提督LOVEな艦娘たちの短編集   作:あーふぁ

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32.水母棲姫「俺は水母棲姫に恋をして 後編」

 夏も終わりに近づき、気温が少しずつ下がってきた日のこと。

 今いる執務室には俺と水母棲姫、不知火がいる。

 朝から危ない発言を言うのは、執務室に来る途中、上層部の艦娘である大和から渡された書類を見たことだ。

 

「俺の子を産んでくれ!」

 

 だから俺は出産できないことを知りながら叫んだ。

 そして車いすに座っている水母棲姫のおなかに頬ずりをする。

 やや変態的な行動ができたことに普段なら喜ぶところだが、今は悲しみが混ざっている。

 

「司令、現実逃避しないでください」

 

 服ではなく、直接に肌へと頬を当てていると、いつも通りに艤装を装備している不知火が溜息と共に呆れたように言ってくる。

 けど現実逃避したくもなる。

 渡された書類の内容はまとめるとこうだ。

『水母棲姫を捕獲してから鎮守府近海の深海棲艦が増えた。海上輸送路も襲撃され、鎮守府の運営は危ない。この書類を持ってして水母棲姫の研究を終了。今日中に書類をまとめること。水母棲姫は明日処分する』

 そういう内容だ。

 もちろん到底納得できない内容だが、俺も軍人。それも提督という役職だ。

 艦娘を指揮し敵を撃破するのが仕事。

 水母棲姫のおなかから顔を離し、見上げると慈愛に満ちた目が俺を見つめてくる。

 彼女と出会って1か月。

 ちょっとずつ意志疎通ができ、いまだ会話ができていないが仲良くなってきたと思う。もう少し時間があれば俺への愛が彼女に届く日も近いだろうと思っていた。

 だが、もうそんなことはありえなくなった。

 新聞からは連戦連勝と聞くが、深海棲艦の勢いは衰える気配がない。

 敵に押されているのでは、という噂も流れた時もあるがすぐにそれは消されてしまう。

 こうやって深海棲艦が増えている原因がはっきりしないというのに、水母棲姫を俺から奪うほどなのだから戦況はよくないらしい。

 上層部は原因もはっきりしていない深海棲艦の出現率増加に怯えているのを、水母棲姫に都合よく責任を押し付けて不安を回避するようだ。

 愛する人を失うことが決まり、深海棲艦と和解しようという俺の努力が無駄になるのは何の言葉を持ってしても癒されることはない。

 俺は大好きな水母棲姫に抱きつきながら悲しんだ。

 それから報告書を今日1日でまとめるために、悲しみで涙が流れそうになろうとも黙々と書いていった。

 不知火は心が荒れ、悲しんでいる俺をそっとしておいてくれている。

 水母棲姫はいつも通りに俺が与えている本を読んでいる。

 渡した本はアランの幸福論。

 明日、殺されるという者に対して渡す本としては嫌がらせになってしまうだろうか。

 俺はただ、幸せを教えることができなかったから本で知ってもらいたいだけなんだ。

 本に熱中している彼女と会話らしい会話もなく、時間はあっというまに夜となる。

 片付けるべき書類はまだ終わらず、肩こりがひどく痛む。

 机から顔をあげると、窓のそばに寄っていた水母棲姫が外を眺めている。

 視線の先は夜空だ。

 彼女は明かりがついた執務室から月が出ている夜空を眺めている。

 でも明るい部屋から見る夜空は美しくはない。

 

「不知火」

 

 俺のそばで書類を確認していた不知火はその言葉だけで言いたいことが伝わり、すぐに執務室の明かりを落とす。

 暗闇に包まれた執務室。でも、目が慣れてくると窓からは月明かりが入ってきて、柔らかな光は俺の心を落ちつける。

 月明かりを浴び、暗い執務室に浮かんだような水母棲姫。

 

「水母棲姫、明日でお前と俺はお別れだ」

 

 愛称をつけることもできず、キスすることも会話することもできなかった。それに俺は不満だった。

 だが水母棲姫のほうがもっと不満だったろう。自由もなく、見張られる日々。

 彼女は俺に顔を向け、にこりと笑う。

 それは明日、己が死ぬことを知ってか知らずか。それはわからないし、聞きたくもない。

 

「私、あなたが好きよ。だって、いつも顔を見てくれるから。他の人は異形である足ばかり見てくるから嫌いなの」

 

 高く澄んだ声で突然の流暢な言葉。

 初めて聞く音に意識は固まる。

 視線の先にいる水母棲姫が口を開いて言った言葉が信じられない。

 研究者の報告では人間の言葉をうまく発することができず、喋れても低い声だろうという予測だったはず。

 不知火も驚いて動きが固まっている。

 水母棲姫は再び窓の外に視線をうつすと、ようやく俺の頭も動き出す。

 惚れた女が俺を好きだと言ってくれている。

 だが、その彼女は明日死ぬに。

 国にとって必要な死だが、俺からすれば望んでなんかいない死だ。

 水母棲姫が死ぬのなら、俺と一緒に長い時間を生き、年老いて死ぬことしか認めたくない。

 感情は抑えれず、軍に対するよくない行動を思いつく。

 

「不知火」

「司令にはやめていただきたいのですが」

「いや、もう決めたことだ」

「……わかりました、不知火も付き合わせていただきます」

 

 多くを語らずともわかってくれる不知火に、心の中でたくさんの感謝する。

 机にある書類を引き出しに全部しまい、拳銃を身につけて俺は椅子から立ち上がる。

 予定の行動は頭の中で考えている。

 事前の下見も計画書も何もない。ただ、覚悟だけはある。

 全て頭で計算し突発的行動にうつる。

 水母棲姫はそのまま部屋で待たせ、俺と不知火は部屋を出た。

 深海棲艦の艤装を保管している部屋に行き、見張りを殴っては縛る。

 水母棲姫の艤装を持ちだし、執務室に戻って身に着けさせた。

 艦載機や砲弾は知らない別なところに保管されていることは残念だったが仕方ない。

 それから鎮守府内で陽動をする不知火と別れた。

 そのときの不知火は日ごろの鬱憤が晴らせる、といったやる気に満ちた顔が怖く、頼もしくもある。

 不知火と別れたあと、俺と艤装を身につけた水母棲姫は海に来ていた。

 そこは初めて出会った、あの砂浜だ。

 ここ鎮守府の隅にあり、普段から誰も来ず、人目がつかないことは運がいいと思う。

 艤装装備の重たい水母棲姫を車いすごと砂浜へまで強引に運ぶ。

 砂浜に誰かがいた。

 殴って海にでも沈めるかと考えていたが、月明かりの下にいたのは大和だ。

 俺と水母棲姫が出会ったときにも遠くにいて、今日の書類を届けてくれていた大和。

 大和は艤装装備でこちらへしっかりと砲口を向けていた。

 ふと、鎮守府内から聞こえる砲撃音と警報。不知火が陽動の行動を始めたようだ。

 目の端には夜間海上警備をしている艦娘たちが一斉に港へと戻っている姿がちらりと見えた。

 車いすに乗せている水母棲姫の拘束は解いてあり、海のそばへと行けばすぐにでも海に逃げれる状態になっている。

 でも大和がそれを許してくれるようには思えない。

 

「提督、今すぐ戻ってくださるなら大和は嬉しいのですけど」

 

 殺気を持った威圧的な目と声、それを正面から受けた俺は恐怖の感情に支配されかける。

 すぐにでも大和の言うとおりに水母棲姫を連れて戻りたくなるほどに。

 でも戻ったら水母棲姫が殺されることはわかっている。

 愛した女は敵とはいえ、俺は守っていきたいと思っている。

 それに1人の女さえ守れないというは男として、とてもかっこ悪いことだ。

 車いすの水母棲姫の前に立ち、戦うことを覚悟する。

 どうやっても負けることが決まっていても。

 

「長生きしたいよなぁ」

 

 水母棲姫と結婚などもう夢のまた夢。

 わずかな希望さえなくても生きていたい。

 大和に向かって大きめな声で呟くと同時に、腰に下げているホルスターへ素早く手を伸ばす。

 手が拳銃を掴んだ瞬間、大和は瞬きもせず俺の足元に向けて砲撃をしてきた。

 それは直接あたらずとも、爆発の勢いは足元にあたっただけで死んだと思えるほどだ。

 爆発の衝撃で体が大きく吹き飛ばされ、宙へと舞い上げられる。

 消えかかる意識のなか、落ちる場所と体勢に注意しつつ落下時には不完全ながらも受け身を取ることができた。

 砂浜の砂とはいえ、それは硬いものだ。

 20mほど飛んだと思う俺の体はどこかの骨が折れたのか、身動きがまったく取れない。

 それでもまだ生きている。

 首を大和に向けると立ったままで、足元には水母棲姫が乗っていた車いすが大和の足元でひしゃげて落ちているのが見えた。

 車いすを投げつけた水母棲姫は自力で立っていて、俺の落とした拳銃を握っている。

 水母棲姫は初めて見る怒りの表情をしていた。

 俺は大声で「早く海へ行け!」と声を出したつもりが声は出ていなく、かすれ声しか出ていない。

 そんな俺に気付いたのか、水母棲姫は振りかえって俺を見ると泣きそうな表情になり、拳銃を投げ捨てて近寄ってくる。

 陸上では素早く動けない彼女はゆっくりと、でも急いでこっちへと来ようとしている。

 水母棲姫の後ろからは大和が近付いていて、捨てられた拳銃を拾う。

 来るな、と俺は水母棲姫に手を伸ばす。

 けれども伸ばした手は、水母棲姫のほっそりとした白く小さな手で包まれた。

 

「深海棲艦と結婚したい、なんてずいぶんとバカなことを言う提督がいると思ってましたが。……ここまで大馬鹿でしたとは」

 

 俺の体を抱きしめてかばうようにしている水母棲姫を見下ろしながら、すぐそばまでやってきた大和は顔に手をあてて呆れたような溜息をつく。

 持っていた拳銃を俺へ向けると2発撃ってきた。その弾は頭の近く、砂浜へと当たって砂が飛び散る。

 発射音に驚いて目を閉じる。

 でも動かない。

 ここでかわすようなそぶりを見せると水母棲姫ごと砲撃してくる気がしたから。

 大きなため息の声を聞いて恐る恐る目を開けると、大和の諦めたような顔がやけに印象に残る。

 

「大和はこれから不知火ちゃんを説教してきます。まだ暴れているようですから」

 

 遠くからはまだ爆発音と警報が聞こえ続けている。

 予想以上に不知火が強いか、鎮守府の警備態勢が甘かったのかがわからないけれど。

 大和は拳銃を海へ投げ捨て、俺たちに背中を向けて悠然と立ち去っていった。

 充分に大和が離れたのを確認し、俺は体にひっついてくる水母棲姫を離そうとするも離れてくれない。

 涙目の水母棲姫は顔をあげ、砂に汚れた俺の顔を大事そうに優しく撫でてくる。

 俺はその手を掴み、そっと押し返す。

 

「お前は俺の嫁となる女なんだから生きてもらわないと困る」

 

 体が痛むなか、できる限りの笑みを向けると彼女は戸惑いながらもゆっくりと離れていく。

 けれどもなかなか海へ向かうことはせず、手で追い払う動作を繰り返す。それでようやく海に入ってくれた。

 そのあとは俺は目をそらし、海に入っていったた彼女を見ないことにする。

 見るとお互いに別れづらくなろうとするから。

 何十秒か経ち、水母棲姫が立てた波の音が聞こえて次第に遠ざかっていく。

 安心したのと残念な気持ちが入り混じる。

 もう会うことはないと考えると、胸が痛いどころではない。

 

「キスぐらいしたかったなぁ」

 

 映画やドラマでは、こういう別れの時はキスをするのが普通だ。

 それがなくてひどく残念な気持ちになる。

 体が痛みを感じるなか夜空を見上げる。

 なんだか今日の夜空はいつもより素敵に見えた。

 いつのまにか鎮守府からの砲撃音と警報音は止まっていて、あとはお迎えの兵士たちを待つだけだ。

 ―――あれから3週間が立った。

 裁判にかけられた俺は貴重なサンプルを逃がした罪で予備役にされ、軍需工場で働き始めた。

 不知火は上司に従っただけということで罪は逃れたが、別な鎮守府へ異動となった。

 俺は不知火と連絡を取ることすら不可能になり、艦娘さえも滅多に見ることがない生活になった。

 でも後悔はしていない。

 

 ◇

 

 水母棲姫を逃がした日から6年。

 人類は深海棲艦との戦争に負けた。

 島国である日本は資源輸入が制限されたことで文明レベルが衰退し、1900年代前半のような生活になった。

 大陸の内陸部では資源争いで人間同士の争いが活発化したと噂で聞く。

 沿岸部は支配され、世界の海上交通路は深海棲艦が管理するようになった。

 戦争を続けようとする過激的な軍人と艦娘は処分された。

 残った人間と艦娘は食料自給率をあげるため、多くが農業や漁業をはじめた。

 漁業については深海棲艦の管理の元でやっているが、人間同士で管理していたときより漁獲量が増えたのは深海棲艦が戦うだけの存在ではないのだと思う。

 軍需工場で物を作る必要がなくなった俺は、大多数の人間のように農業をすることに。

 でも海がないと寂しいため、海が見える沿岸部に一軒家を借りて畑を耕し始めた。

 でも1人じゃない。元艦娘である不知火と一緒に暮らしている。

 不知火は過激思想もなく、両目を戦闘の怪我によって失っていた。

 敗戦後は重傷や障害のある艦娘は国によって管理されていた。

 元海軍や官僚の人からその話を聞き、自分の部下だったものはいなかったかと探して、不知火を見つけた。

 行くところも希望もなかった不知火に俺は「寂しいから一緒に暮らしてくれ」ということを言った。

 不知火の返事は「あなたは1人じゃ何もできないんですから」と言った。

 俺に頼られたのが嬉しいのか、優しく微笑んでは俺をダメ人間みたいに楽しそうに言って俺のところへ来ることを了承してくれた。

 今までは生きる目的もなく無気力に過ごしてきたが、不知火に励まされたり怒られたりしながら暑い日も寒い日もお互いを助け合って生きてきた。

 そんなある日のことだ。

 農作業をしながら平穏に過ごして、まだ夏が残っている秋の日のこと。

 家で不知火と一緒に居間で昼ご飯を食べていると、目をつむっている不知火がふと玄関へ顔を向けた。

 

「お客さんが来たようですよ」

「ん、そうか」

 

 視力を失い、音に敏感に反応するようになった不知火が教えてくれる。

 そしてすぐに呼び鈴の音が鳴る。

 食事中を邪魔されるのは気分悪いが、滅多にこない訪問客を無視するわけにもいかない。

 重い腰をあげて玄関に行くと、引き戸の擦りガラス越しにシルエットが見える。

 それは大きな車いすに乗っていて、頭には黒く大きなリボンと黒い服を身につけた姿が。

 見た瞬間に嬉しいという感情が高ぶり、急いで扉を開けるとそこには俺が愛していた彼女がいた。

 もう会うことはないと思っていた水母棲姫だ。

 彼女は別れた時の姿とまったく変わっていなく、美しいままだった。

 思わぬ再会をし、あまりの嬉しさと本当に現実なのかという思いに頭が動かない。

 目の前にいる彼女は寂しげで嬉しそうな、そんな感情を持った笑みを浮かべていた。

 愛していた。いや、愛している女性にはいつも楽しそうに笑ってもらいたい。

 そんな表情をさせてはいけない!

 俺はすぐに車いすの彼女の前へと膝をつき、膝に置かれていた手を取る。

 彼女の驚いている顔を見上げ、俺は以前と同じ想いがあふれてくる。

 そう、初めて会ったときに感じたことを。

 

「結婚してくれ!」

 

 また会えて嬉しいとか、昔話をするとか、今までどうしてたとか。色々聞くことはあるけれど。

 生きていれば会えると思っていた。最初に言うのはこの言葉しかないと決めていた。

 今回も結婚を申し込むムードなんてものはなく、勢いしかない。

 俺の言葉を聞いて、きょとんと眼をまんまるにしていた彼女。

 前回の無表情と違うその反応を見て、時間の流れと共に変わってしまうのかと喜べばいいのか寂しくなればいいのかわからない。 

 あの時から6年。今と昔は違って当たりまえだ。

 俺たち人類と戦争をしたのだから、なにかしら悪感情を持っているだろう。

 そもそも彼女がここへと来た理由を知らない。今になってそのことに考えがまわる。

 もしかしたら当時の恨みを晴らしに来たのかと。

 いきなりあんなことを言うのはまずかったかと思ったが後悔はしていない。

 彼女に対する緊張と恐怖で彼女の言葉を待つと、車いすから飛び上がるようにして立ちあがると俺の体を思い切り抱きしめてきた。

 

「あだだだだだっ!!」

 

 とてつもなく力が込められた抱きしめで俺は感じたことがある。

 水母棲姫のふにふにした柔らかい感触とか、爽やかで甘い髪の匂いとか、ひんやりとした低めの体温とか。

 そういうのをちょっとの時間しか感じる暇をもらえず、痛みだけがはっきりと感じてしまって大声で叫んでしまう。

 それでもこうやって抱きついてくれるのは嬉しくて。

 男らしく、勢いに負けて倒れるようなことはせずに耐えて立ち続ける。

 情熱的すぎる抱きつきが数十秒ほど続き、やっと力が緩められたときにはさっきまでの高ぶった感情はちょっとおさまっていた。

 

「……司令のことが心配と思ってきましたが、どうやら問題はなさそうですね」

 

 水母棲姫に抱きしめられたままに後ろへ振り向くと、不知火が呆れた声を出してそこにいた。

 状況を説明しようと口を開くも、顔を両手で掴まれて水母棲姫と顔を振り向かされた。

 それはお互いの鼻と鼻がくっつくほどの至近距離で。

 

「私も結婚したかったわ。ずっとずっと、あなたと離れてからもそう思ってた」

 

 水母棲姫は目をつむると―――俺へとキスをしてきた。

 最初はそっとふれるだけの静かなものを。

 次は唇を強く押し付けてくる情熱的なものを。

 3回目は俺の口の中へと舌を入れてきた。

 その感触は人間と似ているようでいて、違う。

 ざらりとした舌の感触はなく、つるつるすべすべといったものだ。

 幸せをただ感じてされるがままになっていたが、背後から無言のプレッシャーを感じて正気へと戻る。

 水母棲姫の肩を掴んで俺から離すと、粘りがある唾液が俺と水母棲姫のあいだに糸を引いた。

 呼吸が荒く、頬に赤みが差して色気がある顔に見つめられてしまうと俺の理性が危ない。

 そう判断し、理性が崩れるまえにお返しにと軽いキスをした。

 ―――かつて敵同士だった俺たち。

 戦争が終わった今、もう敵じゃあない。

 戦ったあとにすることは友情や愛情を育てることだと信じている。

 一緒に暮らし、水母棲姫のことをもっと知りたい。

 そして水母棲姫と不知火の3人で、平穏で楽しい時間を過ごしていけたらいいなと、そんなことを思う。




短編集おしまい。
少女漫画みたいな恋愛話を意識して書いた話は楽しかった。

この話で1度、短編集が終わりました。

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