始まりのサイヤ人が幻想入り   作:白藍ハートネット

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第08話〜能力命名 大妖怪の助言〜

「【終止符】ファイナルスピリッツキャノン!!!!」

 

 

 

かつて、フリーザが惑星ベジータを破壊した際に、最後の抵抗にバーダックが使用した技。そして、過去の惑星プラントでチルドの抹殺に使用した技。バーダックにとって、これ以上の技は存在しない、信頼のあるスペルだ。渾身の魔力をこめて、バーダック・グングニルめがけて解き放った。

 

 

 

「下降しろ!!矛先を上に!!」

 

 

 

槍を3つのスペルが削り、電磁波と破壊音で声は届かない。だが、スカーレットデビルの魔力の影響で、微弱ながらテレパシーを送ることが出来た。霊夢と魔理沙に届き、2人は下降していった。逆に、バーダックは上昇、矛先を下に向ける。これで地上への被害は完全に無くなった。

2人のスペルは真上に、バーダックのスペルは真下に撃つ状態になった。徐々にバーダックのスペルの中に槍が飲み込まれていく。

槍はバーダックのスペルに完全に取り込まれ、それを確認した霊夢と魔理沙はスペルを解いた。コントロールにより、空中で静止したバーダックの魔力。

 

 

 

「弾けろ!!!!」

 

 

 

拳をグッと握りしめ、エナジーを爆散させた。グングニルは消失し、メンバーに安堵の時が訪れた。

バーダックは霊夢の元へ飛んだ。

 

 

 

「その・・・悪かったな・・・ゴメン・・・」

 

「あ・・・いや、良いわよ・・・」

 

 

 

素直に謝られ、文句を言う気が失せてしまった。魔理沙にしろ、大抵の奴は言い訳を言い放つ。自分の非をあっさり認めたので、どうも気が狂う。

 

 

 

「ふう・・・まさか、あんなヤツに良い所を持っていかれるなんてな。悔しいな・・・」

 

 

 

全員が力みを解くと・・・

 

 

 

「「「「「っ!!!???」」」」」

 

 

 

スペルを放った全身に激痛が走った。突然の痛みに飛んでいられなくなり、落下していく。まだ動けるバーダックと咲夜で受け取りに飛び回った。咲夜は文と美鈴を両腕を使って抱える。バーダックの方を見ると

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

絶句した。右腕に霊夢、左腕に魔理沙を抱えている。そこまでは良い。問題は、早苗を掴んでいるのが、脚だ。見た目が余りにも乱暴だ。・・・・・・まあ、あの早苗だし良いか。

 

 

 

「なあ、咲夜。こいつらどうする?」

 

「えーと・・・スペルを壊すなんて無茶をしたから、負担が大きかったのでしょう。永遠亭に連れて行きましょう」

 

「永遠亭?」

 

「簡単に言うと医者ですよ。こっちです」

 

「ああ、分かった」

 

 

 

2人で5人を抱えて竹林に向かう、はずだったが・・・

 

 

 

 

 

「近道なさりませんか?」

 

 

 

 

 

後ろを振り向くと、空間に裂け目が出来ていた。そこには、夜中にも関わらず日傘を差して、紫のドレスを着た妖艶な女性がいた。上半身だけ。

 

 

 

「スキマ妖怪・・・」

 

「誰だ、あんた?」

 

「自己紹介は致します。ですが、その5人を休めなくてはいけませんわ。こちらへ。永遠亭へ連れて行きますわ」

 

「「・・・・・・」」

 

 

 

少し迷ったが、腕の中で魔理沙が苦しそうな呻き声を漏らしたので、仕方なく近道させてもらうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキマを通ると、そこは永遠亭の門の前だった。バーダックは、後ろを振り向いて、竹林を見る。

 

 

 

「妙な森だな・・・頭が変になりそうだ」

 

「迷いの竹林ですわ。1人で歩き回らぬようにお願いしますね」

 

「あぁ」

 

 

 

中に歩いて行くと、兎の耳の制服姿の少女がやって来た。

 

 

 

「わっ!?急患がこんなに!?こちらへどうぞ!!」

 

「藍に頼んで治療の準備は済ましてあるわ。行きましょう」

 

「分かった・・・咲夜?」

 

「あのスキマ妖怪が、歩いて移動するのが、どうも気持ち悪くて・・・」

 

「??」

 

 

 

スキマ妖怪こと、八雲紫の存在なんて何1つ知らないバーダックにとって、その発言の真意は分かるはずもなかった。

兎少女こと、鈴仙=優曇華院=イナバに案内されたのは、1つの大きめの部屋。そこには、先客がいた。

 

 

 

「お嬢様!?どうしてここに・・・いや、大体分かりました」

 

「うん、拉致られたのよ・・・」

 

「おじちゃん、大丈夫なの?」

 

「あぁ、もう大丈夫だ。悪かったな」

 

 

 

拉致の言葉に反応しないバーダック。もう、色々と反応するのも面倒だと思ったようだ。

少し待ってると、銀髪の大人の女性、金髪で九つの尻尾の女性、二つの尻尾の少女が入ってきた。

 

 

 

「うーん・・・分かってはいたけど、とんでもない無茶をしでかしたわね。貴女とあろう者が」

 

「うっさい・・・」

 

「無茶?」

 

 

 

バーダックはこの場で霊夢らがスペルを壊したことを知った。てっきり、全力解放したとしか思ってなかったのだ。

 

 

 

「スペルカードは、その者の魂に直結して連動しているの。だから、宣言するだけで直ぐに発動できるということ。お分かり、バーダックさん?」

 

「分かったけどよ、そろそろあんたの名前を教えろよ。後、さっきのぐにゃぐにゃな空間もな」

 

「分かりました。藍、橙、こっちへ来なさい」

 

 

 

「私は、八雲紫。幻想郷創世の1人者の大妖怪ですわ」

 

「八雲藍。紫様の式神で九尾の狐です」

 

「橙だよ。藍しゃまの式神。よろしくね」

 

 

 

「・・・・・・式神?」

 

 

 

まず、そこから聞くバーダックに、その場がコケる。そりゃそうだ。地球出身の独特な文化を、地球を全く知らないバーダックが聞いても分かるはずがない。唯一分かるのは、カカロットが送られた星だという事だけである。

 

 

 

なお、式神の説明が終わる頃には、3人の名前を忘れてしまった模様であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このパターンは、私の管轄外だわ。役に立てずにごめんなさい」

 

「別に構わねえよ、帰る気なんてさらさら無いし」

 

 

 

普通に話す紫とバーダックに、治療を終えた霊夢が痺れを切らす。

 

 

 

「紫!!こいつの力を見て、危険と思わないの!?」

 

「この方に、破壊行為の意思は一寸も無いわよ」

 

「でも・・・」

 

「聞きなさい、霊夢。この殿方の力は確かに脅威よ。でも、能力は幻想郷に救いを与えることが出来るの」

 

「は?」

 

 

 

いきなり能力の話になり、反応に困る霊夢。魔理沙は、興味津々に食いついてきた。

 

 

 

「こいつにも能力が!?教えろよ、紫!!」

 

「レミリアが言ってた、【未来が見える程度の能力】じゃ無いのか?」

 

「その未来視は、本来の能力の副産物よ。ついでに言うと、貴方の紅い変身も能力による変化よ」

 

 

 

バーダックも食いついた。名前だとショボイ、と三日間嘆いていたが、これからの未来にはかんけいない、カカロットの戦う姿が見えたことから、改名してやりたいと密かに思っていた。そのチャンスが目の前に。

 

 

 

「中途半端なネーミングじゃ無えだろうな?」

 

「まさか・・・言うわよ。バーダック、貴方の所有する能力は・・・」

 

 

 

全員が息を飲んだ。

 

 

 

 

 

「【世界を映す程度の能力】と言いましょうか」

 

 

 

 

 

「・・・・・・はい?」

 

 

 

イマイチ、いや100%ピンと来ない。どういうこった。

 

 

 

「貴方が見えたという未来は、未来における世界を瞳に映したためよ。触れたものや見たものに関連する【貴方にとって重要な何か】を瞳に宿したのよ。フリーザやカカロットについて見えたのは、そういう事」

 

 

 

説明してくれたようだが、本人はやっぱりイマイチ分かってない。そもそも、カナッサ星人の呪いか何かと思っていたため、そこまで深く考えなかったのも理由に上がるが。

 

 

 

「じゃあ、紅の変身はどういう事だ?」

 

「アレはおそらく、スカーレットデビルの魔力が充満する中で、その世界を貴方の身体に映した。と言った感じかしら?」

 

「・・・??」

 

 

 

やはり、予備知識が全く無いため、バーダックにとってはチンプンカンプンの様だ。だがしかし、

 

 

 

「世界を映す・・・か。なんか、カッコイイな!!」

 

 

 

そっち系の魔理沙が、目をキラキラさせている。

 

 

 

「世界を映す、ねえ。んで、救いを与えるって、どういう訳なの?」

 

「俺も知りたい。能力がどう影響を与えるのかがな」

 

 

 

霊夢の問いにバーダックが乗る。

 

 

 

「この方の血筋は、元々世界に対して【絶望】と【希望】を与え続けています。意志から、絶望を与える事はまず無いわね。どんな時も希望を与え、世界を導く者となる・・・まあ、どんな時も云々は、私の予測ですけどね」

 

「何よ、煮え切らないわね・・・」

 

「とにかく、今のところ幻想郷に害悪は一切無いわ。起きたら、その時に排除すれば良いわ」

 

「は・・・排除・・・あっさりと怖い事言うんだな、あんた。良いけどよ・・・」

 

「は!?」

 

 

 

自分が排除される時がいずれ来るという事実を、あっさりと認めたバーダックに、魔理沙が素っ頓狂な声をあげる。

 

 

 

「俺の存在が害悪を与えてしまうと分かったら、すぐに俺を始末すれば良いさ。俺はもう、破壊は一切したく無い。間接的にもな」

 

「結構ですわ」

 

「おいおい・・・」

 

 

 

自分の死に恐怖を持たない男に、少し戸惑う魔理沙。

バーダックは、惑星ベジータの爆発とつまらない世界からの脱出の賭け、二つの死の運命を辿っている。どちらも運が良かっただけなのだ。今更生き長らえたいなんて思ってない。いずれ来るであろう死の未来が来れば、その時は自ら受け入れるつもりでいるのだ。

 

 

 

「やっぱり、そこらの男共とは意志の硬さが違うみたいね」

 

 

 

あれこれ話していると、さっき治療してくれた女性、八意永琳がやって来た。

 

 

 

「あ、師匠。この方が・・・・・・姫様!?どうしてここに!?」

 

 

 

鈴仙の言葉に、霊夢魔理沙咲夜レミリアがこれでもか、という程の勢いで振り向いた。何事かとバーダックも振り向いてみる。

そこには、とても美しい女性がいた。表現できないほどで、バーダックも少し見とれてしまうほどだった。

 

 

 

(・・・はっ!?いかんいかん。俺にはギネがいる・・・)

 

「私は、永遠亭の姫君、蓬莱山輝夜よ。よろしくね」

 

 

 

姫君ということを知り、礼儀として挨拶をしようと姿勢を整えようとすると・・・

 

 

 

「貴方ね、最近やって来た外来人というのは・・・今日の要件は紅魔館の妊娠かしら?」

 

 

 

爆弾発言に紅魔組と霊夢魔理沙バーダックが吹いた。

 

 

 

「おいコラ!!どこ情報・・・・・・アレか!!すっかり忘れてた!!??」

 

「んな事してないわよ!!何を言い出すのよアンタ!!??」

 

 

 

ギャーテーギャーテー!!

事あるごとにこの表現を使わないといけないのだろうか?正直、定番になりつつあるため、今更変えられない。

 

 

 

「ま、冗談はこれくらいにして、バーダックと言ったわね。貴方の服を拵えました。」

 

「は?服だと?」

 

「そんなボロついた鎧みたいなのを着続けるつもり?客人へのプレゼントよ。有難く受け取りなさい」

 

「ああ、ありがと・・・」

 

「貴方の格好から、着方もろくに分からないでしょうから、教えてあげるわ。こっちに来なさい」

 

「あ、あぁ・・・ありがと・・・」

 

 

 

別室に向かう2人を見ている居残り組。その半数が思ったことをまとめると。

 

 

 

(あのグータラ姫が、働いてる・・・だと・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着せてきたわ。我ながら良い出来栄えだと思うの。お披露目するから、こっちに注目して」

 

 

 

新しい姿のバーダックと聞き、ずっと楽しみにしているフランを始め、輝夜が作った服がとても気になってる霊夢達。それぞれの思惑は違えど、興味はあるようだ。

バーダックが帰ってきた。青の胴着に黒いベルト、濃い緑のズボンを履いている。胴着の襟元はグレーのセーラーのような物が付属されている。ベルトには、赤と金の小さな珠が埋め込まれている。両手のアームカバーと額のハチマキは健在だ。胸には不思議な紋が刺繍されている。

 

 

 

「わー♪おじちゃんカッコイイ♡」

 

「似合っていますよ、バーダックさん」

 

「流石月のお姫様。良い仕事をするではないか」

 

 

 

フラン紫藍が絶賛している。が、他のメンツは、バーダックの尻の辺りから生えているあるものが気になっている。

 

 

 

「バーダック・・・それ、尻尾・・・?」

 

「へ?ずっと出してたが?」

 

 

 

そう。プロテクターの腰の部分に巻いていた尻尾は、何かの飾りか変わったベルトだとずっと思い込んでいた。それが、実は尻尾でした。なんて事実を見て、やや動揺している。

 

 

 

「お前、宇宙人なのか妖怪なのか微妙だったんだな・・・」

 

「尻尾だけあるってのもどうも違和感感じるわね・・・」

 

「お猿さんの尻尾?ペットにしても良い?」

 

「・・・・・・」ウズウズ

 

「どうした、橙?」

 

「飛び付きたいです・・・アレ・・・」

 

 

 

それぞれで思うことは多々あるようだ。

色々あって忘れているかもしれないだろうが、今は夜中。むしろ、かなり時間が経ってるため、もうすぐ夜明けである。

 

 

 

「なあ、そろそろ寝たいな・・・なあ、良いだろ?」

 

「良いわよ、治療費と下宿代は出世払いで構わないわ。バーダックさんはタダで良いですよ」

 

「何!?金とるのかよ!?」

 

「むしろ、夜中に仕事を押し付けられてタダ働きなんて許されるのかしら?」

 

「ぐぬぬ・・・」

 

「紅魔館は裕福だからね。ゆっくり休ませてもらうわよ」

 

 

 

魔理沙がレミリアの発言にイラっとして、殴りかかった。魔法使いが物理で殴りかかった。

 

 

 

「相変わらず賑やかな連中だな・・・」

 

「バーダック君といったな。私の名前は覚えてくれたかな?」

 

「えっと・・・藍だっけ?」

 

「うん。紫様はいつも気まぐれでな。聞かなかったようだけど、私から聞いても良いかな?」

 

 

 

バーダックの隣に座り、訪ねてきた九尾の狐。尻尾が邪魔そうだとチラ見して思ったバーダック。寝るときとかどうしているのだろうか。・・・うつ伏せ?

 

 

 

「幻想郷はどんな感じだい?人妖、神に幽霊。仙人などまだ君の知らない色々な者たちがいる。かつては争い合ったが、今となっては同じ世界を生きる仲間だ。幻想郷は全てを受け入れる。例え、破滅でもね・・・」

 

「・・・・・・」

 

「紫様は基本放任してしまうから、私が問おう。この幻想郷で共に暮らしたいと心から思ってくれるかい?」

 

 

 

破滅さえも受け入れる。その言葉は、選択肢を大きく揺さぶる要素だろう。自分のせいで平和が崩され、沢山の者が死んでしまうかもしれない。そうなった場合、自分に責任が取れるのか。それ以前に拒絶されたまま孤独に消えていくことだってある。それは、どれほどに辛いことになるだろうか。

だが、フリーザに裏切られ、仲間のサイヤ人からも馬鹿にされ、たった1人で戦い敗れた戦士。その時点でもう決めている。

 

 

 

「俺はもう終わった人間だ。2度も運に恵まれただけの命。今更怖いとか不安は無いよ。それよりも、俺の知らない世界が目の前にある。ただ真っ直ぐに向き合いたい。だから・・・」

 

 

 

バーダックには邪神は無い。穏やかな心を持ち、愛情さえも知った1人の戦士。美しい世界で生きることができる。その世界の救いになるかもしれない。幻想郷は全てを受け入れる。ならば、答えは一つ。

 

 

 

 

 

「俺はこの幻想と共に生きる」

 

 

 

 

 

真っ直ぐと純粋な瞳をしたバーダックに、この場の全ての者が一瞬見惚れた。そして、声を合わせた。

 

 

 

 

 

「幻想郷へようこそ!!」




よう、バーダックだ。おいおいレミリア。寺子屋って何だよ?勉強するところ?今更何言ってんだ。俺はもう大人だぞ。ガキに混じってお勉強とかねえからな。・・・パチュリー?その煙沸かしてる液体は何事だ!?
次回、始まりのサイヤ人が幻想入り
【あぽときしんでご入学?】
イヤな予感しかしねぇ・・・



はい、第8話でした。輝夜が作った服は、下のほうに張り付けました。作者の都合上、モノクロの表現ですが、ご了承ください。カラーにすると画力が・・・。
今回で第1章は終了です。第2章では、平和な日常と幻想郷の住人とのトラブルをメインにほのぼのと作っていきます。自動車免許の回みたいな感じでご視聴ください。・・・予告でバレバレですけどねww
閲覧ありがとうございました!!
【挿絵表示】
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