「味噌汁が薄い!!」
針妙丸の文句は、麟の自信作を真っ向から否定してしまった。まさか干し椎茸と煮干しの合わせ出汁が不評なんて、誰が想像出来ようか。
「ふむ。充分に美味しいと思うが、恐らくは人間と小人の違いだろう」
「なにゅ?」
「藍さん、どういうことですか?」
「合わせ出汁ともなれば、綿密なうま味があるはずだ。私もしっかりと感じた。そして、試しに一口の量を大きく減らしてみると、どうにも物足りない」
「え・・・つまり・・・」
「身体の大きさ。正確には味蕾の大きさだな。それと一口の量の問題だ。ダイレクトな味噌のしょっぱさに隠れてしまったのだろうな。早い話、『大きくなって出直しなさい』ということだ」
「ぬがー!!小人族をバカにするなー!!鬼!!どこ行ったおらぁ!?小槌に魔力充電してくださいお願いします!!」
針妙丸の叫びが虚しく響く。気がつけば書き置きを残して姿を消した萃香に届くことなく、木霊すらしない。声量が圧倒的に足りなかった。
「いい加減にしなさい、小人!!!!!!!!」
と、紫苑がぶちギレた。
「麟ちゃんがせっかく作ってくれたお食事に文句を言うなんて非道なこと、よく出来るのね!!!!食べられる事がどれ程素晴らしいと思っているの!!!!食べたくても食べられない苦しみが貴女に分かるの!!!!椎茸さんとお魚さんとお味噌さんに謝りなさい!!!!!!!!」
「あぎぁ・・・ごめん・・・なしゃい・・・・・・」
目を回して意識が薄れる針妙丸。無理もない。小人サイズが人間サイズの怒号を間近で受ければ、鼓膜へのダメージは計り知れない。むしろ脳まで揺すられた可能性大。藍は呆れながら箸を進めた。あ、この茄子の漬物美味しい。
「まさか・・・私以外にも不死者がいるとは・・・・・・」
「んで?あんたはそんな不死者と対面して何を思ってんのさ?」
「知れたこと。お前たちには是非とも私の創る世界で部下として招いてやろう」
「あ?バカなんじゃないの?どんな世界創るって?」
「魑魅魍魎溢れ、暴力・破壊・殺戮にまみれた無限の混沌の世界さ。私の創る理想郷なのだ!!」
「どういう理想だよ。歪みきってるにも程かあるぞ」
「ね~もこたん。こいつヤバイよ?殺した方が良くない?」
「うーん・・・そうするのが一番なんだろうけどさ・・・・・・」
「あー・・・不死者ってこと?」
「うん、そうなるな・・・」
戦いとは、勝者と敗者が成り立って終息するものである。極端な話で言えば、どちらか死ぬことでも決められる。それが戦争等であれば尚更である。
では、一方が不死身であればどうだろう?頭を撃ち抜けば死ぬ。心臓を潰せば死ぬ。バラバラに引き裂けば死ぬ。そんな決着は来ない。不死者の心が砕けぬ限り、再生なり蘇生なりするし、切り落とされた身体を捨ててもなお攻めてくる。不死身を得ることは、常識を覆すだけの要素となり得るのである。
それでは、双方が不死者ならばどうなる?妹紅も輝夜も、分かりきった解答で悩むほどめでたい思考はしていない。
「まああれこれ考える前に、戦況確認だ。調べるべきは・・・」
「不死性のタイプと強さ!!」
「【炎符】フェニックスの超高温の羽!!!!」
「【新難題】金閣寺の一枚天井!!!!」
いきなり最高クラスの大技をぶちかます二人。炎と燃焼による『焼死』と『窒息死』、衝撃波による『圧死』と『ショック死』と『出血多量』が通じるかを確認する。これだけの大規模で様子見だというのだから、心底嫌になる。
高密度のエネルギーの中では、炎と光る弾が乱気流を作り出し、周囲の土や竹をも巻き込みながら破壊していく。私たちなら、身体中ズタズタに切り裂かれるだろう。再生は竜巻が終わってから。さて、この不死者の程度はどれ程だ?
と、渦が急に引き裂かれ、その隙間からそいつが飛び出してきた。
「はいぃ!?」
「いや、誰!?」
さっき向き合っていたやつは、精々私らの腰ほどの身長だったはず。なんで3メートルにまで届きそうな図体なんですかね!?
「くらえぇ!!」
顎にそいつのラリアットを喰らい、すぐさま首筋へと強い打撃を貰ってしまう。意識を揺さぶられながら、自分達が作り出した死の乱気流に飲み込まれてしまう。
「こやつらが自滅とは考えにくいが。さて、どう出るものかな?」
術者のエネルギー供給が絶たれてしまった為か、勢いが徐々に掻き消えていく。そこにいたのは、衣服がボロボロにされた妹紅と輝夜だった。特に輝夜に至っては、元が美しく見事な和装だった故に、落差による無様さが際立ってしまっている。
「ぐぁ・・・3回・・・死ん、だ・・・・・・」
「うぅ・・・え?3回?私は2回しか死んでない!!私の勝ち♪」
「何を競ってるんだバカ!!」
なるほど。衣服はともかく、身体は無傷か。だが、黒い方の発言では、息絶えた直後に復活すると見る方が正しいようだ。予測ではあるが、蘇生の回数に限りは無いと見た。これは、中々に骨が折れそうだな。
「んで、輝夜。やつの不死身は、どういうタイプに見えた?」
「んー・・・防御の兆し無し、それで無傷、疲れない・死なないの発言。以上の事から、無尽蔵の生命力でしょうね」
「生命としての最後の一線を超えたか。面倒すぎるな・・・・・・」
「どうやって倒す?」
「攻撃が当たった瞬間、僅かに顔をしかめた。つまり、痛覚は残っているはず。まずは、間接系で押さえ込めるかだな」
「やれそう?」
「知らない。後、精神掌握する必要もありそう」
「うわ、無理」
選択肢がかなり削られてしまった上に、自分達二人ではこなせそうにない。さてさてどうしましょう。
ごぱあああああああああああん!!!!!!!!
ばこおおおおおおおおおおおん!!!!!!!!
ずがあああああああああああん!!!!!!!!
「・・・・・・・・・」
この竹林、こんなに物騒でしたっけ?爆音が飛び交い、遠くの方では焦げた臭いと共に黒い煙が確認できる。なのに、上空で確認した距離と竹林に入ったときの体感距離の計算が絶望的に合わない。頭が痛くなる。
(妹紅と輝夜の気を感じるが、もう1つはなんだ?閻羅とは違って、的確な悪意を感じる・・・)
奴らの意思にはなんの感情もなかった。野生の獣のそれとも違い、食欲を満たそうといったものですら無い。この黒い気は、明らかにそれとは違うものだった。
(さて。奴らの正確な位置は分からない、か。なら、てゐに案内させてもらうしかないか)
当初の予定通り、永遠亭へ向かうことにする。意外と訪れる回数を稼いでいたので、いつもの入り口~永遠亭までの道筋だけは覚えることが出来た。もちろん、1度でも間違えたら永遠に出られない悪夢の迷路だが。
目を閉じ、数回のジャンプをした後に走り出す。アホほどに成長しまくる竹相手に目印を覚えようなんてものは愚の骨頂だ。歩幅、歩数、道順を覚えてしまえば、目を閉じた方が楽だ。
覚えた通りのステップを決めきり、目を開けたら永遠亭の壁があった。
「よし。座標のズレも、充分許容範囲だな」
徒歩8秒で門を潜ると、兎達の足音がドタドタ聞こえる。まだやってんのかな。
「そこの兎。霊夢と永琳のとこへ案内できるか?」
だーれも返事してくれない。切羽詰まってるのだろうか?そういや、鈴仙のやつ何回もモルモットにされてたとか言ってたな。兎なのに。永琳の本気の表情でも見てしまったのだろうか。なら仕方がないか。適当な兎を見繕い、勝手に後ろに着いていくことにした。いずれ到着するだろう。
ドタドタドタドタ【台所で冷してた氷をボウルに入れる】ドタドタドタドタ【器具管理室のメスのケースを冷やす】ドタドタドタドタ【薬剤部屋から目薬を取り出す】ドタドタドタドタ【台所で栄養ドリンクを取り出す】ドタドタドタドタ【仮眠室の机に置き、空になった瓶を回収する】ドタドタドタドタ【台所の流しに置いていく】ドタドタドタドタ【トイレに入り、閉め出された】
~サイヤ人待機中~
ドタドタドタドタ【台所で水分補給】ドタドタドタドタ【器具管理室のメスを数本取り出す】ドタドタドタドタ【受話器を手に取り、ダイヤルを数回回す】ドタドタドタドタ【作業室で砥石と格闘する兎の脇のメスと取り替える】ドタドタドタドタ【器具管理室に戻す】ドタドタドタドタ【仮眠室に入り、布団に潜り込む】
なんやねん。外れかよ。もう諦めて適当に歩くか。
取り敢えず客間に向かって歩いていると、奥の空気がどんよりしていることに気づいた。よく見ると、緑のショートヘアを揺らす青っぽい幼女が、俯きながらフラフラと歩いている。
「・・・あ、貴方は・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「お説教は、後、です・・・首を洗って、まって、なさ・・・い・・・」
俺何かしたっけ。身に付けている装飾品や左手に持っている杓といい、随分と高い身分の様だが、威厳がない。てか、威勢を感じない。
と、おぼつかない足取りのまま仮眠室に入っていった。何か辛いことでもあったのだろうか。
改めて前を向くと。
「お・・・噂のサイヤ君か・・・・・・」
腰まで届きそうな長い金髪が、妖怪絵巻に描かれていたような垂れ方をする、これまた身分の高そうな女性。衣服は、黄・紫・緑と、目に弱冠悪い。
「後で、話があ、るから、起、こしに来、てね・・・」
「・・・・・・・・・」
そして、仮眠室。
何も言わずに歩を進めると、霊夢の声が聞こえてきた。この部屋だろう。入ってみると。
「・・・・・・・・・」←集中しまくる永琳
「おごごごごごごごご」←恐怖しまくる霊夢
「ぁゃゃゃゃゃゃゃゃ」←撮影しまくる文
そうか。分かった。今日の永遠亭は芸人育成会場か。ならしょうがない。本日のカリキュラムが終わるまで待つことにしよう。暇だな。疲れているだろうから、軽食でも作って待ってよう。確か、豆腐と筍と人参は普段からあるっつってたな。厚揚げと筍と人参の煮物にするか。
台所までのんびりと歩いていると、仮眠室から大きな寝言が聞こえる。
「あぁ・・・違うんですヘカーティア様ぁ・・・」
「魔理沙~私の椅子どこにやった~?チルノ~カレーライスが凍ってるんだが~?」
うなされてるな。こいつらの分も作り置きしとくか。えーと、醤油どこだっけ?
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「あぅ・・・疲れないって、こんなに狡いのね・・・」
大技を連続で使うにも、限界は訪れてしまう。リザレクションで全快するのは、身体のみ。肉体的には大丈夫なのだが、精神的な疲れが一向に回復してくれない。いつもなら、1度のリザレクションで罵声を浴びせまくる位の余裕があるというのに。
「貴様等の不死身は私のものとは根本から違うのか。どこで銅谷って手に入れたのか気になるが、私の部下にならないのであれば消すしかあるまい」
「不死者を消すのは難しいのを、あんたも知ってるだろ・・・」
「勿論だ。だから、どうするべきか悩んでいるところだ。答えが出る前に心変わりするのをお薦めするぞ?」
「お断りよ!!火鼠の皮衣持って出直せ!!」
スピード・パワー共にこちらが上回っているのは確実だ。だが、その全ての攻撃が全く効かない。無意味にこちらが疲弊するだけでは、終わりが見えない。むしろ、迫ってきているのか。
だからといって、この危険人物を野放しにするわけにはいかない。少なくとも、精神掌握系統の誰かが来てくれれば何とかなるはず。その時が来るまで、不死身を存分に使い切り、無限に時間を稼ぐ位なら出来るはずだ。
「【神宝】サラマンダーシールド!!!!」
「【滅罪】正直者の死!!!!」
リザレクションで、スペルを解放するだけのエネルギーは有り余っている。削がれていく精神力が尽きぬ限り、何度でも立ち上がろうとする蓬莱の不死人。ガーリックJr.を中心にした円を走りながらひたすらに撃ち込んでいく。
「鬱陶しい奴等だ。ものは試しだろう。大技でその心、打ち砕いてくれよう!!」
重心を落とすために腰を深く下ろし、、腕を胸の前でクロスさせる。二人分のスペルを喰らいながら、力を一気に溜め込んでいく。そのエネルギーは、軽い地響きを容易く起こし、ひしゃげた竹の欠片や大地が浮かび上がる。ガーリックJr.に近づいたつぶては、あっさりと砕け散っていく。
「ねぇ・・・あれ、やばくない?」
「うん・・・まずいかも・・・」
クロスが僅かに下がり、その不適な笑みが見えた瞬間だった。
「押さえ込むぞ!!!!」
「無茶言わないでよ!!!!」
「【インペリシャブルシューティング】!!!!!!!!」
「【蓬莱の樹海】!!!!!!!!」
莫大なエネルギーを込めたスペルがガーリックJr.を襲う。周囲の破壊はもう考えていない。あの技をノーガードで放たれたら、マジでヤバイ!!あわよくば発動を妨害し、最低でも余波を出来る限り狭めなくては。
そして、その決死の努力を無慈悲な声が許さない。
「楽になれ。【超爆力魔波】!!!!!!!!」
うっさー♪皆の心のアイドル、てゐちゃんでーす!!いやー。お師匠様も懲りないねぇ。霊夢の夢想封印50とかマジで勘弁な。そろそろ、バーダック君のあの技が間近になってきた!!そういえば、これならアイツをやっつけられるんじゃね?
次回、始まりのサイヤ人が幻想入り
【バーダック消滅!? 怒りのデスゾーン!!】
え?主人公でしょ?・・・・・・マジ?
新しい職場に就くことになりました!!ゆーても、時期が時期なんで、新入社員としてはかなり難しかったので、コミュニティスタートです。このまま勤め続けてのちに正社員として昇格していきたいと宣言した上での採用だったので、大丈夫でしょう。正社員までは最短で3年だそうです。流石に自惚れてはいませんが、努力は惜しみません!!目標は、正社員までに完結させる!!アレ?
ポケモンやってると、いつも思う。性格から卵技に努力値と固体値や技読み交換と、上級者クラスに登り詰めました。ここまで来たなら、今こそエメラルドとプラチナのバトルフロンティアを制覇するときだと。せっかくだし、交換せずに、自身の力だけでやってみようか。プラチナはヒコザルから始めるとして、エメラルドはどうしようか?当時の卵技と教え技をじっくり吟味してから考えるか。ラグラージのタイプ一致地震とか、ロマンあるけど、まだ我慢我慢。
さてと。次回のサブタイが、とてつもなく不穏な空気を醸し出してますね。大丈夫か?大丈夫だよね!?大丈夫なんじゃないかな・・・(関白宣言の間違った使い方一例)。ともかく、マジで冗談抜きにヤバイ展開です。その後はどうなるかって?そこは焦らしプレイで楽しめるようになりましょう。
では、今回はここまで。さ~よ~なら~さよお~なら~わすれな~いでね~これを~かいたさく~しゃを~おバカ~さん~(曲名と歌詞とAメロBメロ全部忘れたクソザコカラオケ芸人の図)