十一番隊第四席の世界の楽しみ方   作:二重世界

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第十二話 再会

「久し振りだな、藍染元隊長」

 

二人に案内された部屋で席に座りながら藍染元隊長に挨拶する。

部屋を見渡してみるとあるのは細長い机だけで他に目を引くものはない。殺風景だな。席の数から判断するに十刃を集めて会議するための部屋なのだろう。

その机で向かい合う(正確に真正面から向かい合っているわけではないが細かいことは気にしない)俺と藍染元隊長。まるで敵対しているかのような絵だ。

 

藍染元隊長の後ろに立っていつでも斬魄刀を抜けるように構えている東仙元隊長が敵対感を更に助長させている。藍染元隊長に親しげに挨拶したのが気に食わないのか、単純に俺が嫌いなだけなのか。間違いなく両方だろうが。

でも、ちょっと遊びに来ただけでそこまで警戒しなくてもいいと思うけどな。今の俺は歩くのもキツイぐらい重傷な訳だし。

 

市丸は藍染元隊長の隣に座って胡散臭い表情で俺に向かって手を振っているが無視する。

 

俺をここまで案内してくれたミニスカートとショートヘアーの二人の女は藍染元隊長に一言だけ挨拶して既にどこかに行ってしまっている。

藍染元隊長と二人が会話したのはほんの数秒だけだったが、それでも分かった。二人は藍染元隊長に心酔している。神聖視と言ってもいいかもしれない。

心酔と言うと雛森副隊長のことがイメージされるがアレとはまた違うだろう。具体的に何が違うかまでは説明できないが。

まぁ、それは置いておくとしてこの状況はそこそこ面白い。中古は嫌だから、そこは確認しないと駄目だが。

 

「久し振りだね、響也」

 

藍染元隊長が東仙元隊長が入れたと思われる紅茶(何故か俺の分はない)を飲みながら優雅な雰囲気で挨拶を返してきた。

紅茶を飲んでいるだけなのに妙に絵になるな。隊長時代――眼鏡をかけていた時とは雰囲気とは違うが、俺的には今の方が好印象だ。

藍染元隊長の正体に気付くまでは市丸程ではないが胡散臭くて警戒していたし、妙に善人っぶたところが気に食わなかったからな。

 

「東仙元隊長も久し振りだな」

 

「……ああ」

 

挨拶をしたが東仙元隊長は雑な返事をするだけだ。

相変わらず俺にはマトモに口も聞いてくれないのか。嫌われたものだ。

そんなのはいつものことなので藍染元隊長は気にせず雑談を開始する。

 

「瀞霊廷の様子はどうかな?」

 

「報告するようなことは何もない。やっと混乱が落ち着いてきたところで、藍染元隊長に対する対策も録に進んでいないからな」

 

四席である俺には詳しい情報は降りてこないが、現在は大霊書回廊で藍染元隊長の目的について調べている段階だろう。

本当、退屈で仕方がない。崩玉が完全覚醒してないから藍染元隊長もまだ動かないし。

こうなったら無間の囚人を脱走でもさせようかな。そうしたら瀞霊廷中がパニックになって面白くなるだろう。それに無間に投獄されるような奴は化け物揃いだと聞く。一回、戦ってみたいところだ。

場合によっては尸魂界が崩壊する可能性もあるが、そんなことは俺には関係ない。

俺が退屈な世界をどうやったら変えられるか考えていると、藍染元隊長が見透かしたようなことを言ってきた。

 

「退屈だからって無間の囚人を脱走させるようなことはしないでくれよ」

 

「さすがに無間の囚人を脱走させたりはしないさ。そんなことしたら俺も死んでしまうだろ」

 

「……五年ほど前、実際に計画していた男の台詞とは思えないね」

 

心無しか藍染元隊長の目が呆れているようにも見える。

ああ、そんなこともあったな。でも本当に全員を脱走させるつもりはなかったぞ。一人だけ脱走させて戦うつもりだったんだから。

で、その後は俺の手で投獄して元通り。

まぁ、予想以上に警備が厳しくてバレずに行うのは無理だと判断して断念したんだが。もしあのまま計画を実行したら藍染元隊長の手によって止められていただろう。

 

「そんなことより藍染元隊長に一つ聞きたいことがあるんだが良いか?」

 

俺の言葉に東仙元隊長がピクッと反応する。

未遂とは言え無間の囚人を脱走させるという下手したら世界の調和を乱すような行為を反省していないどころか気にすらしていない様子が許せないのだろう。

だからと言って警戒するだけで何かをしてくる様子はないが。その理由は前に何回も俺を処分するように藍染元隊長に進言したが止められたかららしい。具体的にどんな会話があったかまでは知らないが、そんな理由で何も出来ないとは退屈な男だ。

本当に主を思うなら、主の意思に逆らってでも危険因子は排除するべきだ。

 

「いいよ。何だい?」

 

「俺を案内してくれた二人のことなんだが」

 

「ロリとメノリのことかな?」

 

ほぉ、そういう名前だったのか。どっちがどっちかは分からないが後で本人に確認すれば問題ない。

 

「そうそう。で、その二人と藍染元隊長って肉体関係はあるのか?」

 

「ぶふっ!」

 

「…………」

 

市丸がいきなり吹き出して、笑うのを必死に堪えている。そして東仙元隊長は特にリアクションはないが動揺しているように見える。

俺、何か変なことを言ったか?

だが藍染元隊長は普段と変わらず平然とした態度で返答をする。

 

「ないよ。それがどうかしたのかな?」

 

「露出の激しいミニスカートで足の綺麗なツンデレな女が俺のタイプでな。ちょっと口説こうと思ったんだよ」

 

「そうかい。でも何でそれを私に確認するのかな?」

 

「もし藍染元隊長の女だったら遠慮しようと思っただけだ。俺に他人の女を寝取る趣味はないからな」

 

「だったら好きにするといい。私には興味のない話だ」

 

予想通りとは言えアッサリと許可が降りたな。

前から思っていたけど藍染元隊長って女に興味がないのか?雛森副隊長にも手を出してなかったみたいだし。

俺が藍染元隊長の立場なら絶対に手を出しているのに。

 

「……き、君。僕の話、聞いてなかったん?ナンパなんかしたら虚閃を撃たれて終わりやで?」

 

笑いがやっと止まった市丸が俺に向かって聞く。

 

「それならもう撃たれた。本当、容赦ないな。胸を揉んだだけなのに」

 

「そりゃ撃たれても仕方ないわ。ていうか、破面やなくて死神でも攻撃されるやろ」

 

そうなんだよな。相手によっては調子に乗ったらすぐに赤火砲を撃ってくるから困ったものだ。

でも一番の問題は俺はそういうタイプに構ってしまうことだ。本当、我ながら困った性癖をしている。

それで何回、四番隊の世話になったことか。ついでに四番隊の女性隊員をナンパしていたら、いつの間にか卯ノ花隊長の指示で男が俺を治療するようになっていた。

それ以降は一回も四番隊の世話になっていない。男に治療されるぐらいなら自分でする。

 

「まぁ、確かに激しいけど、そういうのが良いんだろ」

 

「……相変わらずドMやね」

 

「……理解できない」

 

市丸が呆れたように呟いて、東仙元隊長は表情を引き攣らせている。

理解できないのは経験したことないからだ。一度、経験すれば病み付きになるぞ。戦闘とはまた違う快感を得られる。

 

「分からないこともない」

 

「「「……は?」」」

 

藍染元隊長の言葉に三人の思考がフリーズする。

……え?今、何て言った?

 




今回で前回に投稿していた分は終了です。
次回の更新は未定です。まだ書けていません。

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