今回は四話の修正をさせていただきます。
いきなりの修正ですみませんでした。
それでは始まります。
キャスター、クー・フーリンと一時的に契約した悠馬はマシュ、フォウ、そしてオルガマリー所長とともに聖杯のある場所に向かう途中の洞窟で休憩をしていた。
「ドクター、聖杯までの距離はあとどれくらいですか?」
『かなり近いよ。おそらくその洞窟を抜けたところに聖杯はあるよ。』
「じゃあ、もう目の前にあるじゃない!早いところこの洞窟を抜けましょ!」
「・・・。」
「ああ、そうだな。・・・?おい坊主、どうしたんだ。顔を下に向けて、なんか考えごとか?」
クー・フーリンは何も言わず下を向いていた悠馬に声を掛ける。その声に悠馬ははっと我に返って顔を上げる。
「・・・!ごめん、さっきのことでちょっと考えごとをしてて・・・。」
「さっきのシャドウサーヴァントとの戦闘か?確かにお前、アサシンに人質として捕まってたけど、そんなこと気にすることねえよ。」
「ああ、そのアサシンに人質に捕まってた時のことだよ。俺、マスターだけど元々は魔術師でもない一般人なんだ。普通ならあんなことになったら自分の命の欲しさに助けを求めようとするのに、不思議と怖くなかったんだ・・・。」
「ふーん・・・。まるで今までそういう経験があったみたいな言い方だな。」
クー・フーリンはまるで見透かしているかのように悠馬の眼を見る。悠馬には心当たりがないのに今まで命を狙われたことがあるような気がしていた。それはいつからなのか、悠馬にもわからないが。
「ああ、なんでそう思ったのかわからないけど、あの時俺が殺されそうになった時にマシュも殺されるのは不甲斐ないって思って自分を置いて逃げるように言ったんだ・・・。」
「ずいぶん肝が据わったもんだぜ。・・・おい、だれか来るぞっ!」
クー・フーリンが気配を察知したのか、悠馬たちに言う。そして言ったとおりに洞窟の奥から何者かが現れた。
「やれやれ、聖杯の近くに何者かが近づいているのを察知して来てみれば貴様らか・・・。」
ややあきれ気味に言いながらやってきた男は全身が黒い靄に覆われていたが意志疎通が取れそうなシャドウサーヴァントだった。しかし、クー・フーリンは気にくわないかのように言う。
「けっ!黒くなってもやっぱりてめえかよ、アーチャー!」
「知り合いなのか!?」
「ああ、聖杯戦争でも戦ったやつだが目的のためなら手段を選ばねえやつだ。」
「私は勝算の高い方を選んでいるだけだ。まぁ、かつてマスターを裏切ったことはは本当だがな。だが、今の私はそうも言ってられないんだ。ここから先にある聖杯を守る門番を任されている身だ。」
「じゃあ、聖杯のある場所に向かうにはお前と戦わないといけないっていうのか!?」
「話のわかるマスターじゃないか。・・・私もできればこの道を退きたいが体が言うことを聞かないんだ、だからここは戦うしかあるまい。」
そう言ってアーチャーは両手から剣を出現させ戦闘体勢に入る。
「来るぞ!坊主、嬢ちゃん、さっさと構えろ!」
「わかった!所長、フォウさんと一緒に後ろの物陰にでも隠れていてください!」
「わかったわ!」
「フォーウ!」
所長がフォウと一緒に下がったことを確認してマシュも盾を構える。
「行きます、先輩!」
「ああ、クー・フーリンと一緒にアーチャーを倒すぞ!」
「準備ができたみたいだな。では、行くぞ!!」
アーチャーは相手が構えたところを確認してから突っ込む。
「マシュ!あの二つの剣を弾きかえせ!」
「はいっ!」
マシュは悠真の前に立ち、アーチャーの攻撃を防ぎ、そのまま回転しアーチャーの剣を弾き飛ばす。そしてそのままアーチャーの後ろの地面に突き刺さる。
「そのまま焼き尽くしてやるぜ、アンサズ!」
アーチャーが丸腰になったのを確認したクー・フーリンは炎を吹き出す。
「フッ、いきなり剣を弾き飛ばしその上追い打ちをかけるか。だが・・・。」
アーチャーはほくそ笑んだ瞬間、両手からまた剣が出現し、片方の剣をクー・フーリンに投げ飛ばし怯ませる。
「ぐっ!」
「クー・フーリンさんっ!」
「他人に気を回せる余裕があるのかね?」
アーチャーがよそ見していたマシュの盾を剣で弾き返し、胴体を蹴り飛ばす。
「がはっ!!」
「マシュ!」
「さて、二人が戻ってくる前に仕留めさせてもらうぞ、マスター!」
「くっ!」
アーチャーがもう片方の剣で悠馬に斬りかかる。悠馬はそれを避けて体制を立て直す。そしてアーチャーは悠馬の頭部目掛けて剣を振り下ろす。
「はっ!」
「何っ!?」
悠馬はアーチャーの剣の刃先を頭部に当たる直前で白羽どりをする。
「驚いたな、まさかサーヴァントでもない人間が私の剣を白羽どりで受け止めるとはな・・・。」
「褒めているつもりなら、少し場違いじゃないのか、よっ!!」
悠馬はアーチャーの胴体を蹴り飛ばす。アーチャーは体制を立て直し、悠馬をにらみつける。それも何か見通したかのよう眼で、だ。
「魔術師としては未熟みたいだが、まるで今のような状況には慣れているみたいな目つきだな・・・。」
「・・・!?悪いけど心当たりはないんだよ!」
「そうか、ならばなぜ私の剣を素手で受け止めた?明らかに素人の動きではなかったぞ?」
「・・・!?」
悠馬は何も言い返せなかった。確かにアーチャーの言う通り、普通の人間はサーヴァントの攻撃を凌げるわけがない。でも悠馬には攻撃を凌げた。まるで『今まで命を狙われたことがある』みたいに、だ。でも悠馬にはわからなかった。それはなんなのかを。
「・・・・・・・。」
「・・・そうか。本当にわからないのか・・・。なら、ここで消えてもらうっ!」
アーチャーは再び両手に剣を出現さて悠馬に突っ込む。しかし、その直後にマシュが盾を突き出しアーチャーを吹っ飛ばす。そのおかげで悠馬はアーチャーとの距離を離すことができた。
「大丈夫ですか、先輩!」
「おいおい、ずいぶんと思い詰めた顔をしてんじゃねえか坊主。」
「マシュ、クー・フーリン・・・?」
マシュとクー・フーリンの存在に気づいて悠馬は我に返る。マシュが悠馬の顔を見て無事の確認し、クー・フーリンはまるで何か察したように言った。
「おおかたヤツにもさっきの俺と似たようなことを言われたんだろう?だが、今は戦闘中だからあまり気にするな。」
「あぁ、ごめん。そうだな、今は戦いに集中しないと・・・。」
そう言って悠馬はアーチャーを睨み付ける。
「悪いなアーチャー。俺には本当に心当たりがないんだ。でも、それはこれからみんなと一緒に探すつもりだ!」
確かに悠馬には今までに狙われた記憶がない。でも、悠馬のやることは変わらない。この時代の聖杯の原因を取り除き、オルガマリー所長やマシュ、そしてフォウと一緒にカルデアに帰還することだった。アサシンに人質にとられたときは自分のことはいいと言ったが、今になってそれこそマシュやみんなにも不甲斐ないと思った。だから、ここでまだ死ぬことはできないと思った。
「フッ、目の前の脅威に対してそう言うか。ならば、その考えを持ったまま溺死しろっ!!」
アーチャーの両手から剣が消失し、代わりに弓と一振りの螺旋状の剣が出現する。そして弓にその剣を取り付け矢のように引き伸ばしていく。
「おいおい、マジかよ・・・!?」
「マシュ!!なんとか防げるか?」
「はい!何としてでもあの攻撃を防いでみせます!!」
マシュが悠馬とクー・フーリンの前に立ち、盾を構える。
「穿て!『
アーチャーの放った矢はすさまじい速度でマシュに迫る。しかし、マシュはあきらめなかった。マスターである悠馬を守るため、カルデアを守るためにも負けるわけにはいかなかったからだ。その思いがマシュの盾に変化を起こし、光り出した。マシュはそれが何を意味しているのかをすぐに理解し、そのまま盾を突き出し叫ぶ。
「絶対に守り切ってみせる・・・!『
マシュの盾から巨大な結界が展開され、それがアーチャーの矢と激突する。激しい余波が発生したがすぐにおさまり矢は消滅する。
「何っ!?」
「先輩!今です!」
「マシュ、よく頑張ってくれた!クー・フーリン、反撃をっ!!」
「ああ、とっておきをくれてやるぜ!!『
クー・フーリンが杖を振り上げたと同時に燃え上がる巨大な藁人形が召喚され、そのままアーチャーに迫っていく。しかし、アーチャーはもはや敵わないと考えたのか無抵抗のままウィッカーマンに焼き尽くされた。
「ぐはっ!!なるほど、その娘にはそんな宝具があったとは予想外だったな・・・。」
アーチャーは所々やけどを負い、もはや立っているので精一杯の状態だった。自分の敗北を悟ったアーチャーはこう言った。
「私は見ての通りこの有様だ。もう負けを認める以外はどうしようもない。お望み通り、道を行くがいいさ。」
「ああ、言われずともそのつもりだぜ。てめえはさっさと消えてな。」
「ふっ、私だってそのつもりだ。だが、この奥にいるものには気を付けろ。私のようにはいかないかもしれないからな・・・。」
「待ってくれアーチャーっ!それは一体どういう・・・!?」
悠馬が言い切る前にアーチャーは消滅した。
「ちっ、最後は焦らして消えやがったか。だが、それでもやることは変わらないんだろ、坊主?」
「ああ、この奥に聖杯があるなら行かないと・・・!!」
こうして、決意を新たにした悠馬たちはオルガマリー所長たちと合流し、洞窟の奥に進むことにした。
しかし、アーチャーが最後に言っていたものが一体どれほど強力なものかはこの時は知る由もなかった。
いかがでしたか?
次回から騎士王との戦闘、そして主人公がディケイドに変身します。
次回をお楽しみ下さい。
それと、よかったら感想をお願いします。