十一番隊第四席の世界の楽しみ方   作:二重世界

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第十話 敗北

俺が放った『千手皎天汰炮』とグリムジョーが放った『王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)』――無数の光の矢と閃光がぶつかり合った衝撃で虚圏の大気が激しく揺れ、地面の砂は舞い上がり、空にはひびが入る。

そして俺は即座に確信した。……この勝負、俺の負けだ。

最初の二、三秒だけは拮抗していたがすぐに押されて出した。

充分な実力を手に入れてから修業をサボり気味になっていたツケが回ってきたか。最高の勝負をして笑いながら死ぬには、自分も最高の状態じゃないと駄目なのに。

最近、強い相手と戦っていなかったせいで、そんな簡単なことすら失念していた。……これは帰ったら一から修業のやり直しだな。

 

そう結論を出した瞬間、俺の破道が完全に押し負けて閃光の直撃をモロに受けた。そのまま俺は砂の上に倒れてしまう。

……ヤバいな。体が動かない。立ち上がることすら出来ない。

意識はまだ失っていないし、出来ることはあるけどする気にはなれない。

 

「……ああ」

 

思わず歓喜の声が漏れる。

このどうしようもない状況で笑うとか、どんな変態だ、って話だがそれでも嬉しいんだから仕方ない。

 

そういやグリムジョーはどうなったんだ?と思って痛みに耐えながら顔を上げてみると好戦的な笑みを浮かべながら俺に襲いかかってくるグリムジョーの姿が見えた。

……あー、明らかに俺に止めを刺す気だ。本音を言うと今死ぬのは勿体ないんだが、負けた俺が悪い。

瞬時に覚悟を決めたが俺が死ぬことはなかった。グリムジョーが俺に辿り着く前に力尽きた訳でも、気が変わって殺すのもやめたのでもない。

グリムジョーは地面から生えた(ように見える)刃に貫かれていたのだ。

真夜の方を睨むと笑顔で手を振ってきた。

 

「……ちっ、余計なことしやがって」

 

限界が来たようで悪態をつきながら俺は気を失った。

 

 

 

 

 

 

「……知らない天井だ」

 

俺はとあるアニメの主人公の台詞を呟きながら目を覚ました。

これは別に台詞を言いたかったわけではなく(そういう気持ちが少しはあったのは否定しないが)、実際に見たことのない天井だったのだ。

 

……ここはどこだ?

周りを見渡してみると治療器具が少しあるだけの殺風景な部屋だった。治療室みたいだな。で、俺はベッドの上か。固くて寝心地の悪いベッドだ。

部屋の中には俺の他に一人。顔の右半分が仮面で隠れている空虚な瞳をした破面の女がいた。俺の好みとは違い大人しそうな雰囲気をしているが、結構な美人だ。

 

「うっ……」

 

「大丈夫ですか?」

 

体に痛みが走って軽く呻き声を上げると、女が心配そうに話かけてきた。

自分の体を見てみるとミイラというほどではないが全身に包帯が巻かれている。……え~と、何でこうなったんだっけ?

俺は女を安心させるために「大丈夫だ」と言ってから頭を押さえて思い出そうとする。

……ああ、グリムジョーに負けたのか。そのせいでこんな大怪我とは情けない話だ。後で藍染元隊長に笑われる。

 

「……え~と、名前は?」

 

「……ロカです」

 

ロカ――岩か。あんまりセンスの良い名前とは言えないな。

名前なんて区別しやすくするためのものだから、どうでもいいけど。

 

「ロカが治療してくれたのか?」

 

「はい。市丸様に頼まれまして」

 

「そうか。ありがとう」

 

「……え?」

 

ロカが目を見開いて意外そうな顔をする。そのリアクションは俺がお礼を言うようなタイプに見えないって意味か?

だったら、これ以上に失礼な話はない。俺はお世話になったら相手が誰だろうと礼を言う男だぞ。

 

まぁ、そういうことではなさそうだが。虚とかの性格を考えると治療されてもお礼を言うように思えないから、初めて言われて驚いているだろう。

……そう考えるとロカって破面っぽくないな。

 

「ところで俺の斬魄刀はどこにあるんだ?」

 

「……あ、え~と……あちらに」

 

声をかけられて冷静になったロカが机の上を指差す。そこにはちゃんと俺の斬魄刀があった。

市丸が回収してくれたのか。ということは俺の斬魄刀の能力に市丸は完璧とは言えないまでも気付いているだろう。何とも面倒臭い話だ。

本当、俺の斬魄刀は余計なことしかしない。後でお仕置き確定だな。

 

……ん?そういや今ってロカと密室で二人っきりか。破面の女の体には興味があったし、ちょうどいいな。

 

「ちょっと汗が気持ち悪いから拭いてくれないか?」

 

「分かりました」

 

ロカは了承するとタオルの準備をしてから俺の後ろに回る。そして俺が死覇装が脱いで上半身を露出させると背中を拭き始めた。

拭き終わったところでタオルを戻そうとしたので、俺はそれを止める。

 

「ついでだから前も拭いてくれ」

 

言いながら俺は自分の股間部分を指差す。

露骨なセクハラでロカも意味を理解しているようだが、全く気にした様子はなく俺の前に移動してベッドの上に上る。

……ここまでリアクションがないと面白くないな。体を拭くのをやめるように言おうとしたところで、急に部屋の扉が開けられた。

入ってきたのは異様に短いスカートから足を露出させたツインテールの女とボーイッシュな感じのショートヘアーの女だ。

破面は女が少ないって話だが、これで三人目だぞ。男はまだグリムジョーだけなのに。

 

「……何やってんの?」

 

俺達の様子を見たミニスカートの女が怪訝な表情をする。

いきなりこんな状況を見せられたら怪訝に思っても仕方ない。俺ならそのまま扉を閉めるが。

女がよっぽどタイプだった場合のみ男を排除して代わりに俺がヤる。

 

「見たら分かるだろ?密室に男女が二人っきりでベッドの上。しかも男は上半身裸。つまり、そういうことだ」

 

「……市丸が言っていた通りの性格みたいね」

 

ミニスカートの女がゴミを見るような蔑みの視線を俺に向ける。

……良いね、この感じ。グリムジョーと戦っていた時とはまた別の意味でゾクゾクする。

 

ていうか市丸は俺のことを何て言ったのだろうか?この展開を見透かされていたような感じがするが。

 

「まぁ、そんなことはどうでもいいわ。あんたが何しようと私には関係ないけど、後にしてくれる?」

 

「何だ、先にヤりたいのか?」

 

「違うわよ!」

 

大声で否定するミニスカートの女。

違うのか。残念だ。良い足してるのに。

 

「藍染様にあんたを呼んでくるように頼まれたのよ」

 

ミニスカートの女が近付きながら言うと、ロカが俺の上から離れる。別に退かなくても良かったんだが。

 

「そうだったのか。ところで名前は何て言うんだ?」

 

「あんたに名乗る名前はないわよ」

 

ツンが激しい女だな。こういう女に限って惚れたりしたら物凄くデレデレになるのだろうが。

と、頭の中でエロいことを考えながらミニスカートの女の胸に手を伸ばす。

 

「なっ……!」

 

最初は俺の予想外の行動に何が起こったか理解できなかったようだが、すぐに顔が真っ赤にする。

破面って体皮は固いけど、胸はちゃんと柔らかいんだな。小さいけど、その分感度は良さそうだ。ミニスカートの女が中々抵抗しないので更に揉みしだく。

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