十一番隊第四席の世界の楽しみ方   作:二重世界

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前に投稿していた時に比べてお気に入り数が中々増えないです。感想もこないし。
プロローグが不評だったのだろうか


第六話 昼食

「ということがあったんだよ。根拠もなく他隊の席官を疑うとか酷いと思わないか?」

 

京楽隊長に呼び出されてから数日後の休日、俺は重霊地である空座町から離れたある町のファミレスで昼食を食べながら市丸に愚痴っていた。

やっぱり現世の食事は尸魂界よりも美味しい。娯楽も現世の方が面白いし、護廷十三隊なんかやめてこっちに永住したいくらいだ。もしくは現世への駐在任務。いや、それだと血肉沸き踊る戦いが出来ないしな。……う~ん、難しいところだ。

現世でも面白い戦いが出来ればベストなんだが……。

 

ちなみに市丸はカジュアルな服装で、俺はかなりラフな格好だ。女性とのデートなら時間をかけてお洒落するが、男に会うのにお洒落をする理由はない。

それにしても市丸って意外とこういう格好が似合うな。服に興味とかあったりするのだろうか?

 

「酷いも何も実際に藍染さんと繋がってるやん」

 

「そうじゃなくてだな……俺が言いたいのは根拠もなく疑うな、ってことだよ」

 

京楽隊長とのやり取り自体は楽しかったけど、疑われているという事実には少なからずショックを受けている。俺ってそんなに怪しいのだろうか?

 

「……それに結局、伊勢副隊長は俺のことを踏んでくれなかったし」

 

「そっちが本音やないか」

 

憎々しげに呟くと市丸がステーキを食べながら普段と変わらず何を考えているのか分からない笑みを浮かべながらツッコんできた。

まぁ、市丸の言う通りなんだけど。

 

「それよりこんなところで僕と食事なんかしてていいの?尸魂界にバレたら大変なことになるで?」

 

「大丈夫だろ。この町にも担当の死神はいるが虚の出現数が極めて少ないからほとんど活動せずパチンコ三昧だし、技術開発局も警戒していないような地域だ。目立つような動きをしない限りバレるようなことはない」

 

分かりきった質問をするなよ。俺がそんな無警戒で行動するわけないだろ。

 

「でも穿界門を通って現世に来たら技術開発局に記録が残るし疑われる材料が増えるやんないの?ていうか、それ以前にどうやって穿界門を使ったん?私用に使用許可が降りると思えんし」

 

私用に使用ってダジャレか?全く面白くないんだが。

 

「護廷十三隊のじゃなくて俺の家が所有している穿界門を使ったんだよ。一応、俺の家は貴族だからな」

 

個人所有の穿界門は使っても技術開発局に記録は残らない。それに俺の家族は貴族なのに緩いところがあるので休日の度に現世に遊びに来ても何も言ってこない。

 

「ついでに言うと俺が今使っている義骸は霊子を含んでいないから捕捉される心配もない」

 

「……ん?それって確か浦原喜助が作ったヤツやなかったけ?何で君が持ってるの?」

 

さすがに今のは気になったのかナイフとフォークを止める市丸。まぁ、崩玉を作った浦原喜助と俺が繋がっているとなると藍染元隊長にとって不都合な展開だからな。……いや、市丸にとってはそっちの方が都合がいいのか?

こいつの目的もイマイチ分からないからな。

 

「前に空座町の担当だったことがあってな。その時に仕事を手伝う代わりに貰ったんだよ。担当を外れてからは一回も会ってないがな」

 

この義骸は入った死神の霊力を分解し続けて最終的にただの人間に成り下がらせるという恐ろしいものだが、休日だけに使う分には問題ない。

分解された霊力も尸魂界に戻ればすぐに復活する。

 

「ふぅーん……」

 

市丸が意味ありげに目を開くが、すぐに閉じると俺の隣に置かれている紙袋を指差す。

 

「ところで、それって何やの?」

 

「ん?これか?これはさっき買った漫画とラノベだ」

 

というか現世に来たメインの理由は市丸に会うためではなくこれを買うことだ。

 

「面白いん?」

 

「俺が戦闘と女の次にハマっている趣味だ」

 

「それ、後で僕にも貸してくれる?」

 

「俺が読んだ後でならな」

 

虚圏には娯楽の類いが全くないらしいから退屈しているのだろう。今日、来てくれたのもそれが理由らしいし。

だが、そんな理由でまだ読んでいない漫画やラノベを貸す俺ではない。

 

それにしてもよく虚圏なんかで生活できるな。

俺なら娯楽もなく女っけのないところなんて一日も耐えられないぞ。……いや、最上大虚(ヴァストローデ)は人型だし、下級大虚(ギリアン)でも破面(アランカル)化すると人型になる奴もいると聞く。……だとしたら虚圏にも美人がいる可能性がある。

 

「……なぁ、市丸。一つ聞いていいか?」

 

「……なんや?」

 

俺の雰囲気が変わったのを見て市丸も真面目な態度で応じる。

 

「……虚圏に美人な破面っているか?」

 

「何人かはおるよ。でも口説くつもりなら止めた方が良いで?」

 

「まさか美人は全員、藍染元隊長が手籠めにしてハーレム状態になっているのか?」

 

もしそうだったら藍染元隊長は俺の敵だ。ハーレムを全力で寝取ってやる!

 

「ちゃうちゃう。恋愛に興味ある奴がおらんねん。……もし口説いたりしたり容赦なく虚閃を打ち込まれるだけや」

 

言いながら市丸が気まずそうに目線を逸らす。実体験か。

物騒な話だな。落ち着いてナンパも出来ないのかよ。

 

「虚って性欲がないのか?」

 

「全くないってことはないと思うで。一般的な虚は知らんけど、破面は性行為が出来るみたいやし。子供が生まれるかまでは分からへんけどな」

 

そういや虚の子供って聞いたことがないな。そこら辺、どうなんだろうな?気になるところだ。

 

「よし。俺を虚圏に連れていってくれ」

 

「……別にええけど」

 

市丸がキョトンとした顔をしながら返事する。何か変なこと言ったか?

 

「でも意外やな」

 

「何が?」

 

「だって君、スパイとかやなくて娯楽のない虚圏に住みたくないって言うて瀞霊廷に残ったやろ?それやのに用事もないのに自分から虚圏に行きたいって言うたら意外に思うわ」

 

そういや尸魂界に残るっていた時、誰も止めてくれなかったんだよな……。東仙元隊長は性格というか信念が合わなくて仲が良くないからまだ分かるけど、藍染元隊長も「好きにすればいいよ」って言って適当な感じだったし。

止められても残る予定だったけど、それでも全く止められないというのも少し悲しい……。

 

「確かに住みたくはないけど、前から行ってはみたかったんだよ。十刃(エスパーダ)とかいう連中にも興味があるしな」

 

「戦う気かいな。それこそやめといた方が良いと思うけどな。君の実力やったら返り討ちにあって殺されて終わりや」

 

「それならそれで問題ない。戦って死ねるなら本望だ」

 

「十一番隊らしい考え方やな。僕には理解できひんわ」

 

それはそうだろう。普通は死なないために戦うもの。戦って死ぬが本望って何て言うのは異端の考え方だ。

でも俺は自分が認めた相手と最高の戦いをしながら最後まで立った状態で死にたい。それ以外では絶対に死にたくないが。

今のところ俺と戦う条件を満たしているのは更木隊長だけだ。

 

「まぁ、ええで。食事が終わって、本屋に寄ったでならな」

 

俺が読み終わるのを待つつもりはないのか。どんだけ退屈してんだよ……。

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