今回は自身の怠慢で投稿が大幅に遅れてしまったことをお詫び申し上げます。
次回はこのようなことにならないよう早期に投稿できるよう心がけようと考えています。
では始まります。
悠馬とマシュは騎士王を倒すことができた。
「はあ、はあ・・・。」
悠馬は先ほど騎士王に与えた攻撃の反動か、その場で膝をつき、変身が解け元のカルデアの制服姿に戻る。
「先輩!!大丈夫ですか!?」
マシュは悠馬のもとに駆け寄り、悠馬の体を支える。
「ああ、大丈夫だ・・・。少し疲れただけだ・・・。」
悠馬の顔から疲れの表情が見て取れたが本当に息を切らしているようだった。
「そうですか・・・。それにしても先輩、すごかったですよ!まさかサーヴァントと渡り合うなんて!!」
「あ、ああ・・・。」
マシュが目を輝かせて言うので、悠馬が少しよろめく。
すると、遠くからクー・フーリンたちがボロボロになりながらやって来た。
「おう、その様子だとあの騎士王に勝ったみてえだな。」
「悠馬、マシュ、無事なのっ!?」
「フォー、フォーウ!!」
「所長、フォウさん、クー・フーリンさんも無事だったんですね!!」
オルガマリー所長とフォウの無事を確認したマシュは安堵する。
そして、クー・フーリンは悠馬の肩を持ち笑いながら言う。
「こいつはたまげたぜ坊主!まさかバックルとカードケースで変身して戦うなんてなっ!!」
「ああ、そうだな・・・。でも、そっちも無事で何よりだなクー・フーリン。」
「まあな、流石にあの大軍を相手にあいつらを守りながら戦うのは骨が折れたぜ・・・。」
そうして悠馬たちが話をしている時に悠馬に倒されたはずの騎士王がフラフラとよろめきながら起き上がる。
「くっ・・・っ!」
「っ・・・!!?」
騎士王が起き上がったことに驚愕した悠馬たちは警戒する。
しかし、騎士王の眼には闘争の意思はなかった。
「この私としたことが、執着を捨てたはずなのに最後の最後で剣を鈍らせたか・・・。結局、私一人では結末を変えられないということか・・・。」
「どういうことだ?」
「おいお前、何か知ってるみてえな言い方だな!!」
騎士王がなにか意味深なことを言うので悠馬とクー・フーリンは声を荒げる。
しかし、騎士王は落ち着いた表情で言った。
「いずれあなた方は知るでしょう、アイルランドの光の御子、そして不思議な力を持つマスター。人理修正、
騎士王をそう言うとともに消滅した。
するとそれと同時に騎士王が消滅した場所から光る水晶体のようなものが出現した。
そして水晶体のようなものが出現すると同時にクー・フーリンの体が光り出した。
「っ!?クー・フーリン、お前・・・!?」
「ちっ、まだ聞き終えてねえのに勝手に消えやがったぜ・・・!まあ、とにかくこれで終わりか。」
狼狽える悠馬にクー・フーリンは落ち着いた様子で言う。
「気にすんなよ坊主。俺はサーヴァントだから、あの水晶体が出現したことで役目が終わって消滅するだけだ。」
「じゃあな、坊主に嬢ちゃん、もし俺を召喚する機会があったらランサーとして召喚してくれよな!」
そう言った瞬間、クー・フーリンは消滅した。
「キャスター クー・フーリンの消滅を確認しました。所長?」
マシュがクー・フーリンの消滅を報告した時にオルガマリー所長が何か考えている表情だった。まるで、今回の事件に何か裏があるのではと思うような表情で。
「
「あの、所長・・・?どうかされましたか?」
マシュは様子がおかしいオルガマリー所長を不審に思い声をかける。
「ハッ!?い、いえ何ともないわ・・・。とにかく今回の任務は成功です。マシュ、速やかに聖杯の回収を。それと悠馬、後でそのベルトと先ほどの姿についての報告を頂戴。」
「え?あ、はい、わかりました。」
「了解です。それでは聖杯の回収を・・・。」
マシュが水晶体の聖杯を回収しようとしたその時、一人の男が現れる。
「いやぁ、実に予想外なものを見せてもらったよ。」
「「「!!?」」」
男が声をかけてきたことに驚き三人は男の方に顔を向ける。その男はコート身に纏い杖をつきシルクハットを被った紳士のような姿だった。三人はこの男に見覚えがあった。
「せ、先輩!?あの人は!?」
「あぁ、間違いない。あの人は・・・。」
「レフ・・・?レフなの!?」
『ええ!!?ちょっと待って、レフがそこにいるのかい!?』
レフ・ライノール、カルデアの研究者でシバの開発者であった。
「色々言いたいけどまさか悠馬君がマスターになっただけでなくその力を使うとは思いもよらなかったよ?」
「っ!?その力ってまさかこのベルトになっているバックルとカードケースのことを言っているのか、あんたは?」
悠馬はレフがベルトのことを知っているかのような口振りに驚く。悠馬もこの時代に来て初めて手に入れた力でまだ謎だらけで調べなくてはいけないものをレフが知っているのだ。
「そうだよ?48番目のマスターと言っても何もできない子供だから見逃していたというのに、マシュをサーヴァントとして契約して、この時代にレイシフトしただけでなくそんな力を使ってあの騎士王と渡り合っていたのだだからねえ。全く、私の許容範囲も寛容も越えてしまっているよ。」
レフは呆れた様子で首を降る。
『レフ、やはりそこにいるのかい!?』
「おや?さっきから声がすると思ったらロマニじゃないか。あれほど管制室に来るようにと言ったのに・・・。」
レフはドクターロマンがカルデアから通信を入れていることを知るや否や、次第に悪意の籠った口調になり目を見開く。
「どうして、人間はクズの癖にこうも吐き気をするほど自分の運命に抗いたがるのかねぇ・・・?」
レフの豹変を目の当たりにし、悠馬はあることを察した。
「レフ教授、あんたまさか、あのカルデアの爆発を!?」
「そうさ!あの爆発は私が起こしたものさ、レイシフトの事故に見せかけてね!」
「そんな・・・!?」
悠馬はレフから告げられたことに狼狽えるがあることに気づいた。
「っ!?所長!?オルガマリー所長、どこですか!!」
「先輩!あそこです!!」
悠馬は先ほどまで近くにいたオルガマリー所長がいなくなったことに気づき、マシュはオルガマリー所長がいる場所に指を指す。オルガマリー所長はレフの異変に気づかないのか、覚束ない様子でレフに歩み寄っていた。
「行ってはいきません、所長!!」
悠馬の制止を無視し、オルガマリー所長はレフに近づく。
「あぁレフ・・・、あなたも無事だったのね。」
「やあ、マリー。まさか君もこの時代にレイシフトして来ていたとはね。」
「ええそうよ。いきなりカルデアは爆発するこんな危険な時代にレイシフトするしで、もう何もかもが予想外なのよ・・・。でも、レフならまた助けてくれるのよね・・・。」
オルガマリー所長はすがるようにレフに問いかける。まるで、依存していると思えるような様子で。
「あぁ、確かに予想外なことがいっぱいだったね。でも、その中で一番予想外なのは君は既に死んでるはずなのにこの時代にレイシフトして来ていることだよ、マリー?」
「え・・・?じょ、冗談は止してよレフ?」
レフに言われてオルガマリー所長は何を言っているのかわからないと言わんばかりに混乱した表情になる。
「いいや、本当さ。あの爆発の時に、君の足元に爆弾を仕掛けたのだからね。」
「ウソでしょ、そんな・・・。」
オルガマリー所長は絶望した表情で崩れ落ちる。
「どうやらトリスメギトスはご丁寧にも肉体を失った君の残留思念を拾い上げてこの時代にレイシフトさせたみたいだね。生きていた時はマスターの資格が無くてレイシフトができなかったのにね。」
「えっ?」
オルガマリー所長は驚く。確かにマスターの資格が無くてレイシフトはできなかった。しかしレフに言われて気づいた。何で自分はレイシフトできたのかを。そして肉体の無い自分がカルデアに戻ったら一体どうなるのかを。
「その表情だと、今の自分がカルデアに帰ったらどうなるのかって今頃気づいたみたいだね?」
「先輩、一体どういうことですか?」
いまいち状況についていけていないマシュは悠馬に聞く。
「おそらく、消滅するってことだと思う・・・。肉体があればなんとかなったけど、オルガマリー所長は肉体がもう無いからカルデアに戻ったら消滅してしまうってことなんだ・・・。」
「そんな、じゃあ!」
「あぁ、だから俺たちはそれを止めないといけないんだ!!」
悠馬は怒りの表情を浮かべながらカードケースからカードを取り出す。そのカードには先ほど変身したピンクを中心に黒のラインが入った鎧を纏った戦士が描かれていた。そしてバックルに挿入しようとしたその時にレフが悠馬に手を翳す。
「おっと、君たちはそこでおとなしくしてくれたまえよ?」
レフが手を翳した瞬間、悠馬とマシュはまるで見えない縄に縛られたように体の自由を奪われてしまう。
「なっ!?」
「くっ!!」
「悠馬、マシュ!!」
「ふん・・・。さて、マリー。特別に私から今のカルデアがどうなっているのかを見せてあげるよ。」
「えっ!?」
レフはそう言った瞬間指を鳴らし空間をゆがませる。そこにある風景は間違いなくカルデアの管制室だった。そして、その中央にある巨大な球体が人類史を観測するための装置カルデアスがある。しかし、カルデアスはまるで燃えているように赤く染まっていた。
「カ、カルデアスが・・・!」
「ハハハハ、どうだいアニスムスフィアの末裔よ!今回も君たちの不甲斐なさが生んだ結果がこれだ!人類の未来を救うと言って大きながら、人類史を焼却させたのだからねぇ!!」
赤く染まってしまったカルデアスを見て呆然としているオルガマリー所長に追い打ちをかけるように見下しながら罵倒する。
「な、何で・・・?どうしてこんな・・・?」
「こんなはずじゃなかったとでも言いたいのかい?まあいいさ、せめて私からの慈悲だ。最期はあのカルデアスに触れてくると良いさ・・・。」
「っ!?」
レフが言ったことにオルガマリー所長は恐怖を感じた。なぜならカルデアスは人類史を観測するためのものであり、その情報量は明らかに別次元のものとなっている。それゆえカルデアスの内部はブラックホールのように渦巻いているためそれに入るということは何を意味するのかを理解した。しかし、理解したとしても遅かった。今のオルガマリー所長は肉体を失い残留思念だけでその存在で、今まさにカルデアスに触れようと勝手に宙に浮いていた。
「待って、やめて!なんで私ばっかりがこうなるのよ!!私は誰にもまだ褒められていない!誰にも認められていないのよ!」
「所長!!」
「やめろ!レフ教授!!」
身動きの取れない悠馬とマシュは体を動かそうとしながら叫ぶ。しかし、もうオルガマリー所長はカルデアスに触れようとしていた。悠馬とマシュに向けて手を伸ばしながらオルガマリー所長は叫ぶ。
「なんで、なんで私ばっかりこんな目に遭わなきゃいけないのよ・・・!私は・・・ただ・・・誰からも認めてほしかっただけなのに・・・!!」
その言葉を最後にオルガマリー所長はカルデアスの内部に入り、消滅してしまった。レフはそれを確認した後、まるで満足したかのように再び指を鳴らし、空間を元に戻す。
「あんた、どうしてあんなこと・・・!!」
悠馬は怒りのこもった口調でレフに問いかける。レフはそれに対して何気ない様子で問い返す。
「なに、彼女を前から疎ましく感じていただけさ。ことあるごとに私に頼ってばかりだったしね。」
そう言って悠馬とマシュを見下ろす。まるで、虫を見るような冷たい目だった。
「さて、今世紀最後の魔術師よ。改めて自己紹介しよう。私の名はレフ・ライノール・フラウロスだ。君たち人類の処理のために使いに出されたものだ。そしてもうカルデアは用済みだ。カルデアスが赤く染まってしまったのだからね。」
『レフ、まさかそれは!?』
「そうだよ、人類の生存を表す青じゃなくて消失を表す赤に染まっていたのだから人類史は焼却されているのだよ!」
『そんな!!』
レフがそう言った瞬間、聖杯があった洞窟が、時代が揺れ始めた。
「おっと、そろそろ崩壊の時間か。・・・全く騎士王め、おとなしく従ってれば生き残らせてやったのに。」
「おい、待てよレフ教授!!」
「へえ?縛られているのにまだそんなに元気があるんだ?まあいいさ、私が消えた後に縛りが消えるようにしてあるからそのままこの時代とともに消えると良いさ。」
レフはそういうと姿を消し、悠馬とマシュの縛りが消えた。
「・・・先輩、大丈夫ですか?」
「ああ大丈夫だが所長が・・・。」
「今はそれどころではありません!ドクターロマン、至急カルデアへの帰投をお願いします!!」
『わ、わかっているけど、この崩壊の速度からおそらく帰投よりも早いよ!?』
「そんな・・・!?では間に合わないのですか!?」
下手したら死ぬかもしれないと遠回しに言われたマシュはうろたえたが悠馬はフォウを抱きかかマシュの手を握る。
「マシュ!!しっかり捕まってくれ!!」
「せ、先輩!」
こうして焼却された時代は崩壊し、悠馬とマシュ、そしてフォウの意識が闇に沈んだ。
しかし、悠馬たちの物語は終わらない。人類の未来を、世界を救うための旅が始まるのだから。
いかがでしたか?
投稿が大幅に遅れていたこともあり執筆の腕が落ちているのかは不安ですが、よろしければ感想をお願いします。