ご注文はうさぎです! 作:兎丸
今回はジンくんのイメージイラストを頑張って描かせてもらいました~!
下手くそな絵ですけども……
イラストは最後に!
途中で千夜と別れた俺とココアは、ラビットハウスの裏口からおのおの自分の部屋に戻り制服に着替える。
学校を出るときにはココアもいつもの様子に戻っていた。熱がないようで安心したけど、学校でのアレはなんだったんだ?
ま、これから仕事だし些細なことは気にしないようにするか。
着替えが終わって部屋を出ると、ココアが不思議そうな顔して制服のまま部屋から出てきた。
「ココア、お前制服は?」
「それがロッカーから消えてて……」
「どういうこと……?」
とりあえず二人で一階に降りていく。学校でいざこざかあったせいで少し仕事に遅れ、ココアが先にカウンターに出ていってチノに謝罪する。
「遅れてゴメン、制服がなかったんだけど……あれ?」
「あ、お帰りなさ~い」
そこには何故かコーヒーを運ぶメグの姿が。しかもココアの制服を来て。
「私の制服!もしかして私リストラ!?」
つ、ついにチノに見限られてクビになったかココア。
「おーいチノ~。このモコモコしたの可愛いなぁ。倒したら経験値とか入りそ~」
「リゼちゃん!?いつの間にこんなにちっちゃ……」
「ちっちゃ……!?」
「あれ?よく見たら違う……」
マヤまで……?一体何がどうなってる。
「リゼって、この制服の持ち主?クローゼットにこんなもの入ってたけど、その人裏の仕事も引き受けてるの?」
マヤが制服のポケットから拳銃を取り出す。
オイ、リゼ………。
「リゼちゃん大変な物置き忘れてるよ~!」
「マヤさん、ティっピー返してください!」
チノの声に反応してココアが謝る。
「あ!チノちゃん、遅れてゴメンねっ。ところで二人は……」
「私のクラスメイトです。手伝ってくれてるんですよ」
「マヤだよ~!」
「メグです~」
成る程ね。だから二人がここで仕事してるのか。
「そうなんだ。ありがとね、二人とも」
「お礼なんか良いって~。ねっ?メグ」
「楽しいし、制服も可愛いしね~」
「二人とも、スゴく似合ってるよっ!あと二色揃えば悪と戦うのも夢じゃないよっ!」
「マジで~!?私ブラックが良い!」
「私ホワイト~」
「何と戦うんですか?」
「ライバル店かな?」
「ただの営業妨害じゃないですか……」
一通りやり取りを見て、俺もカウンターに出てチノに謝罪する。
「遅れて悪いチノ」
「大丈夫です」
問題ないといった様子のチノ。優しい子で良かった。
「ジンじゃん!オッス!」
「ジンさん、こんにちは~」
俺の存在にメグとマヤが気付いて挨拶する。
「よ、二人とも」
二人に挨拶を返すと、メグが俺をジーっと凝視してくる。
何だ?何か顔にでも付いてるか?
「メグ?どうした?」
「へ?あ、いや!その!ジンさんの制服姿見るの初めてで…………その、カッコいいです!」
マヤがその様子に気付いてメグに声を掛けると、途端に顔を赤くしながら俺の制服姿を賞賛してくれる。
カッコいい……凄く良い響きだ。
俺も負けじとメグの制服姿を誉める。
「ありがと。メグもその制服似合ってて可愛いよ」
「えへへ~。ありがとうございます~!」
健気に礼を言って照れ笑いするメグ。この笑顔に汚れた俺の心が浄化されていく。
「ジン!ジン!私は?」
「まあ、似合ってるんじゃないか?」
ピョンピョン跳ねながら感想を求めるマヤに、素っ気なく感想を述べる。似合ってはいるけどメグほどじゃないな。けど青を選んだ辺りセンスがある。いかにもマヤって感じの色だ。
「って、アレ?ジンくんは二人と知り合いだったの?」
「まあなー。ちょっと縁あってさ」
そういや、昨日二人に会ったときはココア居なくなってたっけ?
「ジンくんって、目付き悪いのに結構知り合い多いよね~」
「バカにしてんのかお前」
「えっと……ココアさん?」
「あ!私のことはお姉ちゃんって呼んでね!はい、チノちゃん!お姉ちゃんって!」
「どうしてこの流れで呼んでもらえると思ったんですか」
メグの呼び掛けに目をキラキラさせながら自身の呼び名を指定するココア。手本としてチノにお姉ちゃんと呼ばせようとするが、チノは頑なにその言葉を発しようとしない。
「って、そういやチノ。コーヒー豆の在庫仕入れたんだよな?俺、整理してくるよ」
今まですっかり忘れてたけど、倉庫に新しく入荷したコーヒー豆の在庫を豆の種類別に分けなきゃならない。こういう仕事も率先してやらないとな。
「あ、いえ、無理なさらずとも大丈夫ですよ。重いし、一人じゃキツいですし」
チノは大丈夫だと言ってくれるが、後で皆でやるより俺が先に、時間ある内に片しといた方がいい。
「大丈夫大丈夫。いつかやんなきゃいけない事だし、力仕事は男の仕事だからな」
「あ、じゃあジンくん、私も手伝うよ?」
「いや、ココアは折角だし、メグとマヤの二人に仕事でも教えてやってくれよ」
「でも……」
「任せとけって」
「う、うん。無理はしちゃダメだよ?」
「ジンさん、疲れたら好きな時間に休憩してても構いませんからね?」
「了解だ」
俺は服の袖をまくりながら倉庫の方へと歩いていく。
「1日掛かってしまった」
コーヒー豆の整理につい熱中してしまい、一日使ってしまった。少し休憩をとったとは言え、流石に疲れる。カッコ付けないでココアかリゼに手伝ってもらえば良かったかも。
倉庫から店に戻ると、後片付けをしているリゼの姿しか見えない。
「あれ?リゼ、皆は?」
「ココアとチノなら買い出しに行ったぞ。手伝いに来てたチノの友達は帰ったみたいだ」
「悪いことしたな。買い出しは俺の仕事なのに」
「お前は一日中力仕事だったんだろ?ココアとチノが気にするなって伝えるよう言ってたぞ。少しは甘えろよ」
「……それもそうだな」
折角だし、ここはチノとココアの厚意にあやかるとしよう。でも、後片付けぐらいはするか。
「あ、リゼ。昨日の服、どこで買ったんだ?」
「なっ!お前気付いてたのか!?」
コイツ、アレで騙し通せたとでも思ってるのか?
流石に俺でも気付くわ。チノとココアは気付いてなかったけど……。
「まさかバレていたとは……」
「別に隠すことないだろ」
「買ったばかりの服をすぐ着たがってるっていうのも恥ずかしかったし……私にああいう女の子らしい服は似合わないと思って…………」
リゼは少し気恥ずかしそうに言った。そんな下らない事を気にしてたのかコイツは。
「買った服をすぐ着るかどうかなんて買った本人の勝手だし、あの服、お前にスゲー似合ってたぞ?」
「そ、そうか……?」
「ああ。正直、スゲー可愛かった」
「かわっ……!?」
俺の言葉に顔をリンゴみたいに真っ赤にさせて口をパクパクさせている。フッ。魚みたいで面白いな。
「堂々と恥ずかしいこと言うんじゃない!」
「ちょ、リゼ落ち……ゴえぇぁ!?」
何故かグーで腹を思いっきり殴られた。