「この試験は形式上だ、心配しなくても余程なことが無い限りは合格するから安心しなさい」
「はい」
緊張は……しない、後ろの女性からの視線が凍てつく様な視線が怖いが。目が語っている、負けたら承知しないといった……。
「では……んっ、あぁ……」
流石だわ、運が無いというか……取り敢えず先行は譲ってくれるらしいので頂こう、といっても……。
「ドロー、カードを二枚セットし、ターンエンド」
「モンスターは居なかったのかい、まぁ良い……ドロー」
試験官は訝しげにこちらを見ているが無視、しかしデッキを間違えたとはいえこのデッキを持ってくるとはな……勝っても負けても幸先は悪そうだ、もうとう負ける気は無いけど。
「私はジェネティックワーウルフ(ATK:2000)を召喚」
辺りに歓声が沸く、おそらく終わったなとか思われているかもしれない……まぁ、こいつは厄介だし退場してもらうか。
「罠カード”奈落の落とし穴”を発動する、ジェネティックワーウルフは申し訳ないけど除外して下さい」
「くっ……」
苦虫を噛み潰したような表情、まぁ仕方ないよな……ジェネティックワーウルフ出したときのどや顔はムカついたし。すぐに思考をめぐらせる、あれだけではすぐに割り出せないがビートダウン式のデッキなのは間違いなのだろう……ゴーズらのカウンター式のカードが飛んでこないことを祈りながら、と思ったが試験官はカードを一枚伏せた。
「ターンエンドだ、さぁキミの実力はそんなものか?」
あからさまな挑発、恐らく攻撃反応型のカードだろう……もしくは、と手札を見遣ると心配は無用だった。
「ドロー、サイクロンを発動します」
「なっ、私の奈落が……」
「なぁんだ、破壊して損した」
思わず口走ってしまい、口を塞ぐも手遅れだったようで試験官がこちらを睨んでいた……と思うといっておこう。上方でみどりさんが呆れている気配や後ろで里桜が爆笑している気がするが……気のせいにしておこう、本当に。
「ラストターンにしましょうか、試験官さん?」
「どういうことだね?」
「これらが答えです、血の代償を発動、手札からレッドガジェット(ATK:1300)を召喚し、効果でイエローガジェットを手札に加えて血の代償の効果を発動しLPを500払いイエローガジェット(ATK:1200)を召喚、さらにグリーンガジェットを手札に加えて同様の方法で召喚、さらにレッドガジェットを加えて召喚する……総攻撃で、トドメです」
柊木 恭賀LP:4000→2500
試験官:4000→-1200
「勝者、試験番号一番柊木恭賀」
To Be continue