その壱【お芋の名産地~♪】
「よっ・・・ほっ・・・」
サクッサクッと、鍬を振り下ろす豊穣の神【秋穣子】。耕す大地は、元さつまいも畑。先日収穫を終えたばかりだ。
今回作るのは株・人参・キャベツ・麦・米の5種。特に米は最大の武器である。幻想郷ほぼ全域に渡る主食は一番気を使ってたりする。一昨年完成した新品種【秋思米(あきしまい)】は絶大な人気を誇っている。
同じ作物でも、秋と春に収穫したものには大きな違いがある。夏の莫大なエネルギーを大量に蓄え、秋に豊満に稔る作物をお母さんとするなら、冷たい地面で耐え抜き、重い雪を掻き分けて芽を出すたくましく雄々しい作物はお父さん。先日の秋野菜とは全く違う生育が必要となる。
「秋の二人~お客さん~」
「む、冬の妖怪。客だって?」
冬の妖怪ことレティ=ホワイトロックが連れてきた珍客は・・・・・・・・・
とか貯めに貯めて期待を煽ったところで、どうせアイツである。
「ん。土産だ」
「お。ユリ根餅とは、中々良い趣味じゃない。何の用?」
「あんたのとこの芋を頂いてな。実に美味かった。お礼参りと挨拶」
「は?その口ぶり、初めて食べたの?その年で?つまり、君が噂の野菜人?」
「サイヤ人」
マジか。吸血鬼姉妹を相手に勝利し、鬼とのタイマンで善戦し、噂によれば神の領域に半歩踏み入れたとかいう、本当にすごい人が、わざわざうちを訪ねたというの?お手製のおやつ持って?
「そうか!!君がそうなのね!!おいでおいで。おもてなしするよ♪」
「豊穣の神本人からのもてなしとはとんだ贅沢だな。ありがたく頂く」
神様なので礼儀はあるはず。まずは一礼を欠かさないバーダック。
「あらら。そんなに畏まらなくて良いよ。ほらほら肩の力抜いてリラックスリラックス♪」
麗らかな清流の様な見た目だが、意外とおおらかであった。
と、もう一柱がやって来た。
「客だって?なら、色々食べていきなよ。作物じゃなくても、山菜やベリーなら私が専門だよ」
(ベリー?)
麦わら帽子が似合う紅葉の神【秋静葉】。ザルに入れて持ってきたのは赤や紫の実と変わった形の植物。
「あ、デザートがないや。ヨーグルト取ってくるわよ」
「あ。桃持ってきて。砕いて食べたい」
「えっと、どこに置いてるやつ?河童の造った冷蔵庫?」
「レティが作ったやつ。どこに締まった?」
「あぁ。フリーズドライしたやつね。チルド室で保存してるよ」
「フリーザ!?チルドだと!?」
とたんに声を荒げるバーダック。超サイヤ人に変身し、衝撃波を撒き散らす。
「何処だぁああ!!出てこいフリーザあああああ!!!!!!!!」
「「なに暴れてんだこらあああああああああ!!!!!!!!」」
「【終止符】ファイナルスピリットキャノン!!!!!!!!」
「【信仰】蒼い風のHOPE!!!!!!!!」
「【落葉】デスカポエラー!!!!!!!!」
もはやてんやわんやである。
何処ぞの純粋な狐と同じ様な発作のように狂人と化したバーダック。無理もない。憎んで憎んで憎みきれない大っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ嫌いな名前を同時に聞いてしまえば、偶然とは思えない。
もちろん、神様に怒られた。事情を話し、神様の発言した言葉の授業も受ける。紛らわしい名前をペアで付けやがって!!
まさか、自分の与えた希望が、自分に牙を剥くとは思いもしなかった。
そして、レティは吹っ飛ばされて目を回していた。
その弐【妖夢と☆ルナルナの♡三時間クッキング♪】
「さあ始まりました♪三時間クッキング!!今回も私たちが、素敵なお料理をご紹介します」
「さて妖夢シェフ。今回は何を作るのでしょうか?」
「ルナルナ副料理長、私たちが作るのはこちら♪」
【究極のカレーライス】
「カレーライスですか?意外と庶民的ですね」
「ノンノン、ルナルナちゃん。【究極】の一言で、庶民とは比べ物にならない香りがしませんか?」
「もちろん感じますよ♪私たちが協力して作る究極のカレーライス。どう作りますか?」
「まずは手を繋ぎましょう。そして、目を閉じます。私たちクラスならこれだけでレシピを共有できるでしょう!!」
「シェフ、大変です!!目を閉じたら真っ暗です!!何も見えません!!」
「ソレ私の・・・・・・」
「それでは~」
「「レッツクッキング♪」」
「使う材料と調理器具はこちらです。それではルナルナちゃん。調理行程を教えてくれるかな♪」
「はい、行きます!!」
一呼吸置いて、ルナルナの口が開く。
「まずはお米を炊きましょうボウルにお米を入れ1度お水でさっと洗い2度目の少量の水で10周かき混ぜるように磨ぎます磨ぎ汁は旨味の塊なので捨てず別のボウルに移しましょう3重に重ねた布でしっかりと濾したらお米と磨ぎ汁と水を土鍋へ入れますではかまどにセットしましょうお米が炊けるまでにカレーの具材を切っちゃいます人参じゃがいも玉葱は大きさを揃えず乱切りにしちゃいましょう人参は上から見てへたが細いものじゃがいもは空気に触れないように水に浸けておいたものを玉葱は先ほど届けられました収穫したばかりのものを豪勢に使っちゃいます次にお肉ですがなんとローストビーフを作っちゃいます上物のサーロインを綺麗に切り出し黒胡椒をまぶしますお塩は岩塩を削っちゃましょうか塩味を抑え甘くまろやかな塩はとても素敵です牛脂をしいたフライパンに溜まり醤油と生の胡椒の実を砕いたものを炒め表面をさっと10秒焼き旨味を閉じ込めますここで一手間薄く切ったローストビーフを大きなお皿に円を描くように盛り付け真ん中に小さなお皿をセットしますここに入れるのは林檎の木のチップと乾燥させた唐辛子とクミンですカレーの隠し味に林檎を使うので桜の木でなく林檎の木を使うことでお肉との調和を狙いますでは火をつけて蓋を被せましょう次はカレーを作っていきましょう鍋に入れるのはオリーブオイル充分に熱したらそこへコリアンダーグローブオールスパイスウコンを投入します油でスパイスを炒めることで香りが一気に立ち上りますそこへ玉葱じゃがいも人参の順に入れ底で焦げてしまわないようにかき回します玉葱が飴色に変色したらここで林檎の果汁を入れましょうささっと全体にまぶしたら蒸発する前に出汁を入れちゃいましょうこちら干し椎茸と干しゴボウとネギとニラで取っております野菜の甘味をふんだんに堪能しましょうねここで入れすぎてしまわないようにしましょう水解き片栗粉で僅かなとろみをつければ完成ですそろそろご飯も炊き上がりますね炊き上がる直前に強火にすることでお焦げが作れますここは皆さんのお好みででは盛り付けましょうご飯の上からカレーをトロ~っとかけ最後にのせるのはスモークしておいたローストビーフ花が咲くように盛り付けると見映えも最高ですね♪」
「そして、完成したのがこちらになります♪ルナルナちゃんが全部実況してくれたのでとても分かりやすかったですね♪」
「いやぁ~噛まずに良い続けるのは大変でした。」
「以上で、今回のお料理はおしまい!!次回はチャーハン作るよ!!」
「「お楽しみに♪」」
その参【私の鰻捌いちゃらめぇ//////】
今日の料理修業は、ついに挑戦の八つ目うなぎだ。ミスティア自身が苦労してたどり着いた境地であるため、下積みや基礎の修業に明け暮れた結果、ようやく包丁を握らせて貰える事になった。
味見係りの連中として、大妖精・チルノ・ルーミア・リグルと、いつものメンバーの見守る中で、とのことだが、おバカ二人がちょっと遅れているようだ。仕方がないのでまずは大妖精とリグルに振る舞う。
行程①
まだ生きて暴れる八つ目の頭を杭で固定する
行程②
包丁を首筋(で良いのか?)に入れる
行程③
脊椎を傷つけないように尻尾まで包丁を滑らせる
行程④
身を開き、内臓を取り出す
行程⑤
ちょうど良いサイズに切り出し、串を手元に置く
行程⑥
波を打つように刺していく
行程⑦
皮目から焼き始める
行程⑧
脂が染み出てきたらひっくり返す
行程⑨
タレの壺の中に入れる
完成!!
「ふう。コレ滅茶苦茶神経使うな。周囲の情報完全に削除してたわ。料理人というより職人と呼んだ方がしっくり来る」
「へへ。ありがとう」
「凄い。綺麗に出来てますね。素人目からは、ミスティアちゃんとの違い分かんないよ」
「ミスチーの目からは何点に見えてる?」
「んー。65点かな。まだ速くなるし、頭の杭にちょっと手こずってた分減点かな」
「厳しい先生だ。いや、職人だから師匠って呼ぼうか?」
「やだもー♪」
きゃいきゃいとじゃれ会う四人組。
そこへ遅刻したおバカ二人が到着した。
「ごめん!!遅れた!!」
「お腹空いた~!!」
「開口一発目がソレか、食いしん坊」
「何してたの?」
「あのね。なんか本が落ちてたから、ちょっと見てた。内容よく分かんないけど、絵も写真も無いの。多分小説だと思う。字の練習になるから持ってきちゃった」
「作ってる間、コレ読んで待ってる~」
「はいはい。んじゃ作るぞ」
「「はーい」」
「それじゃ読んでみるか」
行程①
「クックックッ。活きが良いじゃないかお嬢ちゃん。大人しくしな!!」
「いやぁ!!放してぇ!!」
行程②
「へへ。おい、このナイフが見えるかい?」
「ひぃ!?何するの!?」
「どうするって、決まってるだろ?」
行程③
「へへへ。急に大人しくなったな。ホレホレ、全部切れちゃうぜぇ?」
「あぁぁ・・・やめてぇ・・・///」
行程④
「ひひひ・・・真っ白で綺麗なお肌もぜーんぶ丸見えだねぇ」
「いやぁ・・・見ないでぇ・・・お願い・・・///」
行程⑤
「何だよ。もうヌルヌルになってるじゃないか。準備は必要無さそうだな」
「うぅっ・・・それだけは・・・ダメなのぉ・・・///」
行程⑥
「ククク・・・それじゃぁ・・・行くぜ!!」
「やぁああああああっ!?」
行程⑦
「うぉおおおお!?引き締まってて最高だぜぇ!!」
「いやぁあ!?熱いぃいい!!//////」
行程⑧
「体は正直じゃないか!!どんどん溢れて来てるぜ?」
「言わないでぇ!!///」
行程⑨
「それじゃあラストだ!!中にやっちゃうぞ!!」
「ひっ!?中はっ!!らめええええええええ!!!!//////」
完成
「へへ。最高だったぜお嬢ちゃん。極上だ」
「あぁぁ・・・汚された・・・もう戻れないよぉ・・・//////」
「よし!!さっきより速く出来た!!と思うが。どうだミスティア・・・・・・お前ら何真っ赤になって俯いてんの?」
「「「っっっ!!!!//////」」」
「お、出来たのか!?早く早く♪」
「食べるのだ~!!」
「そういや、がっつり集中してたから聞こえなかったが、何読んでたんだ?」
「ダメっ!!!!!!!!」
大妖精が瞬間移動で本を取り上げた。
「バーダックさんは見ちゃダメです!!!!」
「え。何で?」
「何ででも!!!!ミスティアちゃんパス!!!!」
「キャッチ!!&焼却!!!!」
「あ。燃やした」
「リグルちゃん!!周りに人居ない!?」
「大丈夫!!誰も居ない!!」
「何だよ。そこまでその本見られたくないのか?」
「「「読んじゃらめええええええええ!!!!//////」」」
「・・・・・・・・・はい」
チルノとルーミアは美味しそうに食べてました。
補足を幾つか。
その壱
Q,秋姉妹とレティが仲が良いの?
A,秋姉妹は全シーズンの作物を作ってますので、冬に嫌悪感はありません。
Q,バーダック、そんなんで反応するか?
A,鳥山世界と現代の違いです。高校の教室で堂々と「俺、ブルマ好きなんだ」って台詞、狂気だと思いません?
その弐
Q,長い・・・・・・
A,表現のひとつです
Q,作者は作ったことあるの?
A,ないです。ただ、レシピ本もネットも見ないで、即興で綴りました。知識としては充分ある。料理しろって?うちの台所の狭さ嘗めんなよ?
その参
Q,本のタイトル教えて
A,ご自由にどうぞ
Q,レ○プ物好きなの?
A,どちらかというと嫌いです。女の子が幸せになるものが好き。冒頭のヤり始めに嫌悪感なく、戸惑うだけの反応だと尚良し。女の子が興味を持って迫るのも可。調教済みのラブラブとか。頑張れ♡頑張れ♡とか。おねショタとか。ただし、ショタおねはちょっと・・・・・・
体調不良で絶賛ダウン中の頭を酷使したらこんなん出来ちゃったけど、どうですか。年末とエイプリルフールとは別物です。何故なら1本じゃ文字数が圧倒的に足りないから。ゆーても、まだいつもより1000字ほど足りなかったりする。
こういった小さな小ネタは、短編集として流出しようか。活動報告でネタ募集も行いますので。採用された方には、プレゼントもします。詳しくは活動報告欄にて。
それでは今回はここまで♪バイQ♪