ダンジョンに家族(てんせいしゃ)がいるのは間違いじゃないだろうか 作:口から砂糖会
更新しました。よろしくお願いします。
6/8 修正しました。ご指摘いただきました鬱之宮さま、ありがとうございました。
――迷宮都市、オラリオ
「――着い、たぁ~~!迷宮都市、オラリオ!!すごい、高い塔!美味しそうな食べ物!たくさんの人がいr・・・・・・」
「――うるさい」
「痛い!」
「田舎者丸見えです。兎が鍋背負っていることを教えてどうするです」
「兎じゃなくって鴨だよね、それ!?」
「ベルおにい――現実を、受け止めるですよ」
「どういう意味!?ねぇ、どういう意味!?」
「さて、これからここで過ごすのですから、観光は置いといて、目的を優先です」
「流された!?ちょっと、鈴姉!?」
「はいはい、道のど真ん中で立ち止まると神様に轢かれるですよ?」
「神様を馬車かなにかと同じ扱い!?」
村に行商で来てくれていたおじさんに乗せてもらって、私とベルはオラリオにやってきた。
着いて早々、暴走しようなベルの手を引っ張って、街中を進んでいく。
すっかり元気になったベルを半ば無視するように、物事を進めていく。
「まず、ベル。宿を見つけよう」
「え?冒険者になりに行くんじゃないの?」
「手続きにかかる時間が分からない。その上、商人のおじさん曰く、ファミリアに所属しないとダメです。そして、私たちはファミリアについて何も知らないです。ファミリアの情報を集めて、そこから合いそうなのを――」
「そんなことしないで、直接ファミリアに行って、入れてもらえばいいじゃないか?」
「はぁ、随時団員募集しているファミリアがあるとは思えないのですが……弟くん、お手を拝借」
「え?」
「はい、じゃんけんーー」
「あ、と!?」
「「ぽん」」
「--負けです。んじゃ、適当にファミリアを見てくるといいです」
「え、いいの?」
「まぁ、百聞は一見にしかず。案ずるより産むが易し。やり方はそれぞれです。ベルのやり方でやってみるです」
「あ、うん、ありがとう、鈴!行ってくるね!」
「裏道とかにあるファミリアに行くなです。知らない人にはついていくなです。落ちているものを拾って食べるなですよ」
「子供扱いしないでよ、行ってきます!」
拗ねるような表情を浮かべながら、ベルは街中へ消えていく。
「――まぁ、ベルの運はそっちを求めているようだし。悪いようにはならないでしょう。玉砕も社会勉強です」
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「無事、ファミリアに入れたよ、鈴!」
驚きのあまり、口に含んだ水をベルにぶっかけてしまった私は悪くない。
そして、慌てるベルを無視して、宿屋のど真ん中でひん剥いて、背中の【ステイタス】を確認したのも悪くない。
「――だから、私は謝らないです」
「時と場所は考えてよ!?うう、通りすがりの神様たちに見世物と思われて、おひねり投げられたし」
「あぁ、下もいけぇ!って、神も女神も関係なしに目が血走ってたです。いったいどこから現れたです。床下?たんすの隙間?」
「鈴ねえちゃん、今度は神様を虫と同じ扱いしてない?」
「キノセイデスヨ」
翌日、ベルを連れて、街中を歩く。
ベルのファミリアの神(ヘスティア様)に会いに行くのである。
ベル曰く、とても良い神様とのことだが、直接会ってみないと分からないこともある。
昨日の神々と同じように、楽しいに飢えている神かもしれない。
ベルを振り回す神かもしれない。
そこまでならいいが、将来的にベルを見なくなる神かもしれない。
ベルが選んだ神なら無いだろうが、万が一を超えて億が一の可能性も無くしたい。
「――と、思ってたのですが」
「君がベルくんの家族かい?どうだい、君もボクのファミリアに入らないか?」
目の前にいる神様を観察してみる。
まずは美少女である。
艶のある漆黒の髪が腰まで伸びたツインテール。
ベルと同じくらいの身長の私よりも小さい容姿。
そして、幼い容貌と反して豊かに成熟した胸元を力いっぱい張っている。
頭の中に【例の紐】とかいう単語が出てくるが、それは流しておく。
「――ベル?」
「いや、鈴?その、初めて見るような優しい表情は何?」
「いえ、男の子なんだなぁっと思ったのですよ。母性の女神さま、不束な家族ですが、末永くお願いします」
「だからなんで!?」
「おいおい、どうしたんだい?突然兄妹喧嘩するんじゃないよ?」
思わず、ベルの成長というか別のセイ長に感動して暴走していた。
その後、ヘスティアさまと話し合い、そのおかげで心配事は無くなっていった。
「――では、改めまして、ベルをよろしくお願いします」
「って、やっぱり君はボクのファミリアに入ってくれないのかい?」
「そうだよ、鈴姉も一緒にいようよ?」
「うん。入りたいけど、でも、ダメ。それじゃ私もベルもダメになる」
「うん?君らがダメに?」
「はい。今回、ベルは自分の力で貴女と出会いました。私と一緒だとベル兄の可能性を制限してしまう。それに、私はベル兄ちゃんに甘えてしまう。少し、ベル離れが必要だと思ったですよ」
「すずぅ・・・・・・」
「はいはい、もう決めたのです。では、私のファミリアが決まったら、挨拶に来るです。それでは」
ぺこりっと頭を下げ、その場を後にする。
「--あ、ベル。初夜は優しくするですよ?」
「「君(鈴)は何をいってるんだ(の)!?」」
二人とも顔が真っ赤である。
ああ、甘い甘い。
ーー夜
「べ、ベル君?」
「神様はベッドで休んでください。それと、鈴ねぇの悪ふざけは忘れてください」
「う、うん、って君の方がベッドで休んだ方がーー」
「ダメです。神様は女の子なんですから。僕の男の意地を守ると思って、ベッドで休んでください」
「お、女の子!?う、うん、おやすみ///」
「はい、おやすみなさい」