「皆続け、どこから来たかもわからないよそ者にだけ良いところ取らせんなっ!!」
「「「おおおおおっ!!!」」」
金髪の少女の言葉を聞いて立ち上がった人びとは雄たけびを上げながら武器を構え、竜の群れと戦っている悠馬たちと共に戦っている。
その中に、金髪の少女が手に持っている旗を槍を振るうかのようにして、戦っていた。
(あの子、さっき話を聞いてたけど神を主って言ってたりあの修道服にも似たあの服装を着てるってことは宗教の人間か?)
龍の群れと戦う中悠馬は考える、怯える人々を奮い立たせて共に戦おうとする金髪の少女のことを。
雰囲気や言動が明らかに普通の人間のそれとは異なっており、まるで神に祈りを捧げるかのようなものだった。
しかし、今は目の前にいる竜の群れを倒すことに専念しようとした。
(くそ、考えるよりもこいつらをどうにかしないと!)
悠馬は埒が埒が明かないと思い、カードケースからカードを取り出しバックルに挿入する。
『ATTACK RIDE BLAST!!』
そして、悠馬は勢いよく飛び上がりカードケースを銃形態にし、分身で増やしてぶっぱなす。
「グオオオオオ!?」
竜の群れの大半がハチの巣になり撃破し、残り僅かになった竜を一気に畳みかけるようにマシュやヨシヒコ、ダンジョー、そして金髪の少女と一緒に立ち上がった人びとがとどめを刺し全滅させることができた。
「戦闘終了。
先輩、何とかなりましたね」
「あぁ、なんとかな。
それにさっきのあの子、なんだか妙な気配を感じるけど、大勢の人を率いて一緒に戦ってくれたんだ。
礼を言わないと」
戦闘を終えて、悠馬は金髪の少女の元へ礼を言おうと近づいたがその時、一人の男がその金髪の少女の顔を見た途端、急に怯えた表情になった。
「お、おい!?
何であなたが、いやお前がここにいるんだ!?」
「え?」
つい先ほどまで一緒に戦っていた男が怯えたままその名を叫ぶ。
「りゅ、『竜の魔女』 ジャンヌ・ダルク!!
さては、俺たちを味方につけてだましたうえで殺す気だな!!」
「っ!!」
ジャンヌと呼ばれた少女は男の言葉を聞いて悲しそうな顔をしたまま黙っている。
しかし、ジャンヌが黙っている間に大勢の人々がジャンヌを見て罵倒する。
「ほ、本当だ!!
『竜の魔女』がここにいるぞ!」
「俺たちを竜と戦わせて食い殺させる気だったんだ!」
「この、聖女の皮を被った魔女めっ!!」
「消え失せろ魔女!」
「お前さえいなければみんなが竜に襲われることなんてなかったんだ!!」
「そうだ、この偽善者が!!」
「・・・・」
ジャンヌは大勢の罵倒に言い返すこともせずただそれに耐えるように耐えていた。
しかし、その目にはわずかながら、恐怖で埋め尽くされようとしていた。
「おい待てよ、そんなにいう必要ないだろ!!」
大勢を前にだだ黙っているしかなかったジャンヌを見かねて悠馬が間に割り込む。
「大体なんなんだ、ついさっきまでこの子がお前ら連れて戦ってたって言うのに、いざ終われば急に竜の魔女ってどういうことだよッ!!」
「黙れ、部外者が!
その女が竜を率いて俺たちフランスの住人を襲い掛かってきたんだ!
その女のせいで、一体どれだけ死人出たと思ってんだよ!」
「そうだ、さっきは戦いでわからなかったが、今顔を見てみたら間違いなくその女は、『竜の魔女』 ジャンヌ・ダルクだったんだよ!」
「ふざけんな!
俺たちには、どんな事情があるか知らないからあまり言えた義理じゃないが、この子がいたからお前らは立ち上がって来たんだろうがッ!!」
「騙されては行けませんよ、マスター!」
悠馬と人々は口論している中、ムラサキたちと一緒に駆けつけてきたヨシヒコが剣を構えながら叫ぶ。
「ヨシヒコ!?
お前まで何言ってるんだよ!」
「マスター、勇者である私にはその小娘は魔女だということははっきりとわかります!
なぜなら・・・」
「なんだよ?」
ヨシヒコが言葉を途中でまるで溜めるかのように止め、すぐに叫ぶ。
「なぜなら、その小娘の胸に、凶悪すぎるメロンが2つあるからですッ!!」
「「「・・・は?」」」
「へっ・・・?」
あまりにも予想外かつ変態なことを言うヨシヒコに対し、今までの怒りとかなんだとか、そんなことが一瞬で冷めてしまい女性であるマシュとムラサキとジャンヌが顔を赤くするがそれでもヨシヒコは言い続ける。
「なぜ黙っているのですか?
ま、まさか皆さんもこの魔女のメロンに魅了されているのですか!?
ええい、おのれ魔女め!
今こそそのメロンを使えないようにしてくれる!」
「えっ、えっと・・・あの・・・」
ジャンヌはさっきから胸のことを言われて顔がトマトみたいに真っ赤になりながら問いかけようとする。
「ハアハア、私は勇者だ・・・貴様のメロンには決して屈してなるものか!!」
ヨシヒコは必死で自分に言い聞かせるように言っているが鼻から若干の鼻血が出ていて、顔もにやついている。
いくら取り繕っていても、もはや変態の戯言にしか周りには聞こえていなかった。
「さっきから胸のことでうっせんだよっ!!」
それに見かねたのか、ムラサキがヨシヒコの元へ駆け寄り、ヨシヒコの腰に目掛けて飛び蹴りをする。
「ぐはっ!?
な、何をするんだムラサキ!
私は今すぐこの魔女を倒さねばならないのだ!」
「お前には私がいるだろ!?
なんでその女見てにやけてんだよ!!」
「お前では無理だ!
自分の胸をよく見てみるんだ!!」
「なっ!?」
「ふっ、そういうことだなムネタイラ」
「ハ、ハア!?
てめえの眼が節穴なだけじぇねえかこのホクロ!
私はちゃんとあるんだよ胸が!!」
「おお・・・魔女っていうには中々美人な子じゃねえかそこの金髪の。
どうだい、ここは俺とやりあってみねえか?」
「え、えと・・・あの、その・・・」
ヨシヒコは変態発言、メレブとムラサキは胸のことで喧嘩、ダンジョーはどさくさに紛れて(おそらくは決闘だろうが)ジャンヌを口説こうとしている。
「おい、何だよこのカオスな状態は・・・」
「先輩、後でヨシヒコさんを殴ってもいいですか・・・?」
「どっちでも良いよ・・・。
とにかく止めに入ろうか」
とりあえずこのままの状況にしてもらちが明かないので悠馬とマシュはヨシヒコたちとジャンヌを引き連れ街の外へと出ていった。
「それで、お前は本当にジャンヌ・ダルクなのか?」
「は、はい・・・。
サーヴァント ルーラー ジャンヌダルクです・・・。
その、さっきはありがとうございました」
悠馬たちは街の外にある森の中に入っている。
ジャンヌは先ほどの罵倒や変態発言の後なのか、少しだけ暗い表情というか真っ赤な表情というか、そんな感じの複雑な状態になっていた。
ちなみに、変態発言したヨシヒコは少し離れた場所でマシュやムラサキに芝き倒されている。
「良いよ、別に。
ところでさっきの竜の大群といい『竜の魔女』といいどういうことだ?
この時代じゃあ一体何が起きているんだ?」
「そ、そうですね。
私も数時間前にこの時代に限界しましたので、どこから説明しましょうか・・・。
実はこの時代ではもう一人の私が召喚されいるようで、そのもう一人の私がフランス王シャルル7世を殺し、オルレアンで大虐殺を行っているようなのです」
「もう一人のジャンヌ?」
『すまない、それはこちらも聞かせてもらえないかな?』
「ドクターロマン?」
悠馬はドクターロマンの声が聞こえたので懐から通信機を取り出す。
「あの、そちらは?」
『ああ、申し訳ない聖女ジャンヌ・ダルク。
僕はロマニ・アーキマン、ロマンって呼ばれています」
「まあ、ロマンって言うんですね!
となると、貴方は夢見がちな人なのですね!」
「・・・別にそこまで夢見がちじゃないです」
こうしてドクターロマンも話に加わり、ジャンヌは今の時代では何が起きているのかを話す。