始まりのサイヤ人が幻想入り   作:白藍ハートネット

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第06話〜はじめてのだんまく〜

「・・・さい・・・・・・ックさん・・・」

 

「ん・・・むぅ・・・」

 

「起きて下さい、バーダックさん。もうすぐ日が沈みますよ」

 

「っ!!!!」

 

 

 

すごい勢いで飛び起きた。目が覚めた瞬間に、サイヤ人の細胞が歓声をあげる。

 

 

 

「・・・いよいよか」

 

 

 

窓から外を見ると、西の空が真っ赤に染まり、一部が暗くなってる。本当にこれから夜が始まるようだ。

 

 

 

「ありがとな、美鈴」

 

「いいえ、約束でしたからね。いよいよ、貴方の実力が見れるという事ですね」

 

「勝手に見てな。俺は俺のやりたいように戦う・・・」

 

 

 

ベッドを降りて、ドアに向かう。と、

 

 

 

「あの、気をつけてくださいね・・・・・・」

 

「気をつけるって、いった「はいどーもこんばんは清く正しい文ぶ「ふんっ!!」ごすっ

 

 

 

変なのがいやがった。デタラメブン屋だのマスゴミだの言われてる、クズ野郎の記者だ。よくもまあ俺の目の前に来れたものだ。

 

 

 

「んで、社会の底辺が、俺に何の用だ?あ?」

 

「あれ?もしかして怒ってますか?」

 

「もしかしなくとも怒ってるよ、お前にな・・・」

 

 

 

とんでもない新聞をばら撒き、俺の評判を思い切り突き落としたヤツだ。そりゃ怒る。そういえば、この新聞の騒動の延長で霊夢と魔理沙に攻撃されたんだったな。今思い返すと、より怒りが増す。

 

 

 

「とりあえずイラついたから、殴るぞ」ごすっ

 

「いだあ!?何をするんですか!?」

 

「予告したぞ。ついでにもう一発」ごすっ

 

「うぅぅ、屈辱ぅ・・・」

 

 

 

何とも混乱するやり取りだ。バーダックは、殴った後地下牢の扉に向かって歩く。文も付いて来る。

 

 

 

「ずばり!!試合の前の感想を!!」

 

「鬱陶しい」

 

「吸血鬼の2人を相手に、作戦は!?」

 

「お前が居なくなると、良いのが思いつくかもしれん」

 

「起きたばかりの様子ですが、準備運動しなくてよろしいですか!?」

 

「よし、新聞記者でじっくり運動するか」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「もしかして、嫌われてます?」

 

「良く分かったな。ご褒美にゲンコツをあげよう」ガツンッ

 

「・・・貴方みたいな人をサディストって言うんですね。勉強になります・・・」

 

「何か言ったか?」

 

「いえ何も!!では客席に行って待ってますね!!」ギューん

 

 

 

歩く方向に、猛スピードで逃げていった。と、言うか、

 

 

 

「客席って何だよ?咲夜とパチュリーと美鈴で見るんだろ?」

 

「あ〜・・・それが、ですね・・・」

 

 

 

 

 

「あいつの力を見るのもメンドイわね・・・」

 

「私は純粋にあいつの力を見てみたいんだぜ」

 

「宇宙の侵略者の実力を見に」キリッ

 

「さいきょーのあたいを差し置いて、楽しもーったってそうはイカのトン吉!!」

 

「どこで聞いたの、チルノちゃん・・・」

 

「大妖精の勧めで来たものの、どうも騒がしいな・・・」

 

「諦めなって、慧音。私は久しぶりの刺激に興奮してるよ」

 

「適当に歩いてたら、ここにいた!!」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

試合場に着いたバーダックは、ギャラリー席を見て引いた。結構たくさんの連中が見に来ている。見世物じゃねえのに、あのマスゴミ勝手に宣伝したな。

 

 

 

「全く、美鈴はいつになったら門番の仕事をキッチリやってくれるのかしら・・・」

 

「今回は俺の所為でもあるから、控えてくれよ・・・」

 

「おじちゃん、ご飯食べてないって聞いたけど、大丈夫?」

 

「大丈夫だ。思いっきり来なよ」

 

「うん!!」

 

 

 

ギャラリーが大分ざわついているが、無視無視。目の前にいる2人だけに意識を向ける。

 

 

 

(何か吹っ切れたのかしら?朝に出かける前とは顔つきが違う。何を見つけたのかしらね)

 

(何も難しいことは考えない。この場には、俺とレミリアとフランの3人しか居ない。この感覚が、神経を研ぎ澄ませる)

 

(本気かぁ。最初は何のスペルで行こうかな?楽しみ♡)

 

 

 

それぞれがそれぞれの思いを胸に、向かい合う。もう、準備は完全に整った。

 

 

 

「パチェ。後、どれくらい?」

 

【もう、いつでも良いわよ。貴方達のタイミングで始めなさい】

 

「何だ、これ?テレパシーってヤツか?」

 

「そう。では、そろそろ始めるわよ、バーダック・・・今更だけど、弾幕ごっこはできるわね?」

 

「あぁ、美鈴と魔理沙にルールはバッチリ聞いた」

 

 

 

バーダックはすぐさま構えを取る。レミリアフランは、翼を大きく広げ、飛び出す準備をする。

いよいよ始まる試合。外来人バーダックの力量、そして幻想郷に危険が無いかを調査する戦い。異変の解決者も見守る中、緊張が辺りを包む。

 

 

 

「・・・合図はどうする?」

 

「・・・・・・フラン・・・」

 

「んりょーかいっ」

 

 

 

フランが服を少し弄る。どこに持ってたのか、一枚のコインを取り出した。バーダックは笑った。何とも分かりやすい。フランは、コインを宙に放り投げた。

コインはクルクルと回転しながら、ゆっくりと床めがけて落ちていく。ギャラリーもコインに目が向き、緊張で息を飲み込んだ。

そして・・・

 

 

 

 

 

チャリンッ

 

 

 

 

 

レミリアとフランは左右に割れ、天井近くまで上昇した。

 

 

 

「行っけー!!」キウウウウウウウ・・・

 

「【紅符】スカーレットマイスタ!!」パウゥゥゥゥゥ・・・

 

「イキナリブッ込んできたな」ダンッ

 

 

 

姉妹の2人から、おびただしい数の弾幕が放出される。霊夢と魔理沙は目を疑った。紅霧異変に対峙した時と、桁違いだった。更には、放出されてしばらくすると、被弾してないのにも関わらず、弾けて衝撃波を当たり散らしていく。

他のメンツも、動揺している。目の前で起こっている勝負が、自分たちの理解を超えたモノだからだ。これ程の密度の中に自分がいると思うと、ゾッとしてくる。

 

 

 

「あ、あいつはどこに行った!?」

 

「今は、あそこにいますよ・・・」

 

 

 

文が空中の一点を指差す。そこには

 

 

 

「うあああああああああ!!!!!!」ジッジジッ

 

 

 

宙を滑空しながら、合間を縫って回避し続けるバーダックがいた。よく見ると、腕や脚を振り回しながら飛んでいる。

 

 

 

「嘘だろ!?素手で弾きながら飛んでるぞ!?」

 

「数だけじゃ無い、エナジー自体の密度もかなり高いのに・・・」

 

「レミィだって、分かってるはずよ。最初からアレだけ飛ばせば、負担が大きいのも」

 

 

 

「そろそろ、俺も・・・【旋風】リフレクトルネード!!」

 

 

 

胴体を軸に横に回転するバーダックの周囲に弾幕がまかれる。弾幕同士で相殺を続け、徐々に2人分の弾幕を押し返していく。

しばらくして、レミリアのカードが尽きた。フランはまだスペルで無いので、撃ち続ける。バーダックも技を解いたが、1人分に減った弾幕を相手にするのは容易いこと。躱しながらフランめがけて飛び出す。

 

 

 

「カード、行っちゃうよ!!【禁弾】カタディオプトリック!!」

 

 

 

先ほどとは打って変わって、大型の弾幕を撒き散らす。壁に当たると、爆散せずにそのままの勢いで反射していく。バーダックは躱し続けるが、不規則にあちこちから飛んでくるもので、いくつかの直撃を受けてしまう。

 

 

 

「ふう、厄介な技だな。追撃が来る!!」

 

 

 

バーダックは力を放出した。青いオーラが体を包んで、炎のように燃え上がっていく。

 

 

 

「フランも行っくよー!!【禁忌】フォーオブアカインド!!」

 

 

 

スペルを宣言したフランの体がぼやける。空間が捻れたような気持ち悪い視界に、一瞬怯んだバーダック。見逃さなかったレミリアは右の脇腹めがけて、魔装突進をかました。

 

 

 

「う、ぐぁ・・・」

 

「悪魔の瘴気をまとった体当たり。精神を少しずつ蝕ませて貰うわ!!」

 

「へへっ、そう来なくちゃな・・・」

 

 

 

「冗談じゃ無いぜ・・・レミリアのヤツあんな力を隠していやがったのか・・・」

 

「満月の魔力が密集してるんだ。密閉された地下牢の中は濃度も高いんだろう。それだけ力が充満しているんだ!!」

 

「あぁ、通りでキモってる訳ね・・・」

 

「え?ああ!?いつの間に!?」

 

 

 

凄まじい戦いの中、ギャラリーは、どんどん盛り上がっていく。そんな中、霊夢とパチュリーはバーダックの様子がおかしい事に気付く。

 

 

 

(レミリアがあいつに直接触れてから・・・質が変わった?オーラも少し色が変わってる・・・)

 

(・・・何?この違和感は・・・いったい・・・)

 

 

 

気持ち悪い視界が急に晴れた。その先に見えたのは・・・

 

 

 

「ふふふ♡いっぱい遊ぼう!!」

 

「壊れちゃダメだよ!!」

 

「4倍の弾幕に、ついて来れるぅ〜?」

 

「ふふ・・・あはははははははは!!」

 

 

 

【フォーオブアカインド】。実体のある影分身とも違う、さらに上を行く奥義が披露された。

 

 

 

「フランが4人か・・・力も4頭分、な訳ねぇか・・・・・・んっ!!!!」

 

 

 

文字通り4倍の密度になった弾幕がバーダックを襲う。

 

 

 

「ちょ、うわっ!?こらあ!?私の動きも封じてどうする!?」

 

 

 

何故かレミリアも一緒に襲われている。これは選択ミスだろう。せっかくの2vs1なのに、連携が全く取れそうに無い。むしろ、味方の首を絞めている。もちろん、無邪気に弾幕ごっこを楽しむフランに、そんな事を考える余地は無い。

 

 

 

「うあだだだだだだだだだ!!」

 

 

 

バックで滑空しながら、被弾しそうな弾を選んで、気弾を一発一発打ち込んでいく。躱しきれない分を持ち前の戦闘勘で補うバーダック。すると、背中に違和感を感じた。その正体は、

レミリアがバーダックに必死にしがみついていた。

 

 

 

「・・・何してる、レミリア」

 

「避け切れるもんか!!悪いけど、終わるまであんたの後ろに隠れさせてもらうわよ!!不本意だけど!!」

 

「弾幕自体は通常弾だろ。終わりそうにねえよ」

 

「合間を縫って、フラン本人を攻撃しなさいよ!!」

 

 

 

ギャーテーギャーテー

弾幕が飛び交う音で既にうるさいのに、レミリアは鬼の形相で叫ぶ。

 

 

 

「・・・今だ!!【乱舞】破魔の龍星!!」

 

 

 

バーダックの体が輝き、全身から放出したかのような太い光線が一体のフランを襲う。

 

 

 

「あ・・・うあああぁぁぁぁ・・・・・・」

 

 

 

被弾すると、推進力が急に落ち、その場で固まる。

 

 

 

「あれは・・・」

 

「どんな仕掛けになってる!?」

 

 

 

急に爆発音がしたかと思ったら、針状になった気が全方位にばら撒かれる。

 

 

 

「あああぁぁ・・・・・・」

 

「痛ああああぁぁぁ・・・・・・」

 

「あ・・・うぐぅ・・・はぁ、はぁ・・・」

 

 

 

2体目3体目はいくらか被弾して、消えていった。4人から1人に戻され、カードが終了する。

 

 

 

「終わったぞ、お嬢さん」

 

「・・・うん、ご苦労であった・・・・・・」

 

「顔赤いぞ。熱でも出たか?」

 

「〜〜〜っ!!!!バカァ!!!!!!【獄符】千本の針の山!!!!」

 

「いいぃ!!!???」

 

 

 

ゼロ距離から無数のナイフ状の弾幕を受ける。不意打ちでもあり、全弾の直撃を喰らってしまった。

今回は完全に私情が詰まった一枚だったため、また連携の取れない形になってしまった。

徐々に魔霧が晴れていく。そこにいたバーダックは・・・

 

 

 

「う・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・本当にナイフだな・・・殺傷力あり過ぎだろ・・・」

 

 

 

全身に大きな斬り傷が刻まれ、大量に流血している。「出血」でなく「流血」。その光景に、ギャラリー席ではパニックが起こった。パチュリーは余りのグロテスクさに、吐き気をもよおした。魔理沙と慧音は見ていられなくなり、目を背ける。文も写真に収めて良いものか、動揺している。妹紅は不死である自分の体で、早苗はホラー映画で、咲夜はナイフによるモノだったので、それぞれに耐性があるようだ。美鈴は、凄い戦いを一瞬たりとも逃すまいと、凝視している。チルノと大妖精にはやはり刺激が強すぎたのか、失神してしまっている。

霊夢だけは冷静を保っている。先程見えたバーダックの異変の規模が、徐々に大きくなっている事に気付いていた。

 

 

 

「私たちは残り1枚ずつ。これで決めるわよ!!」

 

「行っくよー!!」

 

「瀕死目前か・・・俺も、そろそろ出してやる・・・フルパワーを・・・!!」ギュンッ

 

 

 

「アイツ、今なんて言った!?」

 

「これからフルパワーだと!?」

 

「あやや・・・バケモノですね・・・くわばらくわばら・・・」

 

 

 

(・・・・・・やっぱり違う!!さっきまで青かったのに・・・)

 

 

 

「かああぁぁぁぁああぁぁぁ・・・」ギギギギ

 

「・・・何だ?何かおかしい・・・これは、魔力!?」

 

 

 

「パチュリー!!あいつを見て!!あの漏れてる力、見覚えあるでしょ!?」

 

「・・・うぷ、何言って・・・っ!?」

 

 

 

さらに上昇していくバーダックのエナジーの変化に誰もが気づいた。レミリアはある違和感を感じた。この変身は、金色のオーラをまとうはず。なのに、この色は・・・

 

 

 

さっきまで青いオーラを放っていたのに、徐々に色が変化していった。その色は・・・

 

 

 

バーダックのエナジーの中に感じる、この魔力は・・・

 

 

 

 

 

紅い悪魔【スカーレットデビル】そのものだ!!

 

 

 

 

 

「っはぁ!!!!!!!!」

 

 

 

バーダックは金色の変身、【超サイヤ人】を完成させた。逆立った金色の髪の毛。まっすぐ見ると、吸い込まれてしまいそうな美しい碧眼。体から漏れ出るオーラの色は・・・紅色だ。

驚異の変身に誰もが驚きを隠せない。だが、レミリアとフランは今勝負の真っ最中。落ち着きを取り戻して、スペルを宣言する。

 

 

 

「【神槍】スピア・ザ・グングニル!!」

 

「【禁忌】レーヴァテイン!!」

 

 

 

巨大な魔力が2人を包み、槍と剣が形成される。もちろん、エナジーの密度も霊夢達に使用した時とは桁外れ。人間が対峙すれば、恐怖だけで狂い死にしてしまいそうだ。

だが・・・

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・?どうしたの?貴方もスペルを宣言しなさいよ」

 

「いらない」

 

「・・・ふぇ?」

 

「決めたんだ。真正面から堂々と受けるってな・・・」

 

「「・・・・・・」」

 

 

 

バーダックの発言に、この場にいる全ての者が息を飲む。汗が滴り落ち、それでも拭きに行く余裕が無い。凄まじい弾幕ごっこに、決着が突こうとしているのだ。

 

 

 

数秒・・・いや、数分経ったかもしれない。時間を感じることもままならなくなっていた。そして・・・

 

 

 

「「うああああああぁぁああぁぁあああ!!!!!!」」

 

「だあああぁぁぁあぁああぁあああ!!!!!!」

 

 

 

三つの強大な魔力が、正面からぶつかった!!




よう、バーダックだ。一体、どうなっちまったんだ、俺の身体?紅いオーラなんて、一度も出したことねえってのによ。霊夢が魔力がどうとか・・・だあああ!!よく分からん!!とにかく、レミリアとフランのスペルが目の前にいるんだ!!強敵にサイヤ人の血が騒ぐ・・・行くぞおおおおお!!!!!!
次回、始まりのサイヤ人が幻想入り
【暴発の神槍!? 新たなサイヤ伝説!!】
絶対に観てくれな!



はい、如何でしたでしょうか?バーダックのスペルカードが登場しました。でも、皆さんの興味は一つしか無いでしょう。新たな超サイヤ人伝説がベールを脱ぎます!!ご期待ください!!
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