ご注文はうさぎです! 作:兎丸
入学日を間違えて赤っ恥をかいた後、千夜が高校まで案内してくれるとのこと。
広場から歩くこと10分程度のところに、俺たちが通う高校があった。思ったほど大きい。
この大きさなら全校生徒で800は越えると思う。桜の花びらが俺の頭にのる。それを払いながら、高校生活への期待に胸を膨らます。
「ここが私たちの通う高校か~。友達と笑って、泣いて、時には喧嘩して!」
ココアも期待で胸が踊る。
俺も年甲斐なくはしゃいでしまいそうだったが、ココアと同じに見られたくないのでここは我慢。
ふと、静かな千夜に目を移すと、なにやら言いたそうな表情で学校を見ていた。どうしたのか理由を聞いてみたいが、嫌な予感がする。
「............何か含みのある顔だな千夜、何か言いたいことがあんなら言ってみろよ」
「ここ、卒業した中学校だったわ。すっかり忘れてたみたい」
「おい............」
ココアの耳には入っていないようだ。
どうすんだ。隣ではしゃいでるやつ、これからここに通おうとしてるんだぜ?高校生なのに。
しかし、黙っていたらそれはそれで面白そうだ。
俺は千夜に、人差し指を鼻の前まで持ってき「ナイショにしようぜ」のジェスチャーをする。
千夜も俺に合わせ、小さく首を縦に振ってくれた。
俺を起こさずに置いていった罰だ。慈悲はない。
「ジンくん!高校生活楽しみだね!」
「ああ......そうだな!」
俺は今日一番の、とびっきりな笑顔でそう答えた。
高校が休みな俺たちは、家にいても暇なだけなので店の手伝いをしていた。
テーブルを拭いたり、注文を受けたり、コーヒーを淹れたりとなかなかに忙しい。因みにコーヒーは俺が淹れていた。タカヒロさん直々に俺に淹れ方を教えてくれたのだ。しかし、それでもチノに比べたらまだまだ。もっと上達しなくては。
ココアは注文された飲み物や食べ物を運ぶことに専念していた。
自分がコーヒーを淹れるのは無理だと自覚しているらしい。
「ただいまです......」
カランとドアの鈴の音が鳴る。
どうやらチノが帰ってきたみたいだ。俺はさっさとテーブルを拭き終わらせる。
チノが近くにいたココアに、今日の高校はどうだったかを聞いている。ココアは、あれこれ取り繕っていたが、チノもチノで失念に高校の事を聞いてくる。
そりゃあ、今日は高校お休みでしたー、なんて恥を晒すのはごめんだ。
「なあチノ............」
「はい、なんでしょうか?」
助け船を出してくれた。
そんな表情で俺の顔をみるココア。
「今日は高校お休みでした~!」
「ジンくん!それはないよぉ!!」
共に俺たちは、隠してもしょうがなかったんで自爆した。
「ところで、チノは中学校どうだった?」
よく見ると、チノは中学校の制服姿だ。いつでも頭にティピーが乗ってると思うが、ティッピーは俺の頭の上だ。流石に学校までは連れてかないよな。それに、コイツ頭に乗せたままだと、結構バランスとるのが難しいんだな。
よくチノは平気で歩いているよな。普通に凄いと思う。
「いつも通りでしたよ。楽しかったです」
「そっか、良かったな」
当たり障りのない会話をしたあと、チノもすぐに仕事へと戻った。
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