありがとな藍」」
拓磨は藍の話を折ると藍は少しずっこける。
「もう!せっかく驚かせようと思ったのに〜!」
「驚かせたいのか驚かせたくないのかどっちなんだよ」
先ほどの言葉と繋ぎ合わせ、拓磨はそう突っ込むとデュエルフィールドに帰って行く。
「絶対勝つから真二と一緒に見てろ」
「うん!」
そう言いデュエルフィールドに上がるとデュエルディスクを構える。
「十代!そう言う訳だ、待たせて悪いが勝たせてもらう!」
「何言ってんだよ!勝つのは俺だ!」
「デュエル!」
十代[先攻]
拓磨[後攻]
「俺の先攻!ドロー!」
十代 LP 4000
手札 5→6枚
「E・HERO スパークマンを召喚!」
<E・HERO スパークマン>
Level 4 戦士族 光
ATK 1600/DEF 1400
「カードを3枚伏せてターンエンド」
十代 LP 4000
手札 2枚
モンスター
E・HERO スパークマン(ATK 1600)
魔法・罠
伏せ3枚
「俺のターン、ドロー」
拓磨 LP 4000
手札 5→6
(この手札ならスパークマンは大丈夫だが問題はバックの3枚だが──いや、臆せず攻める!)
「俺は超戦士の魂を召喚!」
<超戦士の魂>
Level 1 戦士族 地
ATK 0/DEF 0
「攻撃力0?」
「あぁ、超戦士の魂の効果発動!手札のカオス・ソルジャーモンスターを墓地へ送り、このモンスターの攻撃力を3000ポイントアップする」
超戦士の魂
ATK 0→3000
拓磨がカオス・ソルジャーを墓地へ送ると置かれていた防具に魂が宿りカオス・ソルジャーの幻影が現れる。
「バトルだ!超戦士の魂でE・HERO スパークマンを攻撃!ファントム・ブレード!」
カオス・ソルジャーの幻影はスパークマンを斬りつけるとスパークマンは爆発する。
「くっ!」
十代
LP 4000→2600
「その瞬間リバースカード、オープン!ヒーロー逆襲」
<ヒーロー逆襲>
通常罠
「自分のモンスターが戦闘により破壊され、墓地へ送られた時、相手は自分の手札をランダムに1枚選択し、それがE・HEROモンスターだった場合、相手フィールドのモンスター1体を破壊し、選択されたモンスターを特殊召喚する!」
そういい十代は手札を裏側のまま前に差し出す。
(十代の手札……いや、ここであのカードって事は手札は両方ともE・HEROの可能性が高いか)
「俺から見て左だ」
「よっしゃ!超戦士の魂を破壊し、E・HERO クレイマンを特殊召喚!」
<E・HERO クレイマン>
Level 4 戦士族 地
ATK 800/DEF 2000
「チィ!俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
拓磨 LP 4000
手札 3枚
モンスター
なし
魔法・罠
伏せ1枚
「俺のターン!ドロー!」
十代 LP 2400
手札 2→3枚
「フィールド魔法、摩天楼ースカイスクレイパーーを発動!」
<摩天楼ースカイスクレイパーー>
フィールド魔法
「更に魔法カード、融合発動!」
<融合>
通常魔法
「手札のE・HERO バーストレディと場のクレイマンを融合!現れろ!E・HERO ランパードガンナー!」
<E・HERO ランパードガンナー>
Level 6 戦士族 地
ATK 2000/DEF 2500
「守備?俺の場はガラ空きのはずだが?」
「ランパードガンナーは守備表示の時、攻撃力を半減し直接攻撃が出来る!ランパード・ショット!」
そう言うとランパードガンナーは守りの姿勢のまま盾からミサイルを発射する。
「なに!?」
拓磨
LP 4000→3000
「成る程な、ダメージを与え尚且つ守りに徹することでスカイスクレイパー自体のデメリットである相手のターンでの攻撃を高い守備力で回避する──か、だがこの時、トラップ発動!ダメージ・コンデンサー!」
<ダメージ・コンデンサー>
通常罠
「手札を1枚墓地へ送り、デッキから今受けたダメージ以下の攻撃力を持つモンスターをデッキから特殊召喚する!現れよ!魔神儀ーキャンドール!」
<魔神儀ーキャンドール>
Level 4 炎族 光
ATK 0/DEF 0
「更に、キャンドールのモンスター効果発動!このカードがデッキから特殊召喚された時、デッキに存在の儀式魔法を手札に加える事が出来る、俺は超戦士の儀式を手札に加える!」
「俺はターンエンド!」
十代 LP 2400
手札 0枚
モンスター
E・HERO ランパードガンナー(DEF 2500)
魔法・罠
伏せ2枚
フィールド魔法
摩天楼ースカイスクレイパーー
「俺のターン!」
拓磨 LP 3000
手札 2→3枚
「俺は儀式魔法、超戦士の儀式を発動!」
<超戦士の儀式>
儀式魔法
「場の魔神儀ーキャンドールと手札の儀式魔神プレサイダーを墓地へ送り、降臨せよ!超戦士カオス・ソルジャー!」
<超戦士カオス・ソルジャー>
Level 8 戦士族 地
ATK 3000/DEF 2500
「バトルだ!超戦士カオス・ソルジャーでE・HEROランパードガンナーを攻撃!カオス・ブレード改!」
カオス・ソルジャーはランパードガンナーの盾ごと斬り捨てる。
「超戦士カオス・ソルジャーの効果発動!戦闘破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!カオス・インパクト!」
「がぁぁっ!」
十代
LP 2400→400
「更に儀式魔神プレサイダーを儀式素材にしたモンスターが戦闘によってモンスターを破壊した時、1枚ドローする!」
拓磨 LP 3000
手札 1→2枚
「そして魔法カード、ナイト・ショットを発動!」
<ナイト・ショット>
通常魔法
拓磨の放ったカードからビームのようなものが十代の伏せていたカードを貫いた。
(ヒーロー見参か、そりゃ腐る筈だ)
「俺はターンエンドだ」
拓磨 LP 3000
手札 1枚
モンスター
超戦士カオス・ソルジャー(ATK 3000)
魔法・罠
なし
「俺のターン、ドロー!」
十代 LP 400
手札 0→1枚
「俺は強欲な壺を発動!」
<強欲な壺>
通常魔法
「デッキから2枚ドロー!」
「手札補給か」
「──ワクワクするぜ!なぁ、拓磨!」
十代は笑顔でデッキに手をやると笑顔でそう言った。
「ふん、そうだな……だがお前の場にはスカイスクレイパーだけ、手札も次にドローできる2枚だけだ──俺の勝ちはぼぼ確定みたいなもんだぞ?」
「でも、もしかしたら逆転のカードを引けるかもしれねぇだろ?」
「かもな──」
(この感じ……あいつまさか本当に)
十代がカードを引く直前拓磨の脳裏に電撃が走り、その引いたカードを見るなり十代はニヤリと笑う。
「俺は魔法カード、融合回収を発動!」
<融合回収>
通常魔法
「墓地に存在する融合とE・HERO バーストレディを手札に加え、そのまま融合を発動!現れろ!E・HERO フレイム・ウィングマン」
<E・HERO フレイム・ウィングマン>
Level 6 戦士族 風
ATK 2100/DEF 1200
「フレイム・ウィングマンだと!?」
「バトルだ!フレイム・ウィングマンで超戦士カオス・ソルジャーを攻撃!」
(スカイスクレイパーの効果でフレイム・ウィングマンの攻撃力は1000上がる──悔しいがここまでか)
E・HERO フレイム・ウィングマン
ATK 2100→3100
「くらえ!スカイスクレイパー・シュート!」
「くっ!」
拓磨
LP 3000→2900
「フレイム・ウィングマンのモンスター効果発動、戦闘で破壊したモンスターの元々の攻撃力分ダメージを受けてもらうぜ!拓磨」
(悪い、負けちまった)
フレイム・ウィングマンは拓磨の目の前に立つとそのまま右手から火を出し拓磨を焼く。
拓磨
LP 2900→0
「ガッチャ!楽しかったぜ、拓磨!」
「あぁ、俺もだ」
拓磨は立ち上がりそう言うと通路の方へと歩いて行った。
「惜しかったな拓磨!」
通路を歩いて行くと真二と藍が拓磨へ声をかける。
「悪い藍……負けちまった」
(あんだけ大口叩いておいて、お守りまでもらって負けたんだ、凄く申し訳ない)
申し訳なさそうに拓磨は下を向くと藍は笑顔で拓磨に近寄る。
「カッコ良かったよ、拓磨!また次頑張ろ?」
(勝ち負けなんて関係なかった──俺の取り越し苦労か)
「そうだな」
拓磨はフッと笑いそう言った。