ご注文はうさぎです! 作:兎丸
書き上げたぜぇ!
寝てないからだったからテンションがおかしいぜぇ!
どうぞぉ!!
「いくよ!えいっ!」
手で弾かれた事によって、斜め下へと急加速していき、地面に落下してくるバレーボール。
今、俺達は学校で行われる球技大会の練習をしていた。練習というよりかは、体育の授業なのだが。
「芹沢くんっ!トス!」
味方のチームがこちらへとトスをする。
ボールの動きに合わせ、俺もネット際の方へ高くボールを上げると、それを最後にスパイクで決めようと高いジャンプを決める女生徒。
彼女の高いジャンプから繰り出されるスパイクは、誰もボールをとらえることが出来ずに地面に落下した。
半端ねぇ......。
彼女はバレー部のレギュラーらしく、エースとして活躍している。名前は如月 冬子。短く切り揃えられた黒髪に、チャーミングポイントらしき八重歯。
身長は174cmと女子にしてはやたらデカイ。スリーサイズは上から80・57・62、頭の出来はココア並み。
なぜスリーサイズを知っているかに関してはノーコメント。
「いや~!ナイストスだったよ芹沢~。お前バレーでもやってたのか~?」
綺麗にスパイクが決まって気持ち良かったのか、笑顔で近付いてくると、背中をバシバシ叩き始めた。
「いや別にやってたわけじゃ......って痛い痛い!」
強く叩きすぎだバカ野郎!
この女は手加減を知らないのか!?
絶対背中に手形出来ただろ、これ......。
「だとしたら、お前なかなか動けるんだなー。バレー部入らね?」
「なに言ってるんスか!芹沢さんは新聞部に入れるんスよ!」
「おい待てや花深、コイツはスポーツの道に生きるべきだ」
新聞部に所属する彼女の名前は、花深 由々亜。この間、屋上に呼ばれて取材だのと言われ色々聞かれたが、それ以降もしつこく付きまとってきている。本当に鬱陶しい奴だ。
二人が言い争ってる内に、また相手側からスパイクが打たれた。
そのボールに反応した俺は、先程のようにトスを上げると、反応した別の女生徒がスパイクを決めてくれる。
「ほら、集中しろ。仮にも授業なんだからよ.......」
「そうですね。それではこの話は保留としましょう如月さん」
「いいぜ。まずはキッチリ授業を受ける。話はそれからだ」
本当に何を話しているのやら......。
やるせない、そんな心持ちで次のサーブに備えて構える。
体育が終わり、俺は一足早く誰もいない教室で着替えていた。
この学園は今年から共学だということもあり、一応男子生徒用のトイレや更衣室を備え付けたらしいのだが、男子生徒が俺だけというのもあり、なんだが俺専用みたいになってる。
からして、あまり男子更衣室を使う気にはならない。そもそも使う必要がない。
女生徒がいない今の教室は貸しきり状態のようなものだ。なら、そこで着替えた方が移動の面倒も少ないと考え、ここで着替えている。
授業終了のチャイムが学園中に響いた。
ということは、次は昼休み。他の女生徒達が帰ってくる前にとっとと着替えてしまおう。
上着を脱ぎ、下も脱ごうと手をかけたときだった。
勢いよく扉が開かれる。
「ジンくん!ご飯一緒に食べ......!」
「......」
「あら、まあ......中々に締まった体をしているのね~」
開け放たれる扉の向こうには、ココアと千夜が弁当を持って、意気揚々と俺を誘いに来ていた。
暫しの沈黙、そして「カシャッ」とシャッターを切る音が鳴る。
「テメェ!ココアぁ!写真取ったな!?」
「ハッ!つい条件反射で!」
一体どんな条件が整えば、俺の裸体を収めようとシャッターを切るんだよ。いやまあ、チノの寝顔をうっかり録ってしまう俺が言うのもアレなんだが。
おっと、勘違いしないでもらいたい。
たまたま早起きした俺が、起こしてやろうとチノの部屋に入っただけで、やましい気持ちは一切ない。
と、不思議そうにこちらを凝視するココアと千夜の二人。流石に見られ過ぎると恥ずかしい。というか死にそう。あまり自分の体には自信がないからな。
「あの......少しジロジロと見過ぎでは?」
「「下は脱がないの?」」
「言っとくがそれ、セクハラだからな?」
球技大会も近い。だからと言ってバレーの練習なんて面倒な真似はしない。
というのも、メグとバトミントンの練習をする約束を取り付けているのだ。
学校が終わると、一旦ラビットハウスへ帰宅して動きやすい服装に着替える。パーカーにスエット、これは運動をするときに最適な格好だと思う。
体育館の前で待っていると、遠くからメグが手を振って走ってくるのが見える。こちらも手を振り返すと、一層笑顔を輝かせて俺の元へ辿り着く。
「すみませんジンさん、待ちましたか?」
「待ってないよ。俺も今来たところ」
俺がそう言うと、クスッと笑うメグ。
「なんだかこの会話って、デートの待ち合わせをするカップルみたいですねっ」
「デートかぁ......なんなら、このまま俺達付き合おうか?」
「ふぇっ......!?」
メグに顔を向けずに、そんな冗談を言ってみると、顔を真っ赤にして慌てふためく予想通りの反応をしていた。
「ははっ、冗談だって。メグの貴重な時間を費やしてんだから、練習にちゃんと付き合わないとな」
「も......もうっ!からかわないでくださいっ!」
膨れっ面でそっぽを向くメグ。
あ、可愛い......これは超絶可愛い。
どれくらい可愛いかと言うと、写真に納めてアルバムにしたいくらい可愛い。
そんなやり取りを二人でしながら体育館の中へと入っていく。
中は少々熱気がこもっていて、外に比べるとだいぶ温度が高い。
これは良い汗がかけそうだ。
とは言ったものの、人が多くてバトミントンをするスペースがない。これはどうしたものか。
「うわぁ......人多いですねぇ」
「そうだな、これだとバトミントンの練習がままならないぞ」
バトミントンのラケットをクルクルと回しながら辺りにやると、ギリギリ二人分運動できそうなスペースを発見。あそこなら二人でバトミントン位は出来そうだ。
「んじゃあメグ、あっちの空いてるスペースでやろうか」
「あ、ハイっ。分かりました」
俺達二人は空いているスペースに移動して、バトミントンを始めた。
バトミントンの練習を始めると、意外なことにメグは結構上手いことが分かった。
しかも、時間を重ねていくと、指導の必要が全くないくらいに上達していって、最終的には俺より上手くなったかもしれない。
しかし、問題は体力だ。
1時間は経っただろうか?
メグは息を切らして座り込んでいた。
俺も少し際どいところに打ち過ぎたせいで、メグは移動して打つ頻度が多かったと思う。
けど、少女が息を切らして疲れている光景ってなんだが興奮してくる。そう思っている俺は末期なのかもしれない。
ともあれ、息切れしているメグに近付いていく。
「メグ凄いなぁ。上達するのが本当に早い。素質あるかもな」
「ハァ......ハァ......ほ、本当ですか?嬉しいです......!」
息を整えると、ニッコリと天使のような笑顔で笑う。うん、やっぱり可愛い。
「んでも、今日はそろそろ終わりにしよう。疲れてる上に無理に練習したって良くないからな」
「あ......そ、そうですか......そう......ですよね......」
俺の言葉を聞いて、シュンっと落ち込むメグ。
もしかしてまだやりたいのだろうか?
とは言っても、メグの体に無茶をして欲しくない。彼女が何て言おうと、ここは止めさせるべきだろうな。
(もう少し、一緒に居たかったなぁ......)
「ん?何か言ったか?」
小声でメグが何かを言ったが、聞き取れずに聞き返す。
「あ!い、いえ!なにも言ってませんよ!」
今度は顔を赤くさせて、手をブンブンと振って否定する。
「お、おお、そうか?ならいいけど」
そう言えば、メグとはいつもたまたま会うだけで、連絡先とか交換してなかったな。
良い機会だし、ここで連絡を交換しておくってのもアリか。
俺はスエットの中から携帯を取り出して、
「メグ、今携帯持ってるか?」
「携帯ですか?それならリュックのポケット に......」
メグは近くに備え付けられているベンチに置いてあったバックから携帯を取り出すと、疑問符を浮かべながら戻ってくる。
「よし、んじゃあ、連絡先交換しようか」
「.....................えぇぇぇ!?」
オーバーなリアクションで驚くと、震えた声で俺に尋ねる。
「あの、その......い、いいんですか......?わ、私なんかと......」
「交換したいのは、メグだからだけど?もしかして、何かマズかったか?それならスマン......」
「ぜ、全然悪くないですよ~!こ、交換しましょう!是非!」
ずいっと俺に迫ってくるメグ。
な、なんだかいつになく必死な気がしなくもないが、断られなくて良かった。
そうして、メグとの連絡先を交換。
(これで、いつでも連絡が取り合える~!やったぁ......!)
なにやらメグが、携帯で口元を隠しながらぴょんぴょんと跳ねている。
何がそこまで彼女を上機嫌にさせているのかは知らないが、最近メグが色んな表情を見せてくれるので、こちらとしても頬が緩んでしまう。
「それじゃ、着替えて帰るか~」
「はいっ、そうしましょう!」
俺達は着替えを済ませた後、帰路について千夜の店の前で別れた。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
また、誤字脱字がありましたら報告、お願い致します!
シャロとジンの絡みがなさすぎて泣ける......!