ご注文はうさぎです! 作:兎丸
お昼頃。
俺たちラビットハウスの従業員4人は、軽くティータイムと洒落こんでいた。飲んでるのはコーヒーだけど。
「美味しい......」
「美味しいね~。チノちゃんが淹れたコーヒー飲んでから、癖になっちゃった。なんでだろうね?」
「......ココアさんは銘柄を当てられるようにしてください。それじゃただのカフェイン中毒です」
「中毒扱いされちゃった......」
「ほら、そろそろ開店の時間だぞ」
「は~い」
開店前に全てのテーブルを綺麗にしておく。
我ながら完璧なる出来だ。高級店のテーブルみたいに輝いてる。
というか、雑用は全て神がかった仕事っぷりな気がするぜ。
ふとココアが、チノと自分のカップを手にとって首を傾げる。
「ラビットハウスのカップってシンプルだよね」
「シンプルイズベストです」
「もっと色んなものがあったら皆たのしいよっ。この前、おもしろいカップを見つけたんだ~。皆で買いに行かない?」
「へぇ~。どんな?」
「えっとね......ロウソクの火が揺れて良い匂いがするの」
「それ、アロマキャンドルじゃないか......?」
ココアはアロマキャンドルとカップの見分けもつかないのか。残念な奴だ。
というわけで、俺達は今、カップが売ってある店へと来ていた。色々と見ながらはしゃぐココアに不安を覚える。
それは俺だけじゃなく、リゼとチノもあの表情を見る限り一緒だろうな。
「あんまはしゃぐなー」
そうリゼが言った途端だった。
足をつまずかせ、商品が飾ってある棚に頭を激突させ、棚の上の写真飾りが落ちてくる。
((予想を裏切らない!!))
リゼがココアを支え、チノが落ちてきた写真飾りをキャッチ。良い連携だ。
流石は長いこと一緒にバイトしてきた二人だ。だてに働いてる訳じゃないんだな。
「えっへへ......ごめんね~」
ぶつけた頭を擦りながら二人に謝罪するココア。
そしてすぐさまチノがキャッチした写真に食い付く。
カップに入った小さいウサギが写っている写真だ。
「可愛い~、ティッピーもカップに入ったら注目度アップだよ!」
「ティッピーが入れるほど大きなカップはないだろ?」
確かに。この写真のウサギは小さいから入れるけど、ティッピーのサイズじゃあ入れるカップなんて......
「ありました......」
「............あるんかい」
チノが両手でやっと持てる程の大きさのカップだ。こんなのなんで売ってるんだ?
というか、このカップに使い道なんてあるのか?
疑問は残るものの、とりあえずカップにティッピーを入れるチノ。
四人で見てみるが、すごい違和感を感じる。
「............なんか違うね?」
「ごはんにしか見えないです......」
「いや、逆にご飯って言われてしっくりきた」
ティッピーをカップから出して、改めて四人で良いカップを探していると、ココアと金髪のセミロングの少女と手が触れ合う。
よく少女漫画とかである展開だな。
「こんなシチュエーション漫画で見たことあります」
「よく恋愛に発展するよな」
「いや......男と女ならまだしも、あれ同姓だから」
ココアはココアでなんか相手を意識してるし。
「なんか意識されてる......!?」
リゼが知り合いだったようで声を掛けた。
「あれ、シャロじゃん」
「り、リゼ先輩!?どうしてここに......?」
「お二人は知り合いなんですか?」
「シャロは高校の後輩だよ。ココアとジンと同い年」
「「え?」」
今すごく衝撃的なこと聞いたんだけど。
まさかな?そんなまさかな。
「リゼちゃんって年上なの?」
「今さら!?」
「え!そうなのかよ!?」
俺は、今日始めて彼女が年上であることを知らされた。いやいや、何で教えてくれなかったんだよ......チノ。
チノに視線を送る。
「面白そうだったので黙っておきました」
「うぉぉい!せめて俺だけには教えて!ココアはいいから!」
「なんで私だけ!?」
金髪の少女が、俺達二人の会話を変な人って感じの目で見てる。
やめて。ココアと一緒にしないで。
「先輩はなんでここに?」
「バイトの喫茶店で使うカップを買いに来たんだよ。シャロは買ったのか?」
「いえ、私は見てるだけで十分なので」
「見てるだけ?」
リゼが首を傾げ聞き返す。
金髪の少女が一つのシルクを手に取り、恍惚とした表情で眺めている。
「それは変わった趣味ですな~」
「おまえが言う......?」
ここまで読んで頂いてありがとうございます!
やっとシャロまでこれましたよ......誤字、脱字ありましたらご報告お願いします!