ご注文はうさぎです! 作:兎丸
あ、いやすみません。
遅れて本当に申し訳ありません!
さってと、探すのは良いんだが、手がかりもなしにどうやって見つければいいと言うんだ。
それに、あの活発な少女と、どこで待ち合わせるかも話し合わなかった。
まあ、見つけたら保護施設にでも連れていけばいい話か。あの女の子は......放っといて大丈夫だよな。
とにかく、だ。とっとと見付けて、頼まれているおつかいを済ませなくてはならない。
とりあえず公園方面に来てみたが、ここはウサギが多すぎる。
確か特徴は真っ白だとか言っていた。この中から、そのウサギを見付けるのは藁の中から針を探し出すようなもの。せめて、大きさとか、耳の形とか、具体的な情報が欲しかった。
だがまあ、怪我をしているなら、この中から見付け出すのも不可能ではないはず。
俺は公園に集まっているウサギの中から、怪我をしているウサギを探し始めた。
一匹一匹抱き上げて確認してみる。
怪我していそうなウサギは見当たらない。
「んー......一匹狼タイプか?いや、そもそもウサギって群れたりすんのか?」
動物に詳しいわけでもない俺は、ウサギの習性が全く分からなかった。誰かウサギに詳しい人間でも居ないだろうか?
などと考えていると、近くでシャッター音が聞こえてきた。音のする方へ目を向けると、そこには見覚えのある顔。花深だった。
「奇遇っすね芹沢さん!」
奇遇だろうがなんだろうが、休みにクラスメイトと鉢合わせるのは何故だか緊張する。それに花深は私服を着ていた。初めて見る花深の私服。
う~ん......グッジョブ。
ショートパンツにタンクトップといった、季節感ブレブレのラフな格好だが、それがまたいい。
手を振りながらこちらに近付いてくる花深。
「芹沢さん、まさか休みでも制服着てるんッスか?つまんないッスね」
「余計なお世話だ」
近付いてくるなり、いきなり失礼なことかますなコイツは。
「なにウサギと戯れてるんッスか?ウサギ、好きなんスか?」
「これが戯れてる様に見えるか?ただ怪我してるウサギを見付けてほしいって頼まれたんだよ......」
「誰からッスか?」
「それは......知らない女の子から......」
「芹沢さん、ソレお人好しってレベルじゃあないッス......」
それは分かる。
だがしかし、俺だって好きで受けた訳じゃない。
かといって、無視するのもあれだと思ったから協力することにしたんだ。というか、協力せざる終えなかった。
「それで?まだ見付からないんッスよね?」
「悔しいけど、その通り」
探し初めてまだ数十分しか経っていない。
まさか、そんな短時間で見付かるはずもなく、只今苦戦中だ。
「それなら!私も手伝うッスよ!」
花深は、えっへん!とない胸を張る。
「ありがたいけど......いいのか?貴重な休みを使うことになっても」
「実は私も暇だったんスよ~。だから、この時間をより充実したものに!ってなわけで、芹沢さんに手を貸すッス!」
「んー、お前が良いなら手を借りるとするか。頼むよ、花深」
「はいッス!」
「で、手伝うんじゃなかったのか?」
俺がウサギを探している間、花深の奴はというと、
「いいッスねぇ~芹沢さん!ウサギと戯れてる無表情男子!これは売れる......!」
ウサギを探す俺の姿を激写しているだけだった。
「おいィィィ!売るってなんだよ!?」
さっきからこんなやり取りを続けている。
この様子じゃあ、きっと日が暮れてしまう。
お使いだってまだ済ませてないっていうのに。
これじゃあリゼに怒られちまう。いや、リゼだけじゃなくてチノからにだって小言をもらう羽目になる。
「にしても、全然見つからないッスね~」
「お前、写真撮ってばっかだもんな」
探していないやつがよくそんな台詞を吐けたな。
「仕方ないじゃないッスか!勝手に指がシャッターを切ってしまうんッスから!」
「どんな理屈だよ......」
ここでそんなカメラマン魂を発揮されても迷惑なだけなんだが。
そんな下らない事を続けているせいか、時間も結構経ってしまい辺りは薄暗い。いよいよ諦めるしか無さそうだな。
そう考えていた矢先、金髪を靡かせながらウサギを抱えた少女が俺に話し掛けてきた。
「ジン?こんな時間に何してるのよ?」
シャロだった。
しかも彼女の腕に抱えられているウサギは、俺達が必死に探していた怪我ウサギだ。足には包帯が巻かれている。おおかた、シャロが処置を施したのだろう。
「あぁぁーー!!そのウサギ!」
「な、なによ!?急に大声なんか出して......!」
俺の声に焦るシャロ。
おもわずウサギを落としそうになる。
「そ、ソイツ、どこで拾ったんだ?」
「えっと、家の近くでずっと震えてて可哀想だったから、保健所に連れていこうと......」
神かコイツは。
たぶん、傷口が開いて、シャロの家の近くでたまたま動けなくなったんだろう。このウサギは。
これで一件落着だな。後はコイツを動物の保護施設に届ければ終わりだ。
「ジンさんジンさん」
「ん......?」
後ろでずっと黙っていた花深が、俺の袖をクイクイと引っ張る。
「そこの美少女さんを私にも紹介してほしいッス」
「び、美少女!?」
「あー、コイツは......まあ、ただの知り合いだ」
花深の言葉にオーバーなリアクションをとるシャロを無視して、紹介をする。
そこで花深が、とんでもない言葉を口に出した。
「もしかして、彼女さんッスか?」
「ち、違うわよ!なんでワタシがこんなのと付き合わなきゃならないのよ!」
「うぉい!『こんなの』は言い過ぎなんじゃない!?」
何てやつだ。
せっかく感謝をしていたというのに、一気にコイツの評価が下がったぞ。
だがまあ......確かに俺とコイツはありえないほど釣り合わないな。
「そうなんッスか~。つまりジンさんはフリーだと?」
「悪いかよ......」
改めて言われると傷付くなちくしょう。
女子高に男一人だけでハーレム、だとか浮かれすぎてたわ......。
「まあ当たり前ッスよね」
「遠慮ねぇな、お前」
「そんなことより、早くこの子を連れていきましょ?日も暮れてきてるし」
やれやれといった様子のシャロが言う。
「それに賛成だ。さっさとコイツ連れて......って、ああーーーー!!」
「今度はなに!?」
おつかいの事をすっかり忘れていた。
ウサギを探すのに夢中になりすぎたのか。
ちくしょう!このままだとリゼのパトリオットサーブをお見舞いされちまう!
「悪い二人とも!あとの事はよろしく頼む!」
そんな俺に二人が何を言っていたのかは知らないが、俺は二人を置いて急いでおつかいへと向かった。店が閉まっていないことを祈りながら。
少し焦って書いたので短いし内容は薄いです。
すみません。
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