ダンジョンに家族(てんせいしゃ)がいるのは間違いじゃないだろうか 作:口から砂糖会
次回あたりからようやく原作に入れるかな?
ーー3日後
ベルのファミリア騒動から3日がたった。
その間、私はファミリア情報を集めた。
そこから、あるファミリアを決めた。
「――さて、ここですね」
オラリオ西のメインストリート。そこから少し外れ、路地裏に入った日当たりが悪く、軽くじめじめとした場所に立った一軒家がそこにあった。
そこの入口には看板のように五体満足の人の身体を模したエンブレムが、ファミリアのエンブレムが飾られていた。
「――失礼、です」
両開きの木扉を開け、身体を室内に滑りこませる。
薄暗い店内がそこにあり、掃除の途中だったのだろう。はたきを片手にこちらを見ている獣人の女性が店の奥にいた。
「いらっしゃい。――あまり、見ない顔……」
「つい最近こちらに来たばかりです。名前は鈴・クラネルと言うです」
「……ナァーザ・エリスイス。それで、何の用?」
「はい、【ミアハ・ファミリア】に所属したいです」
そう言った瞬間、半分瞼の下りた瞳が、殺気立つものに変わり、こちらを睨みつけてくる。
「――ひやかし?帰れ」
「冷やかしできるほど趣味悪くないです」
「なら、私達のことをよく知りもしないからそんなこと言う――」
「莫大な借金があることですか?団員が貴女しかいないこと?収入がお店だけで、基本的に生活が火の車なところ?主神さまがお人好しで、よく商品のポーションとかを無償であげてしまい、さらに女の子をよく誑し込んでしまうような方であること?」
「ーー!?」
「その辺は承知です。その上で、所属を希望なのです」
「――なんで?他にも条件のいいファミリアなんて山のようにあるじゃない」
「……率直に言えば、薬師ギルドというのと、主神様がとあるファミリアと相性が良いから、という打算ものです。――ヘスティアファミリア。ウチの家族が所属する、つい3日前設立されたファミリアです。できたばかりで金なし、暇なし、縁なしのファミリアに縁を結びたいのですよ。大きいとこだと新人がそんなことお願いできませんし、ね」
「ずいぶん正直ね」
「でも、悪い話ではないですよ?あの子はダンジョンに潜る気満々だから、ポーションは必須だし、ある程度収入を安定させれますよ?」
そこでナァーザは黙り込む。鈴の語った話を思案しているのだろう。
「――ダメ。話は美味しいけど、貴女から危険な気配がする。それを、ミアハ様に巻き込みたくない」
「……です、か。――では、次の手段ですね」
ガランガランッ
「戻ったぞ、ナァーザ。ん?お客、かな?」
「――!ミアハ様、離れt--」
「始めまして、ミアハ様。いきなりで恐縮ですが、私困ってるです。貴方のファミリアに入れてくれませんか?」
「む?お主、困っているのか?かまわんぞ?」
「ありがとうございます。--という訳でよろしくお願いします、です。ナァーザ団長?」
「――――(パクパクパク)」
あっけなく主神によって決定されてしまい、言葉を無くした獣人女性の姿がそこにあった。
・
・
・
・
・
・
「――ナァーザはなぜ、あんなに怒っておるのだ?」
「女心は難しいのです、主神様?」
「うむ、わからん」
「でも、分かる努力はしとくべきですよ?ナァーザさんは大切な家族(ひと)なのでしょう?」
「ふむ、わかった。確かにナァーザは大切で、愛する家族(もの)だ。努力しよう」
「よかったですね、団長さま?」
「――うるさい。黙って//////」
反対したい。しかし、主神が決定してしまったため怒っていたナァーザだったが、その主神から勘違いしてしまうような言葉が出てきて、赤く染まる表情と揺れる尾を隠せずに壁際に立っていた。
「――では、【神の恩恵】を刻むぞ?」
「えぇ、お願いするです」
店の奥にあった寝台で横たわり、背中を露出させる。
「――ナァーザ団長?さっきの話ですけど、もう一つ、重要な理由があるですよ」
「んん?何の話だ?」
「私が、なぜこのファミリアを選んだか、です。そして、言ってなかった理由は、ミアハ様。
「ん?それはどういう――なんだ、これは…………?」
「?どうしたの?ミアハ様」
「あぁ、【神の恩恵】が刻み終わったのですね。そして、どんな面倒事が刻まれました?」
「――見て、もらった方が、説明しやすいだろう」
絶句していたミアハ様だが、覚悟を決めたように近くにあった紙に、刻まれた【神の恩恵】の内容を写していく。
そして、鈴の目の前に出された紙には、こう書かれていた。
鈴・クラネル
Lv.1
力:I 0 耐久:I 0 器用:I 0 敏捷:I 0 魔力:I 0
≪魔法≫
【 】
≪スキル≫
【魔除の鈴】
・魔物との遭遇をしにくくなる
・効果補正はLvに比例する
【支援者】
・支援的行動に対する補正
・能動的行動に対する補正
「――率直に言おう。鈴よ、お主は冒険者にならない方がいい」
「なぜですか?」
「……お主のスキル。初見のものだが、その説明を見る限り、【魔除の鈴】は効果がLvに比例するというのなら、遭遇するのはほぼ格上になるということだろう。そこに次のスキル【支援者】。支援と能動的行動に補正というのなら、支援では+の。能動的には-の補正がかかるのだろう。ただでさえ格上の戦いに、能動的、つまりお主からの攻撃に-補正が入るというのなら、結果は目に見えている。まともにダメージを与えられないということだ」
「……………」
「ただでさえ命がけの冒険者で、攻撃が出来ない。ならば、致命傷だ。もう一度言う。お主は冒険者になるべきでない」
にっこり微笑んでいた顔がこちらを睨むような表情でこちらを見ていた。
「……はぁ、どうしよう」
今日のベルくん
「神様、これを」
「なんだいベルくん?--これは、リボン?」
「はい、見てたでしょう?だから、神様へプレゼントです」
「な!こんなのを買うよりも君のためになるものをーー」
「神様の、笑顔が見たかったんです。僕のためですよ、神様?」
「ベル君……あ?」
「最初はつけさせてくださいーーはい、できました。似合ってますよ?」
「あ、ありがとう//////」
「どういたしまして」
家族(すず)の影響で、少し女の子の扱いがたらしのベルくんが存在します。