始まりのサイヤ人が幻想入り   作:白藍ハートネット

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歓迎編
第01話〜険悪な出会い方の1例〜


「・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・」

 

 

 

1人の男が湖のほとりで目を覚ました。死んだ様な眠りから覚めたのか、拳を握ったり解いたりを繰り返し、自分の存在を確かめている。

 

 

 

(意識はある・・・手の感覚も・・・息が出来る・・・。俺は、生きてるのか?)

 

 

 

重い瞼をゆっくり開けると、木が見えた。そこそこ大きく、沢山生えている。逆側を見ると、大きな湖が見える。自分が寝ている場所は、道のはずれらしい。上半身を起こし、湖を見る。今まで見たことも無い、とても綺麗な水だ。歩いて近づき、両手で一すくいして、一口飲んでみる。

 

 

 

「・・・・・・美味い・・・」

 

 

 

水を飲んで、美味しいと感じたのは、生まれて初めてだ。しかも、たった一口で喉が充分に潤った。

 

 

 

「・・・・・・環境がとてつもなく良いところだ。フリーザの野郎、この星にいくらの値を付けるかな・・・俺が侵略した星、全てを売っても、足りないくらいか・・・空気も美味い・・・・・・。ここを売ったら、2000年は楽しんで生きていけるだろうな・・・・・・」

 

 

 

経験から、今自分がいる場所だけで、評価してみる。こんなにも綺麗で美しい場所を見たことが無い。

 

 

 

「あぁ・・・・・・成功したにしても、天文学数字の中から、超特賞を当てるなんて、ついてるな・・・」

 

 

 

もう、時代とかどの星かとか、興味が無くなった。美しい世界に心から感動している。ただ立ち尽くして、綺麗な空気を吸い続ける。時間も忘れて、静かに立っていた。

 

 

 

ちゃぽん

 

 

 

水音がして、ふと湖を見ると、小魚が跳ねるのが見えた。

 

 

 

「そういや、少し腹が減ったな。あいつらを餌にしてる巨大魚でもいるかな・・・」

 

 

 

バーダックは水上の高い場所を飛び、獲物が居そうなエリアを探っている。岸から20メートルほど離れた場所に、岩で出来た小島が見える。恐らく、あの周辺に何かがいるだろう。

 

 

 

「よし・・・・・・だぁ!!」

 

 

 

衝撃波を水面に向かって、飛ばす。湖と大気が大きく揺れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「適当に飛んでりゃ、何か見つかるだろ。霊夢は悪い感じはしないって言ってたし、のんびりとやるか・・・」

 

 

 

金髪の少女が箒に乗って空を飛んでいる。風の冷たさを感じながら、ゆったりしていると・・・・・・

 

 

 

どおおおおおおおん!!!

 

 

 

「うあっひゃ!?」

 

 

 

いきなりの衝撃に箒から落ちそうになる。

 

 

 

「この方角は・・・紅魔館か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖を見渡すと、体長10センチ足らずのモノしか浮かんでこない。

 

 

 

「ちょっと、弱すぎたか・・・・・・だあ!!!!」

 

 

 

更に強い衝撃波を撃ち込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!!!!!

 

 

 

「だああああ!?」

 

 

 

更に強い衝撃に、今度は本当に箒から落ちた。とっさに、足を大きく振り、つま先を箒に引っ掛けて、落下を免れる事が出来た。

 

 

 

「な、なんだ今の!?」

 

 

 

箒に片足で逆さにぶら下がり、動揺する。紅魔館から衝撃・・・妖精たちとは思えない。吸血鬼姉妹は、昼だからまだ外での活動は不可能なはず。門番が起きてて、修行でもしてるのか?・・・・・・・・・・・・まさかぁ。

 

 

 

パシャリ!

 

 

 

「なるほどなるほど・・・・・・魔理沙さんの下着は、ピンクのドロワーズですか。可愛らしいですね♡」

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

いつの間にか接近していた天狗装束の少女に、重力で垂れ下がったスカートの下のパンモロ状態を、写真に収められた。

 

 

 

「いやあ、クールでカッコ良い女性と噂の魔理沙さんも、やっぱり乙女なんですねぇ♡」

 

「文あああああ!!!!」

 

 

 

文と呼ばれた少女は、すぐさま猛スピードで逃げていった。魔理沙も、妖怪退治のため、そして自分のプライドのために、これまた猛スピードで追いかけていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「中々のサイズが浮かんできたな・・・あいつにしよう」

 

 

 

70センチメートルの大型の魚が浮かんできた。バーダックは、その尻尾を掴んで岸に置く。

 

 

 

「ヒゲ?惑星マーヌの種族に似てるな。まぁ、似てるだけで、魚は魚だろうから、食えるだろ・・・。少し生臭ぇな。焼けばなんとかなるだろ」

 

 

 

魚を片手に、森に入っていく。適当な広さのあるエリアに魚を置き、木の枝や枯れ葉を周囲からかき集め、火を焚く準備をするが・・・

 

 

 

「直焼きは後が食いづらいだろうし、手頃な金属の串が・・・・・・落ちてるわけないか。さて、どうしたものか」

 

 

 

木で作っても、このサイズを焼くには時間がかかりすぎる。恐らく串まで焦げてしまい、結局直焼き状態だろう。

 

 

 

(そういや、さっきの湖の向こう側に、建物があったな。あそこで、何かを借りる事が出来ねぇかな・・・?)

 

 

 

バーダックは、朝霧の中にうっすら見えた建物、紅魔館へ飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「zzz・・・・・・zzz・・・」

 

 

 

紅美鈴は、いつものごとく寝ていた。立ったまま眠っている。器用だ。船も漕がず、直立して眠っている。器用だ。さっき、2度にわたって衝撃波が湖から襲ってきたが動じなかった。器用だ。

 

 

 

「zzz・・・っ!?」

 

 

 

急に起きた。湖の方向をキッ!と睨み、構える。

 

 

 

(とてつもない力を持つ何かが接近している?真っ直ぐこっちに向かっている・・・速い・・・)

 

 

 

邪悪な感じや嫌な予感はしないが、厄介なのは分かる。ここに来る無邪気な存在は、彼女の平和を脅かしている。魔理沙とか、魔理沙とか、後魔理沙とか。魔理沙時々ブン屋で、勝手に侵入してくる。何かが近づけば、気配ですぐに目覚め、門番として立っているのだが、空を飛んで勝手に入って、後になって咲夜にナイフを刺される。前に2回、美鈴危機一髪ゲームに付き合わされ、それはもう、大変だった。

 

 

 

(はあ・・・今度は、どう言い訳をしましょうか・・・・・・まあ、無駄ですけど・・・)

 

 

 

半ば諦めて伸びをすると・・・・・・

 

 

 

タンッ

 

 

 

「・・・・・・え?」

 

 

 

目を疑った。今回の客は門の前に立ち止まってくれた。しかも、今まで見たこともない知らない男だ。

何より驚いたのは、この男から気を感じることだ。大抵、魔力だったり妖力だったり霊力だったり神力だったりで、気を扱うものは自分以外に知らないからだ。それも、自分を遥かに上回っている。武道家として、対峙するだけで自分の敗北を確信して、少しプライドが傷ついた。

 

 

 

「何かご用ですか?」

 

 

 

邪心は感じないので、とりあえず丁寧に挨拶する。

 

 

 

「この屋敷の主人に会いたい。借りたいものがあるから、話がしたいんだ」

 

「物を借りたい、ですか。ならば、主人よりメイド長の咲夜さんが詳しいです。少々お待ちくださいね」

 

 

 

「・・・・・・っ!?」

 

 

 

バーダックは、建物に向かって行く門番の後ろ姿を見て、ある違和感を感じた。いや、既視感だろうか?とにかく、普通ではありえない、何かを感じたのだ。

 

 

 

(なんだ、これ・・・・・・どっかで見たような・・・)

 

 

 

あれこれ考えてると、突然視界がぼやける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不審者は、追い払いなさい!!!!!!!!!」

 

「え、ちょ、理不尽だあああああああああ!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っはぁ・・・っはぁ・・・・・・」

 

 

 

完全に思い出した。カナッサ星の最後の住人から受けた、「幻の拳」を喰らってから見えた、白昼夢だ。そして、それは未来で本当に起きる、予知夢だとも思い出した。惑星ベジータの爆発と同時に見た夢を最後に、過去の惑星プラントでは、一度も見なかった。それが今、再び見えるようになった。

今見えたのは、さっきの門番の女が、銀髪の青白のヒラヒラ服の女にナイフでメッタ刺しにされる、というものだ。

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

バーダックは、変な汗をかいた。事情は知らないが、不審者を屋敷に招き入れようとしただけで、刺しまくることは無いだろう。だが、もっと気になったのは、銀髪の「またか・・・」みたいな、呆れた表情と、門番の「またこれですかああああ!?」みたいな、若干引きつった笑顔。あれが、日常なのだろうか?だとしたら、あの門番、頑丈だな。

少し待つと、予知夢の銀髪の女がやってきた。後ろに、ナイフが刺さったまま、一本一本抜きながら門番も歩いてくる。

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「お待たせしました、どうぞこちらへ」

 

「・・・・・・あぁ・・・」

 

 

 

門の前に戻った門番とすれ違い、銀髪の女と並んで歩く。

 

 

 

「十六夜咲夜と申します。貴方様のお名前を拝見します」

 

「・・・バーダックだ・・・」

 

「門番から話は聞きました。物を借りたいそうですね。何をご所望でしょうか?」

 

「魚を焼きたいんだが、大型で手頃な串が無いんだ。金属製の長い針を借りたい。あぁ・・・これ位・・・」

 

 

 

バーダックは、両手を広げ1メートル程の長さを表現する。

 

 

 

「い、1メートルですか・・・。まぁ探したら、なんとか見つかるでしょう。こちらへ」

 

 

 

バーダックは、咲夜に案内してもらう事に。

 

 

 

(変わった建物だな・・・俺の故郷は、こう、球体をメインにしてたが、こっちは四角が主なんだ。壁にも装飾がされてるし、芸術方面にも進んでるんだな・・・・・・)

 

(1メートル・・・そんなに長いのあったかしら・・・一番長いので、50センチメートルの串がやっとだったはず・・・・・・うーん・・・お客様としては申し訳ないけど、着いたら、一緒に探してもらおうかしら・・・・・・)

 

(あんなヒラヒラで動きにくくねぇのかな・・・邪魔で仕方なさそうに見えるが・・・・・・)

 

(あれ?もしかして、こっち見てる?うーん・・・髪とか乱れてたかしら?それとも、服にシワでも・・・・・・)

 

 

 

バーダックには、邪心が無い。それだけに、少し見てただけでこの始末。だって、眼が純粋だから。

 

 

 

(なんだ?どうした?髪や服を弄って・・・虫でも追い払ってんのか?)

 

 

 

ここは、戦闘馬鹿のサイヤ人。色恋の雰囲気なんて、気にも止めない。むしろ、気づかない。どこのラブコメの主人公だ。それも、ハーレム型。

 

 

 

あれこれ食い違いもありながら歩き、台所へ到着した二人。そこには、咲夜も予想してない先客がいた。

 

 

 

 

 

「あら、咲夜じゃない。小腹が空いたから、少し勝手に貰ったわよ」

 

 

 

 

 

そこにいたのは、この館、紅魔館の主、レミリア=スカーレットだった。

 

 

 

「お・・・お嬢様!?」

 

「お嬢様?こいつが、この館の主人か?ガキじゃねぇか・・・・・・」

 

「なっ!貴様!!お嬢様に無礼な口を叩くな!!」ジャキッ!!

 

 

 

突然の爆弾発言に怒り、バーダックにナイフを向ける。だが、バーダックは動じない。

 

 

 

「どうしたのかしら?恐怖で動けないの?」

 

「うるさい!!」

 

 

 

どぉん!!!!!!

 

 

 

「うひゃ!?」

 

 

 

突然の爆発に、咲夜が吹き飛ばされて、壁に強く打ち付けられた。

 

 

 

「いきなり凶器を向けるなら・・・覚悟はあるんだろうな・・・?」

 

「う・・・ぐ・・・っ!?お嬢様は!?」

 

「お前ぇの目は空いてんのか?よく見ろ・・・・・・」

 

 

 

バーダックが顎をクイッ、と向け、その方向を咲夜も見る。

 

 

 

「その程度の不意打ちに対応できないなら、教育を改めるわよ、咲夜?」

 

 

 

そこには、魔力のバリアーで守られたレミリアの姿があった。

 

 

 

「ガキ・・・テメェ何者だ?」

 

「レディに対して、無礼な態度ね。まぁ良いわ。貴方、物を借りたいのでしょう?長い串を」

 

「何でテメェが知ってる?」

 

「それは、夜にでも話しましょう。これを貸すわ」

 

 

 

レミリアの手に握られてるものは、1メートル弱の金属製の針だった。

 

 

 

「うぇえ!?」

 

 

 

驚いたのは、咲夜一人だけだった。

 

 

 

「俺は、何も遠慮しないで借りてくぞ。それで良いんならな」

 

 

 

バーダックは針を受け取った。

 

 

 

「夜に話そうと言ったな。俺がここに留まるとでも?」

 

「すぐに分かるわ。早く、魚を焼いてきなさいよ・・・・・・ッフフ♪」

 

「じゃあな。道は覚えてるから、案内は要らない。明日返しに来る」

 

 

 

バーダックは、針を手に台所を出ていった。

 

 

 

「お嬢様・・・どうしてあんな無礼者に・・・それより、さっきの針はどこから・・・・・・?」

 

「あの針は、霊夢の妖怪退治の針よ。この間の宴会で1本拝借したの。理由は、あの男が来ることを知ってたから。夜に話すのも、あの男は帰ってくるのを知ってるから。これで全部よ」

 

「お嬢様の能力ですか・・・・・・。ですが、彼は明日返しに来ると言いました。帰ってくる理由は?」

 

「ッフフ♪話してあげる♪お子様にしてやられる、マヌケな男のお話を・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バーダックは、魚を置いていた場所に飛んでいた。腹も減ってるので、少しイライラしている。日も沈んできて、暗い方の空をチラ見する。美しく輝く星がちらほら見えてきた。バーダックは、あの星空の下でのんびりすることを思い浮かべて、すぐにやめた。

 

 

 

「・・・・・・ったく。何が気持ち良さそうだ・・・。サイヤ人の俺が、ここまで馬鹿になるとはな・・・・・・」

 

 

 

口では否定してるが、美しい世界に見惚れている自分がいる。世界が美しいなら、そこに暮らす魚もきっと旨いだろう。水の段階で既に旨かったからな。

バーダックは、魚の場所に降りついた。そこには・・・・・・

 

 

 

 

 

「んぐんぐ・・・うまいのだー」

 

「変な魚だね。臭いも変だし、本当に美味しいの?」

 

「ナマズだよ、チルノちゃん。ルーミアちゃんもよく、生で食べられるね(汗)」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・は?」

 

 

 

「「「・・・・・・あ」」」

 

 

 

眼と眼が合う瞬間、思う。

 

 

 

(この、糞ガキ共・・・・・・(怒))

 

 

 

(旨そうな人間なのだ~)

(何だ、この人間?)

(あ、ヤバイ・・・)

 

 

 

誰1人として、シンクロしませんでしたとさ。

 

 

 

「チルノちゃん、ルーミアちゃん!!逃げないと!!」

 

「さいきょーのあたいが逃げるとでも!?」

 

「今度はあいつを食べるのだ~♪」

 

 

 

「だぁあ!!!!!!」

 

 

 

どおおおおおん!!!!!!!!!!!!

 

 

 

「「「え・・・・・・?」」」

 

 

 

「覚悟は良いな?」(ピキピキ)

 

 

 

(((こいつ(この人)は、ヤバイ!!逃げないと!!)))

 

 

 

「歯ぁ食いしばれぇ!!」

 

 

 

破壊はしないと、心に決めたバーダックであったが、食べ物の恨みは、これまた別。怒りに震えていた。三人は、全身から放たれる危険信号に反応して、戦略的撤退(要は逃げ)を試みる。

 

 

 

「宵闇!!」ブワァ!!

 

「っ!?何も見えねぇ・・・!!」

 

「冷気!!」ヒュアァァァ…!!

 

「うひぃ!?寒っ!?急に何だ!?」ブルブル

 

「二人とも、捕まって!!」ガシッ ヒュン

 

フッ

 

「う・・・暗闇が消えた・・・・・・。ガキ共は・・・・・・」

 

 

 

バーダックしかこの場に居ない。完全にしてやられた。誇り高きサイヤ人の戦士が、ガキ3人組に敗北(?)した。逃げられただけなのだが、バーダックは逃がさずに痛め付けようと思った矢先に、あっさり逃げられ放心状態だ。

 

 

 

「お・・・・・・俺が・・・・・・してやられた・・・・・・」

 

 

 

食べようとしたナマズは、骨だけが残り、肉片は欠片も無かった。

 

 

 

グゥー

 

 

 

何もない森に、バーダックの腹の虫の鳴き声が響く。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

バーダックは、真っ白な頭で考え、結果、短期間で二度目の敗北を知ったのであった。




どうも、白藍です。タイトルの通り、最悪な出会い方をしたバーダックでした。レミリアは、何を知っているのだろうか?そして、バーダックは夕食にありつけるのでしょうか?
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